広告とLPを同じ会社に頼むときの利点と確かめること
広告を始めるとき、広告代理店から「LP(ランディングページ。広告を押した人が最初に開く1枚のページ)もこちらで作れます」と提案されることがあります。一社にまとめれば楽そうですが、本当にまとめてよいのか、分けたほうがよいのか、判断に迷う担当者は少なくありません。
この記事では、広告の運用と LP の制作を一社にまとめるか分けるかを、**費用・契約・持ち物(アカウントやデータの名義)**の3つに絞って整理します。広告の成果をどう上げるかや、LP の中身の直し方は扱いません。まとめる・分けるのどちらを選んでも、やめるときに困らない形にしておくことが、この判断のいちばんの要です。
一社にまとめる・分けるの比較
| 観点 | 一社にまとめる | 分けて頼む |
|---|---|---|
| 窓口 | 1つ。連絡と確認の手間が少ない | 2つ。広告と LP の会社どうしの連絡を自社が取り持つことがある |
| 広告と LP の合わせやすさ | 広告の文言と LP の見出しや中身を一緒に考えやすい | 意図を両方に伝える必要がある |
| 直すまでの速さ | 運用の会社がそのまま LP を直せる | LP の会社に頼み直すので日数がかかることがある |
| 費用の見え方 | セットの料金だと、LP と運用の内訳が見えにくい | それぞれの見積もりで比べやすい |
| 乗り換えやすさ | 両方を同時に替えることになりやすい | 片方だけを替えられる |
| 持ち物の名義 | LP やデータが頼んだ会社の側に置かれやすい | 名義を分けて確かめる必要がある |
LP そのものの費用の考え方はLP制作の相場で、LP と会社のホームページのどちらを先に作るかはLPとホームページの違いで説明しています。
まとめたときの利点
窓口が1つになる:広告の文言を変えたら LP の見出しも合わせる、といった調整を1回の連絡で頼めます。社内に広告やホームページに詳しい人がいない会社ほど、この利点は大きくなります。
広告と LP の食い違いが起きにくい:広告で伝えている内容と、LP に書いてある内容がずれていると、広告を押した人が戸惑います。同じ会社が両方を作れば、この食い違いを防ぎやすくなります。
広告の決まりに沿った LP にしやすい:Google 広告のポリシーの「リンク先の要件」では、広告に表示する URL のドメインと、リンク先のページのドメインが一致していること、一般的なブラウザや端末で正しく動くこと、Google が内容を読み取れること、閉じにくい割り込みの表示を使わないこと、などが求められています。広告の決まりを知っている会社が LP も作れば、こうした要件で広告が止まることを避けやすくなります。
まとめたときに気をつけること
一社にまとめるときに起きやすいのは、LP やデータが頼んだ会社の持ち物になってしまうことです。
| 持ち物 | 起きやすいこと | 望ましい形 |
|---|---|---|
| LP のドメイン | 代理店のドメインの下に LP が置かれる | 自社のドメインの下に置く |
| LP のデータ | 代理店のサーバーや作成ツールの中にあり、渡してもらえない | やめるときにデータ一式を受け取れる |
| 広告のアカウント | 代理店の名義のアカウントで広告を出している | 自社の名義のアカウントに、代理店を招く |
| 計測のアカウント | アクセス解析や計測のタグを代理店が持っている | 自社の名義で持ち、代理店に権限を渡す |
| LP の文章と写真 | 権利の扱いが決まっていない | 自社で使い続けられることを契約に書く |
LP が代理店のドメインの下にあると、その代理店をやめたときに LP のアドレスが使えなくなり、作り直しになります。ドメインの名義の考え方はドメインとサーバーは誰の名義にすべきかにまとめています。
広告のアカウントは、自社の名義で作り、代理店をユーザーとして招く形にします。Google 広告のヘルプでは、アカウントへのアクセスに「管理者」「標準」「読み取り専用」「メール専用」「お支払いとご請求」の段階があり、ほかのユーザーを招いたり権限を変えたりできるのは管理者だとされています。自社が管理者の権限を持っていれば、代理店を替えるときも自社で権限を外せます。詳しくは広告アカウントは誰の名義にするかで説明しています。
アクセス解析の Google アナリティクスも同じです。アナリティクスのヘルプでは、ユーザーを追加したり権限を変えたりするには、アカウントかプロパティの管理者の役割が必要とされています。自社が管理者を持たないまま代理店だけが管理していると、過去の記録を見られなくなることがあります。
