看板デザインを頼むときの流れと費用の目安
看板は、お店や会社の前を通る人に、毎日休まず存在を知らせてくれる印刷物です。開業や移転、リニューアルのときに作ることが多く、一度付けると何年もそのまま使います。それだけに、デザインで失敗すると直すのに費用がかかり、許可の手続きを忘れると撤去を求められることもあります。
この記事では、看板を作るときの流れ、デザインで決めること、費用の内訳と目安、許可が必要になる場合を順に説明します。開業・移転・リニューアルで看板を作る店舗や会社の人が、依頼先に相談する前に全体をつかめるようにすることが目標です。
看板を作る流れ
一般的な流れは次のとおりです。
- 設置する場所と種類を決める:建物の壁面、袖(道に向かって突き出す看板)、自立の看板、窓のシート、置き看板など
- 許可が必要かを確かめる:屋外広告物条例、道路の占用、建築の確認の要否
- デザインの条件を整理する:載せる内容、見せたい距離と方向、夜間に見せるか
- 依頼先に相談し、現地を見てもらう:大きさ、材質、照明、取り付け方の提案を受ける
- デザインの確認と修正
- 見積もりの確定と、許可の申請
- 製作と取り付け
- 設置後の確認:遠くから見えるか、夜間の照明、傾きや固定
看板は現地の条件で決まる部分が大きいので、図面や写真だけで決めず、依頼先に現地を見てもらうのが基本です。
看板の種類
| 種類 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 壁面看板 | 建物の壁に付ける。面積を取りやすい | 店名とロゴを大きく見せる |
| 袖看板 | 道に向かって突き出す | 歩いてくる人に、遠くから気づいてもらう |
| 自立看板・ポール看板 | 敷地に柱を立てて設置する | 車で通る人に見せる、建物が道から奥まっている |
| 窓のシート | ガラス面に貼る | 営業時間や取り扱いの案内。費用が小さい |
| 置き看板・スタンド看板 | 店の前に置く | 日替わりの案内、入口の目印 |
| のぼり・幕 | 布に印刷する | 期間限定の案内 |
デザインで決めること
看板のデザインは、名刺やチラシとは考え方が違います。見る距離が遠く、見る時間が短いからです。
- 載せる内容を絞る:店名(またはロゴ)と、何の店かが分かる言葉だけに絞ります。電話番号や細かな説明は、読まれません
- 見る距離から文字の大きさを決める:歩く人に見せるのか、車で通る人に見せるのかで、必要な大きさが変わります
- 背景と文字の色の差をはっきりさせる:昼の逆光や、夜の照明の下でも読めるかを考えます
- ロゴの色と形を崩さない:名刺やホームページと同じロゴを使い、色の決まりを看板の製作会社に伝えます(コーポレートカラーの決め方)
- 周りの景色の中で目立つか:隣の店の看板や、街並みの色と並べて考えます
ロゴのデータは、拡大しても荒れないベクター形式で渡します(ロゴのデータ形式)。小さな画像しか無いと、看板の大きさに引き伸ばしたときに輪郭がぼやけます。
費用の内訳と目安
看板の費用は、デザイン料、看板の製作費、取り付け工事費の3つでできています。
| 費用 | 決まり方 | 公開されている目安 |
|---|---|---|
| デザイン料 | 任せる範囲、ロゴから作るか | 2万〜4万円ほどが一般的 |
| 製作費 | 種類、大きさ、材質、照明の有無 | 種類によって数千円から数十万円以上 |
| 取り付け工事費 | 作業の人数、高さ、足場や作業車、立地 | 高所や交通量の多い場所ほど高い |
ランサーズの記事では、看板のデザイン料は2万〜4万円ほどが一般的で、企画から任せる場合は4万〜6万円、原稿や素材を揃えて持ち込む場合は1万〜3万円くらいとされています。開業支援ガイドの記事では、看板の種類ごとの参考価格として、スタンド看板が5,000円から、袖看板が5万円から、内照式の壁面看板が10万円から、ポール看板が20万円からといった目安が紹介されています。
取り付け工事費は、作業の人数と場所で変わります。同じ記事では、高い場所に付けるときは足場や作業車が必要になり、交通量の多い場所では警備の人を置いたり、道路の使用の申請が必要になったりすると説明されています。照明の付いた看板は、電気の工事と、設置後の電気代もかかります。
