サーバーとドメインの違い|契約・料金・止まったときの影響
ホームページの管理を引き継ぐと、「ドメインの更新」「サーバーの契約」という言葉が別々の請求書で届きます。どちらもサイトに必要なものだとは分かっていても、何が違い、どちらが切れると何が止まるのかは、意外と説明されないまま引き継がれがちです。
この記事では、ドメインとサーバーの役割の違い、2つを結び付けているDNS(ドメイン名とサーバーの場所を対応させる仕組み)の考え方、別々の会社で契約してよいか、そしてどちらかの契約が切れたときに何が止まるかを整理します。最後に、引き継いだ担当者が確かめておく項目の一覧を付けました。
ドメインを誰の名義で持つべきかという話は、ドメインの名義の考え方の記事で詳しく扱っています。ここでは仕組みの基礎に絞ります。
ドメインとサーバーは「住所」と「建物」
JPRS(「.jp」のドメインを管理している会社)は、ドメイン名を「インターネット上の住所表示」と説明しています。会社のサイトの「example.co.jp」や、メールアドレスの「@」から後ろの部分がドメイン名です。
一方のサーバーは、サイトの文章や画像、メールのデータを実際に置いておくコンピューターです。中小の会社では、サーバー会社の機械の一部を借りるレンタルサーバーを使うのが一般的です。
たとえるなら、ドメインは住所、サーバーは建物と中の荷物です。住所だけあっても建物が無ければ訪ねても何もありませんし、建物があっても住所が分からなければたどり着けません。
| 項目 | ドメイン | サーバー | DNS |
|---|---|---|---|
| 何か | サイトとメールの住所(名前) | データを置く場所 | 住所と場所を対応させる仕組み |
| 契約先 | ドメインの管理会社(登録事業者) | サーバー会社 | 多くはドメインかサーバーの会社の機能を使う |
| 支払い | 多くは年単位の更新 | 月額か年額 | 多くは上の契約に含まれる |
| 切れたとき | 住所が使えなくなり、サイトもメールも届かなくなる | 中身が無くなり、サイトが表示されずメールも受けられなくなる | 設定が消えると、住所から場所へたどれなくなる |
料金の全体像はホームページの維持費の記事にまとめています。
2つを結び付けているのがDNS
ブラウザでドメイン名を入れると、裏ではまず「このドメインのサイトはどのサーバーにあるか」を問い合わせています。この問い合わせに答える仕組みがDNSです。JPRSの用語辞典では、ドメイン名に対応するIPアドレス(サーバーのネット上の番地)などの情報を得るための仕組み、と説明されています。
DNSの設定には、いくつかの種類があります。管理の引き継ぎで名前が出てくるのは次の3つです。
- ネームサーバー: そのドメインのDNSの情報を持っているサーバー。ドメインの管理会社の画面で「どこのネームサーバーを使うか」を指定します
- Aレコード: ドメイン名とサイトのサーバーの番地を対応させる設定
- MXレコード: そのドメイン宛てのメールを受け取るサーバーを指定する設定。複数のサーバーに優先順位を付けて書けます
サイトとメールは、同じドメインでも別々の設定で行き先が決まります。サイトはサーバー会社A、メールは別のメールサービス、という組み合わせもよくあります。サーバーを引っ越すときにメールが止まる事故の多くは、このMXレコードの書き換えを忘れたことが原因です。
ドメインとサーバーは別の会社でもよい
ドメインとサーバーを別々の会社で契約しても、DNSで正しく結び付けていれば問題なく動きます。どちらが良いかは、管理の手間と乗り換えやすさのどちらを重く見るかで決まります。
| 契約の形 | 良いところ | 気をつけるところ |
|---|---|---|
| 同じ会社でまとめる | 請求と問い合わせの窓口が1つ。初期設定が簡単なことが多い | サーバーを乗り換えるとき、ドメインの移管も一緒に考える必要が出やすい |
| 別々の会社で持つ | サーバーだけを乗り換えやすい。片方の会社の都合に左右されにくい | 請求とログイン情報が2か所に分かれる。DNSをどちらで管理しているかを控えておく必要がある |
どちらの形でも大切なのは、ドメインの契約が自社の名義で、自社がログインできる状態かです。制作会社がまとめて契約している場合、その会社と連絡が取れなくなると手続きが進まなくなります。その場合の手順は制作会社と連絡が取れないときの記事で扱っています。
