素材写真の使い方と注意点|ありがちな失敗とライセンス

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撮影の予算も時間も無いとき、写真素材サイトは頼りになる存在です。数百円から、無料のものまであり、質の高い写真がすぐに手に入ります。一方で、ライセンスの読み落としと、どこかで見た写真ばかりのサイトという2つの失敗が、とても起きやすい道具でもあります。

この記事では、素材写真を商用で使うときに確かめるべきライセンスの項目と、実際によくある失敗、素材らしさを抑えて自社のサイトや印刷物になじませる使い方のコツを説明します。素材サイトの規約の例として、国内の大手写真素材サイト PIXTA の公開情報を引用していますが、条件はサイトごとに違うので、使うサイトの規約を必ず確かめてください。

ストックフォトのライセンスの基本

素材写真を「買う」とき、手に入れているのは写真の著作権ではなく、**決められた範囲で使ってよいという許し(使用許諾)**です。写真は著作権法で著作物の例として挙げられており(第10条)、著作権は撮影者や素材サイトの側に残ります。だから、許された範囲の外で使うと、権利の侵害や規約違反になります。

ライセンスの形は、大きく次の2つに分かれます。

形仕組み向いている使い方
1点ずつ買う素材ごとに使用許諾を買う。ライセンスの種類で使える範囲が変わる必要な写真が少ない、大量に印刷する
定額制(月額など)決まった数をダウンロードできる継続して多くの素材を使う

同じサイトでも、ライセンスの種類で範囲が変わります。PIXTA の場合、標準ライセンスでは複製部数の総計が30万未満までとされ、それを超える使い方や商品化などは別のエクストラライセンスの対象と案内されています。定額制でダウンロードした画像は、エクストラライセンスの用途に使えない、という決まりもあります。

使う前に確かめる項目

項目確かめること
商用利用事業の宣伝・販売に使えるか
部数・閲覧数印刷の部数やアクセス数に上限があるか
用途の制限商品やグッズ、テンプレートの販売に使えるか
ロゴへの使用ロゴや商標に使えるか(多くのサイトで禁止)
加工切り抜き・色の変更・合成をしてよいか
禁止される題材医療・金融・美容など、人物素材を使ってはいけない分野があるか
クレジット撮影者やサイト名の表示が要るか
利用者の範囲制作会社が買った素材を、納品先の会社が使ってよいか

とくに注意したいのが「禁止される題材」です。PIXTA の使用許諾では、人物が写った素材について、病気・薬物・消費者金融・美容外科などの「注意を要する題材」への使用を、原則として禁止しています。業種によっては、人物の素材をそもそも使えない場面があるということです。

ありがちな失敗

ロゴに使ってしまう

素材のイラストやアイコンを組み合わせてロゴを作るのは、よくある失敗です。PIXTA は、ロゴ・サービスマーク・商標など権利が発生するものへの使用を禁止事項に挙げています。多くの素材サイトで同じような決まりがあります。ロゴは一から作るのが原則です(考え方はロゴの著作権は誰のものか)。

素材の人物を「実在の人」として載せる

「代表挨拶」に素材の人物写真を使う、利用者の体験談の横に素材の笑顔を並べる。これは見る人を誤解させます。PIXTA の使用許諾でも、被写体に虚偽の年齢・氏名などのプロフィールを結び付けて、イメージではなく実在の人物のように見せる使い方は禁止されています。

また、商品やサービスの内容を実際よりも著しく良く見せる表示は、景品表示法の「優良誤認」にあたるおそれがあると消費者庁は説明しています。施設の写真を別の場所の素材で代用する、といった使い方も同じ理由で避けます。

