三つ折りパンフレットの作り方|面の順番と原稿の割り振り

/ Lapisデザインラボ

三つ折りパンフレットは、A4の紙1枚を3つに折るだけで、手のひらに収まる案内になります。店頭に置く、営業の訪問で渡す、封筒に入れて送る。使いやすい形ですが、作ってみると「どの面が表紙なのか」「どこに何を書けばよいのか」で迷います。紙を広げたときの並びと、手に取ったときに読まれる順番が一致しないからです。

この記事では、三つ折りの2つの折り方の違いと、6つの面が読まれる順番、面ごとの原稿の割り振りの例を説明します。データを作るときの折り幅の注意もまとめました。原稿をまとめる担当者が、デザイナーや印刷会社に渡す前の設計図を作れるようにすることが目標です。

2つの折り方:巻三つ折りと外三つ折り

三つ折りには、大きく2つの折り方があります。

折り方折り方の形読まれ方向いている内容
巻三つ折り(内三つ折り)端の1面を内側に折り、反対側の面をかぶせる表紙 → めくる → 開く、と段階的に読まれる会社案内、サービスの紹介、店の案内
外三つ折り(Z折り)山折りと谷折りを交互にして、Zの形にする広げると3面が一度に見える手順の説明、地図、年表、料金の一覧

一般的な案内のパンフレットで多いのは巻三つ折りです。この記事では主に巻三つ折りを例に説明します。

巻三つ折りの6つの面と、読まれる順番

A4の紙を横に置き、表(外側)と裏(内側)にそれぞれ3つの面があると考えます。ここでは面に次の名前を付けて説明します。

左中央右
外側(表)②折り返しの面⑥裏表紙①表紙
内側(裏)③内側の左④内側の中央⑤内側の右(折り込まれる面)

手に取った人は、おおむね次の順番で面を見ます。

  1. ①表紙:最初に目に入る面
  2. ②折り返しの面:表紙をめくると、まず現れる面
  3. ③〜⑤内側の3面:全部を開くと、一度に並んで見える
  4. ⑥裏表紙:最後に裏返したときに見る面

ここで大事なのは、②の折り返しの面は、内側の3面より先に読まれるということです。広げた紙の上では端にあるので軽く扱われがちですが、実は2番目に目に入る、とても大事な面です。

なお、⑤の内側の右の面は、折ったときに内側に巻き込まれる面です。後で説明するように、この面だけ少し幅を狭く作ります。

面ごとの原稿の割り振り

読まれる順番に合わせて、面ごとに役割を決めます。会社やサービスの案内を例にした割り振りです。

面役割載せる原稿の例
①表紙何のパンフレットか一目で分かる社名・ロゴ、ひとことの見出し、印象的な写真1枚
②折り返しの面「読む理由」を示すこんな悩みはありませんか、の問いかけ。代表のあいさつの要約
③内側の左全体の入口事業やサービスの全体像、選ばれる理由
④内側の中央中心になる情報サービスの内容、流れ、料金の考え方
⑤内側の右行動を後押しするよくある質問、導入の手順、相談の案内
⑥裏表紙連絡先をまとめる会社の所在地・地図・電話・ホームページの案内・二次元コード

裏表紙は「最後に読まれる面」なので、連絡先をまとめて置くのが定石です。一方で、封筒から出したときや、ラックに置いたときには裏表紙が上を向くこともあります。裏表紙だけ見ても、何の会社か分かるように社名とロゴを入れておきます。

原稿をまとめる手順

  1. 目的を1つに絞る:問い合わせを増やすのか、店に来てもらうのか、採用の応募を集めるのか
  2. 渡す相手と場面を決める:初めて会う人に渡すのか、店頭で自由に取ってもらうのか
  3. 載せたい情報を全部書き出す:まずは量を気にせず並べる
  4. 6つの面に振り分ける:上の表の役割に沿って、どの面に置くかを決める
  5. 入りきらない情報を削る:詳しい説明は、ホームページや別の資料に任せる
  6. 面ごとに見出しを付ける:見出しだけ拾い読みしても、話の流れが分かるようにする
  7. 写真と図を決める:どの面にどの写真を置くか。写真が足りないなら、早めに手配する

