会社やお店のキャラクターを作るとき|費用・権利・使い方の決めごと

/ Lapisデザインラボ

会社やお店のキャラクターは、ロゴよりも親しみやすく、説明役や案内役として、ホームページ、チラシ、店頭、商品のパッケージまで幅広く使えます。一方で、作ったあとに「新しいポーズが欲しいのに、描いた人に連絡がつかない」「似た名前のキャラクターがすでにあった」「社員がそれぞれ勝手に描き足して形が崩れた」といったことが起きやすいのも、キャラクターの特徴です。

この記事では、会社やお店のキャラクターを作るときに、費用が何で決まるか、デザインと名前の権利をどう押さえるか、そして長く使うための使い方のルールを、作る前・作るとき・作ったあとの順にまとめます。権利の説明は文化庁と特許庁の資料に沿っていますが、個別の判断は弁護士や弁理士に相談してください。

作る前に決めておくこと

キャラクターは、ロゴと違って「育てる」ものです。作る前に、次の4つを社内で決めておくと、依頼の内容も費用の見通しもはっきりします。

決めること例
何のために作るか覚えてもらう、難しい説明を分かりやすくする、商品に愛着を持ってもらう
どこで使うかホームページ、チラシ、店頭のポップ、商品のパッケージ、グッズ、着ぐるみ
誰が育てるか管理する担当者、新しい絵を誰に頼むか
どのくらい使うか期間限定のキャンペーンか、会社の顔として長く使うか

期間限定のキャンペーンなら、使う範囲を絞った簡単な形で足ります。長く使う会社の顔にするなら、設定・権利・ルールまで最初に整えておくほうが、後から困りません。

費用は何で決まるか

キャラクターの制作費用は、依頼先と作る範囲によって大きく変わります。この記事では金額の幅は示さず、見積もりを比べるための項目をまとめます。

項目中身費用が上がりやすい場合
設定づくり名前・性格・口ぐせ・プロフィール物語や世界観まで作る
デザイン案方向の違う案と、選んだ案の修正案の数や修正の回数が多い
表情・ポーズの展開笑う、困る、案内する、お辞儀するなど種類が多い、季節ごとの衣装まで作る
三面図正面・横・後ろの姿立体物や着ぐるみにする前提
立体化着ぐるみ、ぬいぐるみ、フィギュア製作は別の会社になることが多く、別の費用
使い方のルール色の値、禁止の使い方、申請の流れ社外にも使わせる前提で作る
権利の扱い著作権の譲渡、二次利用の範囲譲渡や幅広い二次利用を含む

作ったあとにも、新しい表情やポーズの追加、季節の絵、商標の出願、着ぐるみの手入れなど、続けてかかる費用があります。最初の見積もりとは別に、毎年の予算として見込んでおきます。

頼むときの進め方

  1. 目的・使う場面・会社の考え方を伝える(ロゴやコーポレートカラーがあれば、それと合わせる)
  2. 方向の違うデザイン案を見て、育てる1案を選ぶ
  3. 名前と設定を決める(名前は、決める前に商標の登録を調べる)
  4. 表情・ポーズ・三面図を作る
  5. 使い方のルールをまとめる
  6. 権利の扱いを契約で確かめて、データを受け取る

色や書体をロゴや名刺とそろえておくと、キャラクターが会社の見た目から浮きません。見た目のそろえ方はブランドガイドラインとはで説明しています。

権利:デザインは著作権、名前と絵の目印は商標

キャラクターの権利は、著作権と商標を分けて考えます。

権利何を守るか押さえ方
著作権描かれたキャラクターの絵描いた人から譲り受ける(第27条・第28条の権利を含めて)
商標権商品・サービスの目印としての名前や絵使う商品・サービスの区分を選んで、特許庁に出願する

著作権:二次的な展開まで見越して譲り受ける

文化庁の著作権テキスト(令和8年度版)が説明するとおり、著作権は描いた人に、手続き無しで自動的に生じます。外部のデザイナーやイラストレーターに頼んだキャラクターを自社で自由に使うには、著作権の譲渡を受ける取り決めが要ります。

キャラクターは、新しいポーズを描き起こす、立体にする、動きをつけるなど、もとの絵をもとにした展開が多くなります。著作権法第61条第2項により、翻案などの権利(第27条)と二次的著作物の利用に関する権利(第28条)は、契約で特に書かれていないと譲渡した側に残ると推定されます。キャラクターでは特に、**「第27条及び第28条の権利を含む」**と書かれているかを確かめます。条文の読み方はロゴの著作権は誰のものかにまとめています。

