複数店舗のGoogleビジネスプロフィールを任せるとき|名義と権限
店舗が1つなら、Googleビジネスプロフィール(Googleマップに出る店舗情報)の権限は、経営者がオーナーになり、業者を管理者として加えるだけで済みます。けれども店舗が3つ、5つ、10と増えると、話が変わります。店ごとに作った人が違う、店長の個人のアカウントがオーナーになっている、業者が全店舗を持っていて本部が触れない、といった状態が起きやすくなるからです。
この記事では、複数の店舗のプロフィールを業者に任せるときに、名義と権限をどう持てば後で困らないかをまとめます。店舗ごとに権限を付ける形と「ビジネス拠点グループ」でまとめる形の違い、グループの管理者に渡すと何ができるようになるか、本部・店長・業者の権限の分け方、フランチャイズの店舗の扱い、業者との契約で決めることの順に説明します。
1店舗の場合の権限の基本(オーナーと管理者の違い、追加と削除の手順)はGoogleビジネスプロフィールの管理者の追加で説明しています。この記事はその続きとして、店舗が複数あるときに絞って書きます。
複数店舗で起きやすい困りごと
| 困りごと | 起きる理由 | 困る場面 |
|---|---|---|
| 店ごとにオーナーが違う | 開店のたびに、店長や当時の担当者が自分のアカウントで作った | 店長が辞めると、その店の情報を誰も直せない |
| 業者が全店舗のオーナー | 業者が作成を代行し、業者のアカウントのまま運用した | 業者を替えるとき、全店舗で権限の付け替えが要る |
| 本部が知らないプロフィール | 店舗が独自に作った、重複して作られた | 営業時間や電話番号が、店ごとにばらばらになる |
| 閉店した店がそのまま | 閉店の手続きをする人が決まっていない | お客様が閉まった店に向かってしまう |
どれも、「誰がオーナーか」を本部で決めずに店舗を増やしてきたことが原因です。
権限の持ち方は2つある
複数の店舗の権限の持ち方には、大きく2つの形があります。
| 店舗ごとに権限を付ける | ビジネス拠点グループでまとめる | |
|---|---|---|
| しくみ | 1つ1つのプロフィールに、オーナーと管理者を付ける | グループ(プロフィールの共有フォルダのようなもの)を作り、店舗をそこに入れる |
| 向く場面 | 店舗が少ない、店ごとに任せる相手が違う | 店舗が多い、本部でまとめて見たい |
| 人の出し入れ | 店舗の数だけ作業が要る | グループに1回加えれば、中の全店舗に権限が及ぶ |
| 注意 | 店舗が増えると、誰がどこのオーナーか分からなくなる | グループに加えた人は、今ある店舗と今後加える店舗のすべてに触れる |
Google のヘルプは、これから複数のビジネスを管理する場合は、ビジネス拠点グループを作り、そのグループでプロフィールを追加・確認・管理することをすすめています。ビジネス拠点グループは、以前は「ビジネス アカウント」と呼ばれていたもので、「ビジネスグループ」と略して呼ばれることもあります。
また、グループは事業やブランドごとに1つにとどめることがすすめられています。組織の中に複数のブランドや部署があり、それぞれ担当者が違う場合は、グループを分けて作ることもできます。
グループの役割と、渡したときにできること
ビジネス拠点グループには、オーナーと管理者の2つの役割があります。
| 役割 | できること | できないこと |
|---|---|---|
| グループのオーナー | ユーザー(オーナー・管理者)の追加と削除、グループの削除、オーナー権限の譲渡、グループ内のプロフィールの追加・編集・削除 | — |
| グループの管理者 | グループ内のすべてのプロフィールの追加・編集・削除 | グループへのユーザーの追加と削除 |
グループのオーナーは複数置けますが、メインのオーナーは1人だけです。
ここで見落としやすいのが、グループの管理者は、グループ内のプロフィールを削除できるという点です。1つのプロフィールの管理者はプロフィールを削除できませんが、グループの管理者は中の全店舗について削除までできます。業者にグループの管理者を渡すと、全店舗の削除の権限まで渡すことになると理解しておきます。
本部・店長・業者の権限の分け方
| 立場 | 持たせる権限 | 理由 |
|---|---|---|
| 本部(経営者と、本部の担当) | グループのメインのオーナーと、もう1人のオーナー | 全店舗の最後の持ち主。1人だと、その人が入れなくなったときに困る |
| 店長 | 自分の店舗のプロフィールの管理者 | 営業時間の変更や写真の追加は店でできる。ほかの店には触れない |
| 全店舗を任せる業者 | グループの管理者、または店舗ごとの管理者 | 作業の範囲と、削除の権限まで渡すかで選ぶ |
| 一部の店舗だけ任せる業者 | 任せる店舗のプロフィールの管理者 | ほかの店舗に触れさせない |
グループの中でも、個々のプロフィールに手作業でオーナーや管理者を加えることはできます。店長には店舗ごとの管理者を付け、本部はグループのオーナーとして全体を持つ、という組み合わせが扱いやすい形です。
