ドメインが切れたとき|サイトとメールが止まる前の対処と取り戻し方
ある朝、ホームページが開かない。お客様から「メールが戻ってくる」と連絡が来た。調べてみると、ドメインの更新の期限が過ぎていた。ドメインの失効は、どの会社にも起こりうる事故です。更新の案内が退職した人のアドレスに届いていた、制作会社に任せきりで誰も期限を知らなかった、クレジットカードの期限が切れて支払いが止まっていた、といったことが原因になります。
この記事では、ドメインが失効した、または失効しそうなときに何が起きるかと、取り戻す手順を説明します。ドメインの種類で違う回復の期間、制作会社の名義になっていた場合の動き方、二度と切らさないための管理の決め方もまとめました。
今すぐ確かめること
ホームページやメールが止まって、ドメインの失効が疑われるときは、まず次のことを確かめます。
- ドメインの状態:.jp で終わるドメインなら JPRS の WHOIS で、ドメイン名の状態と有効期限を確かめる。.com などは、ドメインを管理している事業者の管理画面か、その事業者の WHOIS で確かめる
- ドメインを管理している事業者:どの会社で更新しているか(WHOIS に表示されることがあります)
- 登録者の名義:自社か、制作会社か
- 更新の案内の届け先:登録している連絡先のメールアドレスが、今も読まれているか
ここまで分かったら、すぐにドメインを管理している事業者に連絡します。回復できる期間には限りがあります。
失効すると何が起きるか
| 段階 | 起きること |
|---|---|
| 期限の前 | 管理している事業者から、更新の案内が届く |
| 期限が過ぎる・廃止される | ホームページが表示されなくなる。メールが届かなくなる(戻ってくる) |
| 回復の期間 | 管理している事業者に申し込めば、取り戻せることがある(費用がかかることが多い) |
| 回復の期間を過ぎる | ドメインが削除され、ほかの人が取れる状態になる |
いちばん困るのは、最後の段階です。削除されたドメインは、誰でも新しく取れるようになります。以前使われていたドメインは、検索や外からのリンクが残っているため、ほかの人に取られて別の目的に使われることがあります。自社の名前のドメインで、見知らぬサイトが表示されることにもなりかねません。
ドメインの種類で違う回復の期間
.jp などのJPドメイン名
JPRS の「JPドメイン名のライフサイクル」によると、JPドメイン名は有効期限までに廃止されなければ、1年ごとに自動で更新される仕組みです。実際に失効が起きるのは、多くの場合、更新の費用が払われずに、管理している事業者が廃止の手続きをしたときです。
- 汎用JP(.jp)・都道府県型JP:廃止された状態になると、その翌日から1か月間(月末まで)その状態が続きます。JPRS はその月の1日から20日までを登録回復期間としています
- 属性型JP(.co.jp など):廃止された状態が6か月間(月末まで)続きます。廃止の申請から廃止された状態になったドメイン名は、その月の1日から20日までが登録回復期間とされています
回復の期間を過ぎたドメイン名は、データベースから削除され、同じ文字列をほかの人が登録できるようになります。JPRS は、管理している事業者ごとに受付の期間などが異なる場合があるとしているので、実際の期限は事業者に確かめます。
.com などのドメイン
.com や .net などは、ICANN の「Expired Registration Recovery Policy」という方針に沿って扱われます。
- 管理している事業者は、期限の前に少なくとも2回(おおむね1か月前と1週間前)、登録者に期限を知らせることになっています
- 期限が過ぎて5日以内に、更新の方法を書いた案内をもう一度送ることになっています
- 削除された後、30日間の回復の期間(Redemption Grace Period)を設けることが求められています。この間は、削除した事業者を通じて取り戻せます
回復の費用は、ふつうの更新の費用より高く設定されていることが多く、事業者ごとに違います。
取り戻す手順
- 管理している事業者に連絡する:回復の申し込みができるか、期限と費用を確かめる
- 支払いの方法を直す:クレジットカードの期限切れが原因なら、先に直す
- 回復を申し込む:登録者として申し込む(名義が制作会社なら、次の節を見てください)
