広告アカウントは誰の名義にするか|代理店を変えても困らない持ち方
ネット広告の運用を代理店に頼むとき、「アカウントの作成はこちらでやっておきます」と言われて、そのまま任せてしまうことがよくあります。広告が出ているあいだは、アカウントが誰の名義かを気にする場面はほとんどありません。
問題が表に出るのは、代理店を変えたいとき、契約をやめたいときです。アカウントが代理店の名義だと、それまでの広告の記録や設定を持ち出せず、ゼロからやり直すことになる場合があります。この記事では、広告のアカウントを誰の名義で持つべきか、代理店にどう権限を渡せばよいかをまとめます。
名義による違い
| 自社の名義で持つ | 代理店の名義で持つ | |
|---|---|---|
| 広告費の支払い | 自社から広告の会社に払う | 代理店がまとめて払い、自社に請求する |
| 広告の記録 | 自社の手元に残る | 代理店の手元に残る |
| 代理店を変えるとき | 新しい代理店に権限を渡すだけ | 新しいアカウントで作り直すことがある |
| 実際の費用の確認 | 管理の画面でいつでも見られる | 代理店の報告に頼る |
自社の名義で持つ形は、始めるときに少しだけ手間がかかりますが、代理店との関係がどう変わっても、広告の土台は自社に残ります。
代理店の名義にしたときに起きやすいこと
- 代理店をやめると、アカウントに入れなくなる
- 過去の広告の文章、検索語、成果の記録を見られなくなる
- 問い合わせや購入を数える設定を、最初から作り直す必要がある
- 請求された広告費が、実際に広告に使われたかを確かめられない
広告の記録は、どんな検索語や見せ方で問い合わせが来たかという、会社にとって大切な情報です。新しい代理店に頼むときも、この記録があれば、最初から手探りで始めずに済みます。
Google 広告の権限の種類
Google 広告のヘルプでは、アカウントに招く人ごとに、次のアクセスのレベルを選べるとしています。
| アクセスのレベル | できること(要約) |
|---|---|
| メールのみ | 通知のメールやレポートを受け取る |
| 請求 | 支払いの情報を見たり、扱ったりする |
| 読み取り専用 | アカウントの中を見る。変更はできない |
| 標準 | 広告の作成や変更などの操作ができる |
| 管理者 | ほかの人のアクセスの管理を含め、すべての操作ができる |
※ 詳しい範囲は Google 広告のヘルプ「Google 広告のアカウントへのアクセス権を管理する」を確かめてください。
同じヘルプでは、管理者を1人だけにせず、複数にしておくことがすすめられています。自社の側に管理者を2人置いておけば、担当者が異動や退職をしても、アカウントに入れなくなることを防げます。
クライアントセンターでつなぐ形
代理店は、多くの会社のアカウントをまとめて扱うために、クライアントセンター(MCC)と呼ばれる管理用のアカウントを使うことがあります。自社の名義のアカウントを、代理店のクライアントセンターにつなぐ(リンクする)形です。
Google 広告のヘルプでは、クライアントのアカウントのリンクを解除しても、アカウントの履歴は残るとしています。ただし、代理店のクライアントセンターが月ごとの請求書払いで広告費を払っている場合は、リンクを解除すると広告が止まる、とも説明されています。つまり、広告費の払い方が代理店にまとまっていると、つながりを外した日から広告が出なくなることがあります。
代理店を変える予定がなくても、広告費を誰が払っているかは確かめておきます。自社のカードや、自社の名義の請求書払いを登録しておけば、代理店とのつながりを外しても、広告を止めずに済みます。
Meta の広告のパートナーへの権限
Instagram や Facebook の広告は、Meta のビジネスポートフォリオ(以前のビジネスマネージャ)の中で、広告アカウントやページを管理します。Meta のビジネスヘルプセンターには、「ビジネスポートフォリオでパートナーにビジネスアセットへのアクセス許可を付与する」という案内があり、代理店などの別の会社に、自社の広告アカウントやページへのアクセスを渡せる仕組みが用意されています。
