コーポレートカラーの決め方|色の印象と配色の基本
コーポレートカラーとは、ロゴ・名刺・ホームページ・看板など、会社が外に出すものに一貫して使う色のことです。色を決める作業は一見シンプルに見えますが、「好きな色」で選んでしまうと、事業の内容や伝えたい印象とちぐはぐになることがあります。
この記事では、コーポレートカラーが果たす役割、色が持つ一般的な印象、決め方の手順、そして印刷とサイトの両方で色を扱う際に知っておきたいRGBとCMYKの違いをまとめます。デザインの専門知識がなくても、自社の色を決める判断材料として使えるように書いています。
コーポレートカラーが果たす役割
コーポレートカラーは、会社を思い出してもらうための手がかりです。ロゴの形や社名を忘れても、「あの紺色の会社」というように色から思い出してもらえることがあります。色を統一しておくと、名刺・サイト・看板・SNSなど、お客様が会社と接するあらゆる場面(タッチポイント)で、同じ会社だと認識してもらいやすくなります。
色を決める前提として大切なのは、「自社が顧客に対してどのような存在でありたいか」を言葉にしておくことです。色の好みから入るのではなく、伝えたい方向を先に決め、それに合う色を後から選ぶという順番が、あとで判断がぶれにくい進め方です。
色が持つ一般的な印象
色にはそれぞれ、多くの人が共通して抱きやすい連想があります。これは科学的に証明された効果というより、日常生活の中で積み重ねられてきたイメージです。参考として、よく挙げられる連想を以下にまとめます。
| 色 | 一般的に連想されやすい印象 |
|---|---|
| 赤 | 情熱的、目立つ、熱量がある |
| オレンジ | 明るい、陽気、親しみやすい |
| 黄色 | 目立つ、注意を引く、元気 |
| 緑 | 自然、安全、爽やか |
| 青 | 誠実、知的、落ち着き |
| 紫 | 高貴、大人っぽい、個性的 |
| ピンク | 柔らかい、女性的、親しみ |
| 紺・グレー | 堅実、信頼感、控えめ |
たとえば青は、世界的に見てもロゴに使われる頻度が高い色とされ、誠実さや知的な印象と結びつきやすいといわれています。ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、業種や地域、見る人の経験によって感じ方は変わります。「この色を使えば必ずこう見える」と断定せず、自社が伝えたい方向と大きく矛盾しないかを確かめる材料として使うのが実務的です。
決め方の手順
コーポレートカラーは、次のような手順で検討すると進めやすくなります。
- 伝えたい方向を言葉にする:自社がどのような会社だと思われたいかを、2〜3語でまとめる
- 業種の定石を確認する:同業でよく使われる色の傾向を把握する(業種別・信頼される見た目の定石を参照)
- 競合と被らないか確認する:よく比較される相手と同じ色にならないよう調整する
- 色数を決める:メインカラー1色に、サブカラーを1〜2色ほど組み合わせるのが扱いやすい目安
- 印刷とサイトの両方で見え方を確認する:候補の色を、実際に紙と画面の両方で見比べる
業種の定石に沿いすぎると同業と見分けがつかなくなり、外れすぎると業種らしさが伝わらなくなります。大枠は定石を踏まえつつ、色の濃淡やアクセントの使い方で自社らしさを出すのが、両立させやすい方法です。
RGBとCMYKの違い
コーポレートカラーを決めるうえで見落とされがちなのが、画面と印刷で色の作り方が異なるという点です。
| 方式 | 使われる場面 | 特徴 |
|---|---|---|
| RGB(光の三原色) | ウェブサイト、SNS、スマートフォンの画面 | 色を重ねるほど明るくなる。鮮やかな色を表現しやすい |
| CMYK(インキの四原色) | 名刺、看板、パンフレットなどの印刷物 | 色を重ねるほど暗くなる。RGBに比べて表現できる色の幅が狭い |
