サーバーの引っ越しの手順|サイトとメールを止めずに移す

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サーバーの料金が上がった、表示が遅い、契約しているサーバーのサービスが終わる。理由はさまざまですが、ホームページを長く続けていると、サーバーを乗り換える場面が一度は来ます。サーバーの引っ越しで怖いのは、作業そのものよりも、切り替えの途中でサイトが表示されない、メールが届かない時間が出ることです。

この記事では、ホームページとメールを止めずにサーバーを移す手順をまとめます。移す前に洗い出すもの、DNS の切り替えの注意、メールの引っ越しで漏れやすい点、費用の考え方まで順に説明します。制作会社ごと乗り換える場合は、制作会社を乗り換えるときの手順もあわせて読んでください。

移す前に洗い出すもの

今のサーバーに何が載っているかを、先にすべて書き出します。サイトのファイルだけだと思っていたら、メールや予約の仕組みも載っていた、ということがよくあります。

洗い出すもの確かめること
ホームページ作り(WordPress などの仕組みか、ファイルだけか)。データベースを使っているか
メールアカウントの数。メールをサーバーに残しているか、パソコンに取り込んでいるか
問い合わせフォーム送信の仕組み。送り先のアドレス
DNSDNS をどこで管理しているか(ドメインの事業者か、今のサーバーか)
SSL(https)証明書の種類と、新しいサーバーで設定し直せるか
そのほか定期的に動く処理、別のサイト、サブドメイン

特に大事なのが DNS をどこで管理しているかです。今のサーバーの DNS を使っている場合、サーバーを解約すると DNS の設定も一緒に消えます。サイトとメールの両方が止まる原因になります。

管理画面に入るための情報(今のサーバー、ドメインの事業者、WordPress など)がそろっているかも、このときに確かめます。制作会社が契約していて自社では入れない場合は、先に名義と権限を整えます(ドメインとサーバーは誰の名義にすべきか)。

止めずに移す手順

全体の流れは次のとおりです。

  1. 新しいサーバーを契約する:今のサーバーは解約しない。しばらく両方の契約を重ねる
  2. 新しいサーバーにドメインを登録する:まだ向き先は切り替えない
  3. サイトを移す:ファイルとデータベースを写す。SSL を設定する
  4. 新しいサーバーで表示を確かめる:サーバー会社の確認用の URL などで、切り替える前に表示と動きを確かめる
  5. メールのアカウントを作る:今と同じアドレスとパスワードの方針で作る
  6. TTL を短くしておく:切り替えの前日までに
  7. DNS を切り替える:問い合わせの少ない日と時間に
  8. 両方のサーバーでメールを確かめる:切り替えが行き渡るまで
  9. 確認が済んでから、古いサーバーを解約する

サーバー会社の案内でも、サイトやメールを止めずに移すには、移転が終わるまで移転元のサーバーの契約を続け、期間を重ねて契約する必要があると説明されています。先に解約しないことが、いちばん大事な決まりです。

DNS の切り替えで気をつけること

DNS は、「このドメインのサイトはこのサーバー、メールはこのサーバー」という案内です。切り替えには、ネームサーバー(DNS を管理するサーバー)ごと新しいサーバー会社のものに変えるやり方と、DNS の管理場所はそのままで、中の設定(サイトの向き先の A レコード、メールの届け先の MX レコードなど)だけを書き換えるやり方があります。

TTL を短くしておく

インターネット上の DNS の情報は、あちこちで一時的に覚えておかれます。その覚えておく時間が TTL です。たとえば TTL が1日なら、設定を変えても、古い情報が最大で1日ほど使われ続けることがあります。切り替えの前に TTL を短くしておくと、切り替えた後の行き渡りが早くなります。TTL を短くする変更そのものも、それまでの TTL の時間が過ぎてから効くので、前日までに済ませておきます。

切り替えの間は、どちらにつながるか分からない

ある大手のサーバー会社の案内では、ネームサーバーを変えると、数時間から最大24時間ほどで徐々に反映し、その間はどちらのサーバーにつながるか予測できない時間が出るとされています。メールの届け先を Google Workspace に移す場合も、Google のヘルプでは、MX レコードが認識されるまで最長で72時間ほどかかることがあるとされています。

この間は、次のことに気をつけます。

  • サイトの更新や、ブログの投稿を止める(古いサーバーに書いた内容が消える)
  • 問い合わせフォームの送信が、どちらのサーバーからでも届くか試す
  • メールは、古いサーバーと新しいサーバーの両方の受信箱を見る

