SEO会社を乗り換えるとき|記事・データの引き継ぎと解約の順番

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SEO の会社に何年か任せてきたものの、報告の中身が薄い、提案が毎月同じ、担当者が替わって話が通じない。そんな理由で、別の会社への乗り換えを考える会社は少なくありません。

乗り換えで失いやすいのは、お金よりもそれまでに積み上げたものです。書いてもらった記事、検索語の調査の資料、サイトに加えた変更の記録、アクセス解析の過去のデータ。これらは、解約の順番を間違えると受け取れなくなったり、扱いでもめたりします。

この記事では、SEO の会社を乗り換えるときに、記事と設定と資料を失わずに引き継ぐ順番をまとめます。契約書で先に確かめること、解約したときの記事の著作権の扱い、引き継ぐものの一覧、アカウントの権限の寄せ方、申し入れの文例、よくある失敗の順に説明します。

乗り換えの全体の順番

手順やることポイント
1契約書を読む解約の予告の期間、記事の権利、引き渡すものの定め
2引き継ぐものの一覧を作る記事・資料・設定・アカウントを洗い出す
3アカウントの権限を自社に寄せる解約を伝える前に、自社が最上位の権限を持っておく
4新しい会社を決める今の契約が続いている間に探す
5今の会社に解約と引き渡しを申し入れる書面かメールで、受け取りたいものを一覧で伝える
6受け取って確かめる一覧と突き合わせ、足りないものを頼む
7今の会社の権限を外す受け取りが済んでから
8新しい会社に渡す一覧と資料を渡し、続きの計画を立ててもらう

大事なのは、3 を 5 より先に済ませることです。解約を伝えた後は、協力を得にくくなることがあります。

手順1:契約書で確かめること

まず、今の契約書と見積書、申込書を出して、次の点を確かめます。

  • 契約期間と解約の予告:最低の契約期間、自動更新の有無、解約を何か月前までに伝えるか。読み方はSEOの契約期間と解約で説明しています
  • 記事の権利:納品された記事の著作権を、発注者に譲ると書かれているか
  • 引き渡すものの範囲:記事のほかに、調査の資料や報告書を渡すと書かれているか
  • 画像や素材の権利:記事に使った写真や図が、業者の契約した素材サービスのものではないか

解約したとき、記事の著作権はどうなるか

著作権法では、著作権はその全部または一部を譲ることができます(61条1項)。ただし、譲る契約の中で、翻訳や翻案(書き直しなど)をする権利が譲る対象として特に書かれていないと、それらは譲った側に残ったものと推定されます(61条2項)。また、著作者人格権(作者として、意に反する改変を受けない権利など)は、作者だけのもので譲ることができません(59条)。

このため、記事の扱いは、契約の書き方と、記事がどこに載っているかで分かれます。

状態解約後の扱いの目安解約の前にすること
自社のサイトに載っていて、著作権(翻案の権利を含む)を譲り受けている自社のものとして使い続け、書き直せる元の原稿と画像を受け取る
自社のサイトに載っているが、権利の定めが無い使い続けることや書き直すことで、話がこじれるおそれがある著作権を譲る合意を、書面で取り交わす
業者が管理するサイトやドメインに載っている解約とともに記事が消えることがある記事の受け取りと、自社サイトへ移す方法を取り決める

記事を自社のサイトへ移す場合、元のアドレスから新しいアドレスへ転送(301 のリダイレクト)をかけてもらえるかも相談します。Google 検索セントラルは、ページのアドレスを変えるときは、可能な限りサーバー側の恒久的な転送を使うようすすめています。ただし、元のサイトは業者の管理なので、転送を設定するかは業者との取り決め次第です。

これからの契約で同じことを避けるための書き方は、記事の作成代行の契約で確かめることにまとめています。

手順2:引き継ぐものの一覧

次の一覧を作り、今の会社から受け取るものに印を付けます。

種類受け取るもの
記事本文の原稿、使った画像の元のデータ、公開した記事の一覧(アドレス・公開日・ねらった検索語)
調査の資料検索語の調査、競合の分析、サイトの診断の結果
計画と記録改善の計画書、サイトに加えた変更の記録(題名や見出しの変更、構造化データ、転送の設定)
報告これまでの月次の報告書
サイトの中の仕組み業者が入れたプラグインやタグの一覧と、それぞれの目的
アカウントアクセス解析、検索の管理ツール、タグの管理の、権限と名義の状態

