ホームページのリース契約をやめたいとき|解約前に確かめること
「ホームページのリース契約を結んだが、問い合わせは増えず、更新も頼めない。毎月のリース料だけが出ていく」。こうした悩みを抱える事業者は少なくありません。やめたいと思っても、リース契約は原則として途中でやめられない仕組みになっています。
それでも、何もせずに払い続ける前に、確かめられることがあります。この記事では、ホームページのリース契約をやめたいときに、まず確かめること、リース会社と制作会社への伝え方、相談先、やめた後にホームページを移す手順をまとめます。個別の契約の判断は、弁護士などの専門家に相談してください。
まず知っておくこと
公益社団法人リース事業協会の説明では、ファイナンス・リースには次の特徴があります。
- リース期間中の解約(中途解約)は基本的にできず、解約する場合は残りのリース料、またはそれに相当する違約金を一括で払うよう契約で定められている
- リース会社は物件の品質などの不適合について責任を負わない。ただし、リース会社の承諾を経て、ユーザーは販売会社に損害賠償などを請求できる
- ユーザーとリース会社のリース契約と、リース会社と販売会社の売買契約は別の契約
また、特定商取引法のクーリング・オフは、営業のために結んだ契約には適用されないと定められています(26条)。事業者が事業のために結んだリース契約は、原則としてクーリング・オフの対象になりません。
こうした仕組みのため、「制作会社に不満があるから、リース料を止める」ということは原則としてできません。支払いを勝手に止めると、残りを一括で請求されるなど、状況がかえって悪くなるおそれがあります。
確かめること1:契約書
手元の契約書を全部集め、次のことを確かめます。
| 確かめること | 見るところ |
|---|---|
| 契約の相手 | リース会社か、制作会社か。両方と契約しているか |
| リース期間 | いつから、いつまでか。残りの月数 |
| 月額のリース料 | 残りの支払いの合計(月額×残りの月数) |
| 中途解約の条項 | 残りのリース料、または違約金の定め |
| 物件の中身 | 何がリースの対象になっているか(ソフトウエア、ホームページの制作など) |
| 保守の契約 | リースとは別に、制作会社と保守の契約を結んでいるか。その解約の条件 |
| 期間が終わった後 | 再リースになるか。ホームページやドメインはどうなるか |
リース契約と保守の契約が別になっている場合、保守の契約だけは定めに従って解約できることもあります。
確かめること2:ホームページとドメイン
やめた後に困らないよう、ホームページとドメインの状況を確かめます。
- ドメインは誰の名義か(WHOIS などで登録者を確かめる)
- サーバーは誰が契約しているか
- ホームページのデータを受け取れるか
- メールアドレスが、同じドメインで使われているか
ドメインが制作会社の名義で、メールもそのドメインで使っている場合は、契約が終わるとメールも止まるおそれがあります。ドメインを自社の名義に移せるかを先に相談します。名義の考え方はドメインは誰の名義にするべきかで説明しています。
確かめること3:説明と実際の違い
契約のときの説明と、実際のホームページや対応が違っている場合は、その違いを記録にまとめます。
- 営業のときにもらった資料、提案書、パンフレット
- メールやメッセージのやり取り
- 説明を受けた日時、説明した人、説明の中身のメモ
- 約束されていたのに、できていないこと(ページの数、機能、更新の対応など)
「集客できる」「問い合わせが増える」といった説明が、契約書に約束として書かれているかどうかも確かめます。後で専門家に相談するときに、この記録が大事な材料になります。
リース会社と制作会社への伝え方
- 制作会社に、できていないことを書面で伝える:約束の中身と、できていない所を具体的に。直してもらえるか、期限を決めて回答を求める
- リース会社に事情を伝える:契約しているリース会社の相談窓口に、制作会社の対応の問題と、契約のときの説明の問題を伝える
- やり取りを記録に残す:電話で話したときも、日時と相手、話した中身をメモし、できればメールでも送る
リース事業協会は、会員のリース会社の小口リース取引の相談窓口(リースを使った悪質な訪問販売に関する苦情・相談の窓口を含む)の一覧を公表しています。契約しているリース会社が載っていれば、その窓口に連絡します。
相談先
| 相談先 | 相談できること |
|---|---|
| 契約しているリース会社の相談窓口 | 契約の中身、販売会社の対応の問題 |
