制作会社と連絡が取れないとき|ドメインとサーバーを取り戻す手順

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ホームページの修正を頼んだのに返事が来ない。電話もつながらない。請求書も届かなくなった。制作会社や管理会社と連絡が取れなくなったとき、いちばん怖いのは、ある日サイトが表示されなくなり、会社のメールが届かなくなることです。ドメインやサーバーの契約が制作会社の名義になっていると、自社だけでは手を打てない場面も出てきます。

この記事では、制作会社と連絡が取れなくなったときに、何から確かめ、どの順に動けばよいかを説明します。止まりそうなものの確かめ方、ドメインの登録者と管理事業者の調べ方、名義ごとの動き方、制作会社が倒産していたときの考え方までまとめました。相手と話ができる状態での乗り換えは制作会社を乗り換えるときの手順で扱っているので、ここでは相手がいない場合に絞ります。

最初に、止まりそうなものを確かめる

慌てて新しい制作会社を探す前に、何がいつ止まるかを確かめます。期限が近いものから手を打つためです。

確かめるもの止まると起きること見る所
ドメインの有効期限サイトとメールの両方が止まるWHOIS、更新の案内のメール
サーバーの契約と支払いサイト(とサーバーのメール)が止まるサーバー会社からの請求、契約者の名義
メールの置き場所社内外のメールが届かなくなるメールの設定、サーバーの管理画面
管理画面のログイン自社でサイトを直せない渡されている ID とパスワード
外部のサービス予約やフォーム、アクセス解析が使えない各サービスのアカウントの持ち主

ドメインの期限が数週間以内に迫っているなら、それが最優先です。期限が切れたときの動きはドメインが切れたときで説明しています。

ドメインの登録者と管理事業者を調べる

ドメインの手続きは、登録者(ドメインの持ち主として登録されている人や会社)と、管理事業者(登録者に代わって手続きを受け付ける会社。.jp では指定事業者、.com などではレジストラと呼びます)を通じて行います。まずこの2つを調べます。

.jp で終わるドメイン

JPRS の WHOIS で、登録者、登録者の連絡先、ネームサーバー(サイトやメールの向き先を決める設定)などを確かめられます。ただし、JPRS は、どの指定事業者が管理しているかは JPRS の WHOIS には表示されないと説明しています。管理している指定事業者が分からない場合は、登録者か連絡窓口の人がドメイン名を添えて JPRS の窓口に問い合わせ、本人の確認を受けたうえで教えてもらう流れです(2026年10月時点の JPRS の案内)。

.com などのドメイン

ICANN(ドメイン名の世界的な調整をしている団体)が公開している ICANN Lookup で、「Registrar」の欄から管理している事業者が分かります。登録者の名前や連絡先は、個人情報の保護のために伏せられていることが多く、その場合は管理事業者に問い合わせます。

調べた結果は、画面を保存して日付とともに残しておきます。後で弁護士に相談するときの資料になります。

登録者が自社になっている場合

WHOIS で登録者が自社になっていれば、制作会社と連絡が取れなくても、自社で手続きを進められる見込みが高くなります。

  1. 管理事業者が分かったら、登録者として直接連絡し、事情を伝える
  2. 更新の手続きと支払いの方法を、自社に切り替える
  3. 管理事業者を変えたい場合は、認証コード(AuthCode。管理事業者を移すときの合言葉にあたるもの)を受け取り、移す先の事業者に申し込む

JPRS の説明では、.jp の管理指定事業者の変更は、登録者が変更元の事業者から認証コードを受け取り、変更先の事業者に申し込み、変更元の事業者からの意思確認に登録者が「承認」と答えると完了します。.com などについては、ICANN の登録者向けの説明で、登録者が求めれば管理事業者は5暦日以内に認証コードを渡さなければならないとされています。

注意したいのは、登録者の連絡先のメールアドレスが制作会社のアドレスになっている場合です。意思確認や認証コードが制作会社に届いてしまうので、先に連絡先を自社のアドレスに直せるかを管理事業者に相談します。

登録者が制作会社になっている場合

いちばん難しいのがこの場合です。登録者でない人が、自分だけで登録者を書き換えることはできません。JPRS の案内では、ドメイン名を別の会社に移す手続きは、管理している指定事業者を通じて行うとされており、今の登録者の側の手続きが欠かせません。

次の順で動きます。

  1. 記録が残る形で連絡する:メールと郵便の両方で、登録者を自社に変えることと、手続きに必要な書類を求める。届いたかどうかが分かる送り方を選ぶ
  2. 契約書を見直す:ドメインの名義、データの受け渡し、契約が終わったときの扱いがどう書かれているかを確かめる
  3. 管理事業者に事情を伝える:登録者でない人の申し込みは受け付けられないことが多いものの、期限の情報や、取りうる手続きを教えてもらえることがあります
  4. 弁護士に相談する:応じてもらえない、または相手がまったく反応しない場合は、契約書、請求書、やり取りの記録、WHOIS の画面を持って相談します
  5. 新しいドメインへの移行を並行して準備する:取り戻せないまま期限が切れる場合に備えて、自社の名義で新しいドメインを取り、サイトとメールを移せる状態にしておく

