ホームページの原稿の書き方とテンプレート|渡す前の準備
ホームページの制作を頼んだら、制作会社から「原稿をご用意ください」と言われた。何を、どれくらい、どんな形で書けばよいのか分からず、手が止まってしまう。ホームページの制作が遅れる原因でいちばん多いのが、この原稿の用意です。
この記事では、原稿の用意を求められた担当者に向けて、原稿を誰が書くかの決め方、ページごとのテンプレート、書く順番、写真の添え方、制作会社への渡し方を説明します。差し戻しになりやすい原稿の例と、ほかのサイトの文章を使うときの注意もまとめました。
原稿は誰が書くか
| 形 | 発注する側がすること | 向いている場合 |
|---|---|---|
| 自社で書く | 全ページの原稿を書く | 事業に詳しい人が社内にいて、時間が取れる |
| 下書きを整えてもらう | 箇条書きや下書きを用意する | 中身は分かるが、文章にするのが苦手 |
| 取材して書いてもらう | 取材に答え、書き上がった原稿を確かめる | 社内に書く時間が無い |
どの形でも、事実の確認は発注する側の仕事です。料金、所在地、許認可、事業の内容が正しいかは、制作会社には分かりません。取材して書いてもらう場合も、最後は自社で読み、事実を確かめます。
どこまでを誰が担うかは費用に響きます。見積もりの段階で、原稿の用意が含まれているかを確かめておきます(ホームページの見積もりの読み方)。
書く前に決めておくこと
原稿を書き始める前に、次の3つを決めておくと、書く内容がぶれません。
- 誰に見てほしいか:お客様か、取引先か、求職者か。いちばん大事な相手を1つ決める
- 見た人に何をしてほしいか:問い合わせ、見積もりの依頼、来店、応募
- ページの一覧:どのページがあるか(制作会社から構成案が出ていれば、それに合わせる)
ページの一覧の考え方は会社のホームページに載せる項目の一覧で説明しています。
ページごとの原稿のテンプレート
どのページも、次の型で書くと、制作会社がページに組み込みやすくなります。
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| ページ名 | メニューに出る名前(例:事業内容) |
| 大見出し | ページのいちばん上に出る一言 |
| 導入 | ページで何が分かるかを2〜3文で |
| 小見出しと本文 | 伝えたいことを見出しで区切り、それぞれ数文から十数文 |
| 写真の指定 | どこに、どんな写真を入れたいか(ファイル名) |
| 最後の案内 | 問い合わせや関連するページへの誘導の一文 |
ページごとに書くことの例
| ページ | 主に書くこと |
|---|---|
| トップ | 何の会社か、誰の何を解決するか、主な事業への入り口 |
| 事業・サービス | 内容、流れ、料金の目安、対応できる地域、よくある質問 |
| 会社概要 | 会社名、所在地、代表者、設立、事業内容、許認可(会社概要の書き方) |
| 代表挨拶 | 事業を始めた理由、大事にしていること、お客様への約束(代表挨拶の書き方) |
| 採用 | 仕事の内容、働く条件、応募の方法 |
| 問い合わせ | 受け付けている内容、返事までの目安、電話の受付時間 |
テンプレートを埋めた例
住宅の外壁塗装を手がける会社の「事業内容」のページを例に、テンプレートを埋めてみます。
ページ名:外壁塗装 大見出し:築20年を過ぎたお住まいの外壁を、傷みの具合に合わせて塗り替えます 導入:外壁のひびや色あせが気になり始めた方に向けて、点検から塗り替えまでの流れと、費用が変わる点をまとめました。 小見出し1:こんな症状があれば点検をおすすめします(本文:手で触ると白い粉が付く、ひびがある、など) 小見出し2:点検から完了までの流れ(本文:お問い合わせ、点検、お見積り、工事、完了の確認) 小見出し3:費用が変わる点(本文:家の大きさ、傷みの具合、塗料の種類) 写真:gaiheki-01.jpg(工事の前)、gaiheki-02.jpg(工事の後) 最後の案内:点検のご依頼は、お問い合わせのページからどうぞ。
このくらいの粒度で書いてあれば、制作会社はデザインに組み込むときに迷いません。
書く順番
全ページを頭から順に書こうとすると、トップページで止まってしまいます。次の順で書くと進みやすくなります。
- 会社概要:事実を並べるだけなので、最初に済ませる
- 事業・サービス:いちばん大事なページ。お客様によく聞かれることを書き出してから文章にする
- よくある質問:実際に聞かれた質問と答えを集める
- 代表挨拶、採用:事業のページを書いたあとだと、言いたいことがまとまっている
- トップ:ほかのページの要約なので、最後に書く
読みやすい原稿にするコツ
- 1文を短くする。1文に言いたいことは1つ
- 専門用語は、お客様が使う言葉に置き換えるか、説明を添える
- 「高品質」「安心」のような言葉だけで終わらせず、なぜそう言えるかを具体的に書く
- 料金や期間は、分かる範囲で目安を書く。書けない場合は、何で変わるかを書く
- 見出しだけを読んでも、ページの中身が分かるようにする
写真の添え方
- 原稿の中に「写真:外観」「写真:作業の様子」のように、入れたい場所と中身を書く
