ロゴを作り直すときの費用と差し替えの段取り
ロゴを作り直すと決めたとき、見落とされやすいのが「差し替え」の費用です。新しいロゴのデザイン代だけを予算に入れていると、名刺の刷り直し、看板の作り替え、ホームページの修正、制服や車両の作り替えと、ロゴが使われている場所の数だけ費用が積み上がります。
この記事では、ロゴを作り直すときの費用を、ロゴそのもののデザイン代と、使っている場所の差し替え代に分けて整理します。差し替えの洗い出し表の作り方、費用を分けて払う順番、商標や看板の手続きでかかる費用、費用を抑えるコツまでをまとめます。ロゴを変えるべきかどうかの判断や、変えるときに残すものについてはロゴを変えるべきタイミングで扱っているので、ここでは変えると決めたあとのお金と段取りに絞ります。
作り直しの費用は「デザイン代」と「差し替え代」
ロゴの作り直しにかかる費用は、大きく2つに分けて考えます。
| 費用 | 中身 | 何で変わるか |
|---|---|---|
| デザイン代 | 新しいロゴを作る費用 | 依頼先、一から作るか手直しか、案の数、受け取るデータの範囲 |
| 差し替え代 | ロゴが使われている場所を新しくする費用 | 使われている場所の数、作り替えにかかる手間、在庫の量 |
| 手続きの費用 | 商標の出願、看板の変更の申請など | 商標を取るか、看板が許可の対象か |
ロゴが使われている場所が多い会社ほど、差し替え代がデザイン代を上回りやすくなります。予算を立てるときは、デザイン代だけで見積もらず、差し替え代と手続きの費用まで含めて全体で考えます。
デザイン代:一から作るか、手直しか
デザイン代は、どこまで変えるかで大きく変わります。
| 変え方 | 中身 | 費用の傾向 |
|---|---|---|
| 一から作り直す | 考え方の整理から始め、新しい形を作る | 新しくロゴを作るのと同じ |
| 手直し(リファイン) | 今のロゴの形を残し、線の太さ・文字の形・色を整える | 一から作るより抑えやすい |
| 文字の部分だけ作り直す | シンボルマークは残し、ロゴタイプだけを替える | 範囲に応じて |
手直しは、今のロゴの印象を残せるため、お客様が新旧を同じ会社だと分かりやすいという利点もあります。依頼先ごとのデザイン代の目安や、見積もりの読み方はロゴデザインの費用は何で決まるかにまとめています。
作り直しを頼むときは、新しいロゴのデータを、カラー・白黒・白抜きの版、横組み・縦組み、印刷用のベクター形式と画面用の PNG までそろえて受け取れるかを、見積もりの段階で確かめます。差し替えの相手(印刷会社・看板の会社・ホームページの制作会社)にそれぞれ同じデータを渡せるようにしておくと、後の差し替えが早く、安く済みます。受け取るデータの種類はロゴのデータ形式を参照してください。
差し替え代:まず洗い出し表を作る
差し替え代を見積もるには、ロゴが使われている場所を一覧にした「洗い出し表」を作ります。次の列を用意すると、見積もりと段取りの両方に使えます。
| 列 | 書くこと |
|---|---|
| 場所 | 看板、名刺、ホームページ など |
| 数量 | 看板の枚数、名刺を使う人数、車両の台数 など |
| 在庫 | 封筒や伝票の残りの量 |
| 頼む先 | どの会社に頼むか(今の取引先か) |
| 次の作り替えの時期 | 次に刷り直す予定、看板の許可の更新の時期など |
| 外から見えるか | お客様の目に触れるか |
| 費用の見積もり | 各社から取った見積もり |
洗い出しで挙げる場所の例
| 分類 | 場所 | 差し替えで気をつけること |
|---|---|---|
| 画面 | ホームページ、ファビコン、SNS のアイコンとヘッダー、メールの署名、Googleマップの店舗情報の写真 | 費用は抑えやすい。ファビコンや SNS は小さく使う版が要る |
| 印刷物 | 名刺、封筒、伝票、請求書、会社案内、チラシ、ショップカード | 在庫を確かめ、使い切る時期に合わせる |
| 屋外 | 看板、袖看板、のれん、ガラスのシート | 製作と取り付けの費用。条例の手続きが要る場合がある |
| 身に着けるもの・車両 | 制服、名札、車両のラッピングやマグネットシート | 人数・台数で費用が大きく変わる |
| 商品 | パッケージ、ラベル、シール、商品の刻印 | 版の作り直しや、在庫の切り替えの時期 |
| 社内 | 書類のひな形、スライドのひな形、ゴム印やスタンプ | 社内で作り替えられるものが多い |
ホームページのロゴを差し替えるときは、ファビコン(ブラウザのタブに出る小さなアイコン)や、SNS で共有されたときに出る画像も忘れずに替えます。ファビコンの作り方はファビコンの作り方とサイズにまとめています。名刺の刷り直しの費用の内訳は名刺デザインを頼むときの相場を参照してください。
手続きでかかる費用
商標を取り直す場合
今のロゴを商標登録している場合、新しいロゴを守るには新しく出願することになります。2026年4月6日更新の特許庁の料金一覧では、特許庁に納める料金は次のとおりです(弁理士に頼む場合の手数料は別)。
