採用パンフレットの作り方|載せる項目とサイトとの分担

/ Lapisデザインラボ

採用パンフレットは、会社説明会・合同説明会・学校訪問・面接の場で、求職者に手渡して持ち帰ってもらう冊子です。採用サイトや求人サイトがあっても、紙の冊子は、家族と一緒に読まれたり、複数の会社を見比べるときに手元に置かれたりと、画面とは違う読まれ方をします。

この記事では、採用パンフレットに載せる項目とページ構成の例、採用サイトや会社案内との役割の分け方、費用の目安、募集の情報を載せるときに気をつける法令の点、制作の流れをまとめます。取引先向けの会社案内の作り方は会社案内パンフレットの作り方で扱っているので、ここでは採用向けの冊子に絞ります。

採用サイト・会社案内との役割の分け方

まず、採用パンフレットが何を受け持つのかを決めます。同じ内容を全部の媒体に載せると、作る手間も直す手間も増えます。

媒体読む人と場面向いている内容苦手なこと
採用パンフレット説明会や学校で受け取った人が、持ち帰って読む仕事の中身、働く人、会社の考え方など、変わりにくい内容締め切り・人数・給与など、年度ごとに変わる情報
募集要項(別紙)応募を考えている人職種・給与・勤務時間・就業場所・応募方法会社の魅力を伝えること
採用サイト・求人サイト検索して見つけた人、応募の直前の人いまの募集、応募の受付、更新が必要な情報説明会の場で手渡すこと
会社案内取引先・金融機関など事業・実績・会社の概要働く人の目線の情報

採用パンフレットには、何年か使い続けられる、変わりにくい内容を載せるのが基本です。給与・募集人数・選考の日程など年度ごとに変わる情報は、差し替えられる別紙(募集要項)か、採用サイトに回します。

会社案内と兼用するか

取引先向けの会社案内に、採用向けのページ(仕事の紹介・働く人・制度)を数ページ足して兼用する方法もあります。予算を抑えられる一方、読む人が違うので、どちらにも少しずつ合わない冊子になりがちです。採用を強く進めたい時期なら別の冊子に、そうでなければ兼用に、と採用の重みで決めます。会社案内の費用と役割の分け方は会社案内の制作費の相場を参照してください。

載せる項目とページ構成の例

中綴じ(冊子の中心をホチキスで留める綴じ方)の8ページを例に、ページの割り振りを示します。

ページ内容書き方のポイント
表紙会社名・ロゴ・メッセージ・写真働く人や現場の写真で、仕事の空気を伝える
2〜3代表のメッセージ・会社の考え方何のために仕事をしているかを、具体的な言葉で
4〜5仕事の紹介職種ごとに1日の流れ、扱うもの、関わる人
6働く人の話入社のきっかけ、仕事の手応え、大変なこと
7制度と環境教育の仕組み、休みの取り方、職場の様子
裏表紙会社概要・連絡先・採用サイトへの案内所在地・事業内容・従業員数など。QRコードで採用サイトへ

項目を選ぶときのポイントは次のとおりです。

  • 仕事の中身を具体的に書く:「やりがいのある仕事」ではなく、何を、誰と、どんな道具で、どれくらいの時間で行うのかを書く
  • 大変なことも書く:良いことだけを並べると、入社後のずれにつながる。働く人の言葉で、大変な点とその乗り越え方を書く
  • 働く人の写真を使う:素材写真より、実際の職場と社員の写真のほうが伝わる。撮影の準備はプロのカメラマンに撮影を頼むときの準備にまとめています
  • 代表のメッセージは短く:長い文章は読まれにくい。書き方はホームページの代表挨拶の書き方も参考になります

社員の写真や名前を載せるときは、本人の了解を取り、退職したときの扱い(次の刷り直しで差し替えるなど)も決めておきます。

募集の情報を載せるときの決まり

採用パンフレットを、労働者の募集の資料として配る場合は、職業安定法などの決まりが関わります。

虚偽や誤解を生む表示をしない

職業安定法第5条の4では、労働者の募集を行う者は、広告などで求人の情報を示すときに、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならないとされています。厚生労働省の周知では、対象になる広告として、新聞・雑誌その他の刊行物への掲載や、文書の掲出・頒布などが挙げられています。実際より良い条件に見える書き方や、すでに終わった制度の紹介をしないようにします。

