ホームページ制作が遅れるとき|よくある原因と立て直し方
ホームページの制作を頼んで数か月。最初に聞いた公開の日が近づいているのに、デザインの確認がまだ終わっていない、原稿がそろっていない、制作会社からの連絡が途切れがちになっている。公開が遅れそうだと分かっていても、どこから手を付ければよいのか分からない、という状態はよくあります。
制作の遅れは、放っておくほど打てる手が減ります。早く気づいて、どこで止まっているかを確かめ、公開の日と中身のどちらを動かすかを制作会社と決め直すことが、立て直しの基本です。
この記事では、止まっている所の見つけ方、原因の切り分け、立て直しの手順、日を動かす・範囲を減らす・手を足すの選び方、自社と制作会社それぞれが原因のときの打ち手を説明します。これから日程を組む段階の目安はホームページの制作期間の目安に、社内の体制づくりはホームページ制作の社内の担当者にまとめているので、ここでは「すでに遅れている」ときの立て直しに絞ります。
遅れのサインに早く気づく
遅れは、ある日突然わかるものではありません。次のようなサインが出ていたら、立て直しの準備を始めます。
- 制作会社に返事をする約束の日を、自社の側で過ぎている
- 原稿や写真を出す締め切りが、何度も延びている
- 日程表が最初のまま更新されていない
- 制作会社からの連絡の間隔が空き、問い合わせへの返事も遅い
- 「次に何が届くのか」を、自社の担当者が説明できない
- 確認用のアドレス(公開前のページを見る場所)が、予定の日を過ぎても届かない
どれか1つでも当てはまれば、まだ間に合ううちに、制作会社と進み具合を確かめます。
原因を切り分ける
遅れの原因は、発注する側にあることも、制作会社の側にあることも、両方にまたがることもあります。原因によって打つ手が違うので、まず切り分けます。
| どこの原因か | よくある形 | 見分け方 |
|---|---|---|
| 発注する側 | 原稿・写真が集まらない | 制作会社が「材料待ち」と言っている |
| 発注する側 | 社内の確認・決裁が長引く | 返事の約束の日を自社が過ぎている |
| 発注する側 | 途中で要望が増えた | 最初の範囲に無いページや機能を頼んでいる |
| 発注する側 | 決める人が後から覆した | 一度決めたデザインや構成をやり直している |
| 制作会社の側 | 人手の不足・担当者の交代 | 返事が遅い、話の引き継ぎができていない |
| 制作会社の側 | 技術的な問題 | 予約や決済など、機能の組み込みで止まっている |
| 制作会社の側 | 外の協力先の遅れ | 撮影や組み立てを外に出している部分で止まっている |
| 両方 | 範囲の食い違い | 「そこまでは頼んでいない/含まれていると思った」 |
| 両方 | 日程表が無い・共有されていない | 誰が、いつまでに、何をするかが書かれていない |
やりとりのメールと日程表を見返し、最後に止まったのは誰の返事待ちかを確かめると、多くの場合は原因が見えてきます。
立て直しの手順
- 残っている作業を一覧にする:ページごと、作業ごとに、終わったもの、進んでいるもの、止まっているものに分ける
- 止まっている作業に、待っている相手を書く:「自社の原稿待ち」「制作会社の組み立て」など
- 公開の日の理由を見直す:開業日や発表の日など動かせない日か、目安として決めた日か
- 制作会社と話す場を設ける:一覧を共有し、間に合うかどうかを率直に確かめる
- 立て直し方を選ぶ:日を動かす、範囲を減らす、手を足すのどれか、または組み合わせ
- 新しい日程表を作る:制作会社の作業と、自社の作業の締め切りを、両方とも日付で書く
- 決まったことを文字で残す:新しい公開の日、減らしたページ、費用の変更をメールで確かめ合う
- 進み具合を決まった日に確かめる:週に一度など、短い間隔で日程表を見直す
立て直し方の選び方
| 立て直し方 | 向いている場合 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 公開の日を動かす | 公開の日に強い理由が無い | 動かした日も守れなければ意味がない。理由を見直して現実的な日に |
| 範囲を減らして先に公開する | 開業日など動かせない日がある | 後から足すページの締め切りと費用を、その場で決める |
| 手を足す(原稿の作成を頼む、作業を増やしてもらう) | 費用をかけても日を守りたい | 追加の費用を先に見積もってもらう |
範囲を減らすときは、公開の日に最低限そろえるページを決めます。多くの場合、トップ、事業やサービスの説明、会社の情報、問い合わせのページがあれば、公開して困ることは少なくなります。事例や採用、お知らせなどは、公開の後に足せます。ただ、「後で足す」が、そのまま何年も足されないこともあるので、後から足すページにも締め切りを付けます。
追加の作業や組み直しが出ると、費用が増えることがあります。どんな場面で追加の費用が出るかはホームページ制作で追加費用が出る場面で説明しています。
自社の側が原因のときの打ち手
遅れの原因で多いのは、発注する側の材料と返事の遅れです。
- 原稿が集まらない:書く人を1人に絞る、聞き取りで原稿を作ってもらう、事実の情報だけの短い原稿で公開して後から書き足す
- 写真が足りない:手持ちの写真で公開し、撮影が済んだら差し替える。仮の写真で公開する場合は、使ってよい写真かを確かめる