許可が必要になる場合
看板には、3つの法令や決まりが関わります。
屋外広告物条例
屋外に出す看板は、屋外広告物法にもとづいて都道府県や指定都市・中核市などが定める屋外広告物条例の対象です。国土交通省の説明では、条例で区域を定めて、その区域で広告物を出すには許可を受けなければならないとすることができ、形・面積・色などの基準も条例で定められます。東京都の説明では、都内のすべての区市町村の区域が許可区域で、原則として許可が必要とされています。
一方で、自分の店や事業所に店名や営業の内容を表示する自家用広告物のうち、基準に収まるものは、許可が要らない(適用除外)とされていることが多くあります。基準の面積や、景観を守る地区での扱いは自治体ごとに違います。とくに京都市のように景観の決まりが細かい地域では、地域ごとに使える色の基準(彩度の高い色を使える面積の割合など)や大きさの基準が定められているので、デザインを決める前に確かめます。
道路の占用許可
道路の上に張り出す袖看板などは、道路を使うことになるため、道路の管理者の占用許可が必要になることがあります。道路法施行令では、道路の占用の許可を要する物件として看板が挙げられています。
建築基準法の確認
建築基準法施行令では、高さが4メートルを超える広告塔や広告板は、建築物と同じように確認の手続きの対象になる工作物として定められています。大きな自立看板やポール看板を建てるときは、看板の製作会社に手続きの要否を確かめます。
許可の申請は、看板の製作会社が代わりに行うことが多いですが、許可を受ける責任は看板を出す側にもあります。見積もりの段階で、申請の手続きと手数料が含まれているかを確かめます。
依頼先の選び方
| 依頼先 | 頼めること | 向いている場合 |
|---|---|---|
| 看板の製作会社 | デザイン、製作、取り付け、許可の申請 | 看板だけを作る。現地の条件に合わせたい |
| デザイン会社 | ロゴや名刺、ホームページと揃えたデザイン | 開業にあわせて見た目を一式で揃えたい |
| 内装の工事会社 | 内装と一緒に看板を手配 | 店舗の工事とまとめて進めたい |
デザイン会社に頼む場合も、製作と取り付けは看板の製作会社が行います。デザインのデータを看板の製作会社に渡し、材質や照明に合わせた調整をしてもらいます。
見積もりで確かめること
- デザイン料・製作費・取り付け工事費が分かれているか
- 看板の大きさ、材質、照明の有無、耐久の目安
- 許可の申請の手続きと手数料が含まれているか
- 足場や作業車、警備、電気工事が含まれているか
- 修正の回数と、完成前にデザインを確かめる方法
- 設置後の点検や、不具合があったときの対応
- 撤去するときの費用の目安
看板は、ロゴや名刺と並んでお店の顔になります。開業にあわせて見た目を揃える考え方は、名刺・チラシ・サイトの見た目を揃える方法で説明しています。Lapisデザインラボでは、看板の製作会社にそのまま渡せるロゴのデータ一式をお渡ししています(サービスと料金)。
よくある質問
看板を出すのに許可は必要ですか。
屋外に出す看板は、都道府県や市などが定める屋外広告物条例の対象になり、多くの地域で原則として許可が必要です。ただし、自分の店や事業所に、店名や営業の内容を表示する看板(自家用広告物)で、条例の基準に収まるものは許可が要らない場合があります。基準は自治体ごとに違うので、設置する場所の役所の窓口で確かめます。道路の上に張り出す看板は、別に道路の占用許可が必要になることがあります。
看板のデザイン料の相場はいくらですか。
公開されている相場情報では、看板のデザイン料は2万〜4万円ほどが一般的とされ、企画から任せる場合は4万〜6万円、原稿や素材を揃えて持ち込む場合は1万〜3万円くらいという目安が紹介されています。ロゴから作る場合や、照明や立体の看板は別に費用がかかります。
看板は看板屋さんとデザイン会社のどちらに頼むべきですか。
看板そのものの製作と取り付け、許可の申請は看板の製作会社が担います。デザイン会社に頼むのは、ロゴや名刺、ホームページと見た目を揃えたい場合です。その場合も、デザイン会社が作ったデータを看板の製作会社に渡し、材質や大きさに合わせて調整してもらう流れになります。