ホームページの多言語化の費用と進め方|翻訳と更新の分け方

/ Lapisデザインラボ

海外の取引先から問い合わせが来るようになった、旅行者のお客様が増えてきた。そんなときに考えるのが、ホームページの外国語のページです。ただ、「英語版を作りたい」と制作会社に相談すると、翻訳を誰がするのか、どのページを訳すのか、公開した後に誰が直すのかと、決めることが意外に多くあります。

この記事では、ホームページの多言語化の費用の内訳と、作り方の違い(主なページだけ・全ページ・自動翻訳)、Google が勧めるページの分け方、自動翻訳で気をつけること、翻訳を頼むときの準備をまとめます。いちばん大事なのは、最初に訳すことより、公開後に日本語と外国語の両方を直し続けられる範囲に決めることです。費用は比較サイトの公表値で、実際の金額は依頼先と内容によって違います。

多言語化の3つのやり方

やり方中身費用気をつけること
主なページだけ外国語にする会社概要・事業・アクセス・問い合わせなどを人が訳し、外国語のページを作る訳す量が少ないぶん抑えられる日本語だけのページへのリンクの扱い
全ページを外国語にする日本語のページと同じ構成で、外国語のページをそろえる訳す量と更新の手間が大きい日本語を直すたびに外国語も直す
自動翻訳の機能を付けるページを開いた人の画面で、機械翻訳の結果を表示する初期の費用は小さい訳の正しさを確かめられない

多くの会社で現実的なのは、主なページだけを人が訳し、変わりにくい情報から外国語にするやり方です。

費用の内訳

多言語化の費用は、翻訳料と制作費に分かれます。

翻訳料:比較サイトの PRONIアイミツ(2025年12月の更新)では、日本語から英語への翻訳は1文字あたり20〜30円が相場とされています。訳すのは日本語の文字数が基準になることが多く、たとえば次のように見積もれます。

訳す範囲日本語の文字数の例翻訳料の目安(20〜30円/字)
主なページ3枚6,000字12万〜18万円
主なページ5枚2万字40万〜60万円

同じサイトでは、機械翻訳のあとに人が直す方法は、人がすべて訳すより工程が少なく費用を抑えやすいとも書かれています。

制作費:外国語のページを組み込む作業です。

  • 外国語のページの追加(ページ数に応じて)
  • 言語を切り替えるボタンと、ページどうしのつなぎ
  • 画像の中の文字(見出しの画像、図、地図)の差し替え
  • 問い合わせフォームの外国語化と、自動の返信の文面
  • 外国語の書体の指定(日本語の書体のままだと、英字の見え方が整わないことがある)

ページの追加の費用は、ホームページ全体の相場と同じ考え方です。ホームページ制作の費用の相場も参考にしてください。

Google が勧めるページの分け方

外国語のページは、言語ごとに別のアドレス(URL)にします。Google 検索セントラルの多言語サイトの説明では、ページの言語ごとに別の URL を使うことが勧められ、Cookie やブラウザの設定で同じ URL の中身を切り替える方法は勧められていません。

アドレスの形例特徴
国別のドメインexample.de地域がはっきりするが、ドメインとサーバーの管理が増える
サブドメインen.example.com設定しやすく、サーバーを分けられる
サブディレクトリexample.com/en/設定と管理がしやすい
URL のパラメータexample.com?loc=en勧められていない

中小企業の会社のサイトでは、同じドメインの下に /en/ のような場所を作るサブディレクトリの形が扱いやすいでしょう。そのほか、Google の説明には次のような点があります。

  • 言語を推測して自動で転送しない:開いた人の言語を推測して別の言語のページへ自動で移すと、ほかの言語のページを見られなくなることがある
  • 言語は表示されている中身で判断される:Google はページの表示内容から言語を判断し、ページの中の言語の指定(lang 属性)や URL は使わないとしている。メニューなどの決まった部分だけを訳して、本文が日本語のままのページは、訳したことにならない
  • ほかの言語のページの存在を知らせる:hreflang という指定で、日本語のページと英語のページが対になっていることを示す。対になるページどうしがお互いを指していないと、指定は無視される

この設定は制作会社が行うものですが、外国語のページを作ると決めた時点で、アドレスの形を相談しておきます。

自動翻訳で気をつけること

自動翻訳は手軽ですが、次の点に気をつけます。

  • 固有名詞が崩れる:社名・商品名・人名・地名が、意味をとって訳されてしまうことがある
  • 条件を誤って伝える:料金、納期、キャンセルの条件、注意事項の訳が違うと、取引の行き違いになる
  • 確かめる人がいない:社内に外国語の分かる人がいないと、誤りに気づけない

