広告運用代行の契約期間と解約|最低契約期間と違約金の見方

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広告運用代行(Google 広告や Yahoo!広告などの運用を代理店に任せること)の契約には、「最低3か月」「6か月契約」のような最低契約期間と、途中でやめるときの違約金が書かれていることがよくあります。広告は始めてみないと手応えが分からないものなので、合わなかったときに、いつ、いくらでやめられるかは、契約の前に知っておきたい点です。

この記事では、広告運用代行の契約期間と違約金の読み方を、期間の形、違約金の計算の基準、広告費の預け金の精算、アカウントの名義との関係の順に説明します。契約書に入れておく条項を表にまとめ、署名の前のチェックリストも付けました。代理店を実際に変えるときの手順は広告の代理店を変える手順で扱っています。

最低契約期間の形

広告運用代行の契約期間は、おおむね次の形に分かれます。

期間の形中身気をつけること
縛りなし・1か月ごと翌月からやめられる初期設定費が別にかかることが多い
最低3か月、以後は1か月ごと最初の3か月はやめられない3か月分の手数料と最低料金の合計で比べる
最低6か月、以後は1か月ごと最初の半年はやめられない初期設定費が無料の契約に多い
6か月や12か月ごとの自動更新連絡しない限り、同じ長さで延びる解約の連絡の期限を逃すと、また同じ期間続く

確かめるのは、何か月か、いつから数えるか(申し込みの日か、広告の配信を始めた日か)、期間の後にどうなるか、の3点です。「最低3か月」と聞いていても、配信の開始が遅れれば、終わりの月もずれます。

初期設定費と縛りの関係

広告の運用を始めるときには、アカウントの設計、検索語の選定、広告文の作成、計測の設定など、最初の作業がまとまってかかります。この費用を「初期設定費」として最初に払う契約と、無料にする代わりに最低契約期間で回収する契約があります。初期設定費が無料の契約ほど、期間の縛りと違約金を丁寧に読みます。手数料や最低料金の相場は広告運用代行の費用相場で説明しています。

違約金の計算の基準

広告運用代行の手数料は、多くの場合、広告費に率を掛けて決まります。そのため、途中でやめるときの違約金も、何を基準に計算するかで額が大きく変わります。

違約金の計算の基準例気をつけること
残りの期間の最低料金最低料金5万円 × 残り3か月広告費を減らしていても、最低料金で計算される
直近の月の手数料直近の手数料 × 残りの月数繁忙期の後にやめると高くなる
見積もりの広告費見積もりの広告費 × 率 × 残りの月数実際の広告費より多い見積もりで計算されることがある
決まった額手数料1か月分など期間のどこでやめても同じで分かりやすい
予告の期間のみ1か月前に連絡すればやめられる予告の期間の手数料は払う

数字は計算の例です。「違約金は残りの期間の手数料」とだけ書かれている場合は、その「手数料」を何で計算するのかを、署名の前に書面で確かめてください。手数料の率が内掛けか外掛けかでも額は変わります。

会社の契約に、消費者の法律は及ぶか

消費者契約法には、消費者が払う違約金のうち、平均的な損害を超える部分を無効にする決まりがあります。しかし、消費者庁の逐条解説では、この法律の「消費者」は、事業として、または事業のために契約する場合を除いた個人とされています。会社が広告の運用を頼む契約は、原則としてこの決まりの対象になりません。特定商取引法のクーリング・オフも、営業のために結んだ契約には原則として適用されません。

そのため、契約書に書かれた違約金の条項が、ほぼそのまま基準になります。会社の契約に消費者の法律が及ぶ範囲は、SEOの契約期間と解約でも説明しています。

広告費の預け金と精算

代理店によっては、広告費を前もって代理店に預け、代理店がそこから広告の会社に払う形をとります。この場合、やめるときに次の点が問題になります。

  • 預けた広告費のうち、使われなかった分は返ってくるか
  • 返すときの手数料や振込手数料は誰が持つか
  • 返すまでの期間はどのくらいか
  • 月末締めの請求の場合、やめる月の広告費と手数料はいつ払うか

広告費を自社のアカウントから広告の会社に直接払う形なら、預け金の精算は起きません。代理店がまとめて払う形の請求書の見え方はGoogle広告の支払い方法と請求書で説明しています。

