ノベルティ・販促品のデザイン|ロゴを入れるときの注意

/ Lapisデザインラボ

展示会で配るボールペン、来店した人に渡すエコバッグ、取引先に届けるカレンダーなど、会社の名前やロゴを入れたノベルティは、手元に残る広告として使われています。せっかく作るなら、使ってもらえて、会社を思い出してもらえる物にしたいところです。

この記事では、ノベルティや販促品にロゴを入れるときのデザインの考え方として、品物の選び方、ロゴの入れ方、入稿のデータ、名入れで起きやすい失敗を説明します。あわせて、お客様に配るときに関わる景品表示法の景品の決まりを、消費者庁の告示と運用基準(2026年10月時点で公開されているもの)にそって整理しました。

景品の決まりの部分は一般的な説明で、個別の判断は弁護士などの専門家や、消費者庁・都道府県の景品表示法の相談窓口に確かめてください。

使ってもらえる品物を選ぶ

ノベルティは、使われてはじめて広告になります。品物は、ロゴの入れやすさより先に、渡す相手が実際に使うかどうかで選びます。

考えること見るポイント
渡す相手一般の消費者か、取引先の担当者か。年齢や仕事の場面
渡す場面展示会、店頭、セミナー、郵送。持ち帰りやすい大きさと重さか
使われる場所机の上、かばんの中、台所。人の目に触れる場所か
会社との関係自社の仕事を思い出してもらえる品物か
数量と納期最小の注文数と、名入れにかかる日数

たとえば、オフィスで使われる物なら机の上に残る文具、来店した人に渡すなら持ち帰りやすい小さな物、というように場面に合わせると、配った後に捨てられにくくなります。

ロゴの入れ方の基本

ノベルティは、名入れできる範囲が小さく、使える色も限られることが多い印刷物です。名刺やチラシと同じつもりでロゴを置くと、細部がつぶれたり、読めなかったりします。

  • 名入れの範囲を先に確かめる:品物ごとに、印刷できる場所と大きさが決まっています。業者の資料で範囲を確かめてから配置を考えます
  • 小さくても読める形を選ぶ:シンボルマークとロゴタイプを横に並べた形が入らないときは、マークだけ、社名の文字だけの形を使い分けます
  • 色を絞る:1色の名入れが多いので、ロゴの1色版を用意しておきます。品物の地の色が濃いときは、白い版を使います
  • 余白を守る:ロゴの周りに決めた余白を確保し、品物の縁や縫い目にかからないようにします
  • 情報を詰め込まない:社名、ロゴ、サイトのアドレス程度にとどめ、細かい文章は入れません

ロゴの使い方の決まり(最小の大きさ、余白、使ってよい色の組み合わせ)をブランドガイドラインにまとめておくと、品物が変わっても見た目がぶれません。

入稿のデータと、名入れの方法

名入れの業者に渡すロゴは、拡大や縮小をしても荒れないベクター形式(AI・EPS・SVG・PDFなど)が基本です。画像の形式(JPGやPNG)しかないと、作り直しの手間や費用がかかることがあります。どの形式を持っておくとよいかはロゴのデータ形式で説明しています。

名入れの方法は、品物の素材や形で変わります。

方法の例向いている品物気をつけること
シルク印刷布、紙、平らなプラスチック色ごとに版を作る。細い線はつぶれやすい
パッド印刷ボールペンなど曲面のある小物範囲が小さい。色数は少なめ
レーザーの刻印金属、木、革色は付かず、素材の色の濃淡で出る
箔押し紙、革の表紙細かい模様は出にくい
フルカラーの印刷平らな面の小物写真やグラデーションも出せるが、色の出方は素材による

どの方法でも、色の指定は印刷の色の番号(DICやPANTONEなど)で伝えると、品物ごとの色の差を小さくできます。ただし、素材の色や質感によって、同じ番号でも見え方は変わります。

名入れで起きやすい失敗

  • ロゴが小さすぎて、細い線や小さな文字がつぶれた
  • 品物の色とロゴの色が近く、ほとんど読めない
  • 曲面に刷ったら、ロゴがゆがんで見えた
  • 古いロゴのデータを渡してしまい、旧ロゴで刷り上がった
  • 電話番号やアドレスを入れたが、移転や変更で使えなくなった