あわせて、作者の名前を表示するか、どこまで手直ししてよいか(著作者人格権の扱い)、元の作者に続けて絵を頼める関係を保つかも決めておきます。

商標:名前と絵を、作る物の区分で守る

キャラクターの名前や絵を、他社に同じように使われないようにするには、商標の出願を考えます。商標は、使う商品・サービスの「区分」ごとに出願します。特許庁の区分解説では、たとえば次のように分かれています。

作る物の例区分
文房具、シール、カレンダーなどの紙製品第16類(紙、紙製品及び事務用品)
Tシャツなどの衣類第25類(被服及び履物)
ぬいぐるみなどのおもちゃ第28類(がん具、遊戯用具及び運動用具)

本業の商品・サービスの区分に加えて、グッズを作るならその区分も検討します。名前は文字の商標として、絵は図形の商標として、別々に出願することもあります。出願の前に、J-PlatPat で同じか似た名前や図形が登録されていないかを調べます。出願の手順と特許庁に納める料金はロゴの商標登録は必要かにまとめています。

長く使うための使い方のルール

キャラクターは、社内のいろいろな人が使ううちに、色が変わったり、体の比率が崩れたりしがちです。ロゴの使用規定と同じように、使い方のルールを1つの資料にまとめておきます(ロゴの規定の作り方はロゴの使用規定の作り方が参考になります)。

項目書くこと
基本の姿三面図、頭と体の比率、必ず守る特徴
色印刷用と画面用の色の番号
表情・ポーズの一覧使ってよい絵の一覧と、置き場所
設定名前の表記、性格、話し方、してはいけない言動
禁止の使い方形を伸ばす・切る、色を変える、ほかのキャラクターと混ぜる、品位を損なう場面に使う
社外の人が使うとき取引先やメディアに使わせるときの申請の流れ、表示する権利の記載
管理管理の担当者、新しい絵を頼む先、データの保管場所

良い例と避けたい例

  • 良い例:使ってよい表情とポーズを一覧にして共有のフォルダに置き、新しい絵は管理の担当者を通して頼む
  • 良い例:設定に「話し方」「言わないこと」まで書き、チラシの吹き出しの文がぶれないようにした
  • 避けたい例:社員がそれぞれ似顔絵風に描き足し、店舗ごとに姿が違ってしまった
  • 避けたい例:作者との契約で権利を決めないまま着ぐるみを作り、後で作者と揉めた

作る前のチェックリスト

  • 何のために、どこで、どのくらいの期間使うかを決めた
  • 見積もりに、設定・案の数・表情とポーズの数・三面図・ルールづくりが含まれているか確かめた
  • 著作権の譲渡に、第27条・第28条の権利が含まれている
  • 作者の名前の表示と、手直しの範囲を決めた
  • 名前と絵が、J-PlatPat で似たものと重ならないか調べた
  • グッズを作るなら、その区分での出願を検討した
  • 使い方のルールと、管理の担当者を決めた

まとめ

  • キャラクターは育てるもの。目的・使う場面・管理する人・使う期間を先に決める
  • 費用は、設定・案の数・表情とポーズの数・三面図・立体化・ルール・権利で変わり、作ったあとにも続けてかかる
  • 絵の著作権は、二次的な展開を見越して第27条・第28条の権利を含めて譲り受ける
  • 名前と絵は、本業とグッズの区分を選んで商標の出願を検討する
  • 使い方のルールを1つの資料にまとめ、管理の担当者を通して使う

Lapisデザインラボでは、ロゴや名刺・販促物の見た目をそろえる制作をサービスと料金にまとめています。

よくある質問

キャラクターを作るとき、費用は何で変わりますか。

名前や性格などの設定をどこまで作るか、デザイン案の数、表情やポーズを何種類描くか、正面・横・後ろの姿(三面図)を作るか、着ぐるみや立体物にするか、使い方のルールまで作るか、権利をどう扱うかで変わります。作ったあとの絵の追加や商標の出願にも費用がかかるので、最初の見積もりとは別に見込んでおきます。

キャラクターは商標登録したほうがよいですか。

グッズを作る、広告や商品に大きく使うなど、長く広く使うなら検討の価値があります。商標は使う商品・サービスの区分ごとに出願するので、たとえば文房具やシールなら第16類、Tシャツなら第25類、ぬいぐるみなどのおもちゃなら第28類のように、作る物に合わせて区分を選びます。名前と絵を別々に出願することもあります。

キャラクターの新しいポーズを、別のデザイナーに描いてもらってもよいですか。

キャラクターの著作権をどう取り決めたかによります。著作権法第27条・第28条の権利を含めて譲り受けていれば、別の人に描いてもらいやすくなります。取り決めが無いと、新しいポーズを描き起こすことが元の作者の権利に関わり得るので、最初の契約で決めておくことが大切です。

参考にした資料

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