2店舗目を出すときのデザイン|1号店から引き継ぐものと変えるもの

/ Lapisデザインラボ

2店舗目を出すと決めたとき、物件や人の手配と並んで考えることになるのが、店の見た目です。1号店と同じにすれば手間は少なくて済みますが、建物も場所も違うので、すべてを同じにはできません。反対に、店ごとに好きに作ると、同じ店だと伝わらなくなります。

この記事では、2店舗目を出すときに、ロゴ・店名・看板・内装・印刷物・ホームページ・地図の店舗情報のどれを1号店とそろえ、どれを変えるかを整理します。内装の会社とデザイナーの分担そのものは店舗の内装とロゴ・看板をそろえるで説明しています。

引き継ぐものと変えるものの一覧

まず全体を一覧にします。同じ業態の2号店を出す場合の目安です。

要素1号店から引き継ぐ2号店に合わせて変える
ロゴ形・色・書体縦横の組み方(看板の形に合わせる)
店名店名そのもの地名や「2号店」などの添え方
看板ロゴのデータ、色の指定形・大きさ・設置の位置・照明
内装素材と色の方向、ロゴの見せ方、照明の雰囲気間取り、席の数、厨房や売り場の配置
制服・エプロンすべて店名の入れ方(入れる場合)
印刷物型(レイアウト・書体・色)住所・電話・営業時間・地図
メニュー・価格表型と並べ方品ぞろえや価格が違う場合の中身
ホームページサイトはひとつのまま店舗ごとのページを足す
地図の店舗情報店名の書き方、写真の雰囲気店ごとに別のビジネスプロフィール

引き継ぐのは「同じ店だと分かる要素」、変えるのは「場所と建物に合わせる要素」と考えると、迷ったときに決めやすくなります。

出店の前に1号店のデザインを棚卸しする

2号店の準備で最初につまずくのは、1号店のロゴや看板のデータが手元に無いことです。開業のときに頼んだ会社と連絡が取れない、名刺の画像しか残っていない、ということは珍しくありません。出店を決めたら、次のものがそろっているかを確かめます。

  • ロゴの元のデータ(拡大しても荒れない形式。AI・SVGなど)
  • 色の指定(印刷用の色番号と、画面用の色の値)
  • 使っている書体の名前とライセンス
  • 看板・内装の図面と、作った会社の連絡先
  • 印刷物の元のデータ(ショップカード・メニュー・チラシ)
  • 制服やエプロンの注文先と品番

ロゴのデータが画像しか無い場合は、2号店の看板を作る前にデータを作り直しておきます(手元に画像しかないロゴをデータにする)。色の指定がばらばらなら、ここで1つに決めます(色の指定の仕方)。看板の会社が2号店で別の会社になっても、同じ色で作れるようにするためです。

店名の付け方

2号店の名前の付け方は、主に3つです。

付け方例向いている場合
地名を添える「〇〇 駅前店」「〇〇 本店」同じ業態で、場所で区別したい
番号を添える「〇〇 2号店」店が少ないうちの呼び分け
別の名前にする1号店と関係のない名前業態や客層が違う

地名を添える形は、店が増えても同じ決まりで名前を付けられます。番号の形は分かりやすい反面、店が増えたり1号店を移転したりしたときに、番号と実際の順番が合わなくなることがあります。地名を添える場合は、ロゴに地名まで組み込まず、ロゴの下や横に小さく添える形にしておくと、店ごとにロゴを作り直さずに済みます。

看板は場所の決まりに合わせる

看板は、1号店と同じデータから作っても、同じ大きさ・形で出せるとは限りません。国土交通省の説明では、屋外広告物の条例は都道府県・指定都市・中核市などが定め、場所によっては表示が禁止されていたり、許可が要ったりします。大きさや色に決まりがある地域もあります。

2号店が1号店と別の市にあるなら、条例も別です。看板の会社に、2号店の住所での決まりを確かめてもらってから図面を作ります。看板の頼み方は看板デザインを頼むときの流れと費用の目安で説明しています。