- 社内の確認が長引く:見る人と見るところを絞り、社内の締め切りを制作会社への期限の2〜3日前に置く
- 決める人が後から覆す:次の確認の日を、決める人の予定に先に入れる。覆すなら、日程と費用への影響を決める人に示してから判断してもらう
- 要望が増え続ける:増やしたい要望は「公開の後に足すもの」の一覧に移し、今の範囲を守る
自社の作業が遅れたのに、制作会社に「元の日に間に合わせてほしい」と求めるのは無理があります。遅れた分、どこかを動かす必要があることを、社内で共有します。
制作会社の側が原因のときの打ち手
- 残っている作業と新しい完成の日を、書面かメールで出してもらう:口頭の「もう少しです」で済ませない
- 担当者が代わった場合は、引き継ぎを確かめる:これまでに決まったことの一覧を共有し、新しい担当者と読み合わせる
- 人手が足りない場合は、体制を聞く:誰が、どの作業を、いつまでに行うか
- 外の協力先で止まっている場合は、見通しを聞く:代わりの手があるか
返事が途切れ、連絡そのものが取りにくくなっている場合は、ドメインやサーバーなど、自社で押さえておくべきものを先に確かめます。動き方は制作会社と連絡が取れないときで説明しています。
大きく遅れ続けるとき
民法では、相手が約束を果たさないときは、相当の期間を定めて果たすよう求め、その期間内に果たされなければ契約を解除できるとされています(第541条)。また、約束どおりに果たされず損害が出たときは、相手に責任が無い場合を除いて、損害の賠償を求められるとされています(第415条)。
実際には、契約書に納期の遅れや解除の扱いが定められていることが多く、まずはその定めに従います。発注する側の材料の遅れが重なっている場合は、責任の所在が単純ではありません。話し合いで進まなければ、見積書、契約書、日程表、やりとりの記録を持って弁護士に相談します。やめる場合の費用と作りかけのデータの扱いはホームページ制作を途中でやめるときで説明しています。
依頼先がフリーランスのとき
依頼先が個人で仕事を受けるフリーランスの場合、立て直しの進め方にも気をつけることがあります。公正取引委員会の案内では、1か月以上の業務を頼んだ場合、フリーランスの側に理由が無いのに、費用を負担せずに注文の内容を変えたり、受け取った後にやり直させたりすることは禁じられています。発注を取り消して、それまでの作業の費用を払わないことも、これに当たるとされています。
範囲を減らす、作業の順番を入れ替えるといった立て直しをするときは、すでに進んでいた作業の費用をどうするかを、相手と話して決め、メールなどで残しておきます。
制作会社に送る文の例
件名:公開の日程についてのご相談(【会社名】)
【制作会社名】【担当者名】様
いつもお世話になっております。当初〇〇月〇〇日としていた公開の日について、現在の進み具合では間に合わないおそれがあると考え、ご相談させてください。
当社の側では、【〇〇のページの原稿】が遅れており、【〇〇日】までにお渡しできる見込みです。御社の側で残っている作業と、その見込みの日を教えていただけますでしょうか。
公開の日は【〇〇の理由で動かせない/〇〇日ごろまでなら動かせる】状況です。必要であれば、公開の時点で載せるページを絞ることも考えています。
〇〇日までに、30分ほどお打ち合わせのお時間をいただけますと幸いです。
自社の遅れがあるなら、先に自社の側の状況を書くと、相手も率直に答えやすくなります。
立て直しのチェックリスト
- 残っている作業を一覧にし、止まっている作業に「誰待ちか」を書いた
- 公開の日を動かせるかどうか、理由を見直した
- 制作会社と話す場を設け、間に合うかを確かめた
- 日を動かす・範囲を減らす・手を足すのどれにするかを決めた
- 後から足すページの締め切りと費用を決めた
- 新しい日程表に、自社と制作会社の両方の締め切りを書いた
- 決まったことを、メールで確かめ合った
- 進み具合を確かめる日を決めた
Lapisデザインラボでは、ご契約の前にプランの内容と日程をお伝えし、進み具合を共有しながら制作を進めています。料金と進め方はプランと料金に載せています。
よくある質問
ホームページの公開が遅れそうなとき、最初に何をすればよいですか。
まず、残っている作業を一覧にし、どの作業が誰の返事や材料を待って止まっているかを確かめます。そのうえで制作会社と話す場を設け、公開日を動かすか、公開する中身を減らすか、人手を足すかを決めます。遅れを言い出せずに先延ばしにすると、打てる手が減っていきます。
制作会社の作業が遅れて、納期を過ぎています。どうすればよいですか。
残っている作業と新しい完成の日を、書面かメールで出してもらいます。担当者の交代や人手の不足が原因なら、体制の立て直しも一緒に確かめます。期限を決めて求めても進まないときの扱いは、契約書の定めと、民法の決まり(相当の期間を定めて求め、その期間内に果たされなければ解除できる、など)によります。話し合いで進まなければ、記録を持って弁護士に相談します。
原稿が間に合わないとき、公開を遅らせずに済む方法はありますか。
原稿がそろったページから先に公開し、残りのページを後から足す方法があります。また、原稿の作成を制作会社に頼む(費用はかかります)、事実の情報だけを載せた短い原稿で公開して後から書き足す、という手もあります。どの方法でも、後から足すページの締め切りと費用を、その場で決めておきます。