ホームページの検収で確かめること|公開前のチェックリスト

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制作会社から「サイトができました。ご確認ください」と連絡が来た。確認を任されたものの、何をどこまで見ればよいのか分からない。トップページを開いて、見た目が良さそうなら返事をしてしまう。こうして受け取ったサイトで、公開した後に問い合わせフォームのメールが届いていなかった、会社の電話番号が一桁違っていた、という事態が起こります。

この記事では、納品されたホームページを受け取る前の確かめ(検収)でやることを、チェックリストの形でまとめます。検収の期間と「みなし検収」の意味、不具合の伝え方、検収の後に見つかった不具合の扱いも説明します。検収の条項を契約書のどこで見るかはホームページ制作の契約書で確かめることで扱っているので、ここでは実際の確かめ方に絞ります。

検収とは、何を決める手続きか

検収は、納品されたものが契約で決めた内容のとおりにできているかを発注する側が確かめ、受け取ることを認める手続きです。ホームページの制作では、検収の完了が次のことの基準になっていることがよくあります。

  • 残りの代金を払う時期
  • 著作権が発注する側に移る時期
  • 公開の後に無料で直してもらえる期間の始まり

つまり、検収の返事は「見ました」という挨拶ではなく、お金と権利が動くきっかけです。見ないまま返事をしないこと、見られないまま期間を過ぎないことが大事です。

検収の期間と「みなし検収」

検収の期間は法律で決まった日数があるわけではなく、契約書で決めます。契約書には、多くの場合、次のことが書かれています。

  • 納品から何日以内に確かめるか
  • 期間内に連絡しなかったとき、検収が済んだものとみなすか(みなし検収)
  • 不具合があったとき、直してもらってからもう一度確かめる流れか

みなし検収の取り決めがあると、期間を過ぎた時点で、支払いの時期や著作権が移る時期が自動的に来ます。期間内に確かめきれないときは、期限の前に「〇日まで延ばしてほしい」と書面で頼みます。

日数が足りるかどうかは、ページの数とフォームの数で決まります。納品の日が決まったら、社内で確かめる人と時間を先に押さえておきます。

なお、個人のフリーランスに頼んでいる場合、公正取引委員会の説明では、報酬の支払期日は給付を受け取った日から数えて60日以内で決め、その起算日は検査をするかどうかを問わないとされています(2024年11月1日施行のフリーランス・事業者間取引適正化等法。従業員を使う事業者が対象)。検収に時間をかけても支払期日は後ろにずれないので、検収の日程も早めに組みます。

公開前のチェックリスト

次の表を、確かめる人ごとに分けて使います。全ページを1人で見るより、項目ごとに担当を分けたほうが漏れが減ります。

分類確かめること見方
表示パソコンで崩れていないかChrome、Edge、Safari など、社内とお客様がよく使うブラウザで開く
表示スマートフォンで崩れていないかiPhone と Android の両方で、縦向きで全ページを開く
表示画像が表示されるか、荒れていないか写真、ロゴ、図の全部を目で見る
文字と情報会社名、住所、電話番号、営業時間、地図登記や名刺の情報と1文字ずつ照らす
文字と情報料金、商品名、サービスの内容社内でいま使っている料金表や資料と照らす
文字と情報誤字、古い情報、仮の文章が残っていないか「サンプル」「ダミー」などの仮の文字を探す
リンクメニューとページの中のリンク全部押して、正しいページが開くか
リンク外部のリンク、SNS へのリンク自社のアカウントにつながるか
リンク電話番号とメールアドレススマートフォンで押して、電話やメールが立ち上がるか
フォーム送信できるか各フォームから実際に送る。必須の項目を空にしたときの表示も見る
フォーム受信できるか届く先のアドレスに届くか。迷惑メールのフォルダも見る
フォーム自動返信送った人に確認のメールが届くか。文面と差出人の名前
基本の設定ページの題名と説明文ブラウザのタブに出る題名が、ページごとに正しいか
基本の設定鍵のマーク(https)アドレスが https で始まり、警告が出ないか
基本の設定存在しないページの表示でたらめなアドレスを開いて、案内のページが出るか
基本の設定プライバシーポリシーフォームで個人情報を受け取るなら、方針のページがあり、フォームから見られるか
権限とアカウント管理画面に自社で入れるか自社の担当者の ID で入り、更新ができるか
権限とアカウントドメインとサーバーの名義契約どおり自社の名義か
権限とアカウントアクセス解析などの外部のサービス自社のアカウントが持ち主(管理者)になっているか
納品物受け取るデータ契約で決めたデータ一式、元のデザインのデータ
納品物素材のライセンス写真やフォントの使用の条件と名義
納品物更新の手順書自社で直す範囲の手順が分かるか

