中小企業のブランディングの進め方|ロゴから販促物まで揃える順番

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「うちもブランディングをした方がいいと言われたが、何から手を付ければよいのか分からない」。中小企業の経営者から、よく聞く言葉です。ブランディングと聞くと、大きな会社が広告代理店に頼んで何百万円もかけるもの、という印象を持つ方も多いかもしれません。

しかし、小さな会社でも、お客様が会社に触れる場面はたくさんあります。名刺、ホームページ、見積書、封筒、店の看板、車に貼った社名。そこで見た目と言葉が揃っていると、「きちんとした会社だ」という印象が積み重なります。この記事では、中小企業がブランディングを進める順番を7つの段階に分けて説明し、一度に全部を作らずに進める方法をまとめます。

全体の順番

段階すること決まるもの
1考え方の整理誰に、何を約束するか。自社の強みの言葉
2名前と商標の確認使い続けられる名前か
3ロゴと色・書体見た目の決まり
4名刺と書類毎日使うものへの展開
5ホームページ初めての人が見る場所
6販促物と看板営業と店頭で使うもの
7社内への浸透社員が同じように使えること

順番が大切なのは、前の段階で決めたことが、後の段階の物差しになるからです。ロゴを先に作り、後から「そもそも誰に向けた会社なのか」を考え直すと、ロゴも作り直すことになりかねません。

1. 考え方の整理

最初にするのは、見た目を作ることではなく、言葉を決めることです。経営者と主な社員で、次のことを話し合います。

  • 自社のお客様は誰か。どんな場面で、何に困って自社を選ぶのか
  • 競合と比べて、自社が選ばれる理由は何か
  • お客様に言われてうれしかった言葉は何か
  • この先、どんな会社だと思われたいか

答えを紙1枚にまとめ、最後に「私たちは、〇〇な人に、〇〇を約束する会社です」という一文にします。この一文が、ロゴ、色、ホームページの言葉を選ぶときの物差しになります。会社の強みを短い言葉にする方法は会社のキャッチコピーの作り方で説明しています。

2. 名前と商標の確認

会社名、屋号、商品名を新しく決める場合や、今の名前を長く使い続けるつもりの場合は、ロゴを作る前に、同じような名前がすでに商標として登録されていないかを確かめます。特許庁の特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で、無料で調べられます。

特許庁の説明では、商標は、商品やサービスに付ける名前や印を守るもので、登録すると、指定した商品やサービスの範囲で、その商標を使う権利を持てます。登録するかどうか、いつ出願するかはロゴの商標登録は必要かで説明しています。

3. ロゴと色・書体

考え方と名前が決まったら、見た目の決まりを作ります。ロゴだけでなく、次の3つを一緒に決めることが大切です。

  • ロゴ:形、横長と縦長の組み方、白黒で使うときの形
  • 色:メインの色と、それを支える色。印刷の色と画面の色の値
  • 書体:見出しと本文に使う書体

ロゴだけが先にできても、色と書体の決まりが無いと、名刺やチラシを作るたびに見た目がずれていきます。色の決め方はコーポレートカラーの決め方で、ロゴ作りの流れはロゴ制作の流れと期間で説明しています。

4. 名刺と書類

見た目の決まりができたら、毎日使うものから揃えます。名刺、封筒、見積書、請求書、メールの署名、社員が使う資料のひな形。数は多くありませんが、お客様が一番多く目にするものです。

名刺は、全員分を一度に刷り直す必要はありません。今の名刺が切れた人から、新しいものに替えていく方法でも構いません。名刺の作り方は名刺デザインで決めることにまとめています。

5. ホームページ

ホームページは、初めて会社を知った人が、最初に見に来る場所です。取引先、求職者、お客様の多くが、会う前にホームページを確かめます。名刺と印象が違うと、不安を与えます。

作り直す時期が近いなら、見た目の決まりを先に作っておき、作り直しに合わせて揃えます。すぐに作り直せない場合は、ロゴと色の差し替えだけを先に行う方法もあります。

6. 販促物と看板

チラシ、会社案内、パンフレット、看板、車に貼る社名、制服。これらは、次に作る時期に合わせて順に揃えていきます。看板のように作り直しの費用が大きいものは、傷んで作り直す時期に合わせると、無駄がありません。

