会社の書体の決め方|ロゴ・資料・サイトで使う文字をそろえる

/ Lapisデザインラボ

会社の書体を決めると何が変わるか

名刺は明朝体、チラシは丸ゴシック、提案書はパソコンに最初から入っていたゴシック体。こうして書体がばらばらだと、同じ会社が出したものに見えにくくなります。ロゴや色をそろえても、文字の印象が違えば、全体の印象もそろいません。

会社として使う書体を決めたものを、コーポレートフォントと呼びます。この記事では、どんな役割の書体を決めればよいか、ブランドに合う書体の選び方、社内のパソコンやホームページで使えるかの確かめ方、決めるまでの手順を順にまとめます。最後に、ブランドガイドに書く項目とチェックリストを載せます。

書体を商用で使うときのライセンスはフォントのライセンスで注意すること|商用利用とロゴへの使用、ホームページでの表示はホームページのフォントの選び方|Webフォントと端末のフォントで扱っています。ここでは、会社として書体を決める手順に絞ります。

決めておく書体の役割

会社の書体は、1つに決めるのではなく、役割ごとに決めます。

役割使う場所選ぶときの観点
見出しの書体チラシの見出し、ホームページの大きな文字、資料の題ロゴの印象と合うか。会社らしさが出るか
本文の書体説明の文章、会社案内の本文、資料の中身長く読んでも疲れないか。小さくても読めるか
英字・数字の書体電話番号、価格、住所、英語の表記数字が読み間違えにくいか。和文と並べて違和感がないか
代わりの書体社内のパソコンで作る資料、メール、決めた書体が使えない場面どのパソコンにも入っているか。雰囲気が近いか

見出しと本文を同じ書体の太さ違いにする方法もあります。役割を分けても、全部で2〜3種類に収めると使い分けが崩れにくくなります。

4つ目の「代わりの書体」を決めておくのが実務の大事な点です。印刷物で使う書体が、社内のパソコンや受け取る人のパソコンに入っているとは限りません。入っていない書体で作った資料は、相手のパソコンで別の書体に置き換わって表示されることがあります。

ブランドに合う書体の選び方

日本語の書体は、大きく明朝体、ゴシック体、丸ゴシック体に分かれます。

書体の種類形の特徴伝わりやすい印象向いている使い方
明朝体横線が細く縦線が太い。筆の形が残る落ち着き、上品、伝統見出し、長い文章を紙で読ませるもの
ゴシック体線の太さがほぼ均一はっきり、現代的、親しみ見出しも本文も。画面や小さい文字
丸ゴシック体ゴシック体の角が丸いやわらかい、やさしい見出し、子ども向けや暮らしの案内

選ぶときは、次の順に考えると迷いにくくなります。

  • ロゴと並べて合うか: ロゴの文字が直線的なら角のある書体、やわらかい形なら丸みのある書体が合わせやすくなります
  • 読みやすさ: 本文の書体は、印象より読みやすさを優先します。モリサワは、ユニバーサルデザイン(UD)の考え方で作った同社の書体を、「文字のかたちがわかりやすいこと」「文章が読みやすいこと」「読み間違えにくいこと」をコンセプトに開発したと説明しています。案内や料金表など、読み間違えが困る文書には UD書体も候補になります
  • 太さの種類: 見出しと本文で太さを変えられるよう、太さの種類がそろっている書体を選びます
  • 使える環境とライセンス: 印刷物、社内の資料、ホームページのそれぞれで使えるかを確かめます

たとえば、制作事例の潮見会計事務所(架空の事務所を想定した自主制作)では、事務所名と見出しに Zen Kaku Gothic New、本文と肩書に Noto Sans JP を使い、役割で書体を分けています。

使える環境を確かめる

決めた書体が、どこで使えるかを媒体ごとに確かめます。

印刷物: 制作会社や印刷会社が、その書体を持っているか、ライセンスで使えるかを確かめます。ロゴに使う書体は、とくに使用許諾の確認が大切です。

社内の資料: 社内のパソコンに入っているかを確かめます。Microsoft の Windows 11 のフォント一覧では、游ゴシックは基本のフォントとして、游明朝、メイリオ、BIZ UDゴシック、BIZ UD明朝は日本語の追加のフォントとして載っています。どれが入っているかはパソコンの設定や機種、Mac かどうかでも変わるため、実際に社内のパソコンで開いて確かめます。

