ホームページリニューアルの進め方|手順と期間、失敗しやすい所
ホームページのリニューアルは、新しく作るより難しいところがあります。今のサイトには、検索から来る訪問者、取引先がブックマークしているページ、名刺やチラシに載せた URL、長年の問い合わせの窓口がつながっているからです。見た目を新しくすることばかりに気を取られると、公開したとたんに問い合わせが減った、古いページが「見つかりません」になった、という失敗が起きます。
この記事では、古いサイトを作り直す担当者に向けて、リニューアルの手順を8つに分けて説明します。期間を左右する所、やり直しになりやすい失敗の原因、ページの URL を変えるときの注意点もまとめました。
リニューアルの手順の全体
| 手順 | やること | 主な担当 |
|---|---|---|
| 1 | 今のサイトの棚卸し | 自社 |
| 2 | 目的と見てほしい人を決め直す | 自社 |
| 3 | 名義と契約の確認 | 自社 |
| 4 | 依頼先を選ぶ | 自社 |
| 5 | 構成と原稿を決める | 自社と制作会社 |
| 6 | デザインと制作 | 制作会社 |
| 7 | URL の転送と公開 | 制作会社(自社が確認) |
| 8 | 公開後の確認と運用 | 自社と制作会社 |
1〜4は、制作会社に頼む前に自社で進める部分です。ここを飛ばすと、後で手戻りが起きます。
手順1:今のサイトの棚卸し
今のサイトについて、次のことを書き出します。
- ページの一覧:どんなページが、何ページあるか
- よく見られているページ:アクセス解析(Google アナリティクスなど)や Search Console が入っていれば、よく見られているページと、検索から入ってくるページを調べる
- 問い合わせの入り口:問い合わせフォーム、電話番号、予約の仕組み
- 外から張られているリンク:取引先のサイト、業界団体の名簿、Googleマップの店舗情報、名刺やチラシに載せた URL
- 使っている仕組み:WordPress など、何で作られているか
よく見られているページや、外からのリンクが集まっているページは、リニューアルの後も残すか、転送先を必ず用意します。
手順2:目的と見てほしい人を決め直す
前に作ったときから、事業もお客様も変わっているはずです。「古くなったから」だけでなく、リニューアルで何を変えたいのかを言葉にします。
- 問い合わせを増やしたいのか、採用の応募を増やしたいのか
- 見てほしい人は、前と同じか
- スマートフォンで見る人が多いか
- 社内で更新できるようにしたいか
目的が決まると、残すページ、やめるページ、足すページが決まります。制作会社に伝えるときは、提案依頼書にまとめると比べやすくなります(ホームページ制作の提案依頼書の書き方)。
手順3:名義と契約を確かめる
制作会社を変えるなら、この確認が欠かせません。
- ドメインの登録者は誰か(.jp のドメインなら JPRS の WHOIS で登録情報を確かめられます)
- サーバーの契約者は誰か
- 今の保守契約の期間と、解約の予告の期間
- サイトのデータと、ロゴや写真の元のデータを受け取れるか
名義が制作会社になっている場合は、移す手続きを先に相談します(制作会社を乗り換えるときの手順)。
手順4〜6:依頼先を選び、構成と原稿を決めて作る
依頼先を選んだら、ページの一覧(サイトマップ)と、各ページの原稿を決めます。ここで大事なのは、今のサイトの原稿をそのまま使い回さないことです。事業の説明、料金、会社概要は、今の事実に合わせて書き直します。原稿の用意の仕方はホームページの原稿の書き方で説明しています。
デザインは、トップページと、よく見られるページの1つを先に作って方向性を確かめ、それから全ページに広げると、大きなやり直しが減ります。
手順7:URL の転送と公開
リニューアルでページの URL が変わるときは、**古い URL から新しい URL への転送(リダイレクト)**を設定します。
Google 検索セントラルのサイト移転の案内では、次のことがすすめられています。
- 古い URL と新しい URL の対応表(マッピング)を作る
- サーバー側の永続的なリダイレクト(301 や 308)を使う
- リダイレクトはできるだけ長く、一般的には1年以上保持する
- 新しい URL を載せたサイトマップを Search Console で送信する
- 移転の間、検索の掲載順位が一時的に変動することがあるが、時間の経過とともに安定する
| 古い URL | 新しい URL | 扱い |
