ホームページの保守管理とは|やることの一覧と自社でやる手間

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ホームページを作った制作会社から、「公開後は保守管理の契約をおすすめします」と言われることがあります。けれども、保守管理で実際に何をしてくれるのか、頼まなかったら何が困るのかは、説明を聞いてもつかみにくいものです。

この記事では、ホームページの保守管理で行う作業を契約の管理・仕組みの更新・監視と復旧・情報の更新・記録と報告の5つに分けて一覧にし、それぞれの頻度、怠ったときに起きること、自社でやる場合の難しさを整理します。あわせて、保守と運用の違い、1年の作業の暦、自社でやる場合に要る人と知識もまとめました。

保守の費用の相場はホームページ保守の費用相場の記事、契約で確かめる項目は保守契約に含まれるものの記事で扱っています。ここでは、作業の中身に絞ります。

保守管理とは何か

ホームページの保守管理は、ひと言でいえば、サイトを止めず、安全で、正しい情報のまま保つための作業です。ホームページは、ドメイン・サーバー・SSLの証明書・サイトの仕組み(CMS)など、期限や更新のあるものの組み合わせで動いています。どれか1つが切れたり古くなったりすると、サイトが表示されない、警告が出る、改ざんされる、といった問題につながります。

保守と運用の違い

「保守」と「運用」は、会社によって使い方が違う言葉です。一般には次のように分けられることが多くあります。

区分目的主な作業
保守サイトを止めず、安全に保つ契約の更新、仕組みの更新、バックアップ、監視、不具合の復旧
運用サイトを事業に役立てるお知らせの掲載、内容の見直し、写真の差し替え、アクセスの確認

実際の契約では、「保守」の中に運用の一部(月に数回の更新など)を含めていることもあります。言葉の名前ではなく、作業の一覧で範囲を確かめることが大切です。

保守管理の作業の一覧

分類作業頻度の目安怠ったときに起きること自社でやる難しさ
契約の管理ドメインの更新年1回など契約ごとサイトもメールも止まる低い(期限と支払いの管理)
契約の管理サーバーの更新月・年など契約ごとサイトが表示されなくなる低い
契約の管理SSLの証明書の更新と確認自動更新+月1回の確認警告の画面が出て、フォームも使えなくなる中くらい
仕組みの更新CMSの本体・部品の更新更新が出るたび公開済みの弱点が残る中〜高い
仕組みの更新サーバーのPHPなどの版の更新サポートの終わりに合わせて弱点が直されなくなる高い
監視と復旧バックアップ週1回〜毎日不具合のときに戻せない中くらい
監視と復旧表示の監視毎日(自動)止まっていても気付かない中くらい(仕組みの用意が要る)
監視と復旧不具合の復旧起きたときサイトが止まったままになる高い
監視と復旧フォームの送信の確認月1回問い合わせを取りこぼす低い
情報の更新文章・写真の差し替え必要なとき古い情報が載ったままになる低い〜中くらい
記録と報告作業の記録、ログイン情報の管理作業のたび担当が替わると何も分からなくなる低い

「自社でやる難しさ」は、専門の知識が要るかどうかの目安です。ドメインやサーバーの更新は期限と支払いの管理が中心で、知識はあまり要りません。一方、仕組みの更新や不具合の復旧は、失敗したときに戻す手順まで知っている必要があります。

作業ごとの中身

契約の管理

ドメインはサイトとメールの住所で、JPRSは「インターネット上の住所表示」と説明しています。更新が切れると、サイトもそのドメインのメールも使えなくなります。SSLの証明書は、2026年3月から最長の有効期間が200日になり、2027年3月からは100日、2029年3月からは47日へと短くなっていく予定です(JPRSの2026年6月の資料による)。手で年に1回更新する運用は前提にできず、自動更新と、更新が止まっていないかの確認の両方が要ります。

仕組みの更新

WordPressなどのCMS(サイトを更新するための仕組み)は、弱点が見つかるたびに修正版が出ます。IPAの「安全なウェブサイトの作り方」でも、使っているソフトウェアの弱点の情報を継続して集め、更新することが求められています。更新の後には、表示が崩れていないか、フォームが動くかを確かめます。