- ホームページとメールを確かめる:回復した後、表示とメールの送受信が元に戻ったかを確かめる。戻るまでに時間がかかることがあります
- 止まっていた間の問い合わせを確かめる:メールが戻っていたお客様や取引先に、連絡し直す
メールだけでも先に戻したいとき
ホームページより先に困るのがメールです。取引先からの注文や、お客様からの問い合わせが届かなくなるからです。ドメインの回復を待つ間は、次のことをしておきます。
- 取引先と、急ぎのやり取りがあるお客様に、別のアドレスや電話で連絡してもらうよう伝える
- 回復の後、止まっていた間に送られたメールは届かないことが多いので、送り直しを頼む
- 自動で送っている請求書や通知のメールがあれば、送り先の側で止まっていないか確かめる
制作会社の名義になっていたとき
ドメインの登録者が制作会社になっていると、自社だけでは回復の手続きができません。
- 制作会社に連絡し、回復の手続きを急いでもらう
- 回復した後、登録者を自社に変えてもらう
- 制作会社と連絡が取れない場合は、管理している事業者に事情を相談する。ただし、登録者でない人の申し込みは受け付けられないことが多い
名義の考え方はドメインは誰の名義にするべきかで、制作会社を変えるときの手順は制作会社を乗り換えるときの手順で説明しています。
取り戻せなかったとき
回復の期間を過ぎて、ほかの人に取られてしまった場合は、新しいドメインで出直すことになります。
- 新しいドメインを自社の名義で取る
- 名刺、会社案内、看板、地図の店舗情報、取引先への登録など、古いドメインを載せていた所を洗い出して直す
- 取引先とお客様に、メールアドレスが変わったことを知らせる
- 古いドメインで不審なサイトやメールが出ていないか、しばらく気にかけておく
古いドメインがほかの人に使われて、自社と誤解されるような使われ方をしている場合は、専門家に相談します。
二度と切らさないための管理
| 決めること | 具体的には |
|---|---|
| 登録者 | 自社の名義にする |
| 連絡先のメールアドレス | 個人ではなく、複数人が読む会社の共通のアドレスにする |
| 支払い | 自動更新にし、支払いのカードの期限を管理する |
| 期限の把握 | 有効期限を社内の予定表に入れる。担当が代わったら引き継ぐ |
| 管理画面のログイン | 会社として管理し、担当者だけが知っている状態にしない |
保守を制作会社に頼んでいる場合も、ドメインの期限と名義は自社で把握しておきます。保守の範囲に更新の手続きが含まれているかは、契約で確かめます(ホームページ保守契約で確認すること)。
これからドメインを取る場合は、はじめから自社の名義で取ることをおすすめします。取り方と種類の選び方は会社のドメインの取り方で説明しています。
Lapisデザインラボの月額サービスでは、ドメインとアカウントをお客様の名義で持っていただく形で管理をお手伝いしています。内容はサイト保守・更新に、名義の扱いは月額サービスの条件に載せています。
よくある質問
ドメインが失効すると、何が起きますか。
ドメインが使えなくなると、そのドメインのホームページが表示されなくなり、そのドメインのメールアドレスでメールの送受信ができなくなります。さらに回復の期間を過ぎてドメインが削除されると、ほかの人がそのドメインを取れる状態になります。一度ほかの人に取られると、取り戻すのは難しくなります。
失効したドメインは取り戻せますか。
回復の期間のうちなら、取り戻せることがあります。JPRS の説明では、.jp などの汎用JPドメイン名は、廃止された状態になった月の1日から20日までが登録回復期間とされています。.com などは、ICANN の方針で、削除の後30日間の回復の期間(Redemption Grace Period)を設けることが求められています。どちらも、ドメインを管理している事業者に急いで連絡します。事業者によって受付の期間や費用が違います。
ドメインの更新の案内が届かなかったのはなぜですか。
更新の案内は、ドメインを管理している事業者から、登録されている連絡先のメールアドレスに届きます。そのアドレスが退職した人のものだった、制作会社のアドレスになっていた、迷惑メールに振り分けられていた、といった理由で気づかないことがよくあります。登録している連絡先が今も読まれているかを確かめておきます。