WordPressを更新しないとどうなるか|本体・プラグイン・PHPの更新

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WordPressの管理画面を開くと、「更新があります」という表示がいくつも並んでいる。表示は崩れていないし、触って壊すのが怖いので、そのままにしている。何年も更新していないWordPressのサイトでは、よくある状態です。

この記事では、WordPressを更新しないと何が起きるか、更新には本体・テーマとプラグイン・PHPの3つがあること、安全に更新する順番、何年も更新していないサイトの進め方、そして更新に失敗したときの戻し方を整理します。

WordPressの保守を契約するかどうかの判断はWordPressの保守は要るかの記事で扱っています。ここでは、更新の作業そのものに絞ります。

更新しないと何が起きるか

起きること理由
改ざんや不正な書き換えの入口になる古い版の弱点(脆弱性)は、修正とともに内容が知られるため、狙われやすくなる
弱点が直されないまま残る開発が止まったプラグインや、サポートが終わったPHPには、修正が出ない
まとめて更新するときに不具合が出やすい版の差が大きいほど、部品どうしの相性の問題が重なる
新しい部品が入れられない新しいプラグインが、古い本体やPHPに対応していない
サーバーの側の都合で動かなくなるサーバー会社が古いPHPの提供をやめると、急に対応を迫られる

表示が崩れていないことは、安全であることの証明にはなりません。改ざんは、見た目を変えずに不正な仕組みを埋め込む形で行われることもあります。起きてしまった場合の対処はホームページの改ざんへの対処の記事にまとめています。

3つの更新の違い

更新するもの中身更新の方法
WordPress本体小さな更新(不具合・セキュリティの修正)と、大きな更新(機能の追加)小さな更新は版3.7から自動で当たる。大きな更新は管理画面の「更新」から行う
テーマ・プラグイン見た目と、追加の機能管理画面から1つずつ、または自動更新を有効にして行う
PHPWordPressを動かすサーバーのプログラムの言語サーバー会社の管理画面で版を切り替える

PHPは、WordPressの管理画面ではなくサーバーの側で設定するため、見落とされやすい更新です。

PHPの版はどれを使うか

2026年10月時点のWordPressの公式の動作環境では、PHP 8.3以上が推奨されています。PHP 7.4以上でも動くものの、サポートが終わった版を使うとサイトが弱点にさらされるおそれがある、と案内されています。

PHPの公式の情報では、各版のセキュリティの修正が提供される期限は次の通りです(2026年10月時点)。

PHPの版セキュリティの修正の期限
8.1以前すでに終了
8.22026年12月31日
8.32027年12月31日
8.42028年12月31日
8.52029年12月31日

今のサーバーのPHPの版は、サーバー会社の管理画面か、WordPressの管理画面の「ツール」にある「サイトヘルス」の情報で確かめられます。8.2以前を使っている場合は、更新の予定を立てておく時期です。

安全に更新する順番

決まった1つの正解があるわけではありませんが、WordPressの公式の手順をもとにすると、次の順で進めるのが安全です。

  1. バックアップを取る: データベースとファイルの両方。公式の手順でも、取ったバックアップが実際に使えるかを確かめることが欠かせないとされています
  2. 対応状況を確かめる: 各プラグインの説明にある対応する本体とPHPの版を見る。長く更新されていないプラグインは、代わりを探す
  3. できれば試しの場所で先に行う: 本番の複製を作れるサーバーなら、先にそちらで試す
  4. プラグインとテーマを1つずつ更新する: 1つ更新するたびに、表示と主な動きを確かめる
  5. 本体を更新する: 管理画面の「更新」から行う
  6. PHPを上げる: すべての部品が新しい版に対応していることを確かめてから、最後に行う
  7. 更新の後の確認をする: 下の「更新の後に確かめること」を見る