A4の三つ折りの1面の幅は、およそ10cmです。写真と見出しを入れると、本文に使える場所は限られます。**「全部を説明する」より「続きを知りたくさせる」**ことを目標に原稿を絞ると、読みやすいパンフレットになります。見出しや写真の置き方の考え方は、チラシの構成の定石も参考になります。

三つ折りで失敗しやすい例

実際によくある失敗を挙げます。原稿の段階で気づけば、直すのは簡単です。

  • 表紙に情報を詰め込む:表紙に営業時間やサービスの一覧まで載せると、何のパンフレットか分かりにくくなります。表紙は「誰の、何の案内か」だけに絞ります
  • 折り返しの面を空白にする:広げた紙の端にあるので軽く見られがちですが、表紙の次に読まれる面です。ここに「読む理由」を置かないと、中を開いてもらえません
  • 内側の3面をばらばらに作る:内側は一度に並んで見えるので、3面の見出しの大きさや写真の位置をそろえると、1枚の紙面として読みやすくなります
  • 連絡先を複数の面に散らす:電話番号やホームページの案内は、裏表紙にまとめます。何か所にも書くと、変更のときに直し漏れが出ます
  • 日付の入った情報を多く載せる:期間限定の料金やキャンペーンを載せると、すぐに使えなくなります。変わりやすい情報は、別の小さなチラシを挟み込むか、ホームページに任せます

とくに最後の点は、刷る部数を決めるときにも関わります。長く配るパンフレットほど、変わらない情報だけで作るのが長持ちのこつです。

データを作るときの注意:折り幅

巻三つ折りは、6つの面を同じ幅にしてはいけません。内側に折り込まれる⑤の面を、少し狭く作ります。 同じ幅で作ると、折ったときに紙の端が折り目にぶつかり、きれいに閉じません。

印刷通販のグラフィックの案内では、内側に折り込む面を中央の面より2〜3mm短く作るよう求めており、A4の標準の折り幅として、表紙の面と中央の面を100mm、内側に折り込む面を97mmとしています。印刷会社によって指定の幅は違うので、必ず入稿する印刷会社のテンプレートを使って作ります。

そのほかの注意点です。

  • 折り目の上に文字や顔の写真をまたがせない(折り目で読みにくくなる)
  • 面の端から数ミリの内側に文字を収める(断裁や折りのずれで切れないように)
  • 外側と内側で、面の左右が入れ替わることに注意する(外側の右が表紙なら、内側では反対の位置に来る)
  • 背景を紙の端まで伸ばすなら、塗り足しを作る(印刷の入稿データで失敗しないために)

刷る前に、紙で折って確かめる

データができたら、家庭用のプリンターでA4に両面で刷り、実際に折ってみます。画面の上ではつかみにくい、面の順番の間違い、表紙の向き、折り目にかかった文字は、紙で折ると一度で分かります。社内の人に渡して、何も説明せずに読んでもらうのも効果的です。どこで手が止まるかを見れば、原稿の順番の問題が見えてきます。

紙の厚さによっては、折り目がひび割れることもあります。紙の選び方は紙と加工の選び方で説明しています。ページ数の多い冊子にするか三つ折りにするかで迷う場合は、会社案内パンフレットの作り方もあわせてご覧ください。

よくある質問

巻三つ折りと外三つ折り(Z折り)はどう選べばよいですか。

表紙から順にめくって読ませたい案内や会社紹介なら巻三つ折り、広げたときに一続きの図や手順を見せたい場合や、封筒から出してすぐ全体を見せたい場合は外三つ折りが向いています。迷ったら、一般的な案内物で多く使われる巻三つ折りから考えると失敗が少なくなります。

三つ折りパンフレットの原稿はどれくらいの量が入りますか。

A4の三つ折りの場合、1つの面の幅はおよそ10cmしかありません。写真や見出しを入れると、1面に入る本文は数百字程度が目安です。伝えたいことを全部入れようとせず、詳しい説明はホームページに任せる前提で原稿を絞ります。

データを作るとき、6つの面を同じ幅にしてよいですか。

巻三つ折りでは、内側に折り込む面を他の面より少し短く作る必要があります。印刷通販の案内では、中央の面より2〜3mm短くするよう求めているものがあります。同じ幅で作ると、折ったときに紙が端でぶつかって浮いてしまうためです。印刷会社のテンプレートを使うのが確実です。

参考にした資料

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