Google広告は自分で運用するか任せるか|手間と判断の目安
Google 広告は、管理の画面から誰でも始められます。代理店に任せれば手数料がかかり、自分で運用すれば手数料はかからない代わりに、社内の時間を使います。どちらがよいかは、広告の規模よりも、毎月の作業を社内で回せるか、判断に迷ったときに相談できる相手がいるかで決まることが多いものです。
この記事では、Google 広告を自分で運用するか任せるかを決めるために、毎月かかる作業の一覧、スマートモードで始める場合の特徴、任せても社内に残る仕事、社内の時間を含めた費用の比べ方を説明します。最後に、どちらを選んでも自社の名義で持つためのアクセス権の分け方と、判断のチェックリストをまとめました。広告費の予算そのものの決め方はGoogle広告の費用の目安で扱っています。
運用で毎月かかる作業
「運用」とは、広告を出した後に、数字を見て設定を直し続けることです。自分で運用するなら、次の作業を社内の誰かが受け持つことになります。
| 作業 | 目安の頻度 | 中身 |
|---|---|---|
| 検索語の確認 | 毎週 | 実際にどんな語で検索されて広告が出たかを見て、関係のない語を広告の対象から外す(除外キーワード) |
| 費用の確認 | 毎週 | 予算どおりに使われているか、1日に使いすぎていないか |
| 予算と入札の見直し | 毎月 | 問い合わせにつながった語に予算を寄せ、つながらない語を減らす |
| 広告文の手直し | 毎月 | 季節やキャンペーンに合わせて文を直す。料金や条件が変わったら必ず直す |
| 審査への対応 | 随時 | 広告がポリシーに合わないとして止められたときに、文やページを直して再審査を求める |
| 請求と支払いの確認 | 毎月 | 明細書のダウンロード、カードの期限の確認 |
| 問い合わせとの突き合わせ | 毎月 | 広告から来た問い合わせが、実際に仕事につながったかを社内で確かめる |
このほか、始めるときには、アカウントの作成、キャンペーンの設計、検索語の選定、広告文の作成、問い合わせの数を数える設定が要ります。始めの1〜2か月は設定の直しが多く、手間が増えやすい時期です。支払いと請求書の扱いはGoogle広告の支払い方法と請求書にまとめています。
スマートモードで自分で始める場合
広告の運用に慣れていない会社向けに、Google 広告には「スマートモード」があります。2026年10月時点の Google 広告ヘルプでは、スマートモードで作る「スマート アシスト キャンペーン」について、次のように説明しています。
- ビジネスの情報、広告文、キーワードのテーマ、地域、予算を入れると始められる
- 検索キーワードは、Google の AI が時間の経過とともに管理し、更新する
- 広告は Google 検索、Google マップ、YouTube、Google のパートナーのサイトなどに表示される
- 料金は広告がクリックされたときにだけかかる(検索広告の場合)
- ディスプレイ ネットワークや検索パートナーでの表示を止めたい場合は、Google 広告サポートに問い合わせて無効にするよう依頼できる
つまり、スマートモードは「作業の手間を減らす代わりに、細かい設定を Google に任せる」形です。検索語を1つずつ選んだり、関係のない語を細かく外したりしたい場合は、スマートモード以外の通常のキャンペーンを使います。
| スマートモード | 通常のキャンペーン | |
|---|---|---|
| 始めるときの手間 | 少ない | 多い(設計と設定が要る) |
| 検索語の管理 | Google の AI が行う | 自分で選び、外す |
| 広告が出る場所 | 検索、マップ、YouTube、パートナーのサイトなど | キャンペーンの種類と設定で選ぶ |
| 向いている場合 | 店舗や地域のサービスで、まず出してみたい | 狙う語をはっきり決めたい、細かく直したい |
任せても社内に残る仕事
代理店に任せると、上の表の作業の多くは代理店がします。ただし、次の仕事は任せても社内に残ります。
- 商品とサービスの情報を渡す:強み、料金、対応できる地域、繁忙期。これがないと、広告文も検索語も外れやすくなる
- 問い合わせの結果を伝える:広告から来た問い合わせが仕事になったかどうかは、社内にしか分からない
- 報告を読んで判断する:予算を増やすか、止めるかを決めるのは自社
- 支払いと権限の管理:誰に何の権限を渡しているかを把握する
逆に言えば、この4つを社内で回せない状態で任せると、代理店も判断の材料がなく、運用が形だけになりがちです。任せる先の比べ方は広告運用代行の選び方で説明しています。
社内の時間を含めて費用を比べる