問い合わせフォームは、見た目が整っていても、届く先の設定を間違えると問い合わせを取りこぼします。必ず実際に送り、受け取る側の受信箱まで確かめます。フォームの項目の決め方は問い合わせフォームの項目の決め方で説明しています。

権限とアカウントは、検収のときがいちばん確かめやすい時期です。ドメインやアクセス解析の持ち主が制作会社のままになっていないかを、ここで直してもらいます。名義の考え方はドメインとサーバーは誰の名義にすべきかにまとめています。

検収の進め方

  1. 確かめる人と分担を決める:表示はスマートフォンをよく使う人、会社の情報は総務、料金は営業、というように、内容を知っている人に割り振る
  2. チェックリストに結果を書き込む:問題なし、要修正、質問の3つで記録する
  3. 不具合は再現できる形で記録する:ページのアドレス、使った機器とブラウザ、画面の保存、何をしたら起きたか
  4. まとめて伝える:見つけるたびに送らず、1つの一覧にして期間内に送る。修正の回数が数えられている契約では、特に大事です
  5. 直ったかをもう一度確かめる:修正の連絡が来たら、直した所と、その周りが崩れていないかを見る
  6. 書面で検収の完了を伝える:検収書やメールで、確かめた日と結果を残す

不具合の伝え方は、「なんとなく見づらい」ではなく、「iPhone の Safari で料金のページを開くと、表の右端が切れて見えない」のように、場所と状況を具体的に書くと、一度で直してもらえます。

「不具合」と「新しい希望」を分ける

検収で見つかったことには、契約の内容と違う所(不具合)と、見ているうちに出てきた新しい希望が混ざります。

  • 不具合:契約や仕様書で決めた内容と違う。電話番号の誤り、フォームが届かない、決めたページが無い
  • 新しい希望:契約の内容のとおりにできているが、やはり変えたい。写真を別のものにしたい、ページを1枚足したい

不具合は検収の中で直してもらうものです。新しい希望は、修正の回数の内か、追加の見積もりかを相談します。この2つを1つの一覧に混ぜると、制作会社とのやり取りがこじれやすいので、一覧の中で分けて書きます。

検収の後に見つかった不具合

公開した後に不具合が見つかることもあります。民法では、請負の仕事の結果が契約の内容に合わないとき、注文者は直してもらうことなどを求められ、その不適合を知った時から1年以内に通知すればよいとされています(第637条)。ただし、契約書でこれと違う期間や範囲を決めていることが多くあります。

  • 契約書で、検収の後の不具合をいつまで、どの範囲で無料で直してもらえるかを確かめる
  • 見つけたら、日付と内容を記録し、すぐに書面で知らせる
  • 公開後の更新や機能の追加は、不具合とは別の扱い(保守の契約や追加の見積もり)になる

検収と並んでもめやすい点はホームページ制作のよくあるトラブルと契約前の防ぎ方にまとめています。

Lapisデザインラボの月額の「サイト保守・更新」では、公開後の更新や不具合への対応をお引き受けしています。内容は運用・集客サポートをご覧ください。

よくある質問

ホームページの検収の期間は、どのくらいが普通ですか。

法律で決まった日数は無く、契約書で決めます。大事なのは、ページ数とフォームの数に対して、社内で全部を確かめられる日数になっているかです。日数が短いと感じたら、契約の前に延ばせるかを相談し、納品の日に合わせて社内の担当と時間を先に押さえておきます。

「みなし検収」とは何ですか。

検収の期間内に発注する側が不具合などの連絡をしなかったとき、検収が済んだものとみなす取り決めです。期間を過ぎると、支払いの時期や著作権が移る時期が自動的に来ることがあるので、期間内に確かめきれないときは、期限の前に延長を書面で頼みます。

検収が終わった後に不具合が見つかったら、もう直してもらえませんか。

契約によります。民法では、請負の仕事の結果が契約の内容に合わないとき、注文者はその不適合を知った時から1年以内に通知すれば、直してもらうことの請求などができるとされています(第637条)。ただし契約書で期間や範囲が別に決められていることが多いので、検収の後の不具合の扱いを契約書で確かめ、見つけたらすぐに書面で知らせます。

参考にした資料

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