ロゴのコンペサイトと制作会社の違い|権利・修正・使い道

/ Lapisデザインラボ

ロゴを作るとき、クラウドソーシングのコンペで多くの案を集めるか、制作会社やデザイナーに頼んで一緒に作るかで迷う方は多いと思います。どちらにも向いている場面があり、どちらが正しいということはありません。ただ、進め方や権利の扱い、採用した後の修正の受け方が大きく違うため、違いを知らずに選ぶと、後で困ることがあります。

この記事では、ロゴのコンペと制作会社への依頼を、進め方・著作権の移り方・修正・受け取るデータ・費用の決まり方で比べます。そのうえで、コンペを使うときの依頼文の書き方と、採用前に確かめる点をまとめます。サービスの仕組みや規約は、2026年10月時点で各サービスが公開している案内によります。格安のロゴ作成全般で起きやすいことは安いロゴで起きることにまとめているので、ここではコンペという仕組みに絞ります。

コンペと制作会社の進め方の違い

コンペの進め方

ロゴのコンペは、依頼する側が募集の内容と金額を出し、多くのデザイナーが案を応募し、その中から1つを選ぶ仕組みです。ランサーズの利用ガイドでは、コンペ方式の流れを「依頼しよう」「提案を待つ」「提案を選ぶ」「依頼の完了」の4段階で説明しています。クレジットカード払いの場合、依頼の登録の時点で与信枠を確保し、実際の決済は提案を選んだ時点で行われると案内されています。

制作会社やデザイナーへの依頼の進め方

制作会社やデザイナーに頼む場合は、先に打ち合わせで会社の考え方や伝えたい印象を整理し、それをもとに数案を作り、選んだ案を修正しながら仕上げます。案の数はコンペより少ないものの、考え方の整理から一緒に進めるのが特徴です。

比べるときの5つの観点

観点コンペ制作会社・デザイナー
進め方募集を出し、応募の中から完成に近い案を選ぶ打ち合わせで考え方を整理してから案を作る
案の数多い(応募の数による)数案(契約による)
著作権サービスの利用規約による契約書・取引条件による
修正採用前のやりとりと、規約・依頼文の範囲回数を契約で決めることが多い
受け取るデータ依頼文で指定したものによる契約でデータ一式を決めることが多い
費用依頼する側が金額を決める制作会社が見積もる

著作権の移り方

ロゴを自社で自由に使い続けるには、著作権が自社に移っていることが大切です。コンペの場合は、サービスの利用規約で決まっていることが多く、たとえばランサーズのヘルプでは、コンペ方式は利用規約で「クライアントが選択した成果物の著作権等すべての譲渡可能な権利の譲渡契約」と定められ、当選した提案の著作権はすべてクライアントに譲渡されると説明しています。あわせて、利用規約の第16条で、著作権を譲渡した成果物について、デザイナーはクライアントやその取引先に著作者人格権(作者の名前を出すか、勝手に変えられないかなどの権利)を行使しないと定めていると案内されています。

規約の内容はサービスごとに違います。使うサービスで、「いつ移るか」「どこまで移るか」「著作者人格権をどう扱うか」を確かめてください。制作会社に頼む場合は、同じことを契約書や取引条件で確かめます。著作権の譲渡の契約で、形を変えたり別の図案のもとにしたりする権利(著作権法第27条・第28条の権利)まで含まれているかの確かめ方はロゴの著作権は誰のものかにまとめています。

修正の受け方

コンペでは、応募の段階でデザイナーにコメントを返して案を良くしてもらうことはできても、採用した後にどこまで直してもらえるかは、依頼文と規約の範囲によります。採用後に「色を変えた版」「縦組みの版」が欲しくなっても、依頼文に書いていなければ別の依頼になることがあります。制作会社の場合は、修正の回数を契約で決めることが多く、その範囲で仕上げまで付き合ってもらえます。

受け取るデータ

ロゴは、名刺・ホームページ・看板・印刷物で使うため、拡大しても粗くならないベクター形式(AI・SVG・PDF など)のデータと、ホームページ用の PNG が要ります。カラー版だけでなく、白黒や白抜きの版もあると便利です。コンペで募るときは、受け取りたいデータの形式と版を依頼文に書いておかないと、画像1枚だけの納品になることもあります。受け取るデータの種類はロゴのデータ形式を参照してください。

