SEOの成果報酬の契約で気をつけること|狙う語と支払い条件
「成果が出なければ、費用はいただきません」。SEO の成果報酬の提案は、頼む側から見ると損のない話に聞こえます。成果に応じて払う形そのものは、筋の通った料金の形です。
ただし、SEO の成果報酬は、何を成果とするか、どうやって順位を上げるかによって、中身が大きく変わります。条件の決め方によっては、ほとんど価値のない語の順位に払い続けたり、サイトの評価を下げる手法を使われたりすることもあります。この記事では、成果報酬の SEO を契約する前に確かめることをまとめます。
成果報酬と固定の月額の違い
| 成果報酬 | 固定の月額 | |
|---|---|---|
| 払うとき | 決めた条件(順位、問い合わせの数など)を満たしたとき | 毎月決まった額 |
| 成果が出ないとき | 払わない、または少ない | 払う |
| 成果が出続けるとき | 払い続ける。額は大きくなりやすい | 変わらない |
| 業者が力を入れやすいところ | 条件の検索語の順位 | 調査、改善、記事など、契約した作業 |
発注先の比較サービスの PRONIアイミツは、SEO の多くは固定の月額で提供されていて、成果報酬の代表としては外部の対策が挙げられる、としています。そのうえで、成果報酬のデメリットとして、固定の月額より費用が高めになりやすいこと、長い目で見た本質的な対策が見過ごされるおそれがあることを挙げています。
1. 成果とする検索語
成果の条件になる検索語は、契約の中でいちばん大切な項目です。
| 検索語の例 | 成果としての価値 |
|---|---|
| 会社名、商品名 | 低い。もともと上位に出やすい |
| 誰もほとんど探さない長い語 | 低い。上位に出ても訪れる人がいない |
| お客様が実際に使う、仕事につながる語 | 高い。ただし競合も強い |
条件の語が会社名だけ、あるいはほとんど探されない語だけ、という契約では、業者は簡単に成果を出せますが、会社の売上にはつながりません。業者が出した語をそのまま受け入れず、お客様が実際に使う言葉を自社から出して、一緒に決めます。
2. 成果とする順位と、測り方
- 何位以内を成果とするか
- 日ごとに判定するか、月の平均で判定するか
- どの地域、どの端末での順位か
- 順位を測る道具と、判定の記録を自社の側が見られるか
検索の順位は、検索する場所や端末、時刻によって変わることがあります。判定の記録を業者だけが持ち、自社で確かめられない契約は、避けた方が安全です。
3. どうやって順位を上げるのか
成果報酬の業者は、成果が出なければ収入が無いため、早く順位を上げる手法を選びやすくなります。どんな手法を使うのかを、契約の前に必ず説明してもらいます。
Google のスパムに関するポリシーは、ランキングを上げることを目的としたリンクの売買を、リンクスパムの例として挙げています。業者が用意したサイトから大量のリンクを張る、お金を払ってリンクを載せてもらう、といった手法は、これに当たるおそれがあります。ポリシーに反すると、検索結果での扱いが悪くなり、成果の語だけでなく、サイト全体の訪問が減ることもあります。
Google の「SEO 業者の利用を検討する」のページでも、リンクを買うことをすすめる業者や、何をするのかを説明しない業者に注意するよう案内されています。「手法は社外秘です」と言われたら、契約しない方が安全です。
4. 月の上限と、成果報酬以外の料金
| 条件(計算の例) | 月の支払い |
|---|---|
| 1語あたり月5万円、条件の語が1つ | 最大5万円 |
| 同じ条件で、語が5つ | 最大25万円 |
条件の語の数が増えると、上限も増えます。月の支払いの上限を契約書に書いておきます。また、「成果報酬」とうたっていても、初期費用や月の基本料金が別にかかることがあるので、料金の欄を全部読みます。
5. 最低の契約期間と、やめた後のこと
成果報酬でも、最低の契約期間が決まっていることがあります。途中でやめるときの費用も確かめます。
