ブランディングはデザイナー個人か会社か|体制と費用、続けて頼む形の違い

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ブランディングの依頼先を探すと、個人で活動しているデザイナー(フリーランス)と、デザイン会社やブランディング会社の両方が見つかります。仕事の質は個人か会社かでは決まらず、どちらにも良い依頼先があります。違いが出るのは、体制、費用の決まり方、そして納品の後に続けて頼むときの頼みやすさです。

この記事では、個人と会社の違いを比べ、それぞれに向いている会社と、頼む前に確かめることをまとめます。会社の種類ごとの違いと提案の見方はブランディング会社の選び方、依頼先ごとの費用の目安はブランディングを外注したときの費用相場で説明しています。

個人と会社の違い

比べる点個人のデザイナーデザイン会社・ブランディング会社
担当する人本人が最初から最後まで担当する営業・進行役・デザイナー・文章の担当などで分担する
やり取り作る本人と直接話せる窓口の担当者を通す場合がある
得意な範囲本人の専門(ロゴ、印刷物、ウェブなど)に強い調査、文章、撮影、ウェブまで社内か協力先でそろえやすい
費用の決まり方本人の作業時間が中心関わる人数と、管理・営業の費用が乗る
急ぎ・繁忙のとき本人の予定がそのまま納期になるほかの人が手伝える
担当が離れるとき依頼先そのものがいなくなる会社としてデータと記録が残る
続けて頼むとき同じ人の感覚で作り続けられる担当が替わっても決まりで引き継ぐ

個人に頼むいちばんの良さは、考え方を聞いた本人が、そのまま形にすることです。話した内容が人を介さずに伝わり、細かな意図も残りやすくなります。一方で、本人の手が空かないと仕事が進まず、病気や繁忙の影響をそのまま受けます。

会社に頼む良さは、関わる人が多いぶん、作れる範囲が広く、担当の交代にも耐えられることです。その代わり、窓口の担当と実際に作る人が違うと、話した意図が伝わりきらないことがあります。

費用の決まり方の違い

費用は、依頼先の種類より、含まれる作業で比べます。同じ「ロゴと名刺」でも、考え方の整理や競合の調査を含むかどうかで、作業の量は大きく変わるからです。

そのうえで、金額の決まり方には次のような違いがあります。

  • 個人:本人の作業時間がほぼそのまま金額になる。事務所の経費や営業の人件費が少ないぶん、同じ範囲なら抑えられる場合がある
  • 会社:進行の管理、複数の人の確認、営業の費用が乗る。そのぶん、調査・文章・撮影などを一度にまとめて頼める

見積もりを比べるときは、作業ごとに分けて書いてもらい、片方に無い作業がないかを確かめます。「ロゴデザイン 一式」と書かれた見積もりどうしを金額だけで比べると、含まれる作業が違うことに気づけません。

個人のデザイナーが向いている場合

  • 作る範囲が、ロゴ・名刺・販促物など、本人の専門の中に収まっている
  • 経営者が自分で打ち合わせに出て、作る本人と直接話したい
  • 期日にある程度の余裕がある
  • 同じ人に、販促物を少しずつ作り続けてもらいたい

会社が向いている場合

  • ロゴからホームページ、撮影、看板まで、まとめて一度にそろえたい
  • 社員が多く、ワークショップや社内向けの説明会も頼みたい
  • 開業日など、ずらせない期日がある
  • 担当者が替わっても、同じ決まりで作り続けてほしい

頼む前に確かめること

個人に頼むとき

確かめること聞き方の例
手が空かないときの対応病気や繁忙で作業できないとき、納期はどうなりますか
外注の有無文章や撮影、ウェブの開発は、どなたが担当しますか
データの受け取り元のデータ(編集できる形式)を納品していただけますか
権利著作権の譲渡と、著作者人格権を行使しないことを契約に書いていただけますか
連絡の取り方返事はどのくらいで来ますか。急ぎのときの連絡先はありますか