コンペが向いている場面、制作会社が向いている場面

コンペが向いている制作会社・デザイナーが向いている
伝えたい印象がはっきりしていて、案を広く見て選びたい会社の考え方から一緒に整理したい
社内で案を比べて決める人と時間がある選ぶ時間が取れず、提案に沿って決めたい
採用後のデータや版を、依頼文で細かく指定できる名刺・ホームページなど、ロゴの後の制作もまとめて頼みたい
まずは当面の印が欲しい看板や商品など、長く広く使う印にしたい

個人のデザイナーと制作会社のどちらに頼むかは、体制や引き継ぎの考え方がホームページと共通です。比べ方はホームページはフリーランスか制作会社かにまとめています。

コンペを使うときの依頼文の書き方

コンペでよい案を集められるかは、依頼文で決まります。次の項目を具体的に書きます。

  • 会社の紹介:何をしている会社か、誰がお客様か、他社との違い
  • 伝えたい印象:「誠実」「親しみやすい」「上質」など、言葉で2〜3個
  • 名前と表記:ロゴに入れる文字(漢字・ひらがな・英字)と読み方
  • 使う場面:名刺・ホームページ・看板・商品のラベルなど
  • 避けたいこと:同業でよく見る形や色、使いたくない色
  • 形の希望:シンボルマークが要るか、文字だけでよいか
  • 受け取りたいデータ:ベクター形式と PNG、カラー・白黒・白抜きの版、横組み・縦組み
  • 採用後の修正:採用後に何回まで、どんな修正を頼むか

依頼文に書く内容は、制作会社に頼むときの要望書とほぼ同じです。項目の考え方はロゴを依頼する前に決めることも参考になります。

採用する前に確かめること

  • 似たロゴがほかに無いか(画像検索などで、既存のロゴや素材と似ていないか)
  • 似た商標が無いか(無料の検索サービス「J-PlatPat」で、ロゴの文字や読みを確かめる)
  • 規約で、著作権がいつ・どこまで移るか、著作者人格権をどう扱うか
  • 依頼文で指定したデータの形式と版を受け取れるか
  • 採用後に頼める修正の範囲
  • 小さく縮めたとき(名刺の隅・スマートフォンのアイコン)に読めるか

特許庁の「商標制度の概要」では、商標登録を受けないまま使っていても、先に他社が同じような商標を登録していれば、その商標権の侵害にあたる可能性があるとされています。採用の前に、似た商標が無いかを確かめておくと、看板や名刺を作った後の作り直しを防げます。商標登録の要否はロゴの商標登録は必要かを参照してください。

まとめ

ロゴのコンペは、多くの案から選べて費用を自分で決めやすい一方、著作権の移り方・採用後の修正・受け取るデータは、サービスの規約と依頼文で決まります。制作会社やデザイナーへの依頼は、考え方の整理から一緒に進め、修正やデータを契約で決めるのが一般的です。コンペを使うなら、依頼文に使う場面と受け取りたいデータを具体的に書き、採用前に似た商標と規約を確かめてください。

Lapisデザインラボでは、採用いただいたロゴの著作権の譲渡と修正の回数を、取引の条件として料金プランのページに載せています。

よくある質問

ロゴのコンペで採用したロゴの著作権は、自社に移りますか。

サービスの利用規約によります。たとえばランサーズのヘルプでは、コンペ方式は利用規約で「クライアントが選択した成果物の著作権等すべての譲渡可能な権利の譲渡契約」と定められ、当選した提案の著作権はすべてクライアントに譲渡されると説明されています(2026年10月時点)。使うサービスの規約で、いつ・どこまで移るかを確かめてください。

ロゴのコンペと制作会社では、何が一番違いますか。

コンペは多くの応募から完成に近い案を選ぶ形で、制作会社は打ち合わせで考え方を整理してから案を作り、修正を重ねて仕上げる形です。コンペは案の数が多く費用を自分で決めやすい一方、応募者ごとに品質や権利への意識の差があり、採用後の修正やデータの受け取りは依頼文と規約で決めておく必要があります。

ロゴのコンペで気をつけることは何ですか。

依頼文に、会社の考え方・使う場面・受け取りたいデータの形式・修正の扱いを具体的に書くこと、採用前に似た商標や似たロゴが無いかを確かめること、規約で著作権の移り方と著作者人格権の扱いを確かめることの3つです。

参考にした資料

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