どちらかの契約が切れると何が止まるか
ドメインが切れた場合
住所そのものが使えなくなるため、サイトが表示されなくなり、そのドメインのメールアドレスでの送受信もできなくなります。サーバーの中のデータが残っていても、外からたどり着けません。期限が切れてから取り戻せる期間や費用は、ドメインの種類と管理会社によって違います。詳しくはドメインの期限が切れたときの記事をご覧ください。
サーバーが切れた場合
住所は残りますが、建物の中身が無くなる状態です。サイトは表示されなくなり、そのサーバーでメールを受けていた場合はメールも届かなくなります。契約が切れた後、データがいつまで残るか、復旧に費用がかかるかは、サーバー会社ごとの規約で決まっています。一般論で判断せず、契約している会社の規約で確かめてください。手元にバックアップが無いと、サイトを作り直すことになりかねません。
DNSの設定が消えた・変わった場合
ネームサーバーの指定を間違えたり、DNSの設定を管理していた契約を解約したりすると、ドメインもサーバーも契約が生きているのにサイトやメールが届かなくなります。設定を変える前には、今の設定を画面の控えなどで残しておくと戻しやすくなります。
引き継いだ担当者が確かめる項目
管理を引き継いだら、次の項目を一覧にして控えておくと、更新漏れや「どこで契約しているか分からない」状態を防げます。
- ドメイン名と、その管理会社
- ドメインの契約者の名義(自社か、制作会社か、前任者の個人か)
- ドメインの有効期限と、自動更新が有効か
- サーバー会社と契約プラン、契約の期限、支払い方法
- ネームサーバーがどこを指しているか(DNSをどの会社の画面で管理しているか)
- メールをどこで受けているか(MXレコードの行き先)
- それぞれの管理画面のログイン情報の保管場所
- 更新の案内メールが届くアドレスが、今も読まれているか
8番目は見落とされやすい項目です。前任者の個人のアドレスや退職者のアドレスに更新の案内が届き続け、誰も気付かないまま期限を迎えることがあります。会社で受けられる共有のアドレスに変えておくと安心です。
よくある思い違い
- 「サーバー代を払っているからドメインも大丈夫」: 別の契約なので、更新もそれぞれ必要です。同じ会社でも、更新日と支払いが別になっていることがあります
- 「サイトを閉じるからサーバーもドメインも解約してよい」: そのドメインでメールを使っていれば、ドメインを解約するとメールも使えなくなります。会社のメールアドレスの考え方は会社のドメインの決め方の記事にまとめています
- 「無料のSSLが付いているから証明書は気にしなくてよい」: 証明書の更新はサーバーの機能に頼っていることが多く、サーバーやDNSを変えたときに更新が止まることがあります
まとめ
ドメインは住所、サーバーは建物、DNSは住所と建物を結ぶ案内板です。3つのどれが止まってもサイトやメールに届かなくなるため、契約先・名義・期限・ログイン情報を一覧にして、更新の案内が会社で受け取れる状態にしておくことが、引き継いだ担当者の最初の仕事になります。
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よくある質問
ドメインとサーバーは同じ会社で契約しなければいけませんか。
その必要はありません。ドメインの管理会社とサーバーの会社が別でも、DNSの設定でドメインとサーバーを結び付ければサイトもメールも動きます。まとめると請求と窓口が1つになり、分けると片方を乗り換えやすくなります。
サーバーの契約が切れると、ドメインも使えなくなりますか。
ドメインの契約は別なので、ドメインそのものは残ります。ただし、そのサーバーに置いていたサイトやメールは表示・受信できなくなります。サーバーのデータがいつ消されるかは会社ごとの規約で違うため、契約している会社の規約で確かめてください。
引き継いだサイトのドメインとサーバーがどこで契約されているか分かりません。
まず社内の請求書やクレジットカードの明細から、毎年・毎月の支払い先を探します。ドメインの管理会社は、登録情報の検索サービスで分かることもあります。見つけたら、ログインできるかと契約者の名義を確かめ、一覧に控えておきます。