広告運用代行の選び方|報告の中身と契約の条件で比べる
広告の代理店を探すと、どの会社のサイトにも「運用実績多数」「成果にコミット」と書かれていて、違いが分かりません。営業の担当者の話はどれも頼もしく聞こえ、結局は手数料の率の安さで決めてしまいがちです。
けれども、代理店への不満の多くは、率の高い安いではなく、「何をしているのか分からない」「やめたいのにやめられない」「担当者に連絡がつかない」といったところから生まれます。この記事では、広告の代理店を選ぶときに、契約の前に確かめておく点を順番にまとめます。費用の目安は広告運用代行の費用相場で説明しています。
選ぶ前に、自社で決めておくこと
代理店に会う前に、次のことを社内で決めておくと、提案を比べやすくなります。
- 広告で何を増やしたいか(問い合わせ、来店の予約、商品の購入など)
- 月に使える広告費と、手数料を含めた合計の上限
- どの地域の、どんなお客様に届けたいか
- 社内の窓口になる人と、確認に使える時間
「とにかく売上を増やしたい」とだけ伝えると、代理店ごとに違う前提で提案が出てきて、比べられなくなります。
面談で聞くこと
| 聞くこと | 見るところ |
|---|---|
| 実際に作業する担当者は誰か | 営業の担当者と別の場合、その人と話せるか |
| 担当者は何社を受け持っているか | 自社に割ける時間の目安になる |
| 同じ業種や地域での経験 | 具体的な話ができるか |
| 広告アカウントの名義 | 自社の名義で持てるか |
| 月ごとの報告の見本 | 何をしたかが書かれているか |
| 手数料の計算と最低金額 | 内掛けか外掛けか、最低料金はいくらか |
| 最低の契約期間と解約 | 途中でやめるときの費用 |
答えがあいまいな代理店、質問を嫌がる代理店は、契約の後も同じ態度であることが多いものです。
提案書の読み方
自社のことを調べたうえでの提案か
良い提案書には、自社の商品やお客様、競合の広告を調べたうえでの考えが書かれています。どの会社にも出していそうな一般論だけの提案書は、運用も一般論になりがちです。
どんな広告を、どこに出すか
検索の広告、地図の広告、Instagram や Facebook の広告など、どこに出すかと、その理由が書かれているかを見ます。予算が少ないのに多くの種類の広告に分けて出す提案は、それぞれのデータが集まらず、判断ができないまま時間が過ぎることがあります。
成果の約束の仕方
「問い合わせを必ず2倍にします」のような約束は、広告の会社の仕組みや競合の動き、季節によって結果が変わる以上、誰にもできません。誠実な代理店は、何を目標にし、何をして、どう報告するかを約束します。
月ごとの報告で見るところ
代理店の仕事が見えるのは、月ごとの報告です。契約の前に、実際の報告の見本を見せてもらいます(ほかの会社の名前や数字は伏せたもので構いません)。
| 報告の項目 | 書かれているべきこと |
|---|---|
| 数字 | 広告費、表示、クリック、問い合わせや購入の数、1件あたりの費用 |
| 変えたこと | その月に変えた設定、文章、画像、予算と、その理由 |
| 結果 | 変えたことで数字がどう動いたか |
| 次の月 | 次に試すことと、その理由 |
| 自社への依頼 | 画像の提供や、ページの修正など、自社にお願いしたいこと |
数字の一覧だけで、「変えたこと」と「次の月」が書かれていない報告は、費用に見合う仕事がされているかを判断できません。
アカウントの名義と権限
広告のアカウントは、自社の名義で作り、代理店には権限を渡す形にします。Google 広告のヘルプでは、アカウントに招く人ごとに、読み取り専用、標準、管理者などのアクセスのレベルを選べるとしています。自社の側にも管理者を置き、いつでも管理の画面を見られるようにしておけば、報告と実際の数字を自分で突き合わせられます。
「アカウントは弊社の名義で作ります」という代理店には、その理由と、やめたときにアカウントや記録をどう扱うかを聞いてください。詳しくは広告アカウントは誰の名義にするかで説明しています。
手数料と契約の条件
- 手数料の形(定率、定額、成果報酬)と、率の計算の仕方
- 最低金額と初期費用