RGBで作った鮮やかな色をそのままCMYKに変換すると、色が沈んで見えることがあります。これは、RGBで表現できる色の範囲とCMYKで表現できる色の範囲に差があるためです。名刺や看板など印刷物にも使う色を決めるときは、先にCMYKで色を決めてからRGBに変換すると、画面と印刷での見え方の差が出にくくなります。
社内や制作会社との間で色を正確に共有したい場合は、DICカラーガイドのような色見本帳の番号で指定する方法もあります。「青っぽい紺」といった言葉だけのやり取りより、色のずれを防げます。
良い配色・避けたい配色の例
- 良い例:メインカラーを1色に絞り、白や薄いグレーとの組み合わせで余白を活かす
- 良い例:業種の定石に近い色を選びつつ、彩度や濃淡を少し変えて自社らしさを出す
- 避けたい例:メイン級の色を3色以上使い、名刺・サイト・看板でそれぞれ違う色の組み合わせになっている
- 避けたい例:画面上では鮮やかだった色が、印刷すると想定より暗く沈んでしまう
色を決めたあとに確認しておきたいこと
候補の色が固まったら、実際に使う場面を想定していくつか確認しておくと、公開してから作り直す事態を避けられます。
- 小さく使ったときに判別できるか:ファビコンやSNSのアイコンのように小さく表示される場面で、色の違いが分かるか確認します。似た色を隣り合わせで使う場合は特に注意が必要です。
- 背景色を変えても成り立つか:白い背景だけでなく、写真の上や暗い背景に置いたときの見え方も確認します。
- 社内の複数の人が同じ色を再現できるか:色の値(RGB・CMYK・DICの番号など)を控えておき、名刺や看板を別の業者に発注するときも同じ数値を伝えられるようにしておきます。
- 既存の販促物と大きく矛盾しないか:すでに使っている名刺や看板がある場合、コーポレートカラーを変えると同時に作り直す範囲が広がります。切り替えのタイミングは、更新のしやすいものから順に進めるのが現実的です。
社内で複数の候補が残って決めきれない場合は、事業内容やお客様に近い立場の人(既存の取引先や、身近にいる想定顧客に近い人)に見てもらい、どちらが自社の説明と結びつきやすいかを聞いてみるのも一つの方法です。好みではなく、伝えたい方向と合っているかどうかを基準に聞くと、意見がまとまりやすくなります。
まとめ
- コーポレートカラーは、会社を思い出してもらうための手がかりであり、色の好みより先に「伝えたい方向」を言葉にして選ぶ
- 色が持つ印象は、科学的に証明された効果ではなく一般的な連想として参考にする
- 決め方は、方向を言葉にする→業種の定石を確認する→競合と被らないか確認する→色数を決める→印刷とサイトの両方で確認する、という順が扱いやすい
- 画面(RGB)と印刷(CMYK)では色の見え方が異なるため、印刷物にも使う色はCMYKでの見え方を確認する
コーポレートカラーを含めたロゴ全体の考え方はロゴ制作の流れと期間で、業種ごとの色の傾向は業種別・信頼される見た目の定石でまとめています。Lapisデザインラボのロゴ・ブランドカラーのご相談はプランと料金からご確認いただけます。
よくある質問
コーポレートカラーは何色くらいに絞るべきですか。
メインカラー1色に、補助的に使うサブカラーを1〜2色ほど加える組み合わせが扱いやすいとされています。色数が多いほど印刷物やサイトでの管理が難しくなり、統一感も出しにくくなるため、まずは少ない色数から検討するのが安全です。
色の持つ印象は、本当に信じてよいのでしょうか。
特定の色に必ず特定の効果があると断定できる科学的根拠は限られています。ここで紹介する印象は、多くの人が生活の中で積み重ねてきた連想にもとづく一般的な傾向です。自社が伝えたい方向と大きく矛盾しないかを確かめる材料として使うのが実務的な向き合い方です。
画面で見た色と、印刷した色が違って見えるのはなぜですか。
画面はRGB(光の三原色)、印刷はCMYK(インキの四原色)という異なる方式で色を作っているためです。特に鮮やかな色ほど、印刷すると沈んで見えることがあります。名刺や看板など印刷物にも使う色は、CMYKでの見え方を確認してから決めると差が出にくくなります。