ロゴの縦型と横型|組み合わせの種類と使う場所の決め方

/ Lapisデザインラボ

ロゴを作ると、制作会社から「横組み」「縦組み」「シンボルマーク単体」のように、同じロゴをいくつかの並べ方で納品されることがあります。逆に、横長の1種類しか受け取っておらず、正方形のSNSアイコンや縦長ののぼりに入れようとして困る、という場面も起こりがちです。

この記事では、ロゴのマーク(図形)と文字の並べ方の種類と、それぞれをどこで使うかを整理します。何種類用意すればよいか、作るときに決めておく比率や間隔、商標登録との関係、納品のときに確かめることまでをまとめました。ロゴそのものの種類(シンボルマーク・ロゴタイプ・エンブレムなど)はロゴの種類で説明しているので、ここでは「並べ方」に絞ります。

ロゴの「組み合わせ」とは

多くの会社やお店のロゴは、図形の印であるシンボルマークと、社名や店名の文字をデザインしたロゴタイプの2つでできています。この2つを、どの位置に、どの大きさの比率で、どれだけ間を空けて並べるかを決めて固定したものを、ロゴの「組み合わせ」と呼びます。デザインの現場では、英語でロックアップ(lockup)と呼ぶこともあります。

組み合わせを固定しておく理由は、使う人ごとにマークと文字を好きな位置に並べると、毎回少しずつ違うロゴになってしまうからです。並べ方を「型」として決め、データで渡しておけば、誰が使っても同じ姿で表示されます。

組み合わせの主な種類

よく使われる組み合わせは、次の5つです。

種類並べ方全体の形向いている場所
横組み(横型)マークを左、文字を右に並べる横長ホームページの上部、名刺、横長の看板、書類のヘッダー
縦組み(縦型)マークを上、文字を下に重ねる正方形に近い・縦長正方形の画像、のぼり、袖看板、パンフレットの表紙
シンボルマークだけ図形の印のみ正方形・円SNSのアイコン、ファビコン、制服の胸元、スタンプ
ロゴタイプだけ文字のみ細長い封筒の隅、帳票、横に細長い帯
一言を添えた形横組みや縦組みの下に、短い説明(タグライン)や英語表記を足す組み合わせによる会社案内の表紙、展示会のパネル、動画の最後

このうち、中小企業でまず用意したいのは、横組み・縦組み・シンボルマークだけの3つです。ロゴタイプだけの形は、文字だけで十分に伝わる会社や、横に細長い場所が多い会社で足します。一言を添えた形は、文字が小さくなりやすいので、大きく使う場面に限るのが安全です。

なお、ここでいう「縦組み」は、マークと文字を上下に重ねる並べ方のことです。社名の文字を縦書きにすることとは別の話です。和文の社名を縦書きにした形が必要な場合(縦長の看板や和風の店構えなど)は、それも別の組み合わせとして作ってもらいます。

何種類用意すればよいか

組み合わせの数は、並べ方の種類に色の違い(カラー・1色・白抜き)を掛け合わせた数になります。並べ方を3つにすると、色違いを含めて9種類ほどになります。

会社やお店の状況並べ方色の違い合計の目安
店舗が1つ、使う場所が少ない横組み・シンボルマークだけカラー・1色・白抜き6種類
看板・名刺・サイト・SNSを一通り使う横組み・縦組み・シンボルマークだけカラー・1色・白抜き9種類
展示会や商品展開が多い上記に、ロゴタイプだけ・一言を添えた形を足すカラー・1色・白抜き15種類前後

種類は多ければよいわけではありません。似た形がいくつもあると、社内や取引先で「どれを使えばよいのか」と迷い、結局ばらばらに使われることになります。使う場所の一覧を先に作り、その場所に必要な形だけを用意するのが無駄のない決め方です。色違いの使い分けはロゴの使用規定の作り方で詳しく説明しています。

使う場所ごとの選び方

置き場所の縦横の比率を見て、ロゴをいちばん大きく表示できる形を選ぶのが基本の考え方です。横長の場所に縦組みを置くと、ロゴが小さくなり、左右に空白が残ります。

使う場所選ぶ形理由
名刺の表面横組み横長の紙面に収まりがよく、社名が読みやすい
ホームページの上部(ヘッダー)横組み高さが限られた横長の帯に置くため
スマートフォン表示のヘッダー横組み、狭ければシンボルマークだけ画面幅が狭く、文字がつぶれやすい
SNSのアイコン・ファビコンシンボルマークだけ正方形や円に切り抜かれ、とても小さく表示される
横長の看板・店頭のテント横組み遠くから社名を読ませたい
袖看板・のぼり・縦長のポスター縦組み縦長の場所で大きく見せられる
正方形のSNS投稿画像縦組み正方形に近い形で収まる
制服の胸元・帽子シンボルマークだけ、または横組みの小さい版刺繍は細かい文字がつぶれやすい
封筒・帳票の隅横組み、またはロゴタイプだけ横に細長い余白に置くことが多い
スタンプ・焼き印・シールシンボルマークだけ、または縦組みの1色版1色で、小さな丸や四角に収める

シンボルマークだけの形は、社名が知られていないうちは誰の印か伝わりません。SNSのアイコンのように名前が横に表示される場所では使いやすい一方で、制服やスタンプなど名前が添えられない場所では、縦組みの1色版を使う選択肢もあります。サイトのアイコンの作り方はファビコンの作り方とサイズにまとめています。