|---|---|---|
| /company.html | /about/ | 転送 |
| /service01.html | /service/reform/ | 転送 |
| /news/2015/… | (無くす) | 近い内容のページ、または一覧へ転送 |
転送を忘れると、検索から来た人や、取引先のサイトのリンクから来た人が「ページが見つかりません」の画面にたどり着きます。
手順8:公開後の確認と運用
公開した日と、その後の数週間で、次のことを確かめます。
- 主なページが表示されるか。スマートフォンでも崩れないか
- 問い合わせフォームから送信して、届くか。自動の返信が正しいか
- 古い URL が、新しい URL に転送されるか(対応表の全件を試す)
- Search Console で、新しいサイトマップを送信したか。エラーが出ていないか
- Googleマップの店舗情報、SNS、名刺やチラシの URL が新しいサイトを指しているか
- アクセス解析の計測が新しいサイトで動いているか
公開後に誰が何を更新するかも、公開の前に決めておきます。
制作会社に渡すものの一覧
リニューアルを頼むときは、次のものをまとめて渡すと、見積もりと提案が的確になり、制作の途中の問い合わせも減ります。
- 手順1で作った、今のサイトのページの一覧と、よく見られているページ
- 残すページ、やめるページ、足したいページの案
- ドメイン、サーバー、今のサイトの管理画面の情報(名義と、誰が入れるか)
- ロゴのデータ、会社の色と書体の決まり
- 使いたい写真と、撮影が必要なものの一覧
- 公開したい日と、その理由
- 公開後に社内で更新したいページと、更新する人
ログインのパスワードのような情報は、依頼先が決まってから、安全な方法で渡します。見積もりの段階では「どこで何を契約しているか」が分かれば十分です。
期間を左右するもの
リニューアルの期間を左右するのは、制作の作業そのものより、次の点です。
- 原稿の用意:今のサイトの原稿を直すのか、一から書くのか。社内の誰が書くのか
- 社内の確認:確認する人の数と、意見をまとめる人がいるか
- 写真の用意:撮影するなら、天気や日程の調整
- 名義の移管:ドメインやサーバーを移すなら、前の制作会社とのやり取り
公開したい日があるなら、そこから逆算して、原稿の締め切り、デザインの確認の日、移管の開始日を先に決めます。制作の期間の考え方はホームページの制作期間の目安で説明しています。
やり直しになりやすい失敗
- 見た目だけを新しくする:目的を決め直さないと、きれいになっただけで問い合わせは増えません
- よく見られていたページを消す:棚卸しをせずに削ると、検索からの訪問が減ります
- URL の転送を忘れる:外から張られたリンクや、検索の結果が行き止まりになります
- 名義を確かめずに乗り換える:ドメインを移せず、URL を変えざるを得なくなることがあります
- 公開の日だけ決めて原稿の締め切りを決めない:最後に原稿が間に合わず、中身の薄いまま公開することになります
Lapisデザインラボでは、他社で作ったサイトのリニューアルやお引っ越しもご相談いただけます。内容はサービスと料金をご覧ください。
よくある質問
ホームページのリニューアルにはどれくらいの期間がかかりますか。
ページ数と、原稿や写真を誰が用意するかで大きく変わります。数ページで原稿がそろっているなら短く、数十ページで原稿を書き直し、撮影もするなら長くなります。期間を延ばす主な原因は、制作の作業よりも、社内での原稿の用意と確認です。公開したい日から逆算して、原稿の締め切りを先に決めておくと遅れにくくなります。
リニューアルでページのURLが変わると、検索の順位は下がりますか。
Google の検索セントラルでは、サイトの移転で URL が変わると、再クロールされる間に掲載順位が一時的に変動することがあると説明されています。古い URL から新しい URL へ、サーバー側で永続的なリダイレクト(301 など)を設定し、できるだけ長く(一般的には1年以上)保持することがすすめられています。転送を忘れると、古い URL へのリンクや検索からの訪問が行き止まりになります。
リニューアルで失敗しやすいのはどんなときですか。
目的を決め直さずに見た目だけを新しくする、今のサイトで見られているページを調べずに削る、ドメインやサーバーの名義を確かめずに制作会社を変える、URL の転送を忘れる、公開後の更新の担当を決めていない、といった場合です。どれも、作り始める前の棚卸しで防げます。