- 写真の元のファイルは、原稿とは別にまとめて渡す(原稿に貼った写真は小さくなっていることが多い)
- ファイル名を、原稿の指定と一致させる
- 人が写っている写真は、載せてよいか本人に確かめる
撮影から頼む場合の伝え方は写真撮影を頼むときの伝え方で説明しています。
制作会社への渡し方
- ページごとにファイルを分けるか、1つのファイルの中で見出しでページを区切る
- 同じ内容の原稿を何度も送り直さない。直したら、どこを直したかが分かるようにする
- 確定した原稿と、まだ社内で確認中の原稿を分けて伝える
- 渡す日を制作会社と決め、その日までに社内の確認を終わらせる
差し戻しになりやすい原稿
- 会社案内をそのまま写しただけ:紙の文章はウェブでは長すぎたり、見出しが無かったりする
- 社内の言葉のまま:略語や部署の呼び名が、お客様には通じない
- 料金や条件が古い:何年も前の資料から写して、今と違う
- 社内の確認が済んでいない:組み込んだ後に大きく書き直すと、やり直しの費用がかかる
ほかのサイトの文章を使うときの注意
- 写さない:構成や載せる項目を参考にするのはよいが、文章そのものは自社で書く。著作権法の引用は、公正な慣行に合い、目的上正当な範囲であることが条件で、自社の紹介文に他社の文章を使うのは引用にあたりにくいと考えておきます
- 大げさに書かない:「地域で一番」「業界最安」のような表現は、根拠が無いと、景品表示法で禁じられている、実際より著しく良いと見せる表示にあたるおそれがあります
- お客様の言葉を載せるなら許可を取る:いただいた感想を載せる場合は、載せてよいか、名前をどう出すかを本人に確かめます
原稿がそろわないときの進め方
公開の日が決まっていて原稿が間に合わない場合は、全ページを一度に仕上げようとせず、まず会社概要、事業のページ、問い合わせのページだけで公開し、残りを後から足す方法もあります。制作会社に早めに相談すれば、公開の段取りを組み直せます。
Lapisデザインラボでは、ブランド一式(ウェブページつき)のプランに、ヒアリングをもとに掲載する文章を書く作業が入っています。写真・会社案内などの素材はご支給いただき、写真が無い場合は有料の写真素材(実費)でご提案します(ご用意いただくもの)。複数ページのホームページは個別のお見積りで、原稿の整え方からご相談いただけます。
ホームページの中身と準備の記事
- 会社にホームページは要るか|無くて困る場面と最低限のページ
- 会社のホームページに載せる項目の一覧|取引先と求職者が見る所
- ホームページの会社概要の書き方|載せる項目と並べ方の例
- ホームページの代表挨拶の書き方|長さ・構成・写真
- 問い合わせフォームの項目の決め方|必須を増やしすぎない
- 会社のキャッチコピーの作り方|強みを短い言葉にする手順
- AIでホームページを作れるか|向く場面と会社のサイトで困ること
- 会社のホームページの構成の例|ページの並びとメニューの決め方
- ホームページのプライバシーポリシーの書き方|載せる項目と例
- 特定商取引法に基づく表記の書き方|ネットで売るときに載せる項目
- ホームページの外部送信規律|解析ツールやCookieの公表が要る場合
- ホームページの表現と景品表示法|「No.1」「最安」を書くときの決まり
- 化粧品・健康食品のサイトで使えない表現|薬機法の広告の決まり
- ホームページのアクセシビリティ|合理的配慮の義務化とサイトでやること
- ホームページの文章の著作権|ほかのサイトを参考にするときの線引き
- スタッフやお客様の写真をサイトに載せるとき|肖像権と同意の取り方
- ホームページの画像のサイズと形式|重くしない書き出し方
- ホームページに動画を載せる方法|埋め込みと直接置く場合の違い
- サービス紹介ページの書き方|対象・中身・料金・流れの順番
- アクセスページの作り方|地図・駐車場・道順の載せ方
- 実績・事例ページの作り方|写真と文章の型と掲載の許可
- ホームページの「よくある質問」の作り方|質問の集め方と並べ方
- 会社の沿革の書き方|載せる出来事と年表の形
- 料金ページの作り方|料金表の見せ方と税込の表示
よくある質問
ホームページの原稿は、発注する側と制作会社のどちらが書くものですか。
契約によります。発注する側が原稿を用意し、制作会社がページに組み込む形が多いですが、取材して制作会社が書く、発注する側の下書きを制作会社が整える、という形もあります。どちらが書くかで費用と期間が変わるので、見積もりの段階で「原稿は誰が、どこまで用意するか」をはっきりさせておきます。
原稿はどんな形で渡せばよいですか。
ページごとにファイルを分けるか、1つのファイルの中で見出しでページを区切り、見出し・本文・写真の指定がどのページのどこに入るかが分かる形にします。ワープロのファイルや共有のドキュメントなど、制作会社と決めた形で渡します。写真は原稿に貼るだけでなく、元のファイルも別に渡します。
ほかの会社のホームページの文章を参考にしてもよいですか。
構成や載せる項目を参考にするのは構いませんが、文章を写すのは避けます。著作権法では、公表された著作物の引用は、公正な慣行に合い、目的上正当な範囲で行うことが条件とされています。自社の紹介文にほかの会社の文章を使うのは、この引用にはあたりにくいと考えておくのが安全です。