ブランディング会社の選び方|提案の見方と契約前の確認

/ 更新 / Lapisデザインラボ

ブランディングを外に頼もうと決めて探し始めると、「ブランディング会社」「デザイン会社」「デザイン事務所」「広告代理店」、そして個人のデザイナーまで、たくさんの候補が見つかります。どこも「御社の魅力を引き出します」と書いていて、違いが分かりにくいと感じる方は多いと思います。

依頼先選びで大切なのは、会社の名前や規模ではなく、自社の依頼に合う作業を、合う進め方で引き受けてくれるかどうかです。この記事では、依頼先の種類ごとの違い、過去の仕事の見方、提案の比べ方、契約の前に確かめることを順に説明します。

依頼先の種類と得意なこと

依頼先得意なことが多い作業向いている依頼
フリーランスのデザイナーロゴ、名刺、印刷物のデザイン範囲がはっきりしていて、作風の合う人がいる
デザイン会社・デザイン事務所ロゴから印刷物、ウェブまでの見た目を揃える見た目を一通り揃えたい
ブランディング会社調査、考え方の整理、見た目の決まり、社内への浸透事業の節目で、会社の考え方から見直したい
広告代理店見た目に加え、広告や宣伝の展開大きな宣伝とあわせて進めたい

実際には、デザイン会社が考え方の整理から引き受けることも、ブランディング会社がロゴだけを引き受けることもあります。名前で決めず、見積もりの作業の中身で判断します。費用の目安はブランディングを外注したときの費用相場で説明しています。

依頼の前に社内で決めておくこと

依頼先を比べる前に、社内で次のことを決めておきます。これが決まっていないと、どの提案が良いのかを判断できません。

  1. 何のために頼むのか:新しい取引先を増やす、採用を強くする、値上げに見合う見た目にする、事業の節目を伝える
  2. 何を作るのか:ロゴ、名刺、封筒、チラシ、会社案内、看板、ホームページ
  3. 予算の上限と、使い始めたい時期
  4. 社内で誰が決めるのか:経営者が一人で決めるか、役員や社員の意見を聞くか
  5. 変えたくないもの:屋号、長く使ってきた色や印

この5つを紙にまとめて、候補の会社に同じ内容を伝えると、提案と見積もりを同じ物差しで比べられます。ロゴを頼むときに伝えることはロゴを依頼する前に決めることにまとめています。

過去の仕事の見方

依頼先のホームページに載っている過去の仕事は、次の点で見ます。

  • 自社に近い規模の仕事があるか:大きな会社の仕事ばかりだと、小さな会社の予算と進め方に慣れていないことがある
  • 業種の幅:同じ業種の仕事が多いと事情に詳しい一方、似た見た目になりやすいこともある
  • 作風の幅:どの会社の仕事も同じ雰囲気なら、それがその依頼先の作風。自社に合うかを見る
  • ロゴだけでなく、展開まで載っているか:名刺やチラシ、ウェブに展開した例があると、揃え方の力が分かる
  • 考え方の説明があるか:なぜその形にしたのかが書かれていると、進め方が想像できる

見た目の好みだけで選ぶと、自社の強みを読み取る力を見落とします。説明の文も一緒に読みます。

提案の比べ方

候補を2、3社に絞ったら、提案と見積もりをもらいます。比べるときは、次の点を見ます。

  • 自社をどう読み取ったか:聞き取りの内容が提案に反映されているか。どの会社にも当てはまる言葉だけになっていないか
  • 進め方:聞き取り、案の提示、修正、納品の流れと期間
  • 案の数と修正の回数:何案を出し、何回まで直せるか
  • 成果物の一覧:何を、いくつ、どの形式で受け取るか
  • 社内でする作業:原稿、写真、社内での確認に、どのくらいの時間が要るか

提案の段階でデザインの案まで求める「コンペ」の形もありますが、聞き取りが浅いまま作られた案は、見た目の好みだけで選ぶことになりがちです。ロゴの案の数と費用の関係について、比較サイトのPRONIアイミツでは、案が増えるほどデザイナーの工数が増えて費用が上がるとしています。

担当者との相性も見る

ブランディングの依頼は、数週間から数か月にわたって、経営者と担当者が何度も話し合う仕事です。提案の中身と同じくらい、担当者との話しやすさも大切です。最初の打ち合わせでは、次のことに気をつけて話を聞きます。