組み合わせを作るときに決めること

縦組みや横組みは、マークと文字を並べ直せばできるように見えますが、実際には形ごとに次のことを決め直します。

  1. マークと文字の大きさの比率:横組みでは文字の高さをマークの何分の1にするか、縦組みでは文字の幅をマークの幅とどう揃えるか
  2. マークと文字の間隔:近すぎると窮屈に、遠すぎると別々のものに見える。マークの一部の寸法を基準に「その何倍」と決める
  3. 揃える位置:横組みでは文字の上下の中心をマークのどこに合わせるか、縦組みではマークと文字の左右の中心を揃えるか
  4. 社名が長いときの扱い:1行に収めると文字が小さくなる場合は、2行に分けた形を用意する
  5. 小さいときの形:一定の大きさより小さく使うときは、細い線を省いた簡略版や、シンボルマークだけに切り替える

良い例と悪い例

  • 良い例:縦組みでは文字をやや大きくし直し、マークと文字の幅の印象が揃っている。間隔はマークの高さを基準に決めてあり、どの大きさでも同じ比率で表示される
  • 悪い例:横組みのマークと文字をそのまま上下に積んだだけで、文字が細く小さく、マークとの間が空きすぎている。使う人によって間隔が毎回違う

公的機関が公開しているロゴの使用規定にも、同じ考え方が見られます。たとえば科学技術振興機構のムーンショット型研究開発事業のロゴ使用ガイドラインでは、ロゴマークとロゴタイプを切り離さずに組み合わせて使うこと、組み合わせには縦組みと横組みの2つがあり、文字の配置や大きさの関係は変えられないことが定められています。ロゴマークの単独使用は原則として認めず、ファビコンのように小さく表示しなければならない場合を例外にしています。自社でも、「どの形を、どこで使ってよいか」をこのように文章で決めておくと迷いません。

商標登録との関係

ロゴを商標登録する場合は、どの組み合わせで出願するかも考えておきます。商標法第27条では、登録商標の範囲は願書に記載した商標に基づいて定めるとされています。つまり、守られるのは基本的に出願したときの形です。

  • 横組みだけで出願し、縦組みやシンボルマークだけの形も長く使う場合、それらの形がどこまで守られるかは、形の違いによって判断が分かれることがあります
  • シンボルマークとロゴタイプを別々に出願する方法もありますが、出願ごとに費用がかかります

どの形で、いくつ出願するかは、使う場面と予算を見ながら弁理士に相談するのが確実です。出願の時期や費用の目安はロゴの商標登録は必要かにまとめています。

納品で受け取るものと確認のチェックリスト

組み合わせごとに、印刷用(拡大しても荒れないベクター形式)と画面用(PNGなど)のデータを受け取ります。ファイル名には「横組み」「縦組み」「マーク」と「カラー」「1色」「白抜き」が分かる言葉を入れておくと、社内で探しやすくなります。データ形式の違いはロゴのデータ形式を参照してください。

受け取るときは、次の点を確かめます。

  • 使う場所の一覧にある場所すべてに、合う形が用意されているか
  • 横組み・縦組み・シンボルマークだけのそれぞれに、カラー・1色・白抜きがあるか
  • 縦組みが、横組みを積んだだけになっていないか(文字の大きさと間隔が整えられているか)
  • 形ごとの余白(ほかの要素を置かない範囲)と最小サイズが決まっているか
  • どの形をどこで使うかを書いた、1枚の使い方の決まりがあるか
  • 商標登録を考えている場合、出願する形が決まっているか

まとめ

ロゴの組み合わせは、マークと文字の並べ方を「型」として固定したものです。横組み・縦組み・シンボルマークだけの3つを基本に、カラー・1色・白抜きの色違いを掛け合わせると、名刺・看板・ホームページ・SNS・制服など、ほとんどの場所に対応できます。置き場所の縦横の比率に合わせて形を選び、縦組みは横組みを積み直すのではなく、比率と間隔を決め直して作ります。どの形をどこで使うかを1枚の決まりにまとめ、商標登録をするなら出願する形も合わせて決めておきましょう。

Lapisデザインラボのロゴの制作では、ロゴのデータをカラーと白黒でお渡しし、使い方をまとめたガイドを添えています。内容は料金プランをご覧ください。

よくある質問

ロゴは横型と縦型の両方を作る必要がありますか。

必ずではありませんが、看板・名刺・ホームページ・SNSなど置き場所の形がばらばらな会社やお店では、両方あると使い回しが楽になります。横長の場所には横型、正方形や縦長の場所には縦型を使い、さらに小さな場所用にシンボルマークだけの形を持っておくのが一般的な組み合わせです。

縦型のロゴは、横型を縦に並べ替えれば作れますか。

並べ替えるだけでは、文字が小さすぎたり、マークと文字の間が空きすぎたりして、まとまりが崩れることがよくあります。縦型は縦型として、マークと文字の大きさの比率や間隔を決め直すのが基本です。ロゴを作った制作者に、最初から両方の形を作ってもらうのが確実です。

ロゴの組み合わせは、いくつ用意すればよいですか。

小さなお店なら、横組み・縦組み・シンボルマークだけの3つに、カラー・1色・白抜きの色違いを掛け合わせれば、ほとんどの場面に足ります。種類を増やしすぎると、どれを使えばよいか迷う人が出てくるため、使う場所の一覧と一緒に決めておきます。

参考にした資料

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