リブランディングの進め方|何から変えるかと費用の考え方

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「ロゴが古く見える」「ホームページが今の仕事に合っていない」と感じたとき、ロゴだけ、サイトだけを作り直すと、名刺や看板と合わなくなり、かえってばらばらな印象になることがあります。会社やお店の見た目と伝え方をまとめて作り直すことを、リブランディングと呼びます。

新しく作るブランディングと違うのは、すでにお客様に覚えてもらっているものがあることです。何を残し、どこまで変えるかを先に決めないと、費用ばかりかかって、長年の目印を失うことにもなります。

この記事では、中小企業やお店がリブランディングを進める手順を6つの段階に分け、変える範囲の選び方、費用が何で決まるかの考え方、起きやすい失敗と防ぎ方をまとめます。初めてブランドを作るときの順番は中小企業のブランディングの進め方で、外注したときの費用の相場はブランディングを外注したときの費用相場で扱っているので、ここでは「今あるものを作り直す」場面に絞ります。

リブランディングで作り直すもの

リブランディングは、ロゴを替えることだけを指すのではありません。一般に、次のようなものを対象にします。

区分中身例
考え方誰に、何を約束する会社・お店か強みを表す一文、大事にしていること
見た目の決まりロゴ、色、書体、写真の撮り方名刺やサイトで同じ色と書体を使う決まり
伝える場所人が見るものすべて名刺、ホームページ、看板、パンフレット、店内の表示
名前社名・屋号・商品名変える場合だけ

このうち、どこまでを作り直すかは会社ごとに違います。考え方はそのままで見た目だけを整える場合もあれば、事業の転換にあわせて名前から変える場合もあります。

進め方の全体

段階すること決まるもの
1現状の棚卸し今の見た目がどこで使われ、どう受け取られているか
2変える理由を一文にする何のために変えるのか
3残すものを決める引き継ぐ目印
4変える範囲を選ぶ手直し・部分刷新・全面刷新のどれか
5作り直す考え方、ロゴと色・書体、各制作物への展開
6切り替えて共有する切り替えの日と、社内で使う決まり

1. 現状の棚卸し

まず、今のロゴや色が使われている場所を書き出します。名刺、封筒、ホームページ、看板、車両、制服、パンフレット、SNS のアイコンなどです。あわせて、作られた時期と、作った会社を分かる範囲で控えておきます。

もう一つ大事なのが、今の見た目がどう受け取られているかです。お客様が自社を選んだ理由、問い合わせのときに使われる言葉、紹介してくれる人の説明の仕方などを、数人に聞くだけでも手がかりになります。社内では古いと感じていても、外からは「昔からある安心できる店」の目印になっていることもあります。

2. 変える理由を一文にする

「古いから」だけでは、何をどう変えるかが決まりません。次のような形で、理由を一文にします。

  • 良い例:「住宅の塗装から設計まで手がけるようになったので、塗装店の印象を変えたい」
  • 良い例:「若い世代の採用を増やしたいので、求職者が見るサイトと会社案内を今の職場の姿に合わせたい」
  • 良くない例:「なんとなく今風にしたい」

この一文が、後で案を選ぶときの物差しになります。

3. 残すものを先に決める

変えるものより先に、残すものを決めます。屋号や社名、ロゴのマークの形、長く使ってきた色、看板の書体など、お客様の記憶と結びついているものは、残すほど切り替えの混乱が少なくなります。ロゴに限った判断の目安はロゴを変えるべきタイミングにまとめています。

4. 変える範囲を選ぶ

棚卸しと理由をもとに、範囲を次の3つから選びます。

範囲中身向いている場合費用と手間
手直しロゴの線や文字を整え、色の値を決め直す。サイトや名刺は順に合わせる目印は覚えられているが、見づらい・古く見える抑えやすい
部分刷新ロゴは残し、色・書体・写真・サイトなど伝え方を作り直す事業は同じで、見せ方が今の仕事に合っていない中くらい
全面刷新考え方の整理からロゴ・名前まで作り直し、すべてを差し替える事業の転換、合併、名前の変更など大きい

迷ったときは、小さい範囲から考えます。手直しで足りるのに全面刷新を選ぶと、費用だけでなく、お客様が覚えていた目印を失う損もあります。

5. 作り直す

作る順番は、考え方の言葉 → ロゴと色・書体 → 名刺や書類 → ホームページ → 看板や販促物です。ロゴや色の決まりを先に固めておくと、名刺やサイトを別々の会社に頼んでも見た目がそろいます。ロゴの文字やマークを新しくする場合は、同じような商標が無いかを、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で確かめておきます。

6. 切り替えて共有する

新しい見た目を使い始める日を決め、名刺・ホームページ・メールの署名など人の目に触れやすいものから切り替えます。あわせて、色の値や書体、ロゴの使い方をまとめた簡単な決まりを社内で共有します。決まりの作り方はブランドガイドラインとはを参考にしてください。