個人のデザイナーが活動をやめると、手元にデータが無い場合に困ります。元のデータは必ず納品してもらい、自社で保管します。

会社に頼むとき

確かめること聞き方の例
実際に作る人提案してくださった方が、デザインも担当されますか
担当の交代途中で担当が替わった場合、どう引き継がれますか
外注の有無社外の方に頼む作業はありますか
窓口と作る人の距離作る方と直接話す機会はありますか

権利の考え方は、個人でも会社でも同じです。著作権法第61条第2項は、譲渡の契約で翻案などの権利(第27条・第28条の権利)を特に書いていないときは、譲渡した側に残ると推定すると定めています。契約書にはこの2つの権利を含むと書いてもらいます。詳しくはロゴの著作権は誰のものかで説明しています。

個人に発注するときに守る決まり

従業員のいない個人や、代表者のほかに役員も従業員もいない法人に仕事を頼むときは、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(いわゆるフリーランス法。2024年11月施行)が関わります。発注する側が守る主な決まりは次のとおりです。

決まりかかる発注者
仕事の内容・報酬の額・支払期日などを、書面かメールなどで示すすべての発注者
報酬の支払期日を、成果物を受け取った日から60日以内のできるだけ短い期間で決める従業員がいる発注者
6か月以上続く仕事を途中でやめる・更新しないときは、少なくとも30日前までに予告する従業員がいる発注者

口頭だけで頼むのは避け、見積もりを受けたら、仕事の範囲と金額、支払期日をメールで送って確かめておくと、この決まりにも沿えます。

依頼先の候補を比べる表

候補が個人と会社にまたがるときは、同じ物差しで並べます。打ち合わせのあとに、次の表を埋めてみてください。

比べる点候補1候補2候補3
過去の仕事は、自社と近い業種・規模か
考え方の整理から形にした例があるか
実際に作る人と話せたか
見積もりに含まれる作業は何か
データと著作権を受け取れるか
手が空かないとき・担当が替わるときの対応
納品後に頼むときの頼み方と費用

金額だけで並べると、作業の範囲が違うことを見落とします。表の上から順に見て、自社に合う依頼先かを判断してから、最後に金額を比べます。過去の仕事の見方は制作会社の実績の見方も参考になります。ホームページを頼む場合の比べ方はホームページはフリーランスか制作会社かにまとめています。

続けて頼む形の違い

ブランディングは、ロゴができたら終わりではありません。名刺の追加、季節のチラシ、展示会の資料と、同じ決まりで作り続けるものが出てきます。

  • 個人に続けて頼む:同じ人の感覚で作れるので、見た目がぶれにくい。本人の予定に合わせて、早めに頼む習慣が要る
  • 会社に続けて頼む:担当が替わっても、決まりの文書があれば同じように作れる。小さな仕事は、最低の料金の決まりで割高になることがある

どちらに頼む場合も、ロゴの使い方や色・書体の決まりを文書にしておくと、依頼先を替えることになっても見た目を保てます(ブランドガイドラインとは)。

Lapisデザインラボがどのような体制で制作しているかは、私たちについてに載せています。

よくある質問

ブランディングは、個人のデザイナーに頼んでも大丈夫ですか。

大丈夫です。作る範囲がロゴと名刺、販促物までに絞られ、経営者が直接やり取りできる会社では、個人のデザイナーが向いている場合があります。頼む前に、病気や繁忙で手が空かないときの対応、外注先の有無、データと著作権の受け取りを確かめておきます。

個人のデザイナーと会社では、費用はどちらが安いですか。

個人のほうが事務所の経費や営業の人件費が少ないぶん、同じ範囲なら金額が抑えられる場合があります。ただし、考え方の整理や調査をどこまで含むかで金額は大きく変わるので、依頼先の種類よりも、見積もりに含まれる作業で比べます。

個人のデザイナーに発注するとき、発注する側に決まりはありますか。

あります。従業員のいない個人などに仕事を頼むときは、フリーランス法により、仕事の内容・報酬の額・支払期日などを書面かメールなどで示す必要があります。従業員を使っている事業者が発注するなら、報酬は成果物を受け取ってから60日以内のできるだけ短い期日に払う決まりもあります。

参考にした資料

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