- 画像や動画、ページの制作が手数料に含まれるか
- 最低の契約期間、途中でやめるときの費用、自動の更新
- 解約の連絡の期限と方法
同じ20%でも、内掛けと外掛けで広告に使われる額が変わります。計算の例は広告代理店の手数料の内掛けと外掛けで説明しています。発注先の比較サービスの PRONIアイミツは、リスティング広告は最低3か月は運用を見守ってから続けるかを判断するのがよいとしています。最低の契約期間がそれより長いときは、その理由を聞いておきます。
担当者と連絡の取り方
- 質問や相談は、メール、電話、チャットのどれで、どのくらいで返事がもらえるか
- 月ごとの打ち合わせはあるか。あるなら、どのくらいの時間か
- 担当者が替わるときは、知らせてもらえるか
- 急ぎで広告を止めたいとき(在庫がなくなった、臨時休業など)、どう連絡すればよいか
最後の項目は意外と大切です。広告を止めたいときにすぐ止められないと、そのあいだの広告費が無駄になります。
契約の前に気になる言葉
面談や提案書で、次のような言葉が出てきたら、その中身を具体的に聞いておきます。
- 「独自の運用ノウハウ」:具体的に何をするのか。報告にどう表れるのか
- 「AI が自動で最適化します」:広告の会社の自動の入札のことか、代理店の独自の道具のことか。人が何をするのか
- 「今月中の契約なら初期費用が無料」:その場で決めさせようとしていないか。条件を書面でもらえるか
- 「アカウントの設定は弊社の資産なので渡せません」:名義と、やめたときの扱いを必ず確かめる
どれも、それだけで悪い代理店だということではありません。ただ、中身を聞いたときに具体的な答えが返ってくるかどうかで、その代理店の仕事ぶりが見えてきます。
候補を比べる表
| 項目 | 候補1 | 候補2 |
|---|---|---|
| 実際の担当者と、受け持ちの社数 | ||
| 提案が自社を調べたものか | ||
| 報告の見本に「変えたこと」があるか | ||
| アカウントの名義 | ||
| 手数料の計算と最低金額 | ||
| 制作が含まれる範囲 | ||
| 最低の契約期間と解約の条件 | ||
| 連絡の方法と返事の速さ |
同じ表に書き込むと、手数料の率だけで比べていたときには見えなかった違いが見えてきます。
小さく始めて確かめる
いきなり大きな広告費で始める必要はありません。最初の数か月は、狙う地域や商品を絞って小さく始め、報告の中身と担当者の動き方を確かめてから、広告費を増やすかどうかを決める方法もあります。その場合も、最低料金があると広告費に対する手数料の割合が高くなるので、最初の数か月の合計を計算しておきます。
関連する記事
- Google 広告にいくらかけるか:Google広告の費用の目安
- Instagram や Facebook の広告:Meta(Facebook・Instagram)広告の費用の目安と始め方
- 代理店を変えるとき:広告の代理店を変える手順
Lapisデザインラボの広告運用は、広告アカウントを依頼する会社の名義で持ち、渡された権限の範囲で運用する形です。料金と作業の中身は広告運用代行に、契約の条件は月額サービスの条件に載せています。
よくある質問
広告の代理店を選ぶとき、いちばん大事な点は何ですか。
手数料の率より先に、広告アカウントを自社の名義で持てるか、月ごとの報告で何をしたかが分かるか、を確かめることをおすすめします。この2つがそろっていれば、合わなかったときに代理店を変えやすく、費用に見合う仕事がされているかも判断できます。
広告運用の月ごとの報告には、何が書かれているべきですか。
広告費、表示された回数、押された回数、問い合わせや購入の数といった数字に加えて、その月に何を変えたか、その結果どうだったか、次の月に何をするかが書かれている報告が望ましいです。数字の一覧だけでは、代理店が何をしたのかが分かりません。
中小企業は、大きな代理店と小さな代理店のどちらに頼むべきですか。
大きさより、自社の広告費の規模を歓迎してくれるか、実際に作業する担当者が誰かで選びます。広告費が少ないと、最低料金が割高になったり、担当者が多くの会社を掛け持ちして手が回らなかったりすることがあります。面談で、担当者が何社を受け持っているかを聞いてみてください。