この形なら、広告アカウントとページは自社のビジネスポートフォリオに置いたまま、代理店にだけ作業の権限を渡せます。契約が終わったら、パートナーへのアクセスを外せば済みます。画面の名前や手順は変わることがあるので、実際の操作はその時点の Meta のヘルプで確かめてください。
始めるときの手順
- 自社の名義で、Google 広告のアカウントや、Meta のビジネスポートフォリオを作る。会社で管理するメールアドレスを使う
- 支払いの方法として、自社のカードや請求書払いを登録する
- 自社の側の管理者を2人決める
- 代理店に、必要なレベルの権限を渡す。Google 広告なら招待、またはクライアントセンターとのリンク、Meta ならパートナーへのアクセスの付与
- 渡した権限と、渡した日を記録しておく
代理店が「アカウントの作成も代行します」と言う場合は、作るのは自社の名義で、自社のメールアドレスを管理者にする、と伝えれば、作業を任せながら名義を自社に置けます。
個人のアカウントで作らない
小さな会社では、担当者が個人の Google アカウントで広告のアカウントを作ってしまうことがあります。その人が辞めると、アカウントに入れる人がいなくなることがあります。
広告のアカウントは、会社で管理するメールアドレスで作り、そのメールアドレスのパスワードは会社で管理します。担当者の個人のアカウントは、その会社のアカウントに招く形にしておけば、人が替わっても困りません。
契約書に書いておくこと
- 広告のアカウントは、依頼する会社の名義で持つこと
- 広告費の支払いは、依頼する会社から広告の会社に直接行うこと(または、まとめて請求する場合の明細の出し方)
- 代理店に渡す権限のレベル
- 依頼する会社が、いつでも管理の画面を見られること
- 契約が終わったら、代理店の権限を外すこと。クライアントセンターのリンクの解除の手順
- 代理店が作った広告の文章や画像を、契約の後も使えるか
とくに最後の項目は見落とされやすいところです。代理店が作った画像や動画を、契約をやめた後に使えないと、新しい代理店で作り直す費用がかかります。
すでに代理店の名義になっている場合
今のアカウントが代理店の名義になっていても、すぐに困るわけではありません。まずは次のことを確かめます。
- 自社の担当者に、閲覧の権限をもらえるか
- 広告費の請求の明細と、管理の画面の費用が合っているか
- 契約をやめるときに、アカウントを渡してもらえるか、記録を書き出してもらえるか
代理店を変える予定があるなら、今の代理店と話しているうちに、記録の書き出しを頼んでおきます。変えるときの手順は広告の代理店を変える手順でまとめています。
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Lapisデザインラボでは、広告アカウントを依頼する会社の名義で持ち、広告費は依頼する会社のアカウントから直接払っていただき、こちらはパスワードを預からず、渡された権限の範囲で運用します。契約をやめた後も、アカウントはそのまま使い続けられます。名義の条件は月額サービスの条件に、作業の中身は広告運用代行に載せています。
よくある質問
広告のアカウントは、自社と代理店のどちらの名義にすべきですか。
自社の名義で作り、代理店には権限を渡す形をおすすめします。代理店の名義のアカウントでは、代理店をやめたときに、それまでの広告の記録や設定を引き継げないことがあります。自社の名義なら、代理店を変えても、同じアカウントで続けられます。
Google広告のアカウントには、どんな権限がありますか。
Google 広告のヘルプでは、アクセスのレベルとして、メールのみ、請求、読み取り専用、標準、管理者が示されています。管理者は、ほかの人のアクセスの管理を含めてすべてを操作できます。管理者を1人だけにせず、複数にしておくことがすすめられています。
代理店にパスワードを教えて、ログインしてもらってもよいですか。
おすすめしません。Google 広告もMetaも、ほかの人やほかの会社に、自分のアカウントとは別に権限を渡す仕組みを持っています。パスワードを共有すると、誰が何を変えたのかが追えず、契約が終わったときに確実に止めることも難しくなります。