業者が自社の分析の道具の中に持っているデータは、解約すると見られなくなることがあります。必要なものは、表計算の形などで書き出してもらうよう頼みます。

手順3:アカウントの権限を自社に寄せる

解約を伝える前に、次の状態にしておきます。

  • アクセス解析(Google アナリティクス):自社の担当者が管理者になっているか。プロパティが業者のアカウントの中にある場合、別のアカウントへ移すには、移す元と移す先の両方で管理者の役割が要るため、業者の協力を得て移す
  • 検索の管理ツール(Search Console):自社の担当者が、自分で所有権の確認を済ませた所有者になっているか。業者の所有者を外すときは、業者が確認に使った印(確認用のファイルやタグ)もサイトから消す。消さないと、外した所有者が確認をやり直せる
  • タグの管理(Google タグ マネージャー):自社の担当者がアカウントの管理者になっているか
  • サイトの管理画面:業者のIDとは別に、自社の担当者が管理者として入れるか

自社が最上位の権限を持っていれば、解約の後に業者の権限を外すのも自社でできます。

手順4〜5:新しい会社を決めてから、申し入れる

新しい会社は、今の契約が続いている間に探します。引き継ぎの一覧を見せて、「この中で続けて使うもの、見直すもの」を最初の提案に入れてもらうと、乗り換えの後の空白が短くなります。

今の会社への申し入れは、書面かメールで、受け取りたいものを具体的に書きます。

〇〇株式会社 ご担当者様 いつもお世話になっております。契約書第◯条に基づき、◯年◯月末をもって SEO の業務委託契約を終了したく、ご連絡いたします。 終了にあたり、次のものを◯月◯日までにお渡しください。

  1. 納品済みの記事の原稿と画像の元データ、公開した記事の一覧
  2. 検索語の調査と、サイトの診断の資料
  3. サイトに加えた変更と、導入したプラグイン・タグの一覧
  4. これまでの月次の報告書 あわせて、各アカウントの御社の権限は、受け取りの確認後に当社で外します。

手順6〜8:受け取り、外し、渡す

受け取ったものは一覧と突き合わせ、足りないものがあれば契約の終わりまでに頼みます。受け取りが済んだら、業者の権限を外します。サイトの管理画面で業者のIDを削除するときは、そのIDで書かれた記事を別のユーザーに引き継ぐか消すかを選ぶ画面が出るので、必ず引き継ぐほうを選びます。

最後に、一覧と資料を新しい会社に渡し、続きの計画を立ててもらいます。

乗り換えでよくある失敗

  • 良くない例:解約を伝えてから、権限や資料のことを相談する

  • 良い例:自社が最上位の権限を持ち、受け取るものの一覧を作ってから申し入れる

  • 良くない例:業者が入れたプラグインを、何か分からないまま全部外す

  • 良い例:一覧を新しい会社に見てもらい、転送の設定などが消えないことを確かめてから外す

  • 良くない例:記事が業者のサイトに載っていることに、解約の後で気づく

  • 良い例:記事がどのドメインに載っているかを、手順1で確かめる

まとめ

  • 乗り換えの順番は、契約書の確認 → 一覧づくり → 権限を自社に寄せる → 新しい会社を決める → 申し入れ → 受け取り → 権限を外す → 引き渡し
  • 記事の扱いは、著作権の譲渡の定めと、記事が載っている場所で決まる。翻案の権利も含めて譲る定めがあると、後から書き直しやすい
  • 記事・資料・変更の記録・報告・アカウントを一覧にして、書面で受け取りを頼む
  • 解約を伝える前に、解析や検索の管理ツールの最上位の権限を自社に置く

次の会社の選び方はSEO会社の選び方で説明しています。Lapisデザインラボの月額の SEO の内容は月額のサービスにまとめています。ほかの会社が作ったサイトでも、内容を確認したうえでお引き受けします(当社で作っていないサイトの場合)。

よくある質問

SEOの会社を解約したら、書いてもらった記事は消さないといけませんか。

契約の定めによります。契約書に記事の著作権を発注者に譲ると書かれていれば、解約後も自社のものとして使い、直すこともできます。定めが無い場合や、記事が業者の管理するサイトに載っている場合は、解約の前に扱いを取り決めておきます。

新しいSEOの会社は、今の会社を解約してから探すべきですか。

先に探すほうが安全です。解約の申し入れから契約の終わりまでには予告の期間があることが多く、その間に新しい会社を決めて、引き継ぎのものを一緒に確かめてもらうと、作業の空白や受け取り漏れを防げます。

業者が入れたプラグインや設定は、解約後に外してよいですか。

外す前に、何のためのものかを確かめます。ページの転送(リダイレクト)や構造化データの設定などが含まれていると、外したときにページが開けなくなったり、設定が消えたりすることがあります。新しい会社に一覧を見てもらってから判断します。

参考にした資料

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