業者への権限の渡し方は、Google のサードパーティ ポリシー(業者向けの決まり)が参考になります。このポリシーでは、業者はお店をプロフィールのオーナーに設定し、業者自身は管理者になること、お店にパスワードを共有しないこと、すべてのお店が常に自身のプロフィールのオーナーか共同オーナーの権限を持っている必要があることが書かれています。
フランチャイズ・のれん分けの店舗の場合
本部と加盟店が別の会社のときは、「店舗のプロフィールのオーナーは本部か、加盟店か」を決めておく必要があります。Google の決まりで一律に決まるものではないため、加盟の契約などで次の点を書面にしておきます。
- 各店舗のプロフィールのオーナーを、本部と加盟店のどちらにするか
- もう一方には、どの権限(オーナー・管理者)を渡すか
- 店名や写真、投稿の内容を、どちらが決めるか
- 加盟の契約が終わったとき、プロフィールをどちらが持ち続けるか、どう譲るか
Google のヘルプでは、ビジネスのオーナー確認を行えるのは、そのお店やサービスのオーナーか、承認を受けた担当者だけとされています。取り決めが無いまま加盟店が独自に作ると、後から本部で整えるのが難しくなります。
店舗が10以上あるときの一括でのオーナー確認
同じビジネスの店舗が10件以上ある場合、Google にはまとめてオーナー確認を申し込む仕組み(一括確認)があります。ヘルプでは、1つのアカウントで複数の事業のプロフィールを扱う代理店は、一括確認を行えないとされています。一括確認は、業者のアカウントではなく、自社の本部のグループで申し込むものと考えておきます。
業者と契約するときに決めること
複数店舗ならではの項目を中心に、契約や発注書に書いておくことをまとめます。
| 項目 | 決めておくこと |
|---|---|
| 対象の店舗 | 任せる店舗の一覧。新しく出店した店、閉店した店をどう扱うか |
| 名義 | すべての店舗のプロフィールとグループのオーナーは自社(本部) |
| 渡す権限 | グループの管理者か、店舗ごとの管理者か |
| 店舗ごとの報告 | 全店舗の合計だけでなく、店舗ごとの数字と作業を報告するか |
| 料金の単位 | 1店舗ごとか、まとめてか。店舗が増減したときの計算 |
| 契約の終わり | 業者の権限を外す期限。業者が作ったプロフィールの譲渡 |
サードパーティ ポリシーでは、お店から終了の知らせを受けた業者は、7 営業日以内に、お店がプロフィールの管理を自分だけの手に取り戻せるようにする必要があるとされています。
料金の形と相場はMEO対策の費用相場で、業者の選び方はMEO業者の選び方で説明しています。
すでにばらばらになっているときの整え方
- 全店舗の一覧を作る:店名・住所・プロフィールのオーナー・管理者を、店舗ごとに書き出す
- 本部のグループを作る:本部の社員の Google アカウントで作り、オーナーを2人以上にする
- オーナーが分かる店舗を移す:ビジネス プロフィール マネージャーの「ビジネスの移管」で、各店舗のプロフィールをグループに移す。移す先は、操作する人がオーナーか管理者になっているグループに限られるため、店長や業者の協力を得て順に進める
- オーナーが分からない店舗を取り戻す:辞めた人や連絡のつかない業者がオーナーの店舗は、オーナー権限を取り戻す方法の手順で進める
- 業者と店長の権限を付け直す:上の表のとおりに、グループの管理者か店舗ごとの管理者を付ける
- 一覧を年に1回見直す:出店・閉店・人の異動のたびに更新する
まとめ
- 店舗が複数あるときは、本部がビジネス拠点グループのオーナーになり、全店舗の最後の持ち主になる
- グループのオーナーは本部の社員2人以上にする
- グループの管理者は、中のすべてのプロフィールを削除までできる。業者に渡すか、店舗ごとの管理者にするかを作業の範囲で選ぶ
- フランチャイズの店舗は、オーナーと終わったときの扱いを加盟の契約で決める
- 業者との契約には、対象の店舗・名義・権限・店舗ごとの報告・終わりの扱いを書く
Lapisデザインラボの月額の MEO では、プロフィールはお客様の名義のまま、管理者の権限で運用しています。内容は月額のサービスに、名義の条件は月額サービスの条件にまとめています。
よくある質問
複数店舗のビジネスプロフィールは、どうまとめて管理すればよいですか。
Googleの「ビジネス拠点グループ」を本部の側で作り、各店舗のプロフィールをそこに入れる形がまとめやすい方法です。グループのオーナーを本部の社員2人以上にしておけば、店長や業者が替わっても本部が全店舗の権限を保てます。
MEOの業者には、グループの管理者を渡してよいですか。
全店舗を任せるならグループの管理者を渡す形もありますが、グループの管理者はグループ内のすべてのプロフィールを追加・編集・削除できます。一部の店舗だけを任せる場合や、削除の権限まで渡したくない場合は、店舗ごとのプロフィールに管理者として加える形を選びます。
フランチャイズの店舗のプロフィールは、本部と加盟店のどちらがオーナーになるべきですか。
Googleの決まりで一律に決まっているわけではなく、加盟の契約で決めておくことが大切です。どちらがオーナーで、どちらが管理者か、契約が終わったときにどちらが持ち続けるかを、書面で取り決めておきます。