費用の見方
セットの料金で提案されたときは、次のように分けて書いてもらいます。
- LP の制作費:初期にかかる費用。ページの長さ、撮影や図の作成を含むか
- 運用の費用:毎月の手数料。広告費に対する割合か、決まった額か
- LP の修正の費用:運用中の修正が月額に含まれるか、1回ごとか
- 広告費:広告の会社に払う費用。自社のカードや口座から直接払うか、代理店を通して払うか
LP の制作費が「無料」や「運用の費用に含む」となっている場合は、最低の契約期間と、途中でやめたときに制作費を請求されるかを確かめます。広告の運用の費用の決まり方は広告運用代行の費用相場で整理しています。
契約で確かめること
一社にまとめる場合も、分ける場合も、契約の前に次の点を確かめます。
- LP を置く場所:自社のドメインの下か。サーバーや作成ツールは誰の名義か
- LP のデータの受け渡し:やめるときに、ページのデータ・文章・写真を受け取れるか
- 文章と写真の権利:契約が終わった後も、自社で LP を使い続けられるか
- 広告のアカウントの名義:自社の名義か。自社が管理者の権限を持つか
- 計測のアカウントとタグ:アクセス解析や計測のタグは、自社の名義のアカウントにつないでいるか
- 運用中の LP の修正:月に何回まで含まれるか。文言の差し替えと、区切りの追加のどこまでが修正か。超えたときの費用
- 修正の承認:直した LP を公開する前に、自社が確認するか
- 最低の契約期間と解約:何か月前に伝えればやめられるか。途中でやめたときの費用
とくに運用中の修正は、決めておかないと、頼むたびに費用がかかるのか、月額の範囲なのかで行き違いになります。誰が直す内容を決め、誰が承認してから公開するかも、契約か発注の書類に書いておきます。
やめるときに困らないための準備
広告の会社を替えるときに、LP とデータを持ち出せるかどうかは、始める時点の準備で決まります。
- ドメインと広告のアカウントを、自社の名義で作る
- 代理店には、ユーザーとして権限を渡す。自社も管理者を持つ
- アクセス解析のアカウントも自社の名義で作り、代理店を招く
- LP は自社のドメインの下に置いてもらう
- LP のデータの受け渡しと、文章と写真の扱いを契約に書く
- 代理店に渡したアカウントと権限の一覧を、社内で控えておく
この形にしておけば、一社にまとめても、分けても、片方の会社を替えたときに広告と LP を止めずに引き継げます。
どちらを選ぶかの目安
| 会社の状況 | 選び方の目安 |
|---|---|
| 社内に広告やホームページに詳しい人がいない | 一社にまとめて窓口を1つに。ただし名義は自社で持つ |
| すでにホームページの制作会社と付き合いがある | LP はその会社、広告は運用の会社、と分けるのも選択肢 |
| 広告を試しに短い期間だけ出したい | 最低の契約期間の短い頼み方を選ぶ |
| 将来、広告の運用を社内に移したい | 名義と権限を自社で持ち、LP を自社で直せる作りにしてもらう |
Lapisデザインラボで承る広告の運用と、その費用の決まり方は月額サービスに載せています。
よくある質問
広告の運用と LP の制作は、同じ会社に頼んだほうがよいですか。
どちらにも利点があります。一社にまとめると、窓口が1つになり、広告の文言と LP の中身を合わせやすく、直すときの連絡も速くなります。一方、LP やデータが頼んだ会社の持ち物になっていると、その会社をやめたときに LP も計測の記録も使えなくなるおそれがあります。まとめるかどうかより、LP・ドメイン・広告のアカウント・計測のアカウントを自社の名義にできるかを先に確かめます。
LP の制作と広告の運用をセットで頼むと、費用は安くなりますか。
セットで値引きされることも、LP の制作費が運用の手数料に含まれていることもあります。ただし、制作費が含まれている代わりに運用の最低の契約期間が決まっていたり、途中でやめると制作費を請求されたりすることがあります。LP の制作費と運用の費用を分けて書いてもらい、やめたときの扱いと合わせて比べます。
運用の途中で LP を直してもらう費用は、どう決めればよいですか。
契約の時点で、月に何回までの修正が運用の費用に含まれるか、文言の差し替えと新しい区切りの追加のどこまでが修正に入るか、それを超えたときの費用を決めておきます。直す内容を誰が決め、誰が承認してから公開するかも書いておくと、知らないうちに表示が変わることを防げます。