サイトの文章や写真を無断で使われたとき|確かめ方と対応の順番

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自社のホームページの文章が、ほかのサイトにそのまま載っている。お店の写真が、知らないブログや通販のページに使われている。見つけたときは腹が立ちますが、すぐに強い言葉で相手に連絡すると、証拠が消えたり、話がこじれたりすることがあります。

この記事では、自社のサイトの文章や写真が無断で使われているのを見つけたときに、何をどの順番ですればよいかをまとめます。権利が誰にあるかの確かめ方、証拠の残し方、相手への削除依頼の例文、サーバー会社やサービスの運営会社への申し出、Googleへの申し立て、相談先までを順に説明します。

ほかのサイトを参考にして自社の文章を書くときの線引きや、引用の決まりはホームページの文章の著作権で扱っています。この記事は、自社が使われた側の対応の話です。

対応の順番

まず全体の流れです。上から順に進め、相手が応じればそこで終わります。

順すること目安
1権利が自社にあるかを確かめる見つけたその日
2証拠を残す相手に連絡する前に
3相手のサイトの運営者に削除を依頼する証拠を残した後
4サーバー会社やサービスの運営会社に申し出る相手が応じない、連絡先が無い
5Googleに申し立てる検索結果に出続けて困る
6相談窓口や弁護士に相談する進め方に迷う、被害が大きい

1. 権利が自社にあるかを確かめる

申し出の手続きでは、申し出る人が権利を持っていることを示す必要があります。まず、その文章や写真の著作権が誰にあるかを確かめます。

素材著作権が誰にあるか確かめるもの
社員が仕事として書いた文章条件を満たせば会社社内で書いた原稿のファイル
制作会社やライターに頼んだ文章契約で決まる制作の契約書、納品の書類
カメラマンに頼んだ写真撮影者にあることがある撮影の契約書、譲渡の取り決め
素材サイトで買った写真素材サイトや撮影者素材サイトの利用規約

著作権法では、会社の発意で社員が仕事として作り、会社の名前で公表する著作物は、契約などに別の定めがなければ会社が著作者になります(第15条)。一方、外部のカメラマンが撮った写真は、ふつうは撮影者が著作者になり、譲渡の取り決めが無ければ著作権は撮影者に残ります(著作権は譲渡できると第61条にあります)。この場合は、撮影者と相談して進めます。撮影を頼むときの取り決めはプロのカメラマンに撮影を頼むときの準備で説明しています。

素材サイトで買った写真が使われていた場合、相手も同じ素材を正しく買っているだけのことがあります。素材写真の扱いは素材写真の使い方と注意点を参照してください。

2. 証拠を残す

相手に連絡すると、ページが書き換えられたり消されたりすることがあります。その前に、次のものを残します。

  • 相手のページのURL(ページごとに)
  • 見つけた日時
  • ページ全体の画面の写し(URLと日時が分かる形で)
  • 自社の元のページのURLと画面の写し
  • 自社が先に作ったことを示すもの(原稿のファイル、撮影したままの写真のデータ、公開した日の記録)
  • 似ている箇所の対照表(自社の文と相手の文を左右に並べたもの)

文章は一部だけ言い回しを変えて使われていることもあるので、対照表で同じ部分に印を付けておくと、後の申し出で説明しやすくなります。

3. 相手のサイトの運営者に削除を依頼する

相手のサイトの「運営者情報」「会社概要」「お問い合わせ」から連絡先を探します。最初の連絡は、責める書き方ではなく、事実と求めることを短く伝えます。

件名:当社ホームページの文章・写真の無断掲載について

〇〇 ご担当者様

〇〇株式会社の〇〇と申します。貴サイトの下記のページに、当社ホームページに掲載している文章と写真が、当社の許諾なく掲載されていることを確認しました。

・貴サイトのページ:〇〇(URL) ・当社のページ:〇〇(URL) ・該当する箇所:〇〇の文章、〇〇の写真(〇枚)

つきましては、〇〇年〇月〇日までに、該当する文章と写真を削除していただきますようお願いいたします。削除いただけましたら、このメールへの返信でお知らせください。ご不明な点がありましたら、下記までご連絡ください。

〇〇株式会社 〇〇部 〇〇(電話・メールアドレス)

期限は、相手が確かめて直せるだけの日数を取ります。返事のやり取りは、後で確かめられるようにすべて保存します。

4. サーバー会社やサービスの運営会社に申し出る

相手が応じない、連絡先が見つからないときは、相手のサイトが置かれているサーバー会社や、ブログ・SNSなどのサービスの運営会社に、送信防止措置(その情報をほかの人が見られないようにする措置)を申し出ます。

