ロゴの使用規定の作り方|余白・最小サイズ・色違い

/ Lapisデザインラボ

ロゴを作ったあと、名刺・チラシ・看板・ホームページ・取引先の資料など、ロゴはさまざまな人の手で使われます。使い方の決まりが無いと、引き伸ばされたり、色が変わったり、写真の上で読めなくなったりして、せっかくのロゴの印象が崩れていきます。それを防ぐのが、ロゴの使用規定(ロゴレギュレーション)です。

この記事では、ロゴの使用規定に書く項目を、基本の形・余白(アイソレーション)・最小サイズ・色の指定・背景との組み合わせ・禁止事項に分けて、決め方の目安とあわせて説明します。見た目全体の決まりをまとめる文書についてはブランドガイドラインとはで扱っているので、ここではロゴだけの決まりに絞ります。

使用規定に書く項目

ロゴの使用規定に書く主な項目は次のとおりです。省庁や公的機関が公開しているロゴの使用規定(たとえば科学技術振興機構のムーンショット型研究開発事業の「ロゴ使用ガイドライン」、2023年3月8日更新)を見ても、おおむね同じ項目が並んでいます。

項目書くこと
基本の形横組み・縦組み、シンボルマークだけ・ロゴタイプだけを使ってよいか
余白(アイソレーション)ロゴの周りに、ほかの要素を置かない範囲
最小サイズ印刷物と画面で、これより小さくしない大きさ
色の指定カラー・白黒・白抜きの各版と、色の値
背景との組み合わせどの背景の上にどの版を置くか
禁止事項変形・色の変更・効果の追加など、してはいけない使い方
データの置き場所と問い合わせ先正しいデータをどこから取るか、迷ったら誰に聞くか

中小企業なら、この7項目をA4 1〜2枚にまとめれば十分です。

基本の形

最初に、ロゴにどの形があるかを並べ、それぞれの使い方を決めます。

  • 基本形:もっとも優先して使う形(多くは、シンボルマークとロゴタイプを組み合わせた横組み)
  • 縦組み:縦長の場所で使う形
  • シンボルマークだけ/ロゴタイプだけ:単独で使ってよいか、使ってよい場面はどこか

先の公的機関の例では、ロゴマークとロゴタイプは切り離さず組み合わせて使い、配置や大きさの関係は変えないこと、ロゴマークの単独使用は原則認めず、ファビコンのように小さく表示しなければならない場合を例外にすることが定められています。自社でも、「シンボルマークだけを使うのは、SNS のアイコンとファビコンに限る」のように、場面で決めておくと迷いません。ロゴの形の種類はロゴの種類で整理しています。

余白(アイソレーション)

アイソレーション(アイソレーションエリア、クリアスペースとも)は、ロゴの周りに確保する、ほかの文字や図形を置かない余白です。余白が無いと、ロゴがほかの要素に紛れて、印として目に入りにくくなります。

決め方のコツは、ロゴの一部を基準にした比率で書くことです。

  • 例:「ロゴタイプの文字の高さを X とし、ロゴの上下左右に X 以上の余白をとる」
  • 例:「シンボルマークの幅の2分の1以上の余白をとる」

ミリ数で決めると、ロゴを大きくしたり小さくしたりしたときに合わなくなります。比率で決めておけば、どの大きさでも同じ考え方で守れます。先の例でも、決めた範囲は「最小限」であり、その外でもロゴの近くには強い図形や文字を置かず、できるだけ広い余白をとるよう求めています。

最小サイズ

最小サイズは、これより小さくすると文字や線がつぶれて読めなくなる下限の大きさです。印刷物と画面で別々に決めます。

媒体決める単位確かめ方
印刷物横幅(または高さ)のミリ数実際に縮めて家庭用や事務所のプリンターで印刷し、文字が読めるか見る
画面横幅のピクセル数スマートフォンとパソコンで表示し、文字や細い線が消えないか見る

最小サイズは、ロゴの細かさで大きく変わります。細い線や小さな文字を含むロゴほど、最小サイズは大きくなります。最小サイズより小さく使わなければならない場面(ファビコン・SNS のアイコン・刻印など)があるなら、「その場合はシンボルマークだけの形を使う」のように、小さい場面用の決まりもあわせて書きます。サイトのアイコンの作り方はファビコンの作り方とサイズを参照してください。