ネームサーバーごと変えるときは、設定を写しきる

古い DNS に入っていた設定を、新しい DNS にすべて写してから切り替えます。サイトとメールの設定だけでなく、なりすまし対策の SPF・DKIM・DMARC、Google などのサービスの持ち主の確認の値、サブドメインの設定も含めます。写し漏れがあると、切り替えた瞬間にそのサービスが止まります。

メールの引っ越しで漏れやすい点

サーバーの引っ越しでいちばん困りごとが起きやすいのは、サイトよりメールです。

漏れやすい点対処
過去のメールが新しいサーバーに無いサーバーに残している方式(IMAP)なら、移す手段をサーバー会社に確かめる。パソコンに取り込んでいる方式(POP)なら、パソコン側に残る
パソコンやスマートフォンの設定受信と送信のサーバー名、パスワードを、社員全員の端末で直す
送ったメールが迷惑メールになる新しいサーバーを SPF に入れ、DKIM を設定し直す
フォームや外部のサービスの送信送信に使うサーバーの設定を新しいものに直す
切り替えの間に古いサーバーに届いたメール解約する前に、古いサーバーの受信箱を最後にもう一度確かめる

送ったメールが届くための設定は、会社のメールのなりすまし対策で説明しています。サーバーの引っ越しを機に、メールだけを業務用のメールのサービスに分ける会社もあります。分けておくと、次にサイトのサーバーを移すときにメールを触らずに済みます(会社のメールを独自ドメインにする方法)。

移転の費用の考え方

費用は、大きく3つに分かれます。

  • 契約が重なる期間のサーバー代:新旧のサーバーを同時に払う期間
  • 作業の費用:自社でやるか、頼むか
  • サイトの直し:古い仕組みのままでは新しいサーバーで動かないときの手直し

作業を頼む場合の例として、ある大手のサーバー会社のサーバー移転代行は、2026年10月時点で移転するサイト1件あたり33,000円(税込)、作業は5営業日とされています。ただし、この代行ではサイトの動作の確認や、ネームサーバー(DNS)の変更の作業は対応していないと明記されています。メールの移し替え、DNS の切り替え、切り替え後の確認までまとめて制作会社や保守の会社に頼む場合は、サイトの作りや規模、メールのアカウントの数で見積もりが変わります。見積もりでは、どこからどこまでを作業に含むかを一覧にしてもらいます。

よくある失敗

  • 新しいサーバーの準備が済む前に古いサーバーを解約して、サイトとメールが止まった
  • 今のサーバーの DNS を使っていたのに気づかず、解約で DNS の設定ごと消えた
  • MX レコードを直し忘れて、メールだけ古いサーバーに届き続けた
  • 切り替えの間にブログを更新し、その記事が古いサーバーにだけ残った
  • 新しいサーバーを SPF に入れておらず、送ったメールが相手の迷惑メールに入った
  • ドメインの管理画面に入れる人がいなくて、切り替えの日が延びた

サーバーと一緒にドメインの管理の会社も変える場合は、手続きが別にあります(ドメインの移管の手順)。同じ日に両方を動かすと原因が分からなくなるので、日をずらして一つずつ進めます。

Lapisデザインラボの月額サービスでは、サーバー・ドメインの契約の管理と更新手続きをお引き受けしています。内容はサイト保守・更新をご覧ください。

よくある質問

サーバーを移すと、ホームページやメールは止まりますか。

手順を守れば、止めずに移せます。新しいサーバーにサイトとメールを用意して確かめてから、ドメインの向き先(DNS)を切り替え、切り替えが行き渡るまで古いサーバーの契約を残しておきます。DNS の切り替えには数時間から1日ほどかかり、その間はどちらのサーバーにつながるか分からないため、両方でメールを確かめます。

DNS を切り替えるときに、何に気をつければよいですか。

切り替える前に TTL(DNS の情報を覚えておく時間)を短くしておくこと、問い合わせの少ない日と時間を選ぶこと、メールの届け先を示す MX レコードを忘れずに直すこと、の3つです。ネームサーバーごと切り替える場合は、古い DNS に入っていた設定を新しい DNS にすべて写してから切り替えます。

サーバーの移転を頼むと、費用はどのくらいかかりますか。

サーバー会社の移転の代行は、2026年10月時点で、1サイト3万円台(税込)で受けている例があります。ただし、この例では動作の確認や DNS の切り替えは含まれていません。メールの移し替えや確認まで含めて制作会社や保守の会社に頼む場合は、サイトの作りや規模で見積もりが変わります。

参考にした資料

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