会社案内の制作費の相場|冊子とサイトの役割の分け方
会社案内の冊子を作ろうとして見積もりを取ると、同じ8ページでも数十万円の差が出ることがあります。「どこまで頼むか」で金額が大きく変わるからです。デザインだけを頼むのか、構成の企画や原稿の作成、撮影まで任せるのか。さらに、印刷の部数を含むかどうかでも見積もりの数字は変わります。
また、ホームページがある会社では「そもそも冊子が要るのか」という疑問もあるはずです。この記事では、会社案内の制作費の相場と、費用が変わる所、見積もりの読み方に加えて、冊子とホームページの役割の分け方を説明します。会社案内を作る、あるいは作り直す総務・広報の担当や経営者が、予算と作るものを決められるようになることを目指します。
会社案内の制作費の相場
会社案内としてよく使われるのは、A4の中綴じで8ページのものです。公開されている相場情報をまとめると、次のような幅になります。
| 情報源 | 示されている目安 |
|---|---|
| hypex の記事 | A4・8ページの会社パンフレットで、およそ20万〜80万円程度 |
| JPC の記事 | 中綴じの8〜16ページで20万〜50万円程度 |
| ホンラボの記事 | 本文デザインは1ページあたり1万〜3万円、表紙デザインは2万5千〜10万円 |
ホンラボの記事では、検索で表示される制作会社の料金を比べた例として、A4・8ページで1,000部の印刷を含めて約39万〜60万円、12ページで約53万〜98万円という幅が紹介されています。例ごとに、企画や文章の手直しを含むかどうかが違い、それが金額の差になっています。
金額を決める4つの要素
1. ページ数
デザイン費はページ単位で計算されることが多く、ページ数がそのまま費用に響きます。中綴じの冊子は4ページ単位で増えるため、8ページで足りないと12ページになり、中のページが4ページ分増えます。ページ構成の考え方は会社案内パンフレットの作り方で説明しています。
2. 任せる範囲
| 任せる範囲 | 会社が用意するもの | 費用 |
|---|---|---|
| デザインだけ | 構成、原稿、写真 | 低い |
| デザイン+構成の企画 | 原稿、写真 | 中くらい |
| デザイン+企画+原稿の手直し | 元になる原稿、写真 | 中くらい〜高い |
| デザイン+企画+取材・執筆+撮影 | 話す時間と、確認の時間 | 高い |
ホンラボの記事では、撮影や取材・執筆をデザイン制作会社に頼む場合、1作業につき1ページあたり2万〜4万円程度が別に必要になるとしています。
3. 依頼先
hypex の記事では、依頼先の規模ごとに、個人事業主なら10万円以下程度、小規模の会社なら10万〜20万円程度、大きな会社なら50万〜80万円程度という目安を示しています。規模が大きいほど、企画や進行の管理、確認の体制が厚くなる分、費用も上がります。
4. 印刷の部数と仕様
見積もりに印刷を含むかどうかで、数字が大きく変わります。印刷費は部数・紙・加工で決まります(パンフレットの制作費の相場)。見積もりを比べるときは、印刷を含む見積もりと含まない見積もりを混ぜないように注意します。
冊子とホームページ、両方要るか
会社案内の冊子とホームページは、役割が違います。
| 比べる点 | 冊子 | ホームページ |
|---|---|---|
| 届く相手 | 直接会った人、郵送した相手 | 検索や紹介で初めて知った人 |
| 使われ方 | 面談で一緒にめくる、机の上で読み返す | 会う前に調べる、問い合わせの前に確かめる |
| 情報の新しさ | 刷った時点で止まる | すぐに直せる |
| 載せられる量 | ページ数に限りがある | 限りがない |
| 費用のかかり方 | 作るときと増刷のとき | 作るときと、公開している間ずっと |
両方あると便利ですが、どちらを厚くするかは会社によって違います。
- 冊子を厚くする会社:訪問や面談で説明する機会が多い、決裁する人が紙で読む、展示会や説明会で配る
- ホームページを厚くする会社:問い合わせの多くが検索から来る、採用の応募者が事前に調べる、情報が頻繁に変わる
どちらか一方で済ませるなら、冊子はPDFにしてホームページに置く、ホームページの会社紹介を印刷して渡せる形にしておく、といった方法もあります。ホームページの会社紹介の作り方は会社概要ページに載せる項目で説明しています。
役割を分けると費用も抑えられる