この手続きの土台になる法律は、2025年4月1日に「プロバイダ責任制限法」から名前が変わった「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」(情報流通プラットフォーム対処法)です。この法律では、権利を侵害されたとする人から申し出を受けたサーバー会社などが、発信者に削除に同意するかを照会し、7日を過ぎても同意しない旨の申し出が無ければ、必要な限度で行った削除について発信者への賠償の責任を負わない、という定めがあります(第3条第2項第2号)。

著作権の侵害については、「情報流通プラットフォーム対処法ガイドライン等検討協議会」が「著作権関係ガイドライン」と申出書の書式を公開しています。書式で求められている主な項目は次のとおりです。

項目書く中身
申出者の住所・氏名・連絡先会社なら会社の情報と担当者
侵害情報を特定するための情報相手のページのURL、ファイル名など
著作物の説明自社が作った文章・写真であること
侵害されたとする権利公衆送信権(ネットで送る権利。著作権法第23条)
侵害されたとする理由権利を持っていて、相手に許諾していないこと
侵害の態様丸写しかどうか、比べればすぐ分かるか

ガイドラインでは、書面で申し出る場合、記名・押印のうえ、運転免許証などの公的な証明書の写しを付けるとしています(法人は代表者の記名と、会社の印などを使います)。権利を持っていることを示す資料の例として、著作者として名前が表示されたものの写しなどが挙げられています。実際の窓口や受け付ける方法(書面、メール、専用のフォーム)は会社ごとに違うので、各社の案内に従います。

5. Googleに申し立てる

相手のページが検索結果に出続けて困るときは、Googleに申し立てる方法があります。Googleのヘルプでは、法律に違反している、または権利を侵害していると思われるコンテンツを、専用のフォームから報告できると案内しています。

申し立ての前に知っておきたい点は次のとおりです。

  • 対象はGoogleのサービス(検索結果など)での扱いで、相手のサーバーにあるページそのものが消えるわけではない
  • 届いた通知の写しが、外部のプロジェクト(Lumen)に送られ公開されることがある。送った人の電話番号やメールアドレス、住所などの連絡先は削除されると案内されている
  • 相手が異議を申し立てた場合、申立人が訴訟を起こしたことなどの証拠を10日以内に出さないと、コンテンツが元に戻ることがある

6. 相談窓口と、その先の手続き

進め方に迷うときは、総務省の事業として運営されている「違法・有害情報相談センター」に無料で相談できます。削除依頼の方法などについて助言を受けられます。

相手が誰か分からないまま損害の賠償を求めたいときは、発信者の情報の開示を求める手続きがあり、裁判所の手続きも用意されています(情報流通プラットフォーム対処法の第3章・第4章)。また、著作権侵害の罪の多くは、権利者の告訴がなければ起訴できない決まりです(著作権法第123条)。どちらも手続きの判断が要るので、弁護士に相談します。

次に備えてやっておくこと

  • 原稿のファイルと、撮影したままの写真のデータを保存しておく
  • 制作会社やカメラマンとの契約で、著作権の扱いを決めておく
  • 写真の使用許可の範囲(どこに、いつまで使えるか)を記録しておく
  • 定期的に、自社の特徴的な文を検索して確かめる

見つけたときのチェックリスト

  • 文章・写真の著作権が自社にあるかを確かめた
  • 相手のページのURL、日時、画面の写しを保存した
  • 自社が先に作ったことを示す原稿やデータをまとめた
  • 自社の文と相手の文の対照表を作った
  • 相手に、事実と期限を書いて削除を依頼した
  • 応じないときの申し出先(サーバー会社・サービスの運営会社)を調べた
  • やり取りの記録をすべて保存している

Lapisデザインラボでは、原稿や写真の権利の扱いを契約で取り決めたうえでホームページを制作しています。内容はお取引の条件をご覧ください。

よくある質問

無断転載を見つけたら、最初に何をすればよいですか。

相手に連絡する前に、証拠を残します。相手のページのURL、見つけた日時、ページ全体の画面の写しを保存し、自社の文章や写真が先に公開されていたことを示せる原稿や撮影データもまとめておきます。連絡した後にページが書き換えられることもあるからです。

相手のサイトに連絡先が無いときは、どうすればよいですか。

相手のサイトが置かれているサーバー会社や、ブログ・SNSなどのサービスの運営会社に、送信防止措置(その情報を見られないようにする措置)を申し出る方法があります。申し出の窓口や書式は会社ごとに違うので、各社の案内を確かめます。進め方が分からないときは、違法・有害情報相談センターに無料で相談できます。

Googleに申し立てると、相手のサイトは消えますか。

Googleへの申し立ては、Googleのサービス(検索結果など)での扱いについてのものです。認められると検索結果などに出なくなることがありますが、相手のサーバーにあるページそのものが消えるわけではありません。相手への連絡や、サーバー会社への申し出とあわせて進めます。

参考にした資料

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