制作費の支払い条件|着手金・分割・検収後払いの決め方

/ 更新 / Lapisデザインラボ

ホームページやロゴの制作会社から見積もりが届き、「ご契約時に着手金として一部、納品時に残金」と書かれている。前払いをして大丈夫なのか、ほかの会社ではどうなのか、分割で払えないのか。制作費の支払い条件は、見積もりの金額ほど目立たないものの、途中でやめたときや、制作が止まったときに大きな差になります。

この記事では、制作費の支払い方の主な型と、それぞれの向き不向き、前払いで気をつけること、検収と支払いの関係を説明します。フリーランスに頼むときの支払期日のきまりと、経理の担当者が見ておく点もまとめました。

支払い方の主な型

型払う時期頼む側から見た良い点気をつけること
一括の後払い納品・検収の後に全額受け取ってから払える受けてくれる会社が限られる。規模の大きい制作では少ない
着手金と残金契約時に一部、納品・検収時に残りよく見られる形で、双方の負担が釣り合う途中でやめたときの着手金の扱い
段階ごとの支払い契約時、デザインの確定時、納品時など進み具合と支払いが合う各段階の「終わり」の基準を決める
一括の前払い契約時に全額手続きが1回で済む制作が止まったときに取り戻しにくい
月額の分割毎月決まった額一度の負担が小さい合計額、途中でやめられるか、誰のものになるか

どの型が普通かは、制作物の規模と制作会社の方針で変わります。頼む側にとって大事なのは、払う時期と、受け取るもの(途中のデザインや完成したデータ)の時期が、なるべく近くにそろっていることです。

着手金とは、なぜ求められるのか

着手金は、作業を始める前に払う代金の一部です。制作会社にとっては、調査やデザインに先に人の手をかけるための備えで、頼む側の気が変わって途中で取りやめになったときの損を小さくする意味もあります。

「デザインの着手金の相場」を気にする人は多いのですが、決まった相場はありません。代金の一部を契約時に、残りを納品や検収の時に払う形がよく見られるものの、割合は会社や制作物の規模で違います。比べるときは、割合の数字よりも次のことを確かめます。

  • 途中でやめたとき、着手金は返ってくるのか、それまでの作業の費用に充てられるのか
  • 残りを払う基準は、納品の日か、検収が終わった日か
  • 追加の作業の費用は、いつ払うのか

前払いで気をつけること

前払いの割合が大きいほど、払った後に何かあったときの備えが必要になります。

途中でやめたときの精算。民法では、注文者は仕事が完成する前であれば、損害を賠償していつでも契約を解除できるとされています(第641条)。また、完成の前に解除された場合でも、すでにできた部分を分けて受け取ることで注文者が利益を受けるときは、その部分を完成とみなし、受ける利益の割合に応じて報酬を請求できるとされています(第634条)。契約書では、これを具体的にどう計算するか(段階ごとの金額、作業の割合など)と、途中までのデザインや原稿を受け取れるかを決めておきます。「着手した後のキャンセルでは、払った代金は返さない」という条項もよくあるので、署名の前に読んでおきます。

制作が止まったとき。全額を前払いした後に、制作会社と連絡が取れなくなったり、倒産したりすると、払ったお金を取り戻すのは簡単ではありません。前払いが大きい場合は、段階ごとの支払いにして、払うたびに途中の成果物(デザインのデータなど)を受け取る形にすると、損を小さくできます。連絡が取れなくなったときの動き方は制作会社と連絡が取れないときで説明しています。

検収と支払いの関係

「検収後払い」は、納品されたものを確かめ、受け取りを認めてから残りを払う形です。頼む側にとっては安心な形ですが、次のことを決めておかないと、支払いの時期がはっきりしません。

  • 検収の期間(納品から何日以内に確かめるか)
  • 期間内に連絡しなかったとき、検収が済んだとみなすか
  • 支払いは、検収の完了から何日以内か

検収の進め方とチェックリストはホームページの検収で確かめることにまとめています。

フリーランスに頼むときの支払期日

個人のフリーランスに制作を頼む場合は、2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法のきまりがあります。公正取引委員会の説明では、従業員を使う発注事業者は、成果物を受け取った日から数えて60日以内のできる限り短い期間で支払期日を決め、その日までに払わなければなりません。