冊子とホームページの両方を作るなら、載せる情報を分けると、冊子を長く使えて増刷の回数も減ります。
- 冊子に載せる:会社の考え方、代表のあいさつ、事業の全体像、強み、沿革など、数年は変わらない情報
- ホームページに任せる:料金、スタッフの紹介、お知らせ、事例の追加、採用の募集など、変わりやすい情報
- 両方をつなぐ:冊子の裏表紙に、ホームページの案内と二次元コードを載せる
冊子には「詳しくはホームページで」と案内し、ホームページには冊子と同じ見た目と言葉を使うと、どちらで会社を知った人にも同じ印象が伝わります(名刺・チラシ・サイトの見た目を揃える方法)。
見積もりを比べるときの確認項目
- ページ数と、表紙・本文それぞれの単価
- 構成の企画、原稿の作成・手直し、取材、撮影、校正のどれが含まれるか
- 提案の案数と修正の回数の上限、超えたときの費用
- 撮影した写真を、ホームページや採用の資料にも使ってよいか
- 印刷を含むか。含むなら部数・紙・製本・納期
- 印刷用のデータと、画面で見る用の PDF を受け取れるか
- 一部のページだけを差し替えて増刷するときの費用
4番と6番は、冊子とホームページの両方を使う会社にとって大事な条件です。写真や原稿を冊子にしか使えない契約だと、ホームページのために同じものを作り直すことになります。
費用で失敗しやすい例
会社案内の制作でよく聞く、費用にまつわる失敗を挙げます。どれも、最初の見積もりの段階で条件を確かめておけば防げます。
- 原稿が揃わず、制作の期間が延びる:原稿を社内で用意する約束だったのに、各部署からの原稿が集まらず、デザインが止まる。制作会社によっては、期間が延びた分の進行の費用が加わることがあります。台割を作ったら、ページごとの担当と締め切りを先に決めます
- 修正の回数を超えて追加の費用がかかる:確認する人が多く、それぞれの意見が順番に届くと、修正が何度も発生します。社内の意見は一度まとめてから伝えます
- 撮影のやり直し:撮影の日に準備が整っておらず、後日もう一度撮ることになる。撮影する場所の片付け、写る人の服装、撮りたい場面の一覧を前日までに揃えます
- 印刷の部数を多くしすぎる:単価の安さにつられて多く刷り、事業の変更や移転で使えなくなる。1年で配り切れる数から考えます
- データを受け取っていない:一部だけ直して増刷したいのに、データが制作会社にしか無く、毎回費用がかかる
とくに最初の2つは、会社の側の段取りで費用が変わる部分です。社内で「誰が原稿を書き、誰が最後に確認するか」を決めてから依頼すると、見積もりどおりの費用で収まりやすくなります。
予算の立て方
- 冊子を渡す場面と、1年間に渡す部数を書き出す
- 載せる内容を決め、ページ数を仮に決める
- 原稿と写真のうち、社内で用意できるものと頼むものを分ける
- 印刷を含む見積もりと含まない見積もりを、同じ条件で2〜3社から取る
- 冊子とホームページで、写真と原稿を使い回せるかを確かめる
会社案内は、一度作ると何年も会社の顔として使われます。安さだけでなく、使い回せるか、直しやすいかも含めて比べてください。Lapisデザインラボの制作の範囲と料金はサービスと料金をご覧ください。
よくある質問
会社案内の制作費の相場はいくらですか。
公開されている相場情報では、よく使われるA4・8ページの会社案内で、おおむね20万〜80万円程度という幅で紹介されています。依頼先の規模、原稿や撮影まで頼むか、印刷部数を含むかで大きく変わります。まずページ数と任せる範囲を決めてから見積もりを取ると、比べやすくなります。
ページ数を増やすと、費用はどれくらい増えますか。
デザイン費はページ単位で計算されることが多く、本文1ページあたり1万〜3万円程度、表紙は2万5千〜10万円程度という相場情報があります。中綴じの冊子は4ページ単位で増えるので、8ページから12ページにすると、中のページが4ページ分増えます。原稿や撮影を頼んでいる場合は、その費用もページに比例して増えます。
ホームページがあれば、会社案内の冊子は作らなくてよいですか。
会社案内を渡す場面が多いかどうかで決めます。面談や訪問、説明会で直接渡す機会が多い会社、年配の決裁者が紙で読む取引先が多い会社では、冊子が役立ちます。渡す場面が少なく、問い合わせの多くがホームページから来る会社なら、ホームページの会社紹介を充実させ、冊子はPDFや少部数で済ませる方法もあります。