店頭ポスターの作り方|遠くから読める文字と配置

/ Lapisデザインラボ

店頭のポスターは、手に取って読んでもらうチラシと違い、離れた場所から、歩きながら、数秒で読まれる印刷物です。チラシと同じ感覚で文字を詰め込むと、近くに立ち止まった人にしか読めず、前を通る人には何のポスターかも伝わりません。

この記事では、店頭や掲示板に貼るポスターを伝わるように作るための決まりとして、サイズの選び方、見る距離ごとの文字の大きさの目安、要素の置き方、色の使い方、外に貼るときの条例の確認までをまとめます。手に取って読むチラシの構成はチラシの構成の定石で扱っています。

ポスターのサイズの選び方

ポスターでよく使われるサイズは次のとおりです。寸法は JIS の紙加工仕上寸法によります。

サイズ寸法(mm)よく使われる場所
B1728×1,030駅・大きな壁面・催しの会場
A1594×841駅・商業施設の掲示枠・大きな店頭
B2515×728店先・店内の壁・ショーウィンドウ
A2420×594店先・店内の壁・入口の横
B3364×515掲示板・レジまわり・小さな壁面
A3297×420掲示板・トイレや待合の壁・カウンター

サイズは、デザインより先に貼る場所を測って決めます。ポスターの掲示枠(額や枠のあるパネル)があるなら、その枠の内寸に合わせます。商業施設や駅の掲示枠は、サイズが指定されていることが多いので、管理者に確かめてください。

大きいサイズは目立ちますが、印刷代も上がり、オフセット印刷ではなく大判のインクジェット印刷になることもあります。印刷の方法と会社の選び方はネット印刷と印刷会社の使い分けを参照してください。

見る距離ごとの文字の大きさ

ポスターの文字の大きさは、見る人との距離から決めます。参考になるのが、国土交通省の「公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドライン(旅客施設編)」にある、駅などの案内サインの文字の大きさの目安です。視力の低下した高齢者にも配慮して、視距離ごとに判読できる文字の高さが示されています(2026年10月時点で国土交通省が公開している版)。

視距離和文の文字の高さ英文の文字の高さ
1〜2m9mm以上7mm以上
4〜5m20mm以上15mm以上
10m40mm以上30mm以上
20m80mm以上60mm以上
30m120mm以上90mm以上

ここでいう文字の高さは、和文では「木」の字の高さ、英文では「E」の高さです。ガイドラインでは、この数字は最低限の目安で、文字を細長くしすぎると読みにくくなるとも書かれています。

店頭ポスターに当てはめると、次のように考えられます。

  • 店の前の歩道から読ませたい見出し:4〜5m以上離れた位置から読まれる想定で、和文20mm以上を最低限とし、それより大きく取る
  • 店の前に立ち止まった人が読む説明:1〜2mの距離で、和文9mm以上
  • 通りの向かい側から店名を見せたい:10m以上の想定で、40mm以上

文字の大きさは、ポスターを作ってから確かめるのでは遅いので、実寸で一部を印刷して、実際の距離から読めるかを試してから仕上げます。A4の紙に見出しの部分だけを実寸で印刷して壁に貼れば確かめられます。

要素の置き方

ポスターに載せる要素は、チラシより少なくします。目安として、離れて見たときに目に入れてほしい要素を3つまでに絞ります。

要素役割置き方
見出し何のポスターかを伝える上部か中央に、いちばん大きく。10文字前後に絞る
写真・イラスト内容をひと目で伝える大きく1点。小さい写真を並べない
日付・価格など要点行動の判断材料見出しの次に大きく
説明文立ち止まった人に詳しく下部に。短く
店名・ロゴ・案内誰からか、どうすればよいか最下部。QRコードは手の届く高さに来るように