労働条件を示す

募集のときには、業務の内容・契約期間・就業場所・労働時間・賃金などの労働条件を示すことが求められます(職業安定法第5条の3)。2024年4月1日からは、従事する業務の変更の範囲、就業場所の変更の範囲、有期契約の更新の上限などが、示す項目に加わりました(厚生労働省のリーフレットによる)。

これらの条件は年度ごとに変わりやすいので、冊子本体ではなく、差し替えられる募集要項の別紙にまとめるのが扱いやすい方法です。

性別・年齢の扱い

募集で性別を理由に対象を分けることは、男女雇用機会均等法で原則として禁じられています。年齢を制限することも、労働施策総合推進法で原則として禁じられ、例外は限られています。写真や言葉の選び方で「男性向け」「若い人向け」と受け取られる表現にならないかも、校正のときに確かめます。

求人の表示の細かな判断に迷うときは、ハローワークや社会保険労務士に確かめてください。

費用の目安

採用パンフレットの費用は、ページ数と、企画・撮影・文章・印刷をどこまで頼むかで大きく変わります。採用関連のメディアの公表値(HR NOTE、2023年1月更新)では、次のような目安が示されています。

条件公表されている目安
中綴じ8ページ(企画・デザイン・文章・印刷、1,000部)85万〜100万円
中綴じ12ページ(同上)125万〜145万円
写真撮影半日12万円、1日15万円
文章(コピーライティング)1ページあたり2万円

社内で原稿の材料や写真を用意できれば、企画・文章・撮影の費用を抑えられます。逆に、何を載せるかから相談したい場合は、企画の費用がかかる前提で見積もりを取ります。

制作の流れとチェックリスト

  1. 誰に何を伝えるかを決める:新卒か中途か、どの職種か、どんな人に来てほしいか
  2. 媒体の分担を決める:冊子・募集要項・採用サイトに何を載せるか
  3. ページ構成と原稿の材料を集める:仕事の紹介、働く人の話、制度
  4. 撮影:職場と社員。季節や服装も考える
  5. デザインと校正:社員の名前・肩書き・数字を本人と人事で確かめる
  6. 印刷:説明会の日から逆算し、余裕を持って
  • 冊子本体に、年度ごとに変わる情報(給与・人数・日程)を入れていない
  • 募集要項の別紙に、示すべき労働条件を載せた
  • 実際より良く見える書き方や、終わった制度の紹介をしていない
  • 性別や年齢で対象を絞る表現になっていない
  • 写真や名前を載せる社員に了解を取った
  • 採用サイトへのQRコードを入れ、つながる先を確かめた

折りや綴じ方の選び方は三つ折りパンフレットの作り方、紙の選び方は紙と加工の選び方も参照してください。

まとめ

採用パンフレットには、仕事の中身・働く人・会社の考え方など変わりにくい内容を載せ、給与や日程など変わる情報は募集要項の別紙と採用サイトに回します。募集の資料として配るなら、虚偽や誤解を生む表示をしないこと、労働条件を示すこと(2024年4月から項目が追加)を押さえてください。

Lapisデザインラボでは、会社案内やパンフレットなど冊子の制作もお受けしています。内容は料金プラン、ご相談はお見積もりからどうぞ。

よくある質問

会社案内と採用パンフレットは、1冊で兼用できますか。

できます。取引先向けの会社案内に、採用向けの数ページ(仕事の紹介・働く人・制度)を足す形や、採用の情報を別紙の差し込みにする形がよく使われます。ただ、読む人が違うので、学生や求職者に強く訴えたい会社は、別の冊子にしたほうが伝えたいことを絞れます。

採用パンフレットに給与や勤務時間を載せる必要はありますか。

パンフレットを募集の資料として配るなら、労働条件を示すことが職業安定法で求められます。条件は年度ごとに変わりやすいので、冊子本体には仕事や会社の紹介を載せ、給与・勤務時間・就業場所などの募集要項は差し替えられる別紙にする形が扱いやすいです。

採用パンフレットの費用はどれくらいですか。

ページ数と、企画・撮影・文章をどこまで頼むかで変わります。採用関連のメディアの公表値(HR NOTE、2023年1月更新)では、企画・文章・撮影・印刷まで頼む中綴じ8ページで85万〜100万円(1,000部)とされています。社内で原稿や写真を用意できれば下がります。

参考にした資料

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