色の指定の仕方|DIC・PANTONE・CMYK・RGB・HEXの対応表を作る

/ Lapisデザインラボ

色は「番号」で伝える

コーポレートカラーを決めたあと、名刺は印刷会社、ホームページは制作会社、看板は看板の会社と、色を伝える相手が増えていきます。「濃いめの紺で」「ロゴと同じ青で」と言葉で伝えると、相手ごとに少しずつ違う色になりがちです。色は、番号や数値で伝えるのが基本です。

この記事では、色を指定するときに使う DIC・PANTONE・CMYK・RGB・HEX の違いと、それぞれの使いどころをまとめます。そのうえで、1つの色をすべての番号で並べた「対応表」の作り方と、印刷会社への指定の書き方を手順とチェックリストで示します。

色そのものの決め方はコーポレートカラーの決め方|色の印象と配色の基本、画面と印刷で色が違って見える理由は画面と印刷で色が違う理由|RGBとCMYKの考え方で扱っています。ここでは、決めた色を番号で正しく伝える実務に絞ります。

色の指定に使う5つの方法

指定の方法何を表すか主に使う場面気をつけること
DIC(特色)DICカラーガイドの色番号。決まった色のインキで刷る印刷物のロゴ、包装紙、封筒など見本帳の版で色がわずかに違うことがある
PANTONE(特色)Pantone社の色番号。番号の後ろに C や U が付く取引先や印刷会社が PANTONE で指定している場合紙の種類(C・U)まで指定する
CMYKシアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色の割合チラシ、パンフレットなど一般の印刷物紙や印刷機で仕上がりが変わる
RGB光の赤・緑・青の割合画面で見る資料、動画、SNS の画像画面ごとに見え方が違う
HEXRGB を「#」と6桁の英数字で書いたものホームページ、ウェブの部品中身は RGB と同じ

上の2つは「特色」、CMYK は「プロセスカラー」と呼ばれる印刷の方法の指定です。RGB と HEX は画面の色の指定です。会社の色は、少なくとも CMYK・RGB・HEX の3つをそろえておき、ロゴを特色で刷るなら DIC か PANTONE の番号も加えます。

特色とプロセスカラーの違い

プロセスカラーは、4色のインキを細かい点(網点)にして刷り重ね、たくさんの色を表す方法です。チラシやパンフレットの写真などは、この方法で刷られています。

特色は、その色のために調合したインキで刷る方法です。DICグラフィックスは、プロセス印刷では濁りやすいオレンジや金赤(朱色がかった赤)、プロセスインキでは再現できない金・銀・パール・蛍光色などを特色で刷ると美しく印刷できること、印刷条件に左右されにくく一定の色を安定して再現できることを挙げ、会社名や商品名のロゴ、包装紙によく使われるとしています。

裏返すと、特色で決めた色をプロセスカラーで刷ると、近い色にはなっても同じ色にならないことがあります。特に鮮やかな色や金・銀は差が出やすいので、ロゴを特色で決めたら、CMYK で刷るときの値も別に決めておきます。費用や仕上がりの違いは画面と印刷で色が違う理由|RGBとCMYKの考え方も参考にしてください。

DICとPANTONEの違い

どちらも特色インキの色見本帳と色番号の体系で、印刷会社はこの番号を見てインキを用意します。

DIC は、日本の DIC株式会社の色見本帳です(取り扱いはDICグラフィックス)。DIC株式会社によると、1968年に初版が出ています。主力の「DICカラーガイド」は652色で、色番号は1から654(一部欠番あり)。補う「PARTⅡ」は2001番からの637色です。付属のカラーセレクターには、インキの配合や、目安となる CMYK・RGB の値が載っています。

PANTONE は、アメリカの Pantone社の色見本帳です。番号の後ろの C は表面がつるつるした塗工紙(コート紙など)、U は塗工していない紙(上質紙など)に刷った見本を表します。Pantone社は、同じ番号でも塗工紙と非塗工紙では見え方がかなり違うと説明しています。PANTONE には、特色の隣に最も近い CMYK の色を並べ、RGB と HTML(HEX)の値も載せた見本帳もあります。

番号の体系が別なので、DIC の何番が PANTONE の何番、と機械的に置き換えることはできません。どちらを使うかは、取引のある印刷会社や、制作を頼む相手が使っている見本帳に合わせて決めます。

対応表の作り方

1つの色を、すべての指定の方法で並べた表を作っておくと、誰に頼んでも同じ色で伝えられます。

色の名前特色CMYKRGBHEX使う場面
〇〇ブルー(主の色)DIC 〇〇C〇 M〇 Y〇 K〇R〇 G〇 B〇#〇〇〇〇〇〇ロゴ、見出し
〇〇グレー(補う色)なしC〇 M〇 Y〇 K〇R〇 G〇 B〇#〇〇〇〇〇〇本文、罫線