自分で運用すると手数料はかかりませんが、社内の時間がかかります。比べるときは、手数料と社内の時間をそろえて並べます。次の表は、仮の数字で計算した例です。
| 自分で運用 | 代理店に任せる | |
|---|---|---|
| 月の広告費 | 20万円 | 20万円 |
| 代理店の手数料 | 0円 | 広告費の20%なら4万円(最低料金がある場合はその額) |
| 社内の時間 | 月10時間と仮定 | 月2時間と仮定(情報の提供と報告の確認) |
| 社内の時間を時給3,000円で換算 | 3万円 | 6,000円 |
| 合計の目安 | 23万円 | 24万6,000円 |
この例では差は小さく、どちらがよいかは、社内の担当がその10時間を毎月確保できるか、迷ったときに判断できるかで決まります。広告費が少ないと、代理店の最低料金のために手数料の割合が高くなることもあります。手数料の形と相場は広告運用代行の費用相場にまとめています。
判断の目安
| 状況 | 向いている形 |
|---|---|
| 扱うサービスが少なく、地域も限られる。社内に月数時間を使える人がいる | 自分で運用(スマートモードから始める手もある) |
| サービスや地域が多い、競合の広告が多い、社内に時間がない | 代理店に任せる |
| 最初の設計だけ専門家に頼み、その後は自分で回したい | 初期設定だけを頼む、または相談だけを頼める先を探す |
| 自分で始めたが、伸び悩んで原因が分からない | アカウントを自社の名義のまま、運用を任せる |
どちらでもアカウントは自社の名義で
自分で運用するにしても任せるにしても、広告のアカウントは自社の名義で作り、自社の誰かが「管理者」として残るようにしておきます。2026年10月時点の Google 広告ヘルプでは、アクセス権を次のように分けています。
| アクセス権 | できること |
|---|---|
| 管理者 | すべての操作。ほかの人の招待と権限の変更、代理店の親アカウント(MCC)とのリンクの承認と解除 |
| 標準 | キャンペーンの編集や支払いの情報の編集。ほかの人に権限を与えること(メール専用を除く)や、サービス間のリンクの追加はできない |
| 読み取り専用 | キャンペーンや報告を見る。編集はできない |
| お支払いと請求 | 支払いの情報の表示と編集、請求の報告 |
| メール専用 | 通知のメールや報告を受け取る |
ヘルプでは、管理者が1人だけだと、その人が対応できなくなったときに困る場合があるとして、管理者を少なくとももう1人加えることを勧めています。代理店に任せる場合も、代理店には必要な範囲の権限を渡し、自社の管理者は残します。名義の考え方は広告アカウントは誰の名義にするかで詳しく説明しています。
判断のチェックリスト
- 毎週と毎月の作業を、社内の誰が受け持つか決められる
- 検索語の確認と予算の見直しに、月に何時間使えるかを見積もった
- 手数料と社内の時間を合わせた額で比べた
- 任せる場合も、商品の情報と問い合わせの結果を渡す担当を決めた
- 広告のアカウントを自社の名義で作り、管理者を2人以上にした
- 自分で始める場合、スマートモードか通常のキャンペーンかを決めた
Lapisデザインラボでは、広告アカウントを依頼する会社の名義で持ち、パスワードは預からず、渡された権限の範囲で運用を受けています。任せた場合の作業の中身と料金は広告運用代行に載せています。
よくある質問
Google 広告は、専門の知識がなくても自分で出せますか。
出せます。Google 広告には、ビジネスの情報、キーワードのテーマ、地域、予算を入れると、検索語の管理などを Google の AI が行うスマートモードのスマート アシスト キャンペーンがあります。ただし、細かい設定ができる範囲は通常のキャンペーンより狭く、広告が出る場所も検索結果だけでなく Google マップや YouTube などに広がります。
自分で運用する場合と、代理店に任せる場合の違いは何ですか。
自分で運用すると代理店の手数料はかかりませんが、検索語の確認、予算の見直し、広告文の手直し、審査への対応などの作業を社内でする必要があります。任せる場合は手数料がかかる代わりに作業の多くを頼めますが、商品の情報の提供、問い合わせの結果の共有、支払いと権限の管理は社内に残ります。
Google 広告の運用には、毎月どのくらいの手間がかかりますか。
扱う商品やサービスの数、検索語の数、広告費の規模で変わるため、決まった時間はありません。毎週の検索語と費用の確認、月に一度の予算と広告文の見直し、審査で止まった広告への対応、請求の確認が基本の作業です。始めの1〜2か月は設定の直しが多く、手間が増えやすい時期です。