安いホームページ制作の仕組み|テンプレート・リース・広告付きの違い
「ホームページ制作0円」「月々わずかで本格的なサイト」という広告や営業を見ると、数十万円の見積もりとの差に驚きます。安いのには、ちゃんとした理由があります。手間を減らす仕組みで安くしている場合もあれば、費用が別の形や後の月に回っているだけの場合もあります。
この記事では、安いホームページ制作を6つの型に分け、それぞれ「なぜ安いのか」「何と引き換えなのか」を説明します。結論を先に言うと、比べるべきは最初の金額ではなく、3〜5年の合計の支払いと、やめたときにサイトとドメインが手元に残るかです。型ごとの気をつける点、合計の比べ方、向いている会社、契約の前のチェックリストまでまとめました。
安いホームページ制作の6つの型
| 型 | なぜ安いか | 引き換えになりやすいこと |
|---|---|---|
| テンプレートを使う制作 | 決まったデザインに文章と写真を入れるので手間が少ない | 他社と似た見た目、変えられる範囲が狭い |
| 作成サービスの無料プラン | 自分で作る。サービスの有料プランへの入口になっている | サービスの広告、決まった形のアドレス、機能の制限 |
| 月額で払う「制作費0円」 | 制作の費用を月額の料金に分けて回収する | 最低の契約期間、やめるとサイトを使えないことがある |
| リースの契約 | 制作の費用をリース料として長い期間で払う | 途中でやめにくい、合計の支払いが大きくなりやすい |
| 広告付き・掲載型 | 運営する側が広告や掲載料で稼ぐ | 自社の独自のサイトにならない、見た目と項目が決まっている |
| 個人や副業の作り手に頼む | 事務所の費用や営業の費用が少ない | 対応できる範囲と、続けて頼めるかは人による |
どの型も、それだけで悪いわけではありません。問題になるのは、何と引き換えに安いのかを知らないまま契約し、後で「こんなはずでは」となることです。
型ごとに気をつけること
テンプレートを使う制作
あらかじめ用意したデザインの型に、自社の文章と写真を入れて仕上げる形です。デザインを一から作らないので、安く早くできます。数ページで会社の情報を載せたいだけなら、十分に役立ちます。
気をつけるのは、変えられる範囲です。色やロゴは変えられても、ページの構成や見せ方は型に従うことが多く、後から「この順番で見せたい」と思っても直せないことがあります。どのテンプレートを使うのか、実際の見本を見せてもらってから決めます。
作成サービスの無料プラン
Wix のような作成サービスでは、無料のプランで自分でサイトを作れます。ただし、Wix のヘルプセンターの説明(2026年10月時点)では、無料のプランのサイトには Wix のブランドの広告とファビコン(タブに出る小さなマーク)が表示され、アドレスは wixsite.com を含む決まった形になります。自社のドメインをつなぐには、有料のプランへの切り替えが必要です。
つまり、無料で始めて、会社の顔として整えるところで有料になる仕組みです。作る時間も費用の一部なので、自分で作るか頼むかの考え方はホームページは自作と外注のどちらがよいかで説明しています。
月額で払う「制作費0円」
制作費を0円にする代わりに、月額の料金に制作の費用を含めて回収する形です。最初の支払いが無いので始めやすい一方、次のことが決まっていることがよくあります。
- 最低の契約期間があり、その前にやめると残りの月額の支払いや違約金が求められる
- サイトのデータとデザインの権利が制作会社に残り、やめるとサイトを使えなくなる
- ドメインが制作会社の名義で、やめた後に自社で使い続けられない
著作権法では、デザインや文章の著作権は、契約で移すと決めない限り作った側に残ります。月額の契約では、やめた後にデータを持ち出せるか、持ち出すならいくらかを、契約の前に聞いておきます。
リースの契約
制作の費用を、リース会社への長い期間の支払いに分ける形です。月々の金額は小さく見えますが、契約の相手がリース会社になり、途中でやめることが原則としてできない契約が多くあります。仕組みと確かめる点はホームページのリース契約とはで詳しく説明しています。
広告付き・掲載型
ポータルサイトや地域の情報サイトなどが、店や会社のページを無料や安い料金で作る形です。運営する側は、広告や上位の掲載料で稼ぎます。手軽に情報を出せる一方、見た目と載せられる項目は決まっていて、自社のドメインで独自のサイトを持つのとは別のものです。自社のサイトの代わりではなく、入口の一つとして考えます。