置き方で気をつけることは次のとおりです。

  • 余白を取る:要素の間に余白があると、離れても形がまとまって見える
  • 見出しは1行か2行に:3行以上になると、歩きながらでは読み切れない
  • QRコードの位置:貼る高さを考え、スマホをかざしやすい位置(目線から胸の高さ)に来るように置く
  • 貼る高さを決めてから配置する:床に近い部分は見られにくいので、大事な情報は上半分に

色と書体の選び方

離れた位置から読ませるには、**文字と背景の明るさの差(コントラスト)**がいちばん効きます。

  • 背景が明るいなら文字は濃く、背景が濃いなら文字は白にする
  • 写真の上に文字を載せるときは、文字の下に帯を敷くか、写真の暗い部分に置く
  • 見出しは太めのゴシック体が遠くから読みやすい。細い明朝体や手書き風の書体は、近くで読む説明に回す
  • 赤と緑、青と紫のように、明るさの近い色どうしの組み合わせは避ける

ショーウィンドウの内側に貼る場合は、ガラスの反射で見えにくくなることがあります。昼と夜の両方で、外から見え方を確かめてください。画面で見た色と印刷の色の違いは画面と印刷で色が違う理由にまとめています。

店の外に貼るときは条例を確かめる

店の外の壁や、外から見えるように掲示するポスターは、屋外広告物法にもとづいて都道府県や市が定める屋外広告物条例の対象になることがあります。大きさ・場所・地域によって、許可が要る場合、掲示できない場合、色や大きさに基準がある場合があり、決まりは自治体ごとに違います。

店の外や外から見える場所に貼る前に、市区町村の屋外広告物の担当窓口に確かめてください。看板とあわせた考え方は看板デザインを頼むときの流れと費用の目安で触れています。京都のお店の制作については京都のロゴ・ホームページ制作もご覧ください。

作る前のチェックリスト

  • 貼る場所を測り、サイズを決めた(掲示枠があれば内寸を確かめた)
  • 見る人との距離を想定し、見出しと説明の文字の大きさを決めた
  • 見出しは10文字前後、要素は3つまでに絞った
  • 実寸で一部を印刷し、実際の距離から読めるか確かめた
  • 文字と背景の明るさの差が十分にある
  • QRコードが手の届く高さに来る
  • 外に向けて貼るなら、屋外広告物条例を確かめた
  • 掲示する期間が終わったら外す日を決めた(古いポスターは店の印象を下げる)

まとめ

店頭ポスターは、離れた場所から数秒で読まれる前提で作ります。貼る場所を測ってサイズを決め、見る距離から文字の大きさを決め(4〜5mで和文20mm以上が最低限の目安)、要素を3つまでに絞ります。外に向けて貼るなら、自治体の屋外広告物条例を確かめてください。チラシのサイズとの違いはチラシのサイズの選び方も参考になります。

Lapisデザインラボでは、ポスターなどの印刷物のデザインと印刷の手配をお受けしています。内容は料金プランをご覧ください。

よくある質問

店頭ポスターは、どのサイズがよく使われますか。

店先や店内の壁にはB2(515×728mm)やA2(420×594mm)、掲示板や小さな壁面にはB3(364×515mm)やA3(297×420mm)がよく使われます。駅や大きな壁面ではA1(594×841mm)やB1(728×1,030mm)も使われます。貼る場所の大きさを先に測り、そこに収まるサイズを選びます。

ポスターの文字は、どれくらいの大きさにすればよいですか。

見る人との距離で決めます。国土交通省のバリアフリー整備ガイドライン(旅客施設編)では、視距離4〜5mで和文の文字の高さ20mm以上、10mで40mm以上が目安として示されています。店の前を歩く人に読ませたい見出しは、この目安より大きめに取ると安心です。

店の外に貼るポスターに、許可は要りますか。

屋外に向けて掲示する広告物は、都道府県や市の屋外広告物条例の対象になることがあり、大きさや場所によって許可が要る場合や、掲示できない地域があります。決まりは自治体ごとに違うので、店の外や外から見える場所に貼る前に、市区町村の担当窓口に確かめてください。

参考にした資料

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