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| 商標登録出願 | 3,400円+区分の数×8,600円 |
| 商標登録料(10年分) | 区分の数×32,900円 |
「区分」は商品・サービスの種類を分けたもので、区分の数が多いほど料金が上がります。新しいロゴを公表する前に、無料の検索サービス「J-PlatPat」で似た商標が無いかを確かめておくと、公表後の作り直しを防げます。古いロゴの登録をどうするかは、更新の時期にあわせて考えます。
看板の変更の申請
屋外の看板は、都道府県や指定都市などが定める屋外広告物条例の対象で、許可を受けて出しているものがあります。京都市の京の景観ガイドライン(広告物編、令和8年3月改訂)では、許可の申請について、意匠等を変更する場合にも、設置前に申請が必要とされています。ロゴを変えて看板の表示を変えるときは、作り替えの前に、看板の製作会社か自治体の窓口に手続きの要否を確かめます。申請の手数料や、景観の基準に合わせた作り直しが必要になる場合もあるため、見積もりの段階で含めておきます。看板を頼むときの流れは看板デザインを頼むときの流れと費用の目安にまとめています。
費用を分けて払う順番
一度にすべてを替えるのが難しい場合は、次の順で段階に分けると、予算を分けながら新旧が混ざる期間を短くできます。
| 段階 | 替えるもの | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ホームページ・SNS・メールの署名・Googleマップの店舗情報 | 費用を抑えやすく、多くの人の目に触れる |
| 2 | 名刺 | 人に渡すもの。少ない部数で刷れる |
| 3 | 看板・のれん・ガラスのシート | 外から見える。手続きの期間も見込む |
| 4 | 制服・車両 | 費用が大きい。次の作り替えの時期に合わせてもよい |
| 5 | 封筒・伝票・パッケージ | 在庫を使い切る時期に合わせる |
切り替えの日を決めて、段階1と2はその日にそろえ、3以降は日程を表に書いておきます。取引先には、請求書や封筒の見た目が変わる時期を先に知らせておくと、問い合わせが減ります。
費用を抑えるコツ
- 在庫を使い切る時期に合わせる:封筒や伝票は、新しいロゴの決定から在庫が切れる時期を逆算し、余分に刷らない
- 次の作り替えの時期に合わせる:制服や車両は、もともと作り替える予定の時期に合わせると、差し替えの費用を上乗せせずに済む
- 手直しを選ぶ:今の形を残す手直しなら、看板の形や大きさを変えずに済み、作り替えの範囲を絞れることがある
- データを一式で受け取る:各社に同じデータを渡せると、作り直しの指示や確認の手間が減る
- 洗い出し表で見積もりを比べる:場所ごとに見積もりを取り、全体の金額を見てから段階を決める
作り直しの前のチェックリスト
- ロゴが使われている場所を、洗い出し表にすべて書き出した
- デザイン代・差し替え代・手続きの費用の3つで予算を立てた
- 一から作るか、手直しにするかを決めた
- 新しいロゴのデータを、版と形式までそろえて受け取れることを確かめた
- 商標を取り直すか、J-PlatPat で似た商標が無いかを確かめた
- 看板の変更の手続きの要否を、製作会社か自治体に確かめた
- 差し替えの段階と日程を決め、取引先への連絡の時期を決めた
まとめ
ロゴの作り直しの費用は、新しいロゴのデザイン代、使われている場所の差し替え代、商標や看板の手続きの費用の3つで考えます。ロゴが使われている場所が多い会社ほど、差し替え代が大きくなるため、まず洗い出し表を作り、場所ごとに見積もりを取ってから予算を決めます。一度に替えられない場合は、ホームページと名刺から始め、看板は手続きの期間を見込み、消耗品は在庫に合わせて替えていくと、費用を分けながら新旧が混ざる期間を短くできます。
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よくある質問
ロゴを作り直すと、費用はどれくらいかかりますか。
ロゴそのもののデザイン代と、名刺・看板・ホームページなどの差し替え代の合計になります。デザイン代は依頼先と作業の範囲で変わり、差し替え代はロゴが使われている場所の数で大きく変わります。名刺とホームページだけなら比較的軽く済みますが、看板・車両・制服・商品のパッケージまで広がっていると、差し替え代のほうがデザイン代より大きくなることもあります。
ロゴを変えたら、看板の手続きは要りますか。
屋外の看板は、屋外広告物条例で許可を受けて出しているものがあります。たとえば京都市の京の景観ガイドライン(広告物編、令和8年3月改訂)では、意匠などを変更する場合にも、設置前に申請が必要とされています。表示を変えるときは、看板の製作会社か自治体の窓口に、変更の手続きが要るかを確かめてください。
差し替えは一度に全部しなければいけませんか。
一度に替えられれば新旧が混ざる期間が短くなりますが、費用を分けたい場合は、外から見えるもの(ホームページ・看板・名刺)を先に替え、封筒や伝票などの消耗品は在庫がなくなる時期に替える進め方が現実的です。差し替えの順番と時期を表にしておくと、予算を立てやすくなります。