どの業者に頼んでも見た目が揃うように、ロゴのデータ一式と、色と書体の決まりを、業者に渡せる形でまとめておきます。看板の頼み方は看板デザインを頼むときの流れと費用の目安で説明しています。

7. 社内への浸透

最後に、社員が同じように使えるようにします。ロゴの使い方、色の値、書体の名前、やってはいけない使い方を、ガイドラインにまとめて共有します。小さな会社なら、A4で数枚でも十分です。

社員が自分で作る資料や、SNSの投稿で見た目がずれないよう、資料のひな形とロゴのデータを、誰でも取り出せる場所に置いておきます。ガイドラインにまとめる項目はブランドガイドラインとはで説明しています。

一度に全部作らない進め方

中小企業では、一度に全部を作り直す予算も時間も無いことがほとんどです。その場合は、次のように分けて進めます。

時期作るもの
最初考え方の一文、ロゴ、色、書体、名刺
次にホームページ、見積書などの書類のひな形
作り直す時期に合わせて会社案内、チラシ、看板、制服

大切なのは、最初に決めた見た目の決まりを、後から作るものにも守らせることです。途中で依頼先が変わっても、ロゴのデータと決まりが手元にあれば揃えられます。見た目がばらばらになる原因と揃え方は名刺・チラシ・サイトの見た目を揃える方法で説明しています。

進めるときにつまずきやすい所

  • 全員の意見を聞きすぎる:社員全員の好みを取り入れようとすると、どの案にも決められなくなります。意見は聞いても、決める人は最初に一人か二人に決めておきます
  • ロゴの好みから話し始める:「青が好き」「丸い形がいい」という好みから入ると、自社の考え方と合わない見た目になりがちです。1の一文に照らして選びます
  • 古いものを残したまま使う:新しいロゴができても、古い名刺や封筒、ホームページの一部が残っていると、かえってばらばらに見えます。古いものの一覧を作り、いつ替えるかを決めておきます
  • 作って満足する:決まりを作っても、使われなければ揃いません。半年に一度ほど、名刺、ホームページ、資料を並べて、ずれていないかを確かめます

外に頼むか、社内でするか

1の考え方の整理は、社内で話し合うことが中心です。外に頼む場合も、社内で答えを考えておくと、話が早く進みます。3のロゴと色・書体は、形にする専門の力が要るため、外に頼む会社が多い段階です。費用の目安はブランディングを外注したときの費用相場で説明しています。

Lapisデザインラボでは、ロゴと名刺から始めるプラン、販促物まで揃えるプラン、ウェブページまで揃えるプランを用意しています。内容と料金はサービスと料金に載せています。

よくある質問

ブランディングは、何から始めればよいですか。

ロゴを作る前に、自社は誰に、何を約束する会社なのかを短い言葉にするところから始めます。お客様は誰か、なぜ自社が選ばれるのか、競合とどこが違うのかを、経営者と主な社員で話し合い、紙1枚にまとめます。これが決まると、ロゴや色、ホームページの言葉を選ぶときの物差しになります。

小さな会社でも、ブランディングは必要ですか。

大きな宣伝をしなくても、名刺、ホームページ、見積書、店の看板など、お客様が会社に触れる場面はたくさんあります。そこで見た目と言葉がばらばらだと、会社の印象が定まりません。小さな会社ほど、一度に全部を作り直す必要はなく、ロゴと色と書体を先に決め、名刺やホームページを作り直す時期に合わせて順に揃えていく進め方が向いています。

ロゴを作る前に、商標を調べる必要はありますか。

会社名や商品名、ロゴを長く使うつもりなら、使い始める前に調べておくと安心です。特許庁の特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で、同じような名前がすでに商標として登録されていないかを無料で調べられます。登録するかどうか、どの範囲で登録するかは、弁理士や知財総合支援窓口に相談できます。

参考にした資料

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