Google のスパムポリシーでは、翻訳などの手法を使ってユーザーにほとんど価値の無いページを大量に作ることを、大量生成されたコンテンツの不正使用の例に挙げています。機械翻訳を使うなら、大事なページは人が確かめてから載せ、翻訳した結果をそのまま大量に公開することは避けます。

翻訳と更新の分け方

多言語化でいちばんつまずきやすいのは、公開した後です。日本語のページを直したのに外国語のページが古いまま、という状態は珍しくありません。最初に、ページを次の2つに分けておきます。

種類例外国語の扱い
変わりにくい情報会社概要、事業の内容、アクセス、問い合わせの方法外国語にする
頻繁に変わる情報お知らせ、ブログ、催しの案内日本語だけ、または外国語の読み手に関わるものだけ訳す

そのうえで、次の決まりを社内で作ります。

  1. 日本語のページを直したら、対になる外国語のページも直すかを必ず判断する
  2. 外国語の文を直すのは誰か(社内の担当、翻訳を頼む先、制作会社)
  3. 料金や条件のように間違えると困る情報は、外国語のページに載せるか、問い合わせで答えるかを決める

更新を外に頼むときの料金の考え方はホームページの更新代行の料金で説明しています。

翻訳を頼むときの準備

翻訳を翻訳会社や制作会社に頼むときは、次のものを用意すると、訳の質がそろい、やり取りも減ります。

  • 原稿をテキストで渡す:ページの画面の写しではなく、文章のデータで渡す
  • 用語の一覧:社名・商品名・部署名・肩書き・住所の外国語の表記を決めておく
  • 読み手:海外の取引先か、旅行者か。読み手によって言葉の選び方が変わる
  • 訳さないもの:商品名などをそのまま残すもの
  • 確かめる人:訳文を誰が確かめるか。社内にいなければ、確認まで頼めるか
  • 文字数:見積もりの基準になる日本語の文字数

日本語の原稿の準備の仕方はホームページの原稿の書き方とテンプレートにまとめています。日本語の原稿が整っているほど、訳もぶれにくくなります。

英語版を作る手順

  1. 外国語のページを見る人と目的を決める(取引先への説明、旅行者の予約など)
  2. 訳すページを決める(変わりにくい情報から)
  3. 用語の一覧を作る
  4. アドレスの形(/en/ など)と言語の切り替えの置き場を制作会社と決める
  5. 翻訳を頼む、または機械翻訳を人が確かめる
  6. 外国語のページを組み込み、画像の中の文字やフォームも外国語にする
  7. 公開前に、外国語の分かる人に通しで読んでもらう
  8. 公開後の更新の担当と手順を決める

ホームページの仕組みによって、外国語のページの作り方や更新のしやすさが変わります。仕組みの選び方はStudio・Wix・WordPressの違いで説明しています。

Lapisデザインラボで承るウェブページの制作と、公開後の更新の範囲は、サービスと料金と月額サービスに載せています。

よくある質問

ホームページを英語にする費用はどのくらいですか。

翻訳料と、外国語のページを組み込む制作費に分かれます。比較サイトの PRONIアイミツ(2025年12月の更新)では、日本語から英語への翻訳は1文字あたり20〜30円が相場とされています。たとえば日本語で合計2万字のページを訳すと、翻訳料だけで40万〜60万円ほどになります。これにページの追加、言語の切り替えの仕組み、画像の中の文字の差し替えなどの制作費が加わります。

自動翻訳の機能を付けるだけではだめですか。

費用を抑えられる一方、社名や商品名、料金や条件の訳が正しいかを確かめられません。取引の条件や注意事項を誤って伝えると問題になるため、会社概要・事業・料金・問い合わせなど大事なページは、人が訳すか、機械翻訳を人が確かめてから載せるのが安全です。Google のスパムポリシーでは、翻訳などの手法を使ってユーザーにほとんど価値の無いページを大量に作ることを、大量生成されたコンテンツの不正使用の例に挙げています。

全部のページを外国語にしないといけませんか。

その必要はありません。海外の取引先や旅行者が知りたい情報は、事業の内容、会社の情報、アクセス、問い合わせの方法などに絞られることが多く、まず主なページだけを外国語にする方法があります。お知らせのように頻繁に変わるページは日本語だけにするなど、更新の手間と合わせて範囲を決めます。

参考にした資料

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