ダウンロードした条件が分からなくなる

素材サイトの規約は改定されることがあります。何年も前に使った素材の条件を確かめようとしても、当時の規約が残っていないことがあります。

透かし入りの確認用の画像をそのまま使う

購入前の確認用の画像(透かし入り)は、多くのサイトでレイアウトの確認にしか使えません。仮置きのまま公開してしまう失敗があります。

素材らしさを消す使い方のコツ

素材写真の最大の弱点は、他社のサイトでも同じ写真を見かけることです。完全には避けられませんが、使い方で印象は変えられます。

  1. 人物の正面の笑顔を避ける:いかにも素材らしい写真の代表です。手元・後ろ姿・道具・風景のほうが、自社の雰囲気になじみます
  2. 色味をそろえる:同じページの写真の明るさや色味を整えると、別々の素材でも統一感が出ます(加工が許されているかは確かめる)
  3. 切り取り方を変える:写真の一部を大きく切り取ると、元の写真と同じに見えにくくなります
  4. 自社の写真と混ぜる:店の外観・商品・スタッフなど、自社にしか無い写真を1枚でも入れると、素材の写真も背景として生きます
  5. 写真を使わない場所を作る:無理に写真で埋めず、色や文字で構成したほうが上品になる場合があります

無料の素材と有料の素材の違い

無料の素材サイトにも、質の高い写真はたくさんあります。違いが出やすいのは、写真の質よりも権利の確かさと、困ったときの対応です。

  • 人物の同意の書面:写っている人の使用の同意(モデルリリース)をどう扱っているかを、サイトのガイドや規約で確かめます。有料の大手サイトは説明が細かい傾向があり、無料のサイトは確認の範囲がサイトによってまちまちです
  • 規約の細かさ:有料のサイトは、使える部数や用途、禁止事項が細かく決められています。細かいのは面倒ですが、判断に迷ったときの根拠になります
  • 問い合わせの窓口:権利について問題が起きたときに、問い合わせる先があるかどうか
  • 同じ写真に出会う確率:無料で人気の写真は、多くのサイトで使われています

チラシやホームページの主役になる写真ほど、有料の素材か撮影を選ぶほうが安全です。

素材写真で足りる場面・撮影したほうがよい場面

場面素材写真撮影
ページの雰囲気づくり(空・街並み・道具)向いている必須ではない
サービスの説明のイメージ向いているあればより伝わる
店の外観・内観使えない(別の場所だと誤解を招く)必須
代表・スタッフの紹介使えない必須
商品の写真使えない必須
求人の案内雰囲気づくりに限る実際の職場の写真が望ましい

素材写真は「雰囲気を支える脇役」、自社の写真は「事実を伝える主役」と分けると、判断しやすくなります。

管理のしかた

素材を使ったら、次の情報を一覧にして保管します。

  • 素材サイトの名前と、素材の番号
  • 購入日(ダウンロード日)と、ライセンスの種類
  • その時点の規約の控え(PDF など)
  • 使った場所(サイトのどのページ、どの印刷物)
  • 誰の名義で買ったか(制作会社が買った場合は、使える範囲を確かめる)

制作会社に頼む場合、有料の素材の費用が代金に含まれるのか、別の実費なのかも確かめておきます。Lapisデザインラボでは、お客様の写真が無い場合は有料の写真素材(実費)でご提案しています(取引の条件)。撮影を頼む場合の準備はプロのカメラマンに撮影を頼むときの準備をご覧ください。

よくある質問

無料の素材サイトの写真なら、何に使っても大丈夫ですか。

大丈夫とは限りません。無料の素材サイトにも利用規約があり、商用利用の可否、クレジットの表示、ロゴへの使用や加工の制限、禁止される題材が定められています。サイトごとに条件が違うので、使う前に規約を読み、ダウンロードした日と規約の控えを残しておきます。

素材写真をロゴの一部に使えますか。

多くの素材サイトで禁止されています。たとえば大手の写真素材サイトの PIXTA は、使用許諾でロゴ・サービスマーク・商標など権利が発生するものへの使用を禁止しています。ロゴは、素材を使わずに一から作るのが原則です。

素材写真の人物を「当社スタッフ」として載せてもよいですか。

避けてください。実在の社員やお客様だと受け取られる使い方は、見る人を誤解させるうえ、素材サイトの使用許諾でも、被写体に虚偽のプロフィールを結び付ける使い方などが禁止されていることがあります。人物の素材はイメージとして使い、社員紹介には実際の写真を使います。

参考にした資料

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