ホームページの相見積もりの取り方|同じ条件で比べる依頼の書き方
ホームページの制作会社を何社かに絞り、見積もりを頼んだ。届いた見積書を並べてみると、1社は「制作一式」、1社はページごとの単価、1社は月額込みの金額で、どれが高いのか安いのか分からない。相見積もり(複数の会社から見積もりを取って比べること)でよくつまずくのは、比べられない形で見積もりが届いてしまうことです。
原因の多くは、頼み方にあります。各社に違う説明をしたり、条件を伝えなかったりすると、各社はそれぞれの想定で見積もるしかありません。この記事では、同じ条件で比べられるように相見積もりを頼む手順を、依頼文の例、届いた見積もりを並べる比較表、断り方の例文とあわせて説明します。届いた見積書の項目の意味はホームページ制作の見積書の読み方で詳しく扱っているので、ここでは頼み方と比べる段取りに絞ります。
相見積もりの手順
| 手順 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 社内で条件を決める | 目的、ページ、素材、予算、時期を1枚にまとめる |
| 2 | 依頼する会社を絞る | 実績や対応の範囲で2〜3社に |
| 3 | 同じ依頼文を同じ日に送る | 見積もりの形と締め切りも指定する |
| 4 | 質問への答えを全社に共有する | 1社に答えたことは、他社にも伝える |
| 5 | 届いた見積もりを1枚の表に並べる | 初期費用と月額、条件を同じ欄で見る |
| 6 | 気になる点を質問し、決める | 金額だけで決めない |
| 7 | 結果を全社に伝える | 選ばなかった会社にもお礼と連絡を |
手順1:社内で条件を決める
見積もりの差の多くは、条件の差から生まれます。各社に同じものを見積もってもらうために、次のことを先に決めます。
- 目的:問い合わせを増やしたい、採用の応募を増やしたい、会社の説明に使いたい
- ページの案:載せたい内容と、ページ数の見込み
- 機能:問い合わせフォーム、お知らせの更新、予約など。「必須」と「あればよい」に分ける
- 素材:原稿と写真を自社で用意するか、頼むか
- 公開後の運用:自社で更新するか、頼むか
- 予算の幅:制作費と月額を分けて
- 公開したい時期:理由も添えて
本格的に提案を比べたい場合は、ホームページ制作の提案依頼書(RFP)の書き方の形でまとめると、提案の中身まで比べられます。数ページのサイトなら、次の依頼文の形で十分です。
手順2:依頼する会社を絞る
相見積もりは、2〜3社に頼むのが扱いやすい数です。多すぎると、質問への対応や比べる作業に手が回らなくなり、制作会社の側にも手間をかけさせます。見積もりを頼む前に、制作実績、近い業種の経験、名義や著作権の考え方で絞り込んでおきます。絞り込みの観点はホームページ制作会社の選び方で説明しています。
手順3:依頼文の書き方と例
依頼文には、条件だけでなく、見積もりの形と締め切りを書きます。形を指定しておくと、届いた見積もりを同じ欄で並べられます。
件名:ホームページ制作のお見積もりのお願い(【会社名】)
【会社名】の【氏名】です。当社のホームページの制作について、お見積もりをお願いいたします。今回は3社にお願いしており、同じ内容をお送りしています。
・目的:【問い合わせを増やす など】 ・ページの案:トップ、会社紹介、事業紹介(〇種類)、事例、よくある質問、問い合わせ(全〇ページ程度) ・機能:問い合わせフォーム(必須)、お知らせを自社で更新できること(必須) ・素材:原稿は当社で用意します。写真は撮影をお願いしたいと考えています ・公開後:お知らせの更新は当社で行い、それ以外の修正はお願いしたいと考えています ・予算:制作費は税込で〇〇万〜〇〇万円を想定しています ・公開の希望:〇年〇月(理由:【新しい事業の開始】)
お見積もりは、次の形でいただけますと幸いです。
- 公開までの費用(項目ごとの内訳)
- 公開後に毎月・毎年かかる費用(項目ごと)
- 修正の回数と、超えたときの料金
- ドメインとサーバーの名義、著作権の扱い
- 制作の期間の目安
ご質問は〇月〇日までにメールでお寄せください。いただいたご質問と回答は、ほかの会社にも同じようにお伝えします。お見積もりは〇月〇日までにお送りください。