一度に全部の「更新」を押すと、不具合が出たときに、どれが原因か分からなくなります。手間はかかっても、1つずつ進めるほうが結果として早く終わります。

何年も更新していないサイトの進め方

何年も更新していないサイトでは、上の順番をそのまま当てはめると、途中で動かなくなることがあります。WordPressの公式の拡張手順では、2つより多くの大きな版をまたいで更新する場合、データベースの破損などの危険を減らすために、段階的に更新することを検討するよう案内されています。同じ手順には、本体の版とPHPの版を交互に少しずつ上げていく進め方の例も示されています。

この場合の進め方は、おおむね次の通りです。

  • 必ず本番とは別の試しの場所で行う
  • 使っていないプラグインは、更新の前に止めて削除する
  • 本体とPHPを、間の版を経由しながら少しずつ上げる
  • 途中で動かなくなったプラグインは、代わりのプラグインに入れ替える
  • 試しの場所で全部が動いてから、本番に反映する

作業の量が大きくなるため、作りを見直して作り直す(リニューアル)ほうが見合う場合もあります。その判断はホームページのリニューアルの記事も参考にしてください。

更新に失敗したときの戻し方

症状戻し方
「メンテナンスのため一時的に利用できません」の表示が消えない更新が途中で止まっている。サーバー上のWordPressのフォルダにある「.maintenance」というファイルを消す
画面が真っ白、または「重大なエラー」と出る版5.2以降は、管理者のアドレスにエラーの知らせと、原因の部品を止めて管理画面に入る「リカバリーモード」のリンクが届く。そこから原因のプラグインやテーマを止める
プラグインの自動更新の後に問題が出た版6.6以降は、プラグインの自動更新が失敗したときに元の版へ自動で戻す仕組みがある。手動の更新の後なら、そのプラグインを止めて前の版に戻す
何をしても直らない更新の前に取ったバックアップから、ファイルとデータベースを戻す

公式の更新の解説でも、更新の後に問題が出た場合は、バックアップから戻すことが最後の手段として挙げられています。バックアップの取り方と戻し方はホームページのバックアップの取り方の記事にまとめています。

更新の後に確かめること

  • トップページと主なページが正しく表示されるか(パソコンとスマートフォン)
  • 問い合わせフォームから送信でき、メールが届くか
  • 管理画面に入れて、お知らせを投稿できるか
  • 管理画面の「サイトヘルス」に、重大な問題が出ていないか
  • 何をいつ、どの版からどの版へ更新したかを記録したか

記録は、次に不具合が出たときに原因を探す手がかりになります。

まとめ

WordPressを更新しないと、公開済みの弱点が残り、まとめて更新するときの不具合も起きやすくなります。更新は、バックアップを取り、プラグインを1つずつ、本体、最後にPHPの順で進め、何年も更新していないサイトは試しの場所で段階的に上げるのが安全です。失敗に備えて、戻し方を先に知っておくことが、更新を怖がらずに続けるいちばんの近道です。

Lapisデザインラボの月額のサイト保守では、ホームページの仕組み(CMS・部品)の更新をお引き受けしています。内容はサイト保守・更新をご覧ください。

よくある質問

WordPressを何年も更新していません。一度に最新にしてよいですか。

おすすめしません。WordPressの公式の手順では、2つより多くの大きな版をまたいで更新する場合、段階的に更新することを検討するよう案内されています。バックアップを取り、できれば本番とは別の試しの場所で、本体・プラグイン・PHPを少しずつ上げていきます。

プラグインはどの順番で更新すればよいですか。

まずバックアップを取り、プラグインを1つずつ更新して、そのたびに表示と動きを確かめます。一度に全部を更新すると、不具合が出たときにどれが原因か分からなくなるためです。PHPの版の更新は、すべての部品が新しい版に対応していることを確かめてから、最後に行います。

更新に失敗してサイトが表示されなくなったら、どうすればよいですか。

まず、更新の前に取ったバックアップから戻します。WordPressの版5.2以降では、致命的なエラーが起きると管理者にメールで知らせ、原因のプラグインやテーマを止めて管理画面に入れる「リカバリーモード」が用意されています。更新の途中で止まった場合は、サーバー上の「.maintenance」というファイルを消すと、メンテナンス中の表示が消えます。

参考にした資料

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