名義と支払いの形が、やめやすさを決める

違約金と同じくらい、やめるときの手間を左右するのが、広告アカウントの名義と広告費の払い方です。

  • アカウントが代理店の名義の場合、やめるとアカウントごと使えなくなり、これまでの記録を持ち出せないことがあります
  • 代理店が請求書払いでまとめて払っている場合、Google 広告では、代理店のクライアントセンター(MCC。複数のアカウントを束ねる親アカウント)が毎月の請求書発行を使うことがあります。この形では、リンクを外す前に自社の支払いの方法を登録しないと、広告が止まることがあります
  • 自社の名義で、自社が直接払う場合は、代理店の権限を外すだけで済みます

2026年10月時点の Google 広告ヘルプでは、MCC とのリンクを解除できるのは、アカウントの「管理者」の権限を持つ人です。自社の誰かが管理者として残っていることを、契約の前に確かめておきます。名義の決め方は広告アカウントは誰の名義にするかで詳しく説明しています。

契約書に入れておく条項

広告運用代行の契約書(または発注書と利用規約)に、最低限入れておきたい条項です。

条項書いておくこと
契約期間と更新最低契約期間、数え始めの日、期間の後の更新の単位
解約の連絡期限(〇日前、前月末まで)と方法(書面、メール)
途中でやめるときのお金違約金の計算の基準と、上限
手数料と最低料金率、内掛けか外掛けか、最低料金、消費税の扱い
広告費の払い方自社が直接払うか、代理店がまとめて払うか。預け金の精算
アカウントの名義と権限自社の名義で作ること、代理店に渡す権限の範囲、終了時に外すこと
業務の範囲運用の作業、報告の頻度、広告文や画像の作成が含まれるか
作ったものの権利広告文、画像、ページを、やめた後も自社で使えるか
やめたときに渡す資料設定の一覧、検索語の一覧、過去の報告書

広告の運用を個人のフリーランス(従業員のいない個人)に頼む場合、自社が従業員を使っている会社なら、フリーランス・事業者間取引適正化等法(2024年11月1日施行)の決まりもかかります。公正取引委員会のリーフレット(令和8年1月改訂)では、6か月以上の委託を途中でやめたり更新しなかったりするときは、原則として30日前までに予告する必要があるとしています。

署名の前のチェックリスト

  • 最低契約期間の長さと、数え始めの日を確かめた
  • 期間の後が1か月ごとの更新になるかを確かめた
  • 違約金の計算の基準(最低料金・直近の手数料・見積もりの広告費)を書面で確かめた
  • 最低契約期間の手数料と最低料金の合計を計算した
  • 広告費を自社が直接払うか、預け金の精算の条件があるかを確かめた
  • 広告アカウントを自社の名義で作り、自社に管理者が残ることを確かめた
  • 広告文や画像を、やめた後も使えることを確かめた
  • 満了の日と解約の連絡の期限を、社内の予定表に入れた

Lapisデザインラボの月額サービスは、半年ごと、または1年ごとの期間でのご契約です。期間が終わると同じ長さで自動で更新し、期間の途中でも、解約したい日の2か月前までのご連絡で、違約金なしで解約できます。広告アカウントは依頼する会社の名義で持ち、広告費は自社のアカウントから直接払っていただく形です。くわしくは月額サービスの条件をご覧ください。

よくある質問

広告運用代行の最低契約期間は、どう読めばよいですか。

何か月か、いつから数えるか、期間の後に1か月ごとの更新になるのか同じ長さで自動更新されるのかの3点を確かめます。そのうえで、最低契約期間の手数料と最低料金の合計、途中でやめたときに払う額を計算して比べます。初期設定費が無料の契約は、その分を期間の縛りで回収していることがあります。

広告代理店を途中で解約すると、違約金はどう計算されますか。

契約書の定めによります。手数料が広告費の率で決まる契約では、違約金の基準が「直近の月の手数料」なのか「最低料金」なのか「見積もりの広告費」なのかで額が変わります。会社として結んだ契約には、消費者の違約金を抑える消費者契約法の決まりは原則として及ばないため、署名の前に計算の基準を確かめます。

広告運用代行の契約書には、何を書いておけばよいですか。

契約期間と更新、途中でやめるときのお金、手数料と最低料金の計算、広告費を誰がどう払うか、広告アカウントの名義と権限、作った広告文や画像の権利、やめたときに渡してもらう資料の7つは最低限書いておきます。とくにアカウントの名義と広告費の払い方は、解約のときの手間を大きく左右します。

参考にした資料

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