デザインの修正は何回まで|修正回数の決め方と追加料金
ロゴやホームページの見積もりを比べていると、「修正3回まで」「修正無制限」「2回目以降は有料」など、修正の条件の書き方がばらばらなことに気づきます。安い見積もりを選んだら修正の回数が少なく、気になる所を直すたびに料金がかかった、というのはよくある後悔です。
この記事では、デザインの修正の回数が契約でどう決まるか、「1回」はどう数えるのか、回数を超えたらどうなるのかを説明します。回数の決め方の型と追加料金の決め方、回数を使い切らないための伝え方、契約の前に聞くことまでまとめました。
修正の回数は、契約で決まる
修正を何回まで無料で受けるかについて、法律や業界で決まった回数はありません。制作会社やデザイナーが、見積書や契約書、料金表で決めています。そのため、同じ「修正2回」でも、何を1回と数えるか、どの段階の修正か、どこからが別料金かは、会社ごとに違います。
見積もりを比べるときに見るのは、回数の数字よりも次の4つです。
| 見る所 | 確かめること |
|---|---|
| 数え方 | 何を「1回」とするか |
| 段階 | どの段階の修正が回数に入るか |
| 範囲 | 修正と、作り直し(方向性の変更)の線引き |
| 超えたとき | 追加料金の決め方と金額 |
「1回」の数え方
いちばん食い違いが起きやすいのが、「1回」の数え方です。よくあるのは次の形です。
- まとめて伝えた指示を1回とする:直してほしい所を一覧にして1度に伝え、それを反映した案が戻ってくるまでを1回と数える
- やり取りの往復を1回とする:メールで指示を送り、修正案が返ってくる1往復を1回と数える
- 段階ごとに回数を決める:ホームページなら「デザインの修正2回、組み立てた後の修正1回」のように分ける
どの形でも、思いついたたびに1か所ずつ送ると、回数がすぐに尽きます。社内で意見をまとめてから一覧で伝えるのが、回数を守るいちばんの方法です。
また、制作する側の誤り(頼んだ文章と違う、決めた色と違う)を直してもらうことは、本来は修正の回数に数えるものではありません。契約書にそう書かれているかも確かめておきます。
修正と「作り直し」の違い
修正の回数で受けられるのは、多くの場合、選んだ方向性の中での調整です。方向性そのものを変えることは「作り直し」として、別の見積もりになるのが一般的です。
| 修正の範囲に入りやすいもの | 作り直しになりやすいもの |
|---|---|
| 色の濃さ、文字の太さや間隔の調整 | 選んだ案をやめて、別の案で作り直す |
| 写真の差し替え、文章の手直し | ページの構成を大きく変える |
| 要素の位置や大きさの調整 | 雰囲気やターゲットを変える |
| ロゴの形の細部の調整 | ロゴのモチーフを変える |
作り直しが起きる原因の多くは、デザインに入る前に「誰に、何を伝えるか」を言葉で合意していないことです。ロゴの場合の進め方はロゴ制作の流れと期間で説明しています。
ロゴとホームページで違う、修正の段階
修正は、後の段階になるほど手間がかかり、費用も大きくなります。
| 制作物 | 段階 | この段階で直しやすいこと |
|---|---|---|
| ロゴ | 案の選定 | どの方向性の案を育てるか |
| ロゴ | 選んだ案の修正 | 形、色、文字の細部 |
| ホームページ | 構成(設計図) | ページの数、載せる内容の順番 |
| ホームページ | デザイン | 色、写真、文字の大きさ、見せ方 |
| ホームページ | 組み立てた後 | 文章や写真の差し替え、細かな表示の調整 |
| ホームページ | 公開の後 | 保守の契約か、その都度の見積もりで直す |
ホームページで「デザインの段階では気にならなかったが、組み立ててみたら構成を変えたくなった」という修正は、前の段階に戻るぶん大きな作業になります。構成の段階で、載せる内容の順番まで確かめておくと、後の修正が小さく済みます。
回数の決め方の型
| 型 | 中身 | 頼む側から見た良い点 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 回数の上限 | 数回まで無料、超えたら有料 | 費用が読みやすい | 1回の数え方を確かめる |
