AIを使う制作会社に頼むとき|文章・画像の扱いと契約で確かめること

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ホームページ制作の現場では、文章の下書きやアイキャッチ画像の作成にAI(生成AI)を使う制作会社もあります。AIの活用は、作業の効率化につながる面もあります。一方で、発注する側からすると、著作権の扱いや、内容に誤りが混ざっていないかの確認体制が見えにくいという不安もあります。

この記事では、制作会社がAIを使って文章や画像を作る場合に、発注者として確認しておきたい点を、著作権・学習データの出所・誤情報のチェック体制・契約の4つに分けてまとめます。

制作会社がAIを使う場面

AIは、ホームページ制作の次のような場面で使われることがあります。

  • 原稿の下書きを作る(会社紹介文、サービス説明、ブログ記事のたたき台など)
  • アイキャッチ画像やイラストを生成する
  • 既存の文章を要約・言い換える
  • デザイン案のラフスケッチを作る

AIが作ったものをそのまま納品するのではなく、人が内容を確認し、加筆・修正したうえで仕上げる進め方もあります。発注者として気にしたいのは、AIを使うこと自体ではなく、どの工程で人が確認し、責任を持って仕上げているかです。

AI生成物と著作権の扱い

著作権法は、著作物を「思想又は感情を創作的に表現したもの」と位置づけています。AIが指示だけでほぼ自動的に生成したもので、人の創作的な関与がほとんど無い場合、そのままでは著作物として保護されない可能性があります。一方で、人が構成を指示し、生成結果に手を加えて創作性を加えた場合には、その部分に著作権が生じ得ると考えられています。

どこまでが「人の創作的な関与」にあたるかは、個別のケースで判断が分かれる部分であり、一律の基準があるわけではありません。発注者としては、次の点を契約や打ち合わせで確認しておくと、納品後の扱いがはっきりします。

  1. 納品する文章・画像の作成に、どの工程でAIを使っているか
  2. AIが生成した部分を、どの程度人が確認・修正しているか
  3. 納品物の著作権・利用権が発注者に帰属するか、どの範囲で自由に使えるか

ロゴやオリジナル画像にAIを使う場合の著作権の考え方は、AIで作ったロゴの著作権やAI画像の商用利用でも詳しく扱っています。

学習データの出所を確認する

AIが文章や画像を生成する仕組みの背景には、大量のデータを学習する段階があります。学習に使われたデータの中に、著作権で保護された作品が含まれている可能性があり、生成された結果が既存の作品と酷似してしまう場合、権利者との関係が問題になることがあります。

発注者がAIの学習データの詳細まで把握する必要はありませんが、制作会社に次のようなことを尋ねておくと、リスクへの向き合い方が見えてきます。

  • 利用しているAIサービスが、商用利用や著作権に関するリスクについてどのような方針を示しているか
  • 生成された文章や画像が、既存の作品と酷似していないかを確認する工程があるか

誤情報(ハルシネーション)のチェック体制

AIが生成する文章には、もっともらしく見えるが事実と異なる内容(ハルシネーション)が混ざることがあります。会社の沿革、サービスの詳細、数値や制度に関する説明など、事実性が重要な部分ほど注意が必要です。

確認する内容具体的に尋ねること
事実確認の工程固有名詞・数値・制度に関する記述を、人が裏付けを取って確認しているか
発注者への照らし合わせ納品前に、発注者が提供した情報と内容が一致しているかを確認する機会があるか
修正の体制誤りが見つかった場合、どのように修正・再確認してもらえるか

発注者側でも、納品された文章を自社の事業内容と照らし合わせて最終チェックをしておくと、公開後に誤りが残るリスクを減らせます。文章の原稿づくりの進め方はホームページの原稿の作り方、文章の著作権の考え方はホームページの文章と著作権でも扱っています。

契約書に書いておきたいこと

AIの使い方について口頭で説明を受けただけでは、後から「言った・言わない」になることがあります。契約書や発注時のやり取りに、次のような内容を記録として残しておくと、認識の食い違いを防ぎやすくなります。

項目書いておきたい内容
使用範囲下書き作成・画像生成など、AIを使う工程の範囲
確認体制生成結果を人が確認・修正する工程があること
権利の扱い納品物の著作権・利用権が発注者にどの範囲で帰属するか
事実確認固有名詞・数値・制度に関する記述の裏付け確認を行うこと
修正対応誤りが見つかった場合、どの範囲まで無償で修正してもらえるか

これらは、AIを使わない制作でも本来確認しておきたい内容と重なります。AIを使う・使わないにかかわらず、納品物の品質と権利の扱いを明確にしておくという基本は変わりません。

発注者自身が意識しておきたいこと

制作会社の体制を確認するだけでなく、発注者自身も次の点を意識しておくと、AIを使った制作とうまく付き合いやすくなります。

  • 自社の事業内容や強みなど、AIでは書けない固有の情報は、発注者からできるだけ具体的に伝える
  • 納品された文章を、公開前に自社の目でも一度確認する
  • ホームページ全体にAIをどこまで使うか(文章の下書きだけか、構成やデザインの提案まで含めるか)を、最初に制作会社とすり合わせておく

AIを活用したホームページ制作全体の考え方はAIを使ったホームページ制作でも扱っています。

契約前に確認したいことチェックリスト

  • 文章・画像の作成工程で、AIをどの範囲で使うか
  • AIが生成した部分を、誰がどのように確認・修正しているか
  • 納品物の著作権・利用権の扱い
  • 事実関係(固有名詞・数値・制度)の確認体制
  • 既存の作品との酷似を確認する工程があるか

まとめ

  • AIを下書きの生成に使い、人が確認・修正して仕上げる使い方もある
  • AI生成物の著作権は、人の創作的な関与の程度によって扱いが変わり、一律の基準があるわけではない
  • 学習データの出所や、既存の作品との酷似を確認する工程を尋ねておくとリスクへの向き合い方が見える
  • 誤情報(ハルシネーション)の確認体制を尋ね、発注者側でも事実関係の最終チェックをしておく

AIの活用を含めたホームページ制作のご相談はサービスと料金からご確認いただけます。

よくある質問

制作会社が作った文章や画像にAIが使われているか、必ず確認すべきですか。

必ずしも全面的な確認が要るわけではありませんが、契約前にAIの使用方針を尋ねておくと、納品後に食い違いが起きにくくなります。下書きの生成にAIを使い、人が確認・修正して仕上げる使い方もあります。確認したいのは、AIを使うこと自体ではなく、最終的に内容を人が確認する体制があるかどうかです。

AIが生成した文章や画像の著作権は、誰のものになりますか。

人の手が関与せず、AIの生成だけで作られたものは、著作権法が著作物の定義とする「思想又は感情を創作的に表現したもの」に当たらず、著作物として保護されない可能性があります。人が指示や修正を重ねて創作的な関与をした部分には著作権が生じ得ますが、どこまでが人の関与といえるかは個別の判断になります。契約で納品物の扱いを明確にしてもらうと、後の利用範囲があいまいになりません。

AIが作った文章に、事実と違う内容(ハルシネーション)が混ざっていないか、どう確認すればよいですか。

AIは、もっともらしい誤った情報を生成することがあります。制作会社に、固有名詞・数値・法令や制度に関する記述を人が裏付けを取って確認しているかを確認します。自社が提供した事業内容の説明と、納品された文章の内容を照らし合わせる最終チェックは、発注者側でも行っておくと安心です。

参考にした資料

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