個人や副業の作り手に頼む
個人のデザイナーや副業の作り手は、事務所や営業の費用が少ない分、安く引き受けられることがあります。腕の良い人も多くいます。気をつけるのは、公開した後の修正や不具合に、何年先まで対応してもらえるかです。頼む前に、公開後の連絡の方法と、ドメインとサーバーを自社の名義にできるかを確かめます。
3〜5年の合計で比べる
安いかどうかは、最初の金額ではなく、使い続ける期間の合計で決まります。比べるときは、次の表を自社の数字で埋めます。
| 比べる欄 | 一括で制作して自社で持つ | 月額の制作 | リース |
|---|---|---|---|
| 最初に払う額 | |||
| 毎月・毎年払う額 | |||
| 3年間の合計 | |||
| 5年間の合計 | |||
| 途中でやめたときの費用 | |||
| やめた後のサイトとドメイン | |||
| 作り直したいときの扱い |
一括の制作でも、公開した後にサーバーやドメイン、保守の費用がかかります。その分も入れたうえで比べると、月額の制作のほうが合計で高くなることも、安くなることもあります。大事なのは、どちらが安いかを数字で確かめてから選ぶことです。相場の考え方はホームページ制作の費用の相場で説明しています。
安い型が向いている会社、向いていない会社
向いている会社
- 開業したばかりで、まず会社の情報を載せる場所が要る
- 数ページで十分で、見た目を細かく作り込む必要が無い
- 自分で文章や写真を直す時間と意欲がある
- 数年後に作り直すことを前提にしている
向いていない会社
- ホームページから問い合わせや採用の応募を増やしたい
- 業種や地域で競い合う相手が多く、見せ方で差をつけたい
- 長く同じドメインで使い続け、検索での評価を積み上げたい
- 将来、別の制作会社に直してもらう可能性がある
契約の前のチェックリスト
- 最初に払う額と、毎月・毎年払う額を、税込で聞いた
- 最低の契約期間と、その前にやめたときの費用を確かめた
- 契約の相手が制作会社か、リース会社かを確かめた
- やめた後に、サイトのデータを持ち出せるかを確かめた
- ドメインが自社の名義になるかを確かめた
- 修正や更新が、月額の中でどこまでできるかを確かめた
- 3年間と5年間の合計を計算した
ドメインの名義は、.jp のドメインなら JPRS の WHOIS で登録者を見られます。名義の考え方はドメインとサーバーは誰の名義にすべきかにまとめています。
会社の契約では、クーリング・オフが使えないことが多い
「後でやめればよい」と考えて契約するのは危険です。特定商取引法の第26条は、営業のために、または営業として結ぶ契約を、訪問販売などの規定の対象から外しています。消費者庁の Q&A でも、当たるかどうかは契約ごとに中身で判断するとされていますが、会社やお店のホームページの契約は多くの場合これに当たります。
電話や訪問で「今日決めれば安くなる」と言われても、契約書を持ち帰り、合計の支払いと、やめるときの条件を読んでから決めます。契約で起きやすいもめごとはホームページ制作のよくあるトラブルと契約前の防ぎ方で説明しています。
Lapisデザインラボでは、制作のプランをサービスと料金に、ドメインやアカウントを発注者の名義で持っていただく条件を月額サービスの条件に載せています。
よくある質問
「制作費0円」のホームページは、本当に無料ですか。
制作費が0円でも、多くの場合は月額の料金に制作の費用が含まれていたり、広告の掲載や作成サービスの機能の制限と引き換えになっていたりします。最低の契約期間、途中でやめたときの費用、やめた後にサイトとドメインを持ち出せるかを確かめ、3〜5年の合計の支払いで比べます。
格安のホームページ制作には、どんなデメリットがありますか。
安さの理由によって違います。テンプレートなら他社と似た見た目になりやすく、作成サービスの無料プランならサービスの広告や決まった形のアドレスが付きます。月額やリースの契約なら途中でやめにくく、やめるとサイトを使えなくなることがあります。どれも悪いわけではなく、何と引き換えに安いのかを知ったうえで選ぶことが大事です。
月額で払うホームページ制作の契約で、何に注意すればよいですか。
最低の契約期間と、その前にやめたときの費用、契約の相手が制作会社かリース会社か、やめた後にサイトのデータとドメインを持ち出せるかを確かめます。会社やお店のための契約は、特定商取引法のクーリング・オフの対象から外れることが多いので、署名の前に契約書を読み、合計の支払いを計算しておきます。