「ドメインを返してもらえない」という状態が長く続くと、期限切れのほうが先に来ることがあります。取り戻す交渉と、新しいドメインの準備は、どちらかを待たずに同時に進めます。

制作会社が倒産していたとき

連絡が取れない理由が、制作会社の倒産であることもあります。

裁判所の説明では、破産の手続は、裁判所が破産手続の開始を決め、破産管財人を選び、管財人が会社の財産を管理してお金に換え、債権者に配当する手続です。破産手続が始まると、官報で公告されます。

  • 倒産を確かめる:官報で、制作会社の名前で破産手続開始の公告が出ていないかを確かめる
  • 破産管財人に連絡する:公告や裁判所の情報から管財人(多くは弁護士)を確かめ、ドメインの名義、サーバーの契約、預けたデータについて事情を伝える。制作会社の名義のドメインやサーバーの契約の扱いは、管財人と相談することになります
  • 前払いした代金があるとき:制作の途中で代金を払っていた場合は、債権者としての手続きが必要になることがあるので、管財人や弁護士に確かめる
  • サーバーの会社に連絡する:制作会社が借りていたサーバーは、支払いが止まると契約が終わり、データが消えることがあります。サーバーの会社に事情を伝え、データの扱いを相談します

破産ではなく、事業をやめて連絡先だけが無くなっている場合もあります。その場合も、まずは記録が残る形で連絡し、反応が無ければ弁護士に相談する流れは同じです。

サイトのデータが受け取れないとき

サーバーが制作会社の名義で、データも受け取れない場合は、今のサイトを残すことより、作り直す準備を優先したほうが早く済むことがあります。

  • 今のサイトの全ページを、画面の保存や印刷で残しておく(文章と写真の控えになります)
  • 写真や原稿の元のデータが社内に残っていないか探す
  • 問い合わせフォームが止まったときに備え、電話とメールの連絡先をサイト以外でも案内しておく

ただし、残した画面のデザインや文章をそのまま新しいサイトに使えるかは、著作権の扱いによります。契約で著作権が自社に移っていない場合は、作り直す制作会社と相談します。

メールを止めないための応急の手

ドメインやサーバーが止まると、サイトより先にメールで困ります。動き始めた段階で、取引先と、やり取りの多いお客様に、急ぎの連絡は電話や別のアドレスでもらうよう伝えておきます。止まっていた間に送られたメールは届いていないことが多いので、戻った後に送り直しを頼みます。

同じことを繰り返さないために

今回の件が片付いたら、ドメイン、サーバー、各種のアカウントを自社の名義で持つ形に切り替えます。考え方はドメインとサーバーは誰の名義にすべきかで、次に制作会社を選ぶときに確かめることはホームページ制作を頼む前に確かめる10項目で説明しています。

Lapisデザインラボでは、他社で作ったサイトの引き継ぎや作り直しもご相談いただけます(作り直し・お引っ越しは個別のお見積り、いまのサイトのままの保守・更新は運用・集客サポート)。月額の管理では、ドメインとアカウントをお客様の名義で持っていただく形で進めます。

よくある質問

ドメインの管理会社がどこか分かりません。どう調べればよいですか。

.jp で終わるドメインは、JPRS の WHOIS で登録者や連絡先を確かめられますが、どの指定事業者が管理しているかは表示されません。JPRS は、管理している指定事業者が分からない場合、登録者か連絡窓口の人がドメイン名を添えて JPRS の窓口に問い合わせるよう案内しています。.com などは、ICANN Lookup の「Registrar」の欄で管理している事業者を確かめられます。

制作会社が倒産していたら、ドメインやサイトはどうなりますか。

破産の手続が始まると、裁判所が選んだ破産管財人が会社の財産を管理し、処分します。制作会社の名義になっているドメインやサーバーの契約、預けていたデータの扱いも、管財人と相談することになります。官報で破産手続の開始を確かめ、管財人に事情を伝えて、登録者の変更やデータの受け渡しを相談します。

ドメインを返してもらえないとき、自分で登録者を書き換えられますか。

登録者でない人が、自分だけで登録者を書き換えることはできません。登録者が制作会社になっている場合は、記録が残る形で制作会社に変更を求め、応じてもらえないときは弁護士に相談します。期限が切れて取り戻せなくなる場合に備えて、新しいドメインへの移行も並行して準備します。

参考にした資料

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