SEOの契約期間と解約|6か月・12か月の縛りの見方
SEO(検索で見つけてもらうための対策)の月額の契約には、「最低契約期間6か月」「12か月契約」のような縛りが付いていることがよくあります。縛りそのものは珍しくありませんが、同じ「6か月」でも、いつから数えるのか、期間の後はどうなるのか、途中でやめたら何を払うのかは、契約によって大きく違います。
この記事では、SEO の契約期間の縛りを読むときの見方を、期間の数え方、初期費用との関係、合計の支払い、途中でやめるときの違約金の形の順に説明します。会社として結ぶ契約に消費者のための法律がどこまで及ぶか、やめると決めたときの手順、署名の前に交渉できる点もまとめました。成果報酬の形の契約で気をつけることはSEOの成果報酬の契約で気をつけることで扱っています。
SEO の契約期間の形
SEO の月額の契約は、何を毎月するかによって、期間の組み方が変わります。よく見られる形を整理します。
| 契約の形 | 毎月の作業の例 | 期間の組み方の例 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 内部の改善と相談 | サイトの構造の直し、題名や見出しの見直し、月1回の打ち合わせ | 最低6か月、以後は1か月ごと | 最初の数か月の作業が終わった後、毎月何をするか |
| 記事の作成を含む | 月に決まった本数の記事を書いて納品 | 12か月で何本、のように本数で組む | 本数が届かなかった月の扱い |
| 調査と提案のみ | 検索語の調査、改善の提案書 | 3〜6か月の単位 | 提案を実行するのは誰か |
| 成果報酬 | 決めた語で順位が出た日に料金 | 最低期間が付くこともある | 成果の定義と最低期間の関係 |
どの形でも、まず「毎月、何が納品されるのか」を確かめます。納品物がはっきりしていれば、途中で「約束どおりか」を判断でき、やめるかどうかの判断もしやすくなります。
6か月・12か月の縛りの読み方
いつから数えるか
最低契約期間を、申し込みの日から数えるのか、作業を始めた日から数えるのか、最初の請求の月から数えるのかで、終わりの月が変わります。たとえば4月20日に申し込み、5月から作業を始める契約で「6か月」とあれば、9月末で終わるのか、10月末で終わるのかを書面で確かめます。
期間の後はどうなるか
期間が終わった後の扱いは、主に次の3つです。
- 1か月ごとの更新に変わる(前月末までの連絡でやめられる、など)
- 同じ長さで自動で更新される(12か月契約なら、また12か月続く)
- 期間の満了で終わり、続けるなら新しく契約する
2つ目の形では、解約の連絡の期限を過ぎると、さらに1年分の支払いが続きます。自動更新の注意点は、MEO の例ですがMEOの契約期間と解約で詳しく説明しています。
初期費用との関係
「初期費用0円」の契約では、最初の調査や改善の費用を、毎月の料金に分けて回収していることがあります。この場合、最低契約期間が長くなったり、途中でやめると「初期費用の残り」を請求されたりします。初期費用がある契約とない契約は、次のように合計で比べます。
| 契約のア | 契約のイ | |
|---|---|---|
| 初期費用 | 20万円 | 0円 |
| 月額 | 10万円 | 12万円 |
| 最低契約期間 | 6か月 | 12か月 |
| 最低契約期間の合計 | 80万円 | 144万円 |
| 6か月でやめた場合 | 80万円 | 72万円+違約金 |
数字は計算の例です。月額や初期費用の相場はSEO対策を頼むときの費用相場で説明しています。
途中でやめるときの違約金の形
最低契約期間の途中でやめるときのお金の決め方は、契約によって違います。
| 違約金の形 | 中身 | 払う額の考え方 |
|---|---|---|
| 残りの期間の全額 | 残りの月数 × 月額 | もっとも重い。12か月契約の3か月目なら9か月分 |
| 残りの期間の一部 | 残りの月額の半分など | 率がどこに掛かるかを確かめる |
| 決まった額 | 1か月分、2か月分など | 期間のどこでやめても同じ |
| 初期費用の残り | 分割して回収していた初期費用の残り | 初期費用0円の契約に多い |
| 違約金なし、予告のみ | 〇か月前までに連絡すればやめられる | 予告の期間の分は払う |
会社の契約に、消費者の法律は及ぶか
消費者契約法には、消費者が払う違約金のうち、事業者に生じる平均的な損害の額を超える部分を無効とする決まり(9条)があります。しかし、消費者庁の逐条解説によれば、この法律の「消費者」は、事業として、または事業のために契約する場合を除いた個人です。会社が自社の集客のために結ぶ SEO の契約は、原則としてこの決まりの対象になりません。
特定商取引法のクーリング・オフも、営業のために、または営業として結んだ契約には原則として適用されません(26条)。消費者庁の Q&A では、営業のためかどうかは、事業との関係などから総合的に判断するとしています。