とくに気をつけたいのが、契約をやめた後のことです。
- 業者が張ったリンクが外され、順位が落ちる
- 業者が作った記事やページの権利が業者にあり、消される
- 業者がサイトに入れた設定が、そのまま残る
やめた後に何が残り、何が消えるのかを、契約書に書いてもらいます。記事を業者が書く場合は、著作権を自社に譲ることも書いておきます。
成果報酬が合う場合、合わない場合
成果報酬の SEO が候補になるのは、次のような場合です。
- 狙う検索語が少なく、はっきりしている
- 条件の語が、仕事につながる語だと自社で判断できる
- 業者の手法を聞いて、Google のポリシーに反していないと確かめられた
- 順位の判定の記録を、自社でも見られる
反対に、次のような場合は、固定の月額で作業の中身を決めて頼む方が合っています。
- サイトの構成や文章を、全体として見直したい
- お客様の疑問に答える記事を、続けて増やしていきたい
- どんな検索語を狙うべきか、まだ決まっていない
- 検索からの訪問を、特定の語に頼らず、長い目で育てたい
成果報酬は、結果を買う契約です。サイトそのものを良くしていく作業は、成果の条件に入っていない限り、業者の仕事の範囲に入りません。何を買いたいのかを先に決めてから、料金の形を選びます。
固定の月額と比べる
成果報酬と固定の月額のどちらが得かは、条件と結果によって変わります。比べるときは、6か月や12か月の合計で、次の3つの場合を計算します。
- 成果がほとんど出なかった場合
- 半分くらいの期間で成果が出た場合
- ほぼずっと成果が出た場合
成果が出続けるほど、成果報酬の合計は固定の月額を上回りやすくなります。一方、固定の月額では、成果が出なくても払い続けます。どちらにしても、額だけでなく、何をしてもらえるかと合わせて比べます。費用の目安全体はSEO対策を頼むときの費用相場で説明しています。
問い合わせの数を成果とする形
順位ではなく、問い合わせや資料の請求の数を成果とする形もあります。会社の売上に近い数字なので、筋は通っていますが、次の点を決めておく必要があります。
- 何を1件と数えるか。営業の電話や、いたずらの問い合わせも数えるか
- 検索から来た問い合わせと、ほかの経路から来た問い合わせを、どう分けるか
- 数えるための設定を、誰がどこに入れるか
数え方で話がこじれやすいので、判定の方法を具体的に書いておきます。月ごとに、数えた問い合わせの一覧を受け取り、自社の記録と突き合わせられる形にしておくと、請求の額に納得しやすくなります。
契約書に書いてもらう項目
- 成果とする検索語(全部)と、順位の条件、判定の方法
- 順位を上げるために使う手法の説明
- 1語あたりの額、月の上限、成果報酬以外の料金
- 最低の契約期間、違約金、解約の連絡の期限
- やめた後に残るもの、消えるもの、記事の著作権
- サイトやアカウントに渡す権限と、終わったときに外すこと
業者の比べ方はSEO会社の選び方に、勧誘への注意は悪質なSEO業者の見分け方にまとめています。Lapisデザインラボの SEO の料金と作業の中身は運用・集客サポートに、成果の扱いと契約の条件は月額サービスの条件に載せています。
よくある質問
SEOの成果報酬は、どんな仕組みですか。
あらかじめ決めた検索語で、決めた順位(10位以内など)に入った日や月に料金が発生する形が一般的です。問い合わせの数を成果とする形もあります。成果が出なければ料金がかからない一方、条件を満たし続けるかぎり支払いが続きます。
SEOの成果報酬のデメリットは何ですか。
発注先の比較サービスの PRONIアイミツは、固定の月額と比べて費用が高めになりやすいこと、長い目で見た本質的な対策が見過ごされるおそれがあることを挙げています。成果報酬の代表として外部の対策(リンクを増やす作業)が挙げられることもあり、その手法が Google のポリシーに反していないかを確かめる必要があります。
SEOは、成果報酬と固定の月