| 段階ごとの回数 | 構成・デザイン・組み立て後に分けて決める | 段階ごとに区切りがつく | 前の段階に戻る修正の扱い |
| 期間で区切る | 一定の期間内は回数を問わない | 細かく相談しやすい | 返事が遅れると期間が過ぎる |
| 無制限 | 回数を決めない | 回数を気にしなくてよい | 範囲と期間が別に決まっていることがある |
| 作業時間で精算 | 修正にかかった時間で料金を決める | 小さな修正は安く済む | 合計が読みにくい |
「ロゴの修正回数の相場」を聞かれることがありますが、決まった相場はなく、数回の上限を決めて超えたら有料とする形が多く見られる、というのが実情です。比べるときは、回数の数字だけでなく、最初に出る案の数、1回の数え方、作り直しの扱いまで並べて見ます。費用全体の考え方はロゴデザインの費用は何で決まるかで説明しています。
回数を超えたときの追加料金
回数を超えた修正の料金は、次のどれかで決められていることが多くあります。
- 1回ごとの定額:超えた修正1回ごとに決まった金額
- 作業時間に応じた料金:1時間あたりの単価と、かかった時間
- その都度の見積もり:修正の内容を聞いてから金額を出す
どの形でも、頼む前に金額が分かることが大事です。追加の修正を頼むときは、「これは回数の内ですか。外ならいくらですか」と聞き、答えをメールで残します。見積書の追加費用の欄の読み方はホームページ制作の見積書の読み方で説明しています。
なお、個人のフリーランスに1か月以上の業務を頼む場合、2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法では、フリーランスの側に理由が無いのに、費用を負担せずに注文の内容を変えさせたり、受け取った後にやり直させたりすることが禁じられています。下請法が改められて2026年1月1日に施行された取適法(中小受託取引適正化法)にも同じ趣旨の禁止がありますが、公正取引委員会のよくある質問では、自社のホームページの制作を外に頼むことは通常は対象にならないとされています。いずれにしても、回数を超えた修正や作り直しは、費用を払う前提で頼むのが筋です。
回数を使い切らないための伝え方
- 決める人を最初から入れる:後から加わった人の一言で、それまでの修正がやり直しになるのを防ぐ
- 社内の意見を1つにまとめてから送る:担当者ごとに別々に送らない
- 理由を添える:「もっとおしゃれに」ではなく、「看板で遠くから見たときに社名が読みにくいので文字を太く」のように、何に困っているかを書く
- 優先順位を付ける:必ず直したい所と、できれば直したい所を分ける
- 画面の場所を指す:ページのアドレスや画面の保存に印を付けて伝える
理由が分かれば、制作する側は希望をかなえつつ、全体の調子を崩さない直し方を提案できます。検収のときの伝え方はホームページの検収で確かめることでも説明しています。
契約の前に聞くこと
- 修正は何回まで含まれますか。何を1回と数えますか
- どの段階の修正が回数に入りますか
- 作り直し(方向性の変更)はどう扱いますか
- 回数を超えたときの料金はいくらですか
- 制作する側の誤りを直すことは、回数に数えますか
Lapisデザインラボでは、修正の回数と、超えたときの料金を、取引条件としてサービスと料金に載せています。
よくある質問
ロゴの修正は何回までが普通ですか。
法律や業界で決まった回数はありません。制作会社やデザイナーごとに、数回の上限を決め、超えたら1回ごとの料金か見積もりで受ける形が多く見られます。回数そのものより、何を1回と数えるか、方向性の変更は別扱いか、超えたときの金額がいくらかを比べることが大事です。
修正の回数を超えたら、どうなりますか。
契約で決めた追加料金がかかるのが一般的です。1回ごとの定額、作業時間に応じた料金、その都度の見積もりなどの形があります。追加の修正を頼む前に、それが回数の内か外か、外ならいくらかを確かめ、答えをメールで残しておくと、後の請求でもめません。
「修正無制限」のほうが安心ですか。
回数を気にせず頼める良さはありますが、修正を受ける期間や、直せる範囲(色や文字の調整までで、形の作り直しは含まないなど)が別に決められていることがあります。無制限という言葉だけで選ばず、期間と範囲、最初に出る案の数を確かめて比べます。