  • こちらの話を最後まで聞き、分からない所を質問してくれるか
  • 専門の言葉を使わずに説明してくれるか
  • できないことや、予算に合わないことを、はっきり言ってくれるか
  • 打ち合わせの後に、話した内容をまとめて送ってくれるか

実際に作業をする人と、営業の担当者が別の場合は、作業をする人と話せる機会があるかも確かめます。

契約の前に確かめること

確かめること見る所
成果物何を、いくつ、どの形式で受け取るか
修正何回まで含むか。超えたときの費用
著作権ロゴなどの著作権を自社に譲渡するか。27条・28条の権利を含むと書かれているか
著作者人格権行使しないと書かれているか
データ元のデータ(編集できる形式)を受け取れるか
支払い着手時、納品時など、いつ、いくら払うか
期間納品の予定日と、遅れたときの扱い
やめるとき途中でやめる場合の費用

著作権法61条2項では、著作権の譲渡の契約で、翻案の権利など(27条・28条の権利)を譲渡の目的として特に書いていないときは、譲渡した側に残ると推定されます。ロゴを後で作り直したり、形を変えて使ったりするには、この2つの権利も譲り受けておく必要があります。詳しくはロゴの著作権は誰のものかで説明しています。

納品の後の相談先も確かめる

ブランディングは、ロゴや名刺ができた時点で終わりではありません。使い始めてから、「新しいチラシを作るときに色が合わない」「看板の業者にどのデータを渡せばよいか分からない」「社員が自分で作った資料でロゴの使い方がずれる」といった相談が出てきます。

契約の前に、納品の後に次のようなことを頼めるか、頼むならどの形になるかを聞いておきます。

  • 追加の印刷物やウェブのページを、同じ決まりで作ってもらえるか
  • 看板や印刷の業者へのデータの受け渡しを手伝ってもらえるか
  • ガイドラインの読み方を、社員に説明してもらえるか
  • 急ぎの小さな修正に、どのくらいの日数で対応してもらえるか

依頼先が変わっても困らないように、ガイドラインと元のデータは自社で保管しておくことも大切です。

よくある失敗

  • 有名な会社だから任せた:自社の規模に合わない進め方で、社内の確認が追いつかなかった
  • 見た目の好みだけで選んだ:ロゴは気に入ったが、名刺やホームページに展開できる決まりが無かった
  • 成果物を確かめなかった:画面用の画像しか受け取れず、看板や印刷物を作るときに困った
  • 権利を確かめなかった:ロゴを少し変えて使いたくなったとき、作った人の了解が要った

どれも、依頼の前に目的と成果物と権利を確かめておけば防げます。受け取るデータの種類はロゴのデータ形式で説明しています。

Lapisデザインラボの場合

Lapisデザインラボのブランドづくりのプランと、それぞれの成果物、進め方と料金はサービスと料金に、お支払い・修正の回数・著作権の扱いはお取引の条件に、よくある質問はよくある質問に載せています。

よくある質問

ブランディング会社とデザイン会社は、何が違いますか。

はっきりした線引きはありませんが、一般的に、ブランディング会社は会社の考え方の整理や調査、社内への浸透など、見た目を作る前後の作業を厚く引き受けることが多く、デザイン会社はロゴや印刷物、ウェブなど、形にする作業が中心です。会社の名前ではなく、見積もりに含まれる作業と過去の仕事で、自社の依頼に合うかを判断します。

ブランディング会社を選ぶとき、何を比べればよいですか。

過去の仕事(自社に近い規模や業種の例があるか)、提案の中身(自社の強みをどう読み取ったか)、作業の範囲と成果物、修正の回数、ロゴなどの著作権の扱い、受け取るデータの形式、支払いの時期、公開後の相談の窓口を比べます。金額だけで比べると、含まれる作業の違いを見落とします。

ロゴの著作権は、お金を払えば自動的に自社のものになりますか。

自動的にはなりません。著作権は、作った人に生まれるのが原則で、自社に移すには契約で定める必要があります。著作権法61条2項では、譲渡の契約で、翻案の権利などを譲渡の目的として特に書いていないときは、それらは譲渡した側に残ると推定されます。契約書に、著作権法27条・28条の権利を含めて譲渡すると書かれているかを確かめます。

参考にした資料

あわせて読みたい

Contact

まずは、どのプランが合うか
ご相談ください。

事業の内容と、いまお使いのロゴや印刷物の状況を伺い、合うプランと日程をお返事します。ご相談は無料です。