WordPressのテーマとオリジナルデザインの違い|費用と自由度
WordPress でホームページを作る見積もりを何社かから取ると、同じ「WordPress で制作」と書いてあっても、金額が数倍違うことがあります。その差の大きな理由のひとつが、既製のテーマを使うか、オリジナルのテーマを一から作るかです。
この記事では、WordPress のテーマとは何かを押さえたうえで、既製のテーマ(無料・有料)とオリジナルのテーマの違いを、費用・デザインの自由度・期間・保守で比べます。有料テーマを会社のサイトで使うときのライセンスの確かめ方と、制作会社の見積もりで確かめることもまとめました。費用は比較サイトが公表している目安で、実際の金額は依頼先と内容によって違います。
テーマとは:サイトの見た目を決める部品
WordPress の開発者向けの公式の資料では、テーマは「サイトのデザインを表すもの」で、色や書体からページ全体の配置まで決めると説明されています。文章や写真などの中身は WordPress に保存され、テーマはそれをどう見せるかを受け持ちます。機能を足すのはプラグインという別の部品です。
そのため、テーマを替えても記事やページの中身は残りますが、見た目や配置は変わり、テーマ独自の機能で作った部分は作り直しになることがあります。テーマには、ブロックを組み合わせて管理画面からページの型を編集できる「ブロックテーマ」と、PHP というプログラムで型を作る「クラシックテーマ」の2種類があり、どちらも今の WordPress で使えます。
3つの作り方の違い
| 作り方 | 中身 | デザインの自由度 | 向いている場合 |
|---|---|---|---|
| 無料のテーマ | WordPress.org のテーマのディレクトリなどで配られている既製品 | 用意された範囲で色や配置を変える | 費用を抑えて早く公開したい |
| 有料のテーマ | 販売元から買う既製品。機能や設定の項目が多いものが多い | 設定で変えられる範囲が広い | 既製の型で足り、設定で整えたい |
| オリジナルのテーマ | 自社のサイトのために一から作る | 構成もデザインも自由に決められる | ブランドの見せ方や、ページの型を自社に合わせたい |
既製のテーマを土台に、見た目や部品を足していく中間の作り方もあります。このとき、WordPress の公式の資料が勧めているのが「子テーマ」です。子テーマは元のテーマ(親テーマ)の機能とデザインを引き継ぎつつ、変更を別の場所に置く仕組みで、親テーマを更新しても変更が消えません。既製のテーマのファイルを直接書き換えると、テーマの更新のたびに変更が上書きされるおそれがあります。
費用の目安
比較サイトの PRONIアイミツが公表している目安は次のとおりです。
| 項目 | 目安 | 出典の時点 |
|---|---|---|
| 有料テーマの代金(買い切り) | 1万〜3万円程度 | 2025年1月の更新 |
| WordPress の構築の初期費用 | 5万〜30万円程度 | 2025年1月の更新 |
| 小規模サイト(1〜10ページ程度)をテンプレートで作る | 5万〜15万円程度 | 2026年8月の更新 |
| 小規模サイトをオリジナルデザインで作る | 15万〜30万円程度 | 2026年8月の更新 |
この数字は、比較サイトに集まった取引や見積もりからの目安で、文章の作成や撮影、ブランドの整理をどこまで含むかで金額は大きく変わります。ページ数や依頼先ごとの相場はホームページ制作の費用の相場で整理しています。
オリジナルテーマの費用で差が出るところ
オリジナルのテーマの費用は、ページ数よりも「型の数」と「管理画面の作り込み」で変わります。
- ページの型の数:トップ、下層ページ、お知らせの一覧と詳細、事例の一覧と詳細など、見た目の違う型がいくつあるか
- 記事の種類:お知らせだけか、事例・採用・スタッフ紹介なども別々に管理するか
- 入力欄の作り込み:事例なら「業種」「地域」「工期」のように、決まった欄に入力すれば整った形で表示されるようにするか
- 一覧の絞り込み:種類や地域で絞り込める一覧を作るか
- スマートフォンでの見え方:画面の幅ごとに配置を作り分ける手間
- 引き継ぎの資料:テーマの作りと更新の手順を説明する資料を作るか
入力欄を作り込むほど初期の費用は上がりますが、社内の人が決まった欄を埋めるだけで更新できるようになり、公開後の手間が減ります。
有料テーマの商用利用とライセンス