つまり、会社の SEO の契約では、契約書に書かれた違約金の条項が、ほぼそのまま基準になります。額が重すぎると感じても、後から争うのは手間がかかります。署名の前に条項を読み、納得できない点は交渉しておくことが、もっとも確実な守り方です。「必ず上位に」のような強引な勧誘を受けて契約を迷っている場合は、署名を急がず、条件を書面で出してもらってから判断します。
やめると決めたときの手順
- 契約書を読み直す:最低契約期間の終わりの月、解約の連絡の期限と方法、途中でやめるときのお金
- 記録が残る方法で連絡する:書面やメールで、やめる日と、残りの支払いの確認を求める
- 納品物を受け取る:書いてもらった記事の原稿と画像、検索語の調査の資料、改善の計画書、毎月の報告書
- サイトに加えた変更の一覧をもらう:題名や見出し、サイトの構造など、業者が直した箇所
- 権限を外す:業者に渡したサイトの管理画面や各種の道具の権限を外し、パスワードを共有していたなら変える
- 最後の請求を確かめる:違約金を含めた額と、引き落としが止まったか
記事の著作権が自社に移る契約になっていれば、やめた後も記事を書き直して使い続けられます。記事の権利の決め方は記事の作成代行の契約で確かめることで説明しています。
相手が個人のフリーランスの場合
SEO を個人のフリーランス(従業員のいない個人)に頼んでいる場合は、発注する側の会社に、フリーランス・事業者間取引適正化等法(2024年11月1日施行)の決まりがかかることがあります。公正取引委員会のリーフレット(令和8年1月改訂)では、従業員を使っている発注者が、6か月以上の委託を途中でやめたり、更新しないことにしたりする場合は、原則として30日前までに予告し、相手から求められたら理由を示す必要がある、と説明しています。
署名の前に交渉できること
最低契約期間や違約金は、業者が決めた条件をそのまま受け入れるしかないものではありません。次のような点は、署名の前なら話し合える余地があります。
- 最初の契約を3か月などの短い期間にし、続けるかを決めてから延ばす
- 期間の後は、1年ごとではなく1か月ごとの更新にする
- 違約金を「残りの全額」ではなく、「1か月分」などの決まった額にする
- 約束した作業や記事が届かなかった月は、料金を下げるか、期間を延ばさない
- 担当者が変わったときや、作業の中身が変わったときに、期間の途中でも見直せるようにする
業者の側にも、最初の作業の費用を回収したい事情があります。初期費用を払う代わりに期間を短くする、のように、どこで釣り合いをとるかを話し合うのが現実的です。
契約の前のチェックリスト
- 毎月の納品物(作業、記事の本数、報告)が契約書に書かれている
- 最低契約期間を、いつから数えるかを確かめた
- 期間の後が1か月ごとの更新か、同じ長さの自動更新かを確かめた
- 最低契約期間の合計と、途中でやめたときに払う額を計算した
- 解約の連絡の期限と方法(書面・メール・フォーム)を確かめた
- やめた後に受け取れる記事と資料、記事の著作権の扱いを確かめた
- 渡す権限と、やめたときに外す手順を決めた
- 満了の日と解約の連絡の期限を、社内の予定表に入れた
SEO を頼む会社の選び方の全体はSEO会社の選び方で説明しています。Lapisデザインラボの月額サービスは、半年ごと、または1年ごとの期間でのご契約です。期間が終わると同じ長さで自動で更新し、期間の途中でも、解約したい日の2か月前までのご連絡で、違約金なしで解約できます。くわしくは月額サービスの条件をご覧ください。
よくある質問
SEO の契約を最低契約期間の途中でやめると、違約金はいくらになりますか。
法律で決まった額はなく、契約書の定めによります。残りの期間の月額をすべて払う形、一部を払う形、決まった額を払う形、初期費用の残りを払う形などがあります。会社として結んだ契約には、消費者が払う違約金を平均的な損害の額までに抑える消費者契約法の決まりは原則として及ばないため、署名の前に違約金の条項を確かめることが大切です。
6か月契約と12か月契約は、どちらを選べばよいですか。
月額だけでなく、最低契約期間の合計の支払いと、期間が終わった後の扱いで比べます。12か月契約は月額が安くても合計が大きくなり、合わなかったときに抜けにくくなります。初めて頼む会社なら、短い期間で始めて、約束した作業が続いているかを確かめてから延ばす方が、損を小さくできます。
SEO の契約は、クーリング・オフでやめられますか。
特定商取引法のクーリング・オフの規定は、営業のために、または営業として結んだ契約には原則として適用されません。消費者庁の Q&A では、営業のためかどうかは事業との関係などから総合的に判断するとしています。会社や店の集客のための SEO の契約は対象外になることが多いため、契約の前に条件を確かめておきます。