ホームページ: Webフォントとして使えるか、端末に入っている書体で代わりにするかを決めます。

会社の書体を決める手順

  1. いま使っている書体を洗い出す: 名刺、封筒、チラシ、会社案内、ホームページ、よく使う提案書を並べ、使われている書体を書き出します
  2. 伝えたい印象を決める: ロゴの形と、会社として伝えたい印象(落ち着き、親しみなど)を言葉にします
  3. 候補を2〜3組出す: 見出しと本文の組み合わせで候補を出します
  4. 使える環境とライセンスを確かめる: 印刷、社内のパソコン、ホームページのそれぞれで使えるかを調べます
  5. 試しに組んで比べる: 名刺1枚、資料1ページ、ホームページの1画面を、候補の書体で作って見比べます
  6. 代わりの書体を決める: 決めた書体が使えない場面で使う書体を、雰囲気の近いものから選びます
  7. ガイドに書き、ひな形に入れる: 書体の名前と役割をブランドガイドに書き、社内の資料のひな形にも設定します
  8. 社内に知らせる: どの書体をどこで使うかを、資料を作る人に伝えます

ブランドガイドに書く項目

決めた書体は、次のような表にまとめておくと、社内でも依頼先でも同じ書体を使えます。

役割書体の名前太さ使う場所代わりの書体ライセンス
見出し〇〇太めチラシ、サイトの見出し〇〇〇〇
本文〇〇標準本文、会社案内〇〇〇〇
英字・数字〇〇標準電話番号、価格〇〇〇〇

ガイド全体に書く項目はブランドガイドラインとは|中小企業が決めておくべき項目と例にまとめています。

決めるときのチェックリスト

  • 見出し・本文・英字と数字の役割ごとに書体を決めた
  • 書体は全部で2〜3種類に収まっている
  • ロゴと並べて、印象が合っている
  • 本文の書体は、小さい文字でも読みやすい
  • 太さの種類が、見出しと本文で使い分けられるだけある
  • 印刷物、社内の資料、ホームページで使えるかを確かめた
  • 使うすべての場面で、ライセンスを確かめた
  • 決めた書体が使えない場面のための、代わりの書体を決めた
  • 書体の名前・太さ・使う場所をガイドに書いた
  • 社内の資料のひな形に、決めた書体を設定した

まとめ

  • 会社の書体は、見出し・本文・英字と数字の役割ごとに、全部で2〜3種類に決める
  • ロゴとの相性、読みやすさ、太さの種類、使える環境とライセンスの順に選ぶ
  • 社内のパソコンや相手のパソコンで使えない場面に備え、代わりの書体も決める
  • 決めた書体はガイドに書き、資料のひな形に入れて、社内に知らせる

Lapisデザインラボのロゴ・名刺・販促物のプランには、色・書体・写真の使い方をまとめたブランドガイドが含まれています。内容はサービスと料金をご覧ください。

よくある質問

コーポレートフォントとは何ですか。

会社として使うと決めた書体のことです。名刺やチラシ、社内の資料、ホームページで同じ書体を使うと、どこで見ても同じ会社だと分かりやすくなります。専用の書体を作る会社もありますが、小さな会社では、市販や無料の書体の中から使うものを決めるのが一般的です。

会社で使うフォントは、何種類に決めればよいですか。

見出し用と本文用の2種類に、英字と数字用を加えた2〜3種類が扱いやすい数です。多すぎると使い分けが崩れます。加えて、社内のパソコンやメールなど、決めた書体が使えない場面のための代わりの書体も決めておきます。

印刷物とパワーポイントで同じフォントが使えないときは、どうすればよいですか。

社内のパソコンに入っていない書体は、資料を受け取った人のパソコンで別の書体に置き換わることがあります。印刷物用の書体とは別に、社内の資料で使う代わりの書体を決め、雰囲気の近いものを選んでおきます。どの書体を使ってよいかは、ライセンスもあわせて確かめます。

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