内装は「同じ店だと分かる要素」を決める

内装は、建物の広さや形が違うので、1号店をそのまま写すことはできません。そこで、同じ店だと分かる要素を3〜5つに絞って決め、それだけは必ず守ります。

  • 壁や床の素材と色の方向(木の色、白の壁など)
  • 照明の色と明るさ
  • ロゴを見せる場所(入口の正面、レジの後ろなど)
  • 什器や椅子の形の系統
  • お客様が手に取るもの(メニュー、袋、カード)

2号店の内装の会社が1号店と違う場合は、1号店の写真と、この要素の一覧を渡して説明します。

印刷物とホームページは型をそろえて情報を分ける

ショップカード、メニュー、チラシは、1号店の型(レイアウト・書体・色)をそのまま使い、住所・電話・営業時間・地図だけを入れ替えます。2店舗の情報を1枚に並べるか、店ごとに分けるかは、配る場所で決めます。店頭で配るものは自店の情報を大きく、イベントや取引先に配るものは両店を並べます(ショップカードの作り方)。

ホームページは、店ごとに別のサイトを作るより、ひとつのサイトに店舗ごとのページを足すほうが、見た目も更新の手間もそろえやすくなります。

地図の店舗情報は店ごとに作る

Googleマップに出る店舗情報(Googleビジネスプロフィール)は、店ごとに1つずつ持ちます。Googleは、複数の店舗をまとめて扱う「ビジネス拠点グループ」の仕組みを用意していて、グループにもオーナーと管理者を置けます。店名の書き方、写真の雰囲気、説明の書き方は店どうしでそろえておきます。業者に任せる場合の名義と権限は複数店舗のGoogleビジネスプロフィールを任せるときで説明しています。

店名の商標を考え直す時期

店が1つのうちは気にならなかった店名も、2店舗目を出すころには地域で知られ始めます。特許庁の説明では、日本の商標は、先に使っていたかどうかにかかわらず、先に出願した人に登録を認める考え方(先願主義)を取っています。店を増やしていくつもりなら、この時期に店名とロゴの商標を調べ、出願を考えます(ロゴの商標登録は必要か)。

準備の段取り

時期の目安やること
物件を決めたころ1号店のデザインの棚卸し、店名の付け方を決める
内装の設計のころ同じ店だと分かる要素を内装の会社に渡す。看板の条例を確かめる
開店の2か月ほど前看板・制服・印刷物を発注する
開店の1か月ほど前ホームページに店舗のページを足す。地図の店舗情報を作る
開店後両店の見た目を並べて、ずれていないかを確かめる

3店舗目、4店舗目と増えていくつもりなら、2号店の準備で決めたこと(店名の付け方、同じ店だと分かる要素、印刷物の型)を1つの文書にまとめておきます。次の出店では、その文書を内装・看板・印刷の会社に渡すだけで、同じ見た目の店を作れるようになります。決まりのまとめ方はブランドガイドラインとはで説明しています。

Lapisデザインラボでは、今のロゴを活かす「今のロゴの手直し」を、元のデータの有無と権利を伺ってからお見積りしています。内容はサービスと料金に載せています。

よくある質問

2号店の看板は、1号店とまったく同じにすべきですか。

ロゴと色は同じにしますが、看板の形や大きさは建物と場所に合わせて変えて構いません。看板は自治体の屋外広告物の条例で大きさや色に決まりがあることもあり、1号店と同じものが出せるとは限りません。同じロゴのデータから、2号店の場所に合わせて作ります。

2号店の内装は、1号店と同じにしたほうがよいですか。

素材や色の方向、照明の雰囲気、ロゴの見せ方はそろえ、間取りや席の数は2号店の広さに合わせます。同じ店だと分かる要素を決めておけば、すべてを同じにしなくても同じ店の印象になります。

2号店では、1号店と違うロゴにしてもよいですか。

業態やお客様が1号店と同じなら、同じロゴにしたほうが評判を引き継げます。2号店が別の業態や客層を狙う店なら、名前とロゴを分ける選び方もあります。その場合も、運営する会社や1号店とのつながりをどこまで見せるかを先に決めます。

参考にした資料

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