防ぐには、業者が出す校正(仕上がりの見本の画像や試作)で、実際の大きさ・色・位置を確かめてから本番に進みます。長く使われる物には、変わりやすい情報(電話番号、担当者名など)を入れないのも一つの方法です。

ノベルティにキャラクターやイラスト、フォントを使うときは、その権利の範囲も確かめます。市販のフォントは、ロゴや商品への使用に条件がついていることがあります。詳しくはフォントのライセンスで注意することをご覧ください。

配るときの景品表示法の決まり

ノベルティを、商品を買った人や来店した人に配る場合は、景品表示法の「景品類」にあたることがあります。消費者庁は景品類を、顧客を誘引するための手段として、事業者が自分の商品・サービスの取引に付随して提供する物品や金銭などの経済上の利益と説明しています。購入を条件にしていなくても、小売業やサービス業の店舗に来た人に渡す物は、取引に付随する提供にあたるとされています(景品類等の指定の告示の運用基準)。

懸賞によらずに、購入者や来店者にもれなく配る物は「総付景品」と呼ばれ、次の限度額があります。

取引の価額景品類の最高額
1,000円未満200円
1,000円以上取引の価額の10分の2

運用基準では、購入額に応じて配るときはその購入額を、購入額を問わずに購入者に配るときや、購入を条件にせず来店者に配るときは、原則として100円を「取引の価額」とするとしています。来店者にもれなく配る物なら、原則として200円までが目安になります。同じ取引に2つ以上の企画で景品を付けるときは、合算して考えます。

一方で、総付景品の告示は、次のような物は、景品類にあたる場合でも限度額を適用しないとしています(いずれも正常な商慣習に照らして適当と認められるもの)。

  • 商品の販売や使用、サービスの提供のために必要な物品やサービス
  • 見本その他の宣伝用の物品やサービス
  • 自社の取引で使う割引券など
  • 開店披露や創業記念などの行事で提供する物品やサービス

運用基準は、宣伝用の物品の例として、事業者名を広告するために提供する物品で適当な限度のもの、たとえば社名入りのカレンダーやメモ帳は、原則としてこれにあたるとしています。社名を入れた一般的なノベルティを配る場合の多くはここに含まれると考えられますが、高価な物を配るときや、購入額に応じて品物を変えるときなどは、限度額の対象になることを念頭に置き、迷う場合は窓口に確かめます。

作る前の確認

  • 渡す相手と場面に合った品物か
  • 名入れの範囲と方法を業者に確かめたか
  • ベクター形式の、いま使っているロゴと、1色版を渡したか
  • 品物の色とロゴの色の組み合わせで読めるか
  • 校正で、大きさ・色・位置を確かめたか
  • 来店者や購入者に配るなら、景品の限度額との関係を確かめたか

名刺やチラシとの見た目のそろえ方は名刺・チラシ・サイトの見た目を揃える方法、印刷の頼み先の選び方はネット印刷と印刷会社の使い分けもあわせてご覧ください。ロゴのデータの整理や印刷物のデザインの内容は、料金プランにまとめています。

よくある質問

ノベルティにロゴを入れるとき、どんなデータを用意すればよいですか。

拡大や縮小をしても荒れないベクター形式(AI・EPS・SVG・PDFなど)のロゴのデータを用意します。名入れは1色で刷ることが多いので、カラー版のほかに1色版や白抜きの版もあると便利です。色は印刷の色の番号で指定できるようにしておくと、品物が変わっても色がぶれにくくなります。

ノベルティを配るとき、景品表示法の決まりはありますか。

商品の購入者や来店者にもれなく配る物は「総付景品」にあたり、取引の価額が1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引の価額の10分の2までという限度額があります。ただし、社名入りのカレンダーやメモ帳のように事業者名を広告するための物品で、適当な限度のものは、原則としてこの限度額の対象から外れると消費者庁の運用基準は示しています。

名入れのノベルティで、よくある失敗は何ですか。

印刷できる範囲に比べてロゴが細かすぎてつぶれる、品物の色とロゴの色が近くて読めない、細い線や小さな文字が刷れない、といった失敗がよくあります。名入れの範囲と方法を業者に確かめてから原稿を作り、実物に近い校正で見え方を確かめると防げます。

参考にした資料

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