注意したいのは、起算日が「受け取った日」で、検査をするかどうかを問わないことです。メールでデータを受け取った場合は、自社のパソコンなどに記録された時点が受け取った日とされています。「検収が終わってから60日後に払う」と決めると、検収に時間がかかったときに60日を超えるおそれがあります。

なお、下請法から変わった取適法(2026年1月1日施行)にも、受け取った日から60日以内に払うきまりがありますが、公正取引委員会のよくある質問では、自社のホームページの制作を外に頼むことは通常は対象にならないとされています。

分割払いの3つの形

「ホームページを分割で払いたい」というとき、実際には仕組みの違う3つの形があります。

形誰に払うか途中でやめられるか払い終えたとき
制作会社との分割払い制作会社契約しだい契約どおりに権利が移る
リースの契約リース会社原則としてできない契約による。持ち出せないこともある
月額の料金に制作費を含む契約制作会社最低の契約期間があるやめるとサイトを使えなくなることがある

一度の負担が小さく見えても、合計の支払いは一括より多くなることがあります。誰に払う契約か、途中でやめられるか、払い終えたときにサイトとデータが誰のものになるかを確かめ、合計の支払いで比べます。リースの仕組みはホームページのリース契約とはで説明しています。

契約書と見積書に書いておくこと

  • 総額と、税込か税抜か
  • 支払いの回数と、各回の金額
  • 各回の時期(日付か、「デザインの確定時」のような出来事か)
  • 残金の基準(納品か、検収の完了か)
  • 支払いの方法と、振込の手数料をどちらが持つか
  • 請求書を出す時期
  • 途中でやめたときの精算の仕方
  • 追加の作業の費用を払う時期

経理の担当者が見ておくこと

  • 適格請求書の登録番号:インボイス制度のもとでは、相手が適格請求書発行事業者でないと、仕入税額控除を全額は受けられません。個人のデザイナーに頼むときは特に、登録番号の有無を最初に確かめます
  • 前払いの処理:国税庁の説明では、前払金を払っていても、消費税の仕入れの時期は、実際に引渡しやサービスの提供があった時です。着手金をどの科目で処理し、納品のときにどう振り替えるかは、顧問の税理士に確かめます
  • 制作費そのものの科目:広告宣伝費か、ソフトウエアとして資産にするかは、サイトの中身で変わります。考え方はホームページ制作費の勘定科目と耐用年数で説明しています

Lapisデザインラボのお支払いの時期と方法は、取引条件としてサービスと料金に載せています。

よくある質問

デザインやホームページの着手金は、代金の何割くらいが普通ですか。

決まった相場はありません。代金の一部を契約のときに、残りを納品や検収のときに払う形がよく見られますが、割合は会社や制作物の規模で違います。割合そのものより、途中でやめたときに着手金がどう扱われるか、残りをいつ払うかの基準(納品か検収か)を契約で確かめることが大事です。

ホームページの制作費を前払いで全額求められました。払っても大丈夫ですか。

前払いが悪いわけではありませんが、払った後に制作が止まったり、制作会社と連絡が取れなくなったりしたときに取り戻しにくくなります。全額の前払いを求められたら、段階ごとの支払いにできないか、途中でやめたときの精算はどうなるかを相談し、答えを書面で残します。

ホームページの制作費は分割で払えますか。

制作会社によっては分割払いを受けています。ただし、制作会社との分割、リースの契約、制作費を月額の料金に含める契約は、それぞれ仕組みが違います。誰に払う契約か、途中でやめられるか、払い終えたときにサイトとデータが誰のものになるかを確かめ、合計の支払いで比べます。

参考にした資料

あわせて読みたい

Contact

まずは、どのプランが合うか
ご相談ください。

事業の内容と、いまお使いのロゴや印刷物の状況を伺い、合うプランと日程をお返事します。ご相談は無料です。