WordPress は GPL(GNU 一般公衆利用許諾書)のバージョン2以降で配布されています。WordPress.org のライセンスの説明では、WordPress のコードから派生したものは GPL を引き継ぐとされ、テーマやプラグインもこれに当たるという立場が示されています。WordPress.org のテーマのディレクトリに載せるテーマは、コード・データ・画像など、配布するファイルのすべてが GPL か GPL と両立するライセンスであることが求められています。
一方、ディレクトリの外で売られている有料のテーマは、販売元ごとに利用規約が決まっています。会社のサイトに使う前に、次の点を規約で確かめます。
- 会社のサイト(商用)で使ってよいか
- 何サイトで使えるか:1つの購入で複数のサイトに使えるか
- 購入者とサイトの持ち主が違ってよいか:制作会社が購入して顧客のサイトに使う場合の扱い
- 更新とサポートの期間:更新が受けられなくなると、WordPress 本体の更新に追いつけなくなるおそれがある
- 同梱の写真・イラスト・フォントの扱い:テーマの見本に使われている写真は、そのまま使えないことがある
写真とフォントの扱いは、素材写真の使い方と注意点とフォントのライセンスで注意することで詳しく説明しています。
制作会社がテーマを使うときに確かめること
制作会社が既製のテーマを使って作る場合、見積書や契約で次の点をはっきりさせておくと、後で困りません。
- 使うテーマの名前:既製のテーマか、オリジナルか。既製なら有料か無料か
- 有料テーマの購入者の名義:自社の名義で買うか、制作会社の名義か。制作会社の名義だと、乗り換えたときに更新を受けられなくなることがある
- 変更の加え方:子テーマで変更しているか
- テーマの更新を誰が行うか:保守の契約に含まれるか
- 納品物:オリジナルのテーマなら、テーマのデータ一式と作りの説明の資料
見積書の項目の読み方はホームページ制作の見積書の読み方で説明しています。
どちらを選ぶかの目安
| 会社の状況 | 選び方の目安 |
|---|---|
| 予算を抑え、まず公開したい | 既製のテーマ。写真と文章の質を上げることに費用を回す |
| ロゴや印刷物と見た目を揃えたい | オリジナル、または既製のテーマを子テーマで作り込む |
| 事例やお知らせを社内で頻繁に更新する | 入力欄を作り込んだオリジナルのテーマ |
| 数年後に作り直す前提で、短く使う | 既製のテーマ |
| 長く使い、保守をほかの会社に移す可能性がある | 作りの資料が残る形なら、どちらでもよい |
WordPress 以外の仕組みとの比べ方は、Studio・Wix・WordPressの違いにまとめています。
まとめ
- テーマはサイトの見た目を決める部品で、替えても中身は残るが見た目や配置は変わる
- 既製のテーマは費用と期間を抑えられ、オリジナルのテーマは構成と入力欄を自社に合わせて作れる
- オリジナルの費用は、ページの型の数と管理画面の作り込みで変わる
- 有料テーマは、商用での利用、サイトの数、購入者の名義、更新の期間を規約で確かめる
- 制作会社に頼むときは、テーマの名前、購入の名義、変更の加え方、納品物を見積もりの段階で確かめる
Lapisデザインラボで承るウェブページとコーポレートサイトの制作の範囲は、サービスと料金に載せています。
よくある質問
既製のテーマとオリジナルテーマでは、費用はどのくらい違いますか。
比較サイトの PRONIアイミツでは、1〜10ページ程度の小規模なサイトで、テンプレートを使う場合が5万〜15万円程度、オリジナルデザインが15万〜30万円程度とされています。オリジナルのテーマは、ページの型の数や記事の種類、管理画面の入力欄の作り込みで費用が変わります。実際の金額は依頼先と内容によって大きく違います。
有料のテーマは、会社のサイトに使ってよいですか。
多くの有料テーマは会社のサイトでの利用を想定していますが、使えるサイトの数、購入者とサイトの持ち主が違う場合の扱い、更新とサポートの期間、同梱の写真やフォントの扱いは販売元ごとに違います。購入の前に販売元の利用規約を読み、制作会社が購入する場合は誰の名義で買うかを決めておきます。
制作会社がオリジナルテーマで作ったサイトは、別の会社でも保守できますか。
WordPress のテーマは決まった仕組みに沿って作られるため、別の会社でも扱えるのが基本です。ただし作りが独特だったり、説明の資料が無かったりすると、引き継ぎに手間がかかります。契約の時点で、テーマのデータの受け渡しと、作りの説明の資料を納品物に入れておくと安心です。