色の指定と背景との組み合わせ

色の版と値

ロゴの色は、版ごとに用意し、色の値を書いておきます。

版使う場面
カラー版基本。白や明るい背景の上
白黒版(スミ1色)単色の印刷・ファクス・新聞広告
白抜き版濃い色の背景や、写真の上

色の値は、印刷用の CMYK、画面用の RGB(16進数のカラーコード)、必要なら特色(DIC・PANTONE などの番号)を並べて書きます。画面と印刷で色の決め方が違う理由は画面と印刷で色が違う理由、色そのものの決め方はコーポレートカラーの決め方にまとめています。

背景との組み合わせ

どの背景にどの版を置くかを、見本の図で示します。

  • 白や明るい背景 → カラー版
  • 濃い色の背景 → 白抜き版
  • 写真の上 → 文字が読める明るさ・暗さの部分に白抜き版。読みにくい写真の上には置かない
  • コーポレートカラーの背景 → 白抜き版(同じ色のロゴを重ねない)

禁止事項

してはいけない使い方を、悪い例の図つきで並べます。先の公的機関の例を含め、多くの使用規定に共通する禁止事項は次のとおりです。

  • 縦や横に引き伸ばす、つぶす(変形)
  • 傾ける、回転させる、反転させる
  • 色を変える(一部だけでも)
  • シンボルマークとロゴタイプの位置関係・大きさの比率を変える
  • 文字の大きさや間隔を変える、別の書体に置き換える
  • 影・立体・グラデーション・ふちどりなどの効果を付ける
  • 読みにくい背景や、柄の強い写真の上に置く
  • 余白の中に文字や図形を置く
  • ロゴを模様として繰り返し並べる

文章だけで書くより、実際にロゴを崩した図を並べるほうが、伝わり方が大きく違います。ロゴを作った制作会社に、悪い例の図も作ってもらいます。

A4 1枚にまとめる例と、渡し方

中小企業なら、次の並びでA4 1枚に収められます。

  1. 上段:基本形と縦組み(余白の範囲を点線で示す)
  2. 中段:カラー版・白黒版・白抜き版と、色の値
  3. 中段の右:最小サイズ(印刷物○mm・画面○px)
  4. 下段:禁止事項の悪い例を6〜8個
  5. 最下段:データの置き場所と問い合わせ先

取引先や印刷会社、看板の会社にロゴを渡すときは、ロゴのデータと使用規定を必ずセットで渡します。データの形式は、ベクター形式(AI・SVG・PDF)を基本にし、ホームページ用に PNG を添えます。渡すデータの種類はロゴのデータ形式にまとめています。

なお、使用規定は法律で求められる書類ではなく、社内外での使い方をそろえるための決まりです。そのぶん、作るかどうか、どこまで細かく書くかは自社で決められます。

まとめ

ロゴの使用規定には、基本の形・余白(アイソレーション)・最小サイズ・色の版と値・背景との組み合わせ・禁止事項・データの置き場所を書きます。余白はロゴの一部を基準にした比率で、最小サイズは印刷物と画面で別々に、実際に縮めて確かめて決めます。禁止事項は悪い例の図で示し、ロゴのデータを渡すときは使用規定と必ずセットにしてください。

Lapisデザインラボのロゴの制作では、ロゴのデータ一式とあわせて、ロゴの使い方のガイド(A4 1枚)をお作りしています。内容は料金プランをご覧ください。

よくある質問

ロゴのアイソレーションとは何ですか。

ロゴの周りに確保する、ほかの文字や図形を置かない余白のことです。「アイソレーションエリア」「クリアスペース」とも呼びます。余白の幅は、ロゴの一部の高さ(たとえばロゴタイプの文字の高さ)を基準にして「その何倍」と決めておくと、ロゴを拡大・縮小しても同じ比率で守れます。

ロゴの最小サイズは、どうやって決めればよいですか。

実際にロゴを縮めて印刷し、画面に表示して、文字や線がつぶれずに読める下限を確かめて決めます。印刷物は横幅のミリ数、画面は横幅のピクセル数で、別々に決めるのが一般的です。最小サイズより小さく使う場面(ファビコンなど)があるなら、シンボルマークだけの形を使うなど、小さい場面用の決まりも書いておきます。

ロゴの使用規定とブランドガイドラインは、何が違いますか。

ロゴの使用規定(ロゴレギュレーション)は、ロゴの使い方だけをまとめたものです。ブランドガイドラインは、ロゴに加えて、色・書体・写真の選び方など、見た目全体の決まりをまとめた、より広い範囲の文書を指します。中小企業では、まずロゴの使用規定をA4 1枚で作り、必要になったらブランドガイドラインへ広げる進め方もあります。

参考にした資料

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