監視と復旧

バックアップは、WordPressの公式の解説では、更新の少ないサイトで週1回、更新の多いサイトで毎日が目安とされ、数世代を別々の場所に残すことがすすめられています。取り方と戻し方はホームページのバックアップの取り方の記事にまとめています。

問い合わせフォームは、送信の完了の画面が出ても、メールが届いているとは限りません。Googleは2024年2月から、Gmailへ送るメールに送信元の認証を求めており、設定によってはフォームのメールが迷惑メールに入ることもあります。月に1回、実際に送ってみるのが確実です。

情報の更新と、記録と報告

住所・料金・営業時間・スタッフ・採用情報は、公開後に古くなりやすい情報です。また、何をいつ更新したか、ログイン情報がどこにあるかの記録は、担当者が替わったときに保守を続けられるかを左右します。

1年の作業の暦

時期やること
毎日サイトが表示されているかの監視(自動の仕組みで)
毎週バックアップ(更新の多いサイトは毎日)、仕組みの更新の有無の確認
毎月仕組みと部品の更新、SSLの証明書の期限の確認、フォームの試しの送信、作業の記録
半年ごと使っていない部品の削除、管理画面のアカウントの見直し、載せている情報の見直し
毎年ドメインとサーバーの契約の更新、PHPなどの版の確認、バックアップから戻す練習

自社でやる場合に要るもの

保守管理を自社でやる場合、作業の量そのものより、次のものが揃っているかが分かれ目になります。

人: 作業を受け持つ担当者が決まっていること。1人だけに任せると、その人が休んだり辞めたりしたときに止まるため、手順を分かる人がもう1人いると安心です。

知識: サーバーとドメインの管理画面の操作、サイトの仕組みの更新、バックアップから戻す手順。WordPressの場合の判断の目安はWordPressの保守は要るかの記事にまとめています。

アカウントと記録: ドメイン・サーバー・管理画面に、自社の名義と自社のIDで入れること。更新の案内メールが、会社で受けられるアドレスに届くこと。作業の記録を残す場所があること。

これらが揃わない場合は、契約の管理や情報の更新のように難しさの低い作業だけを自社で持ち、仕組みの更新や不具合の復旧を外に任せる、という分け方もできます。

保守の契約を勧められたときの確かめ方

  1. この記事の作業の一覧に、提案された契約の作業の範囲を書き込む
  2. 含まれていない作業のうち、自社でできるものとできないものを分ける
  3. 自社でできない作業が含まれているか、別料金かを確かめる
  4. 作業の報告をもらえるか、契約が終わるときにデータとログイン情報を受け取れるかを確かめる

まとめ

ホームページの保守管理は、契約の管理、仕組みの更新、監視と復旧、情報の更新、記録と報告の5つの作業でできています。自社でもできますが、担当者と知識と記録が揃っていて、担当が替わっても続けられることが前提です。保守の契約を勧められたら、作業の一覧と照らし合わせて、何を任せ、何を自社で持つかを決めると判断しやすくなります。

Lapisデザインラボの月額のサイト保守では、サーバー・ドメインの契約管理、仕組みの更新、データの控え、サイトの監視と復旧、文章・写真の差し替え、作業内容の報告をお引き受けしています。内容はサイト保守・更新をご覧ください。

公開後の管理とトラブルの記事

よくある質問

ホームページの保守と運用はどう違いますか。

使う会社によって言葉の範囲は違いますが、一般に保守は、サイトを止めず安全に保つための作業(契約の更新、仕組みの更新、バックアップ、不具合の復旧など)を指します。運用は、サイトを事業に役立てるための作業(お知らせの掲載、内容の見直し、アクセスの確認など)を指すことが多い言葉です。契約のときは、言葉ではなく作業の一覧で範囲を確かめます。

保守管理は自社でもできますか。

できます。ただし、サーバーやドメインの管理画面、サイトの仕組みの更新、バックアップから戻す手順に慣れた担当者が要り、その人が替わっても続けられる記録と引き継ぎが欠かせません。作業の量そのものより、担当者が決まっていて続けられるかが分かれ目になります。

保守の契約を勧められました。まず何を確かめればよいですか。

この記事の作業の一覧と、提案された契約の作業の範囲を照らし合わせ、何が含まれ、何が含まれていないかを確かめます。そのうえで、含まれていない作業を自社でできるかを考えます。費用の相場と、契約で確かめる項目は別の記事にまとめています。

参考にした資料

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