費用の考え方

リブランディングの費用は、ロゴの代金だけで決まるものではありません。次の4つの合計として考えると、見積もりの差が読みやすくなります。

費用のかたまり中身何で変わるか
考え方の整理聞き取り、現状の調査、強みの言葉づくり調査の深さ、関わる人の数、打ち合わせの回数
見た目の決まりの制作ロゴ、色、書体、使い方の決まり一から作るか手直しか、案の数、決まりの細かさ
各制作物への展開名刺、ホームページ、パンフレット、看板のデザイン作り直す種類とページ数
差し替え印刷、看板の製作と取り付け、制服や車両使われている場所の数と量、在庫

見積もりを比べるときは、どのかたまりまで含んでいるかをそろえて比べます。安く見える見積もりが、ロゴのデザインだけで、展開や差し替えを含んでいないこともあります。差し替えの量の洗い出し方はロゴを作り直すときの費用と差し替えの段取りで詳しく説明しています。

予算が限られる場合は、一度に全部を替えず、順に替える方法があります。

  1. 最初に、考え方の言葉とロゴ・色・書体の決まりを作る
  2. 次に、名刺・ホームページ・メールの署名など、費用を抑えやすく人の目に触れやすいものを替える
  3. 看板・制服・車両・パンフレットは、次に作り替える時期に合わせて替える

この進め方なら、費用を数回に分けられます。ただし、新旧の見た目が混在する期間が長くなるので、いつまでに替え終えるかを決めておきます。

中小企業で進めるときの体制

小さな会社のリブランディングでは、決める人が少ないぶん、早く進めやすい一方、代表一人の好みで決まりやすくなります。

  • 決める人を最初に決める:最終的に決める人が、最初の聞き取りから関わる
  • 現場の人を一人入れる:お客様と接する人の意見は、棚卸しで役に立つ
  • 社外の目を入れる:常連のお客様や取引先に、今の印象を聞いてみる
  • 期間を区切る:考え方の整理に時間をかけすぎると、作る前に熱が冷める

リブランディングで起きやすい失敗と防ぎ方

起きやすい失敗原因防ぎ方
見た目だけ変わり、何も伝わらない変える理由を言葉にしていない段階2の一文を、案を選ぶ物差しにする
常連のお客様に「別の店になった」と思われる覚えられていた目印まで変えた残すものを先に決める。告知で変わらないことも伝える
新旧の見た目が何年も混在する差し替えの終わりを決めていない替える順番と、替え終える時期を決める
社内で古いひな形が使われ続ける決まりを共有していない新しいひな形を配り、古いものを片付ける
名刺とサイトと看板で色が違う別々の会社に、決まりを渡さずに頼んだ色の値と書体の決まりを先に作り、各社に渡す
費用が見積もりより膨らんだ差し替えの量を見込んでいない棚卸しの一覧をもとに、差し替えまで見積もる

始める前のチェックリスト

  • ロゴや色が使われている場所を一覧にした
  • お客様が自社を選んだ理由を、何人かに聞いた
  • 変える理由を一文にした
  • 残すものを決めた
  • 範囲を手直し・部分刷新・全面刷新から選んだ
  • 見積もりを、考え方・見た目の決まり・展開・差し替えの4つに分けて比べた
  • 切り替えの日と、替え終える時期を決めた
  • 最終的に決める人が、最初から関わっている

まとめ

  • リブランディングは、今あるものを棚卸しし、変える理由を一文にするところから始める
  • 変えるものより先に、残すものを決める
  • 範囲は手直し・部分刷新・全面刷新から、小さいほうから考える
  • 費用は、考え方の整理・見た目の決まり・展開・差し替えの合計として見る
  • 順に替えるなら、替え終える時期を決めておく

Lapisデザインラボでは、考え方の整理からロゴ・名刺・ホームページの作り直しまでを一続きで引き受けています。ロゴ・名刺・販促物とウェブページ(1ページ)までは制作のプランで、複数ページのホームページの作り直しは個別のお見積りでお受けしています。概算は見積もりで確かめられます。

よくある質問

リブランディングは何から始めればよいですか。

ロゴやホームページの案を作る前に、今の見た目がどこで使われ、お客様にどう受け取られているかを棚卸しし、変える理由を一文にまとめるところから始めます。理由が言葉になっていないと、どこまで変えるかが決められません。

リブランディングの費用は何で決まりますか。

考え方を整理する作業の深さ、作り直すもの(ロゴ・色・書体・ホームページなど)の範囲、看板や印刷物などを差し替える量、社内で使う決まりを作るかどうかで変わります。全面的に作り直すより、手直しや部分的な刷新のほうが抑えやすくなります。

リブランディングでよくある失敗は何ですか。

見た目だけを変えて中身や伝え方が変わらないこと、長く覚えてもらっていた目印まで捨ててしまうこと、新旧の見た目が長く混在することが、起きやすい失敗です。残すものを先に決め、切り替えの時期を区切ると防ぎやすくなります。

参考にした資料

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