作る順番は次のとおりです。

  1. 基準にする色を決める: ロゴを特色で刷るなら、見本帳のチップを基準にします。画面が中心なら、RGB を基準にしてもかまいません
  2. 見本帳の目安の値を写す: DIC や PANTONE の見本に載っている CMYK・RGB の値を、まず仮の値として入れます
  3. CMYK で試し刷りをする: 実際に使う紙で刷り、見本のチップと見比べて、近く見えるように値を調整します。確かめ方は色校正とは|本機校正と簡易校正の違い、費用と見方にまとめています
  4. 画面の値を決める: 刷った見本と画面を並べ、近く見える RGB を決め、そこから HEX を出します
  5. 名前を付けて表にする: 「〇〇ブルー」のように社内で呼べる名前を付け、使う場面とあわせて書きます
  6. ガイドに載せて配る: 対応表を色の決まりごととして残し、制作を頼む相手に渡します

DICグラフィックスは、見本に載っている CMYK の網点の割合やインキの配合は、目安だと断っています。見本帳の値をそのまま写すだけでなく、3と4のように実物で確かめて決めるのが大事な点です。

対応表は、ブランドガイドラインとは|中小企業が決めておくべき項目と例の色のページにそのまま載せられます。

印刷会社への色の指定の書き方

DICグラフィックスは、同じ見本帳でも版(製造の時期)が違うと、インキや紙、印刷の条件の違いで色がずれることがあり、置き場所によって色あせの度合いも変わるため、色番号だけで指定すると思わぬ色違いの原因になると説明しています。そのうえで、見本のチップを切り取って指示書に添えることを勧めています。

指示書には、たとえば次のように書きます。

  • ロゴ:特色 DIC 〇〇(チップ添付)
  • 写真と本文の色:プロセスカラー
  • 紙:〇〇(塗工紙)
  • 色の確認:校正で見本と比べてから本刷り

指定のチェックリスト

  • 会社の色ごとに、CMYK・RGB・HEX がそろっている
  • ロゴを特色で刷る場合、DIC か PANTONE の番号が決まっている
  • PANTONE なら、C と U のどちらの見本かまで書いてある
  • CMYK の値は、実際に刷った見本で確かめて決めた
  • RGB と HEX は、刷った見本と画面を見比べて決めた
  • 対応表に、色の名前と使う場面が書いてある
  • 印刷の指示書に、見本のチップを添えている
  • 特色かプロセスカラーかを、指示書にはっきり書いている
  • 大事な印刷物は、校正で色を確かめてから本刷りにしている

まとめ

  • 色は言葉でなく番号で伝える。DIC・PANTONE は特色、CMYK は印刷、RGB・HEX は画面の指定
  • DIC と PANTONE は別の体系で、番号は置き換えられない。取引先に合わせて選ぶ
  • 特色の色は、プロセスカラーでは同じにならないことがある。CMYK の値も別に決める
  • 見本帳の値は目安。実際に刷って確かめ、対応表にまとめ、指示書にはチップを添える

Lapisデザインラボのロゴの制作では、ロゴの使い方のガイドをお渡ししています。色や書体まで含めたブランドガイドが付くプランもあります。内容はサービスと料金をご覧ください。

よくある質問

DICとPANTONEは、何が違うのですか。

どちらも特色インキの色見本帳と色番号の体系です。DICカラーガイドは日本のDICグラフィックスが扱う色見本帳で、PANTONEはアメリカのPantone社の色見本帳です。番号の体系が別なので、同じ色の番号を機械的に置き換えることはできません。どちらで指定するかは、印刷会社や取引先が使っている見本帳に合わせます。

コーポレートカラーは、CMYKとRGBのどちらで決めればよいですか。

どちらか一方ではなく、両方を決めておきます。印刷物にはCMYK(または特色の番号)、画面にはRGBとHEXを使います。同じ数字の置き換えでは見え方がずれることがあるので、印刷した見本と画面を見比べて、近く見える値をそれぞれ決め、対応表にまとめます。

色番号だけを伝えれば、同じ色で印刷してもらえますか。

番号だけでは、ずれることがあります。DICは、見本帳の版(製造の時期)の違いや保管の状態で見本の色が変わることがあるとして、見本のチップを切り取って指示書に添えることを勧めています。紙の種類、校正での確認とあわせて伝えると確実です。

参考にした資料

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