予算を書くかどうか迷う人もいますが、幅で書いておくと、各社が同じ規模で考えるので比べやすくなります。
手順4:質問への答えを全社に共有する
依頼文を送ると、制作会社から質問が来ます。1社からの質問に答えたら、その答えはほかの会社にも同じように伝えます。情報に差があると、見積もりの差が会社の差なのか、情報の差なのか分からなくなるからです。打ち合わせをする場合も、各社に同じ時間を取ります。
手順5:届いた見積もりを1枚の表に並べる
見積書は会社ごとに書き方が違うので、そのまま見比べず、同じ欄の表に書き写します。
| 比べる欄 | A案 | B案 | C案 |
|---|---|---|---|
| 公開までの費用(税込) | |||
| 月額・年額の費用 | |||
| 3年間の合計 | |||
| ページ数 | |||
| 原稿・撮影の扱い | |||
| 修正の回数と超えたときの料金 | |||
| 自社で更新できる範囲 | |||
| ドメイン・サーバーの名義 | |||
| 著作権(27条・28条を含むか) | |||
| 期間の目安 | |||
| 担当者と連絡の方法 |
3年間の合計の欄が大事です。公開までの費用が安くても、月額が高ければ、3年で逆転することがあります。著作権の欄は、著作権法の第27条・第28条の権利まで含めて移すと書かれているかを見ます。名義は、契約の前に提案のとおりかを確かめ、公開した後は .jp のドメインなら JPRS の WHOIS で登録者を見られます。
空欄が残ったら、それがその会社に聞くべき質問です。
手順6:金額だけで決めない
表がそろったら、金額だけでなく、条件の違いで判断します。
- 安い見積もりは、何が含まれていないのか(原稿、撮影、修正の回数、公開後の更新)
- 高い見積もりは、何に費用がかかっているのか(調査、撮影、設計、運用の支援)
- 名義と著作権の扱いは、自社の今後の使い方に合っているか
値引きを頼みたいときは、他社の見積書を見せて「これより下げてほしい」と迫るより、「この範囲を自社でやるので、その分を外せるか」「ページを減らすといくらになるか」と、範囲で相談するほうが話が進みます。他社の見積書は、その会社が自社のために作った資料なので、ほかの会社に渡すのは控えます。
個人のフリーランスに頼むことになった場合は、2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法により、発注する事業者は、業務の内容、報酬の額、支払期日などを書面やメールで明示する必要があります。
手順7:結果を全社に伝える
見積もりには、どの会社も時間をかけています。決まったら、選ばなかった会社にもなるべく早く連絡します。
件名:お見積もりの件(【会社名】)
先日はお見積もりをいただき、ありがとうございました。社内で検討した結果、今回は別の会社にお願いすることになりました。ご丁寧なご提案をいただいたにもかかわらず、申し訳ございません。またご相談させていただく機会がありましたら、よろしくお願いいたします。
決め手を聞かれたら、「公開後の更新の進め方が当社に合っていた」のように一言で伝えれば十分です。他社の金額や見積書の中身を伝える必要はありません。
依頼する前に確かめる項目はホームページ制作を頼む前に確かめる10項目にまとめています。
Lapisデザインラボでも、相見積もりでのご依頼を承ります。費用の目安は概算のお見積りで確かめられます。
よくある質問
相見積もりを取ることは、制作会社に伝えたほうがよいですか。
伝えておくのが誠実で、話も早く進みます。「3社にお願いしています」と伝えると、制作会社は比べられる前提で、内訳の分かる見積もりを出しやすくなります。社名まで伝える必要はありません。
ホームページの相見積もりは何社に頼むのがよいですか。
2〜3社が扱いやすい数です。多すぎると、質問への対応や比べる作業に手が回らず、制作会社の側にも負担がかかります。事前に実績や対応の範囲で絞り込んでから、見積もりを頼みます。
選ばなかった制作会社には、どう断ればよいですか。
結果が決まったら、なるべく早くメールで伝えます。見積もりへのお礼、今回は別の会社に頼むこと、差し支えなければ決め手を一言添えると丁寧です。他社の金額や見積書の中身を伝える必要はありません。