| 弁護士 | 契約の有効性、交渉、請求 |
| 商工会議所・商工会 | 事業の相談、専門家の紹介 |
| 都道府県や市区町村の中小企業向けの相談窓口 | 事業の相談、専門家の紹介 |
弁護士に相談するときは、契約書、説明の資料、やり取りの記録をまとめて持っていくと、話が早く進みます。
残りの支払いと、次のホームページの費用を並べる
やめるかどうかを考えるときは、感情ではなく数字で比べます。次の3つを並べると、判断しやすくなります。
| 選び方 | かかるお金 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 期間の満了まで払い続ける | 月額のリース料×残りの月数 | その間、ホームページが今のままでよいか |
| 残りを一括で払って終える | 残りのリース料、または違約金 | 一度に大きな支払いになる |
| 払い続けながら、別のホームページを用意する | リース料+新しいホームページの費用 | 二重の支払いの期間ができる |
残りの期間が短いなら、満了を待ちながら次のホームページの準備を進める方が負担が少ないこともあります。反対に、残りの期間が長く、今のホームページが事業の足を引っ張っているなら、別のホームページを先に用意することも考えます。どれを選ぶにしても、ドメインを自社の名義で持てているかが、切り替えのしやすさを大きく左右します。
してはいけないこと
- リース料の支払いを勝手に止める:契約の違反になり、残りを一括で請求されるおそれがあります
- ホームページのデータやドメインを確かめないまま解約を申し出る:申し出の後に、データを受け取れない、ドメインが止まるといったことが起きても、取り戻しにくくなります
- 口頭だけでやり取りする:言った言わないになり、後で専門家に相談するときの材料が残りません
- 別の業者の「解約を代行します」という勧誘にすぐ乗る:新たな契約や費用が発生することがあります。相談先は自分で調べて選びます
やめた後のホームページの移し方
リース契約を終えるか、期間の満了を待つかにかかわらず、次のホームページを用意する段取りを先に決めておくと、ホームページが止まる期間を作らずに済みます。
- ドメインを自社の名義に移す(または、新しいドメインを取る)
- 今のホームページの文章と写真を控えておく
- 新しいホームページの依頼先を探し、見積もりを取る
- 新しいホームページを用意してから、切り替える
- メールの設定を移す
手順は制作会社を乗り換えるときの手順で詳しく説明しています。
同じことを繰り返さないために
次にホームページを用意するときは、次の点を確かめてから契約します。
- 契約の相手と、途中でやめるときの扱い
- 使う期間の合計の支払い
- ドメインとサーバー、各種のアカウントを自社の名義で持てるか
- ホームページのデータを受け取れるか
リース契約の仕組みはホームページのリース契約とはで、契約書で確かめることはホームページ制作の契約書で確かめることで説明しています。
Lapisデザインラボの月額サービスは半年か1年ごとの契約で、期間の途中で解約しても、残りの期間の月額や違約金はいただきません。解約の申し出の期限と名義の扱いは、月額サービスの条件に載せています。
よくある質問
ホームページのリース契約は、途中で解約できますか。
公益社団法人リース事業協会の説明では、ファイナンス・リースは基本的にリース期間中の解約ができず、解約する場合には残りの期間のリース料、またはそれに相当する違約金を一括で払うよう契約で定められています。そのため、まず契約書の条項を確かめ、残りの支払いがいくらになるかを把握することから始めます。契約の結び方に問題があった場合などは、個別の事情によって扱いが変わることがあるので、専門家に相談します。
ホームページのリース契約について、どこに相談すればよいですか。
リース事業協会は、会員のリース会社の小口リース取引の相談窓口の一覧を公表しています。まず契約しているリース会社の窓口に事情を伝えます。契約の有効性や交渉が必要な場合は弁護士に、事業の相談としては地域の商工会議所や商工会に相談する方法もあります。相談の前に、契約書、説明の資料、やり取りの記録をまとめておきます。
リース契約をやめたら、ホームページはどうなりますか。
契約の定めによります。ホームページのデータやドメインが制作会社やリース会社の側にある場合、契約が終わると使えなくなることがあります。やめる前に、ドメインが誰の名義か、ホームページのデータを受け取れるかを確かめ、新しいホームページを用意する段取りを決めておきます。