ホームページを自分で更新できるようにするには|頼み方と範囲
ホームページを作ったのに、お知らせを1行足すたびに制作会社へ連絡し、数日待って、費用もかかる。社内で直せるようにしたいと思っても、管理画面のどこを触ればよいのか分からない、そもそもログインの情報が手元に無い。こうした声は珍しくありません。
社内で更新できるかどうかは、公開した後ではなく、作る前の頼み方でほぼ決まります。この記事では、制作会社に作ってもらうホームページを社内で更新できるようにするために、決めておく範囲、管理画面の作り方、権限の分け方、仕組みの更新の担当、マニュアルと契約で確かめることをまとめます。WordPress を例にしますが、ほかの仕組みでも考え方は同じです。
更新できないサイトが生まれる理由
社内で更新できないサイトには、よくある原因があります。
| 原因 | 起きること |
|---|---|
| 更新したい場所を伝えずに作った | お知らせ以外の場所が、管理画面から直せない作りになっている |
| 文字を画像にしている | 見出しや料金表を直すには、画像を作り直す必要がある |
| 入力欄が自由すぎる | 担当者によって見た目がばらばらになり、崩れるのが怖くて触れなくなる |
| ログインの情報を制作会社だけが持っている | 社内の人が管理画面に入れない |
| 手順が残っていない | 担当者が替わると、誰も更新のやり方が分からない |
逆に言えば、作る前にこの5つを避けるよう頼めば、社内で更新できるサイトになります。
まず「何を、誰が、どのくらい」更新するか決める
最初に、ページの場所ごとに、更新の頻度と担当を一覧にします。
| 場所 | 更新の頻度の例 | 担当の例 | 作り方の希望 |
|---|---|---|---|
| お知らせ | 月に数回 | 総務の担当 | 管理画面から投稿 |
| 施工事例・実績 | 月に1〜2件 | 現場の責任者 | 決まった欄に入力して写真を載せる |
| 採用情報 | 募集のたび | 採用の担当 | 募集の有無を切り替えられる |
| 料金表 | 年に1回 | 経営者 | 表を管理画面で直せる |
| 会社概要・トップの文章 | ほとんど変えない | 制作会社に頼む | 社内では触らない |
すべてを社内で直せるようにする必要はありません。頻繁に変わる場所だけを社内で直せるようにし、めったに変わらない場所は制作会社に頼むほうが、作る費用も、壊すおそれも抑えられます。外に頼む場合の料金の考え方はホームページの更新代行の料金で説明しています。
管理画面の入力欄を作ってもらう
更新のしやすさを大きく左右するのが、管理画面の作り方です。施工事例のように同じ形のページを増やしていく場所は、自由に書ける1つの大きな欄ではなく、決まった欄に入力すれば整った形で表示される作りにしてもらいます。
たとえば事例なら、次のような欄です。
- 事例の題名
- 業種や工事の種類(選ぶ形)
- 地域
- 期間
- 写真(枚数の上限を決める)
- 説明の文章
決まった欄を埋めるだけなら、担当者が替わっても見た目がそろい、文字の大きさや色で迷うこともありません。入力欄を作り込むほど作る費用は上がりますが、公開後の手間は減ります。
そのほか、次のことも頼んでおくと更新が楽になります。
- 見出しや料金を画像にしない:文字のまま載せれば管理画面から直せる
- 写真の大きさを自動で整える:スマートフォンで撮った大きな写真をそのまま載せても、表示に合う大きさになる
- 公開前に見た目を確かめられる:下書きのまま、公開したときの見え方を確認できる
仕組みごとの更新のしやすさの違いはStudio・Wix・WordPressの違いで比べています。
権限を分ける
社内の全員に同じ権限を渡すと、誤って設定を変えたり、プラグインを止めたりするおそれがあります。WordPress には、役割(権限)が用意されています。公式の説明をもとにすると、次のとおりです。
| 役割 | できること | 渡す相手の例 |
|---|---|---|
| 管理者 | すべての管理機能(設定、プラグイン、テーマ、ユーザーの追加) | 社内の責任者1〜2人、保守を頼む制作会社 |
| 編集者 | ほかの人の投稿も含めて、投稿とページの公開と管理 | 広報やサイトの担当 |
| 投稿者 | 自分の投稿を書いて公開 | お知らせや事例を書く担当 |
| 寄稿者 | 投稿を書けるが、公開はできない | 下書きだけ書いてもらい、公開は別の人が確かめる場合 |
| 購読者 | 自分のプロフィールの管理だけ | 通常のサイトでは使わないことが多い |
ポイントは次の3つです。
- アカウントは1人に1つ:共有のアカウントを使い回すと、誰が何を変えたか分からなくなり、担当者が辞めたときに止められない
- 管理者のアカウントを自社でも持つ:制作会社だけが管理者だと、乗り換えたいときに困る
- 辞めた人や契約を終えた会社のアカウントは消す:止め忘れがないよう、一覧を年に一度は確かめる
仕組みの更新を誰が見るか決める
社内でお知らせを書けるようになっても、それで保守が要らなくなるわけではありません。WordPress のように自分のサーバーで動かす仕組みでは、本体・テーマ・プラグインの更新が出続けます。
WordPress.org の説明では、バージョン5.5から、プラグインとテーマを1つずつ自動で更新するよう設定できるようになりました。自動の更新は初期設定では入っておらず、項目ごとに有効にする形です。有効にすると1日に2回確認され、更新されるとメールで知らせが届きます。ただし、自動で更新した結果、表示が崩れることもあるため、誰が知らせを受けて、表示を確かめるかを決めておきます。
| 作業 | 社内で行う場合 | 制作会社に頼む場合 |
|---|---|---|
| お知らせ・事例の更新 | 社内の担当 | ― |
| 本体・テーマ・プラグインの更新 | 管理者が更新と表示の確認 | 保守の契約に含める |
| バックアップ | 自動で取る仕組みを入れ、戻し方を確かめる | 保守の契約に含める |
| 表示が崩れたときの対応 | 制作会社に連絡する手順を決める | 対応の範囲と時間を決める |
既製のテーマを使う場合は、テーマのファイルを直接書き換えず、子テーマで変更してもらいます。公式の資料では、子テーマを使うと親のテーマを更新しても変更が消えないと説明されています。保守の契約で決めることはホームページ保守契約で確認することにまとめています。
マニュアルと引き継ぎ
更新のやり方は、担当者の頭の中だけに残すと、異動や退職で失われます。納品のときに、次のものをもらっておきます。
- 更新の手順書:ログインの場所、お知らせの書き方、写真の載せ方を、画面の写し付きで
- やってはいけないことの一覧:プラグインを止めない、テーマを切り替えない、など
- 説明の時間:実際に担当者が操作しながら、1回は教えてもらう
- 困ったときの連絡先:表示が崩れたときに誰へ連絡するか
手順書は、社内の担当が替わるたびに見直し、実際の画面と食い違っていないか確かめます。
制作を頼む前に確かめること
見積もりや契約の段階で、次の点を確かめます。
- 社内で更新したい場所が、管理画面から直せる作りになるか
- 事例などの入力欄は、決まった欄の形にしてもらえるか
- 管理者のアカウントを自社でも持てるか
- 更新の手順書と、操作の説明は納品物に含まれるか
- 本体やプラグインの更新、バックアップは、誰が行うか
- 社内で直して表示が崩れたとき、直してもらう費用はどうなるか
- ドメインやサーバーは自社の名義になるか
7のドメインとサーバーの名義は、社内で更新を続けるための土台です。考え方はドメインとサーバーは誰の名義にすべきかで、制作会社を替えるときの手順は制作会社を乗り換えるときの手順で説明しています。
まとめ
- 社内で更新できるかは、作る前の頼み方で決まる
- 頻繁に変わる場所だけを社内で直せるようにし、変わらない場所は外に頼む
- 同じ形のページは、決まった欄に入力する作りにしてもらう
- アカウントは1人に1つ、管理者は限られた人に。自社でも管理者を持つ
- お知らせの更新と、本体やプラグインの更新は別。仕組みの更新の担当を決める
- 手順書と操作の説明を納品物に入れる
Lapisデザインラボで承る、公開後の管理と更新の範囲は月額サービスに載せています。
よくある質問
制作会社に作ってもらったホームページを、自分で更新できますか。
作り方と契約によります。お知らせや事例のように、管理画面から入力すれば表示される形で作ってもらえば、社内で更新できます。一方、ページを画像やプログラムで直接作っている場合や、管理画面のログイン情報を制作会社だけが持っている場合は、社内では直せません。制作を頼む前に、社内で更新したい場所と、その方法を伝えておくことが大切です。
社内の担当者には、どの権限を渡せばよいですか。
WordPress の場合、記事を書いて公開する担当者には「編集者」や「投稿者」の権限を渡し、サイトの設定やプラグインを変えられる「管理者」は限られた人だけにするのが基本です。公式の説明では、管理者はすべての管理機能を使え、編集者はほかの人の投稿も含めて公開と管理ができ、投稿者は自分の投稿を公開できる権限です。
社内で更新すると、制作会社の保守は要らなくなりますか。
お知らせなどの中身の更新と、仕組みの更新は別のものです。WordPress なら本体・テーマ・プラグインの更新、バックアップ、不具合への対応が残ります。中身は社内、仕組みは制作会社のように分けるか、仕組みも社内で見るかを決め、保守の契約の範囲をそれに合わせます。