特定商取引法に基づく表記の書き方|ネットで売るときに載せる項目

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ネットショップや、ホームページから申し込みを受けて商品やサービスを売るページには、「特定商取引法に基づく表記」というページが置かれています。これは、特定商取引法(以下、特商法)が、通信販売の広告に販売の条件や事業者の連絡先を表示するよう求めているためです。ページの名前は法律で決まっているわけではなく、表示すべき事項が広告の中にあればよいのですが、1ページにまとめてこの名前で置く形が広く使われています。

この記事では、消費者庁の「特定商取引法ガイド」と「通信販売広告Q&A」(2026年10月時点で公開されているもの)にそって、表示する項目、省略できる項目の条件、個人事業者の住所や電話番号の扱い、注文の直前の最終確認画面の決まりを順に説明します。最後に、ページを作るときの確認の表を置きました。

この記事は一般的な説明で、個別の判断は弁護士などの専門家や、消費者庁・お住まいの地域の消費生活センターなどの窓口に確かめてください。

表記が必要になるのはどんなときか

特商法の「通信販売」は、事業者が新聞・雑誌・インターネットなどで広告をし、郵便や電話、インターネットなどで申し込みを受ける取引です。ホームページで商品を売るネットショップのほか、オンラインの講座や相談のようなサービスを、ホームページから申し込んで受けてもらう形も含まれます。

一方で、次のような場合は特商法が適用されません(特商法26条など)。

  • 事業者どうしの取引のように、買う側が営業のために、または営業として契約する場合
  • 海外にいる人への販売

会社の紹介だけをしていて、申し込みや購入をネットで受けていないページには、この表記は求められません。法人向けのサービスだけを売っている会社でも、個人の消費者が申し込めるのであれば、その取引には特商法がかかると考えて準備します。

表示する項目

特商法11条と施行規則で、通信販売の広告に表示する事項が決まっています。消費者庁のガイドに並んでいる項目を、ホームページでの書き方の例と合わせて整理すると次のとおりです。

項目書き方の例・注意
販売価格(役務の対価)税込みの価格。送料も表示する
価格・送料以外に負担する金銭振込手数料、代引き手数料など、内容と額
代金の支払いの時期と方法前払い・後払い、カード払い・振り込みなど
商品の引き渡しの時期(サービスの提供時期)「入金を確認してから〇日以内に発送」など
申し込みの期間の定め期間限定の販売なら、その旨と期間
申し込みの撤回・解除(返品の特約を含む)返品できるか、期間、送料の負担
事業者の氏名(名称)・住所・電話番号法人は登記上の名称、個人は戸籍上の氏名か登記した商号
代表者または通信販売の責任者の氏名法人がホームページなどで広告する場合
外国の事業者の国内の事務所外国法人などで国内に事務所がある場合
契約に合わない商品だったときの責任定めがあればその内容
ソフトウェアの動作環境ソフトウェアを売る場合
2回以上の継続の契約が必要なとき定期購入の回数、各回の価格など、その旨と条件
販売数量の制限などの特別な条件「お一人様〇個まで」など
カタログなどを請求で送る場合の料金有料ならその金額
電子メールで広告する場合のメールアドレス事業者の電子メールアドレス

消費者庁のQ&Aは、氏名や名称について、通称や屋号、サイトの名前だけを表示することは認められないとしています。個人で事業をしている場合も、氏名を表示します。

省略できる項目と、その条件

広告の大きさには限りがあるため、消費者から請求があったときに表示事項を書面や電子メールで「遅滞なく」提供することを広告に表示し、実際にそうできる体制をとっていれば、一部の項目を省略できます。ここでいう「遅滞なく」は、申し込むかどうかを決めるより前に、十分な時間の余裕をもって届くことをいうと説明されています。

ただし、どの場合でも省略できない項目があります。消費者庁の表から主なものを抜き出すと次のとおりです。

  • 申し込みの期間の定めがあるときの、その旨と内容
  • 返品に関する事項(返品の可否、期間などの条件、返品の送料の負担)
  • ソフトウェアの動作環境
  • 2回以上の継続の契約が必要なときの、その旨と条件
  • 販売数量の制限などの特別な条件
  • 有料で書面を送るときの、その価格
  • 電子メールで広告するときの電子メールアドレス

前払いなのに支払いの時期を書かない、すぐに発送しないのに引き渡しの時期を書かない、といった省略は、価格などを全部表示していない場合に限って認められる、という細かい条件もあります。迷う場合は省略せずに表示しておくほうが、読み手にも親切です。

個人事業者の住所と電話番号

個人で事業をしている人がいちばん迷うのが、自宅の住所と電話番号の扱いです。消費者庁のQ&Aでは、表示する住所は現に活動している住所、電話番号は確実に連絡が取れる番号である必要があるとしたうえで、次のように説明しています。

  • 請求があれば遅滞なく提供することを表示し、実際にそうできる体制をとっていれば、住所と電話番号の表示を省略することもできる
  • バーチャルオフィスの住所と電話番号も、連絡先として機能することを運営会社と合意し、運営会社が本人の現住所と本人名義の電話番号を把握して確実に連絡が取れる状態なら、表示してよいと考えられる
  • 私書箱は、営業の拠点となる場所の表示にならないため、住所の表示をしたことにならない

どの方法をとる場合でも、消費者から連絡が取れない事態になれば、表示の義務を果たしたことにはならないとされています。

注文の直前の「最終確認画面」

2022年6月1日に施行された改正(令和3年改正)で、インターネットの通信販売で申し込みを確定する直前の画面、いわゆる最終確認画面に表示する事項が決まりました(特商法12条の6)。表示するのは次の6つです。

  1. 分量(定期購入なら各回の分量と回数など)
  2. 販売価格(送料を含む)
  3. 代金の支払いの時期と方法
  4. 引き渡しの時期
  5. 申し込みの期間の定めがあるときは、その旨と内容
  6. 申し込みの撤回や解除に関する事項(返品の特約を含む)

あわせて、ボタンを押すと申し込みになることを分かりにくくする表示や、上の事項を誤認させる表示が禁止されています。これに反した表示で消費者が誤認して申し込んだときは、申し込みを取り消せる決まりも設けられました。表示のしかたの具体例は、消費者庁の「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン」に載っています。

なお、商品の通信販売では、広告に返品の特約を表示していないと、商品を受け取った日から数えて8日以内なら、消費者は申し込みの撤回や解除ができ、返品の送料は消費者の負担となります(特商法15条の3)。返品を受けない場合は、その旨を表記のページと最終確認画面の両方に分かりやすく書いておきます。

ページを作るときの確認

特定商取引法に基づく表記のページと、申し込みの流れを作るときは、次の点を確かめます。

  • 表示する項目に漏れがないか(上の表と照らす)
  • 事業者の名称が、屋号やサイト名だけになっていないか
  • 送料や手数料など、価格以外の負担が書いてあるか
  • 返品の可否と条件が、表記のページと最終確認画面の両方にあるか
  • 定期購入なら、回数・各回の価格・総額が分かるか
  • 最終確認画面に6つの事項がそろっているか
  • フッターなど、どのページからもたどれる場所にリンクがあるか

申し込みのページでは、受け取った名前や住所などの個人情報の扱いも示す必要があります。こちらはプライバシーポリシーの書き方で説明しています。会社の基本の情報の載せ方は会社のホームページに載せる項目、申し込みのフォームの項目の決め方は問い合わせフォームの項目の決め方も参考にしてください。

Lapisデザインラボでは、ホームページの制作や月額の保守の中で、表記のページの文章の差し替えなどを承っています。内容と料金は料金プランと月額のサポートをご覧ください。

よくある質問

会社のホームページにも特定商取引法に基づく表記は必要ですか。

ホームページで申し込みを受けて、消費者に商品やサービスを売る(通信販売をする)なら必要です。会社の紹介だけで、申し込みや購入をネットで受けていないページには、この表記は求められません。事業者どうしの取引(営業のための契約)は特定商取引法の適用から外れます。

個人事業者ですが、自宅の住所や電話番号を載せなければいけませんか。

原則として、現に活動している住所と、確実に連絡が取れる電話番号を表示します。ただし、請求があれば遅滞なく書面や電子メールで提供することを表示し、実際にそうできる体制をとっていれば、住所と電話番号の表示を省略できると消費者庁のQ&Aは説明しています。バーチャルオフィスの住所は条件を満たせば認められますが、私書箱は住所の表示になりません。

最終確認画面には何を表示すればよいですか。

注文を確定する直前の画面に、分量、販売価格(送料を含む)、支払いの時期と方法、引き渡しの時期、申し込みの期間の定めがあればその内容、申し込みの撤回や解除(返品の特約を含む)に関する事項を表示します。2022年6月1日に施行された改正で加わった決まりで、申し込みになることや表示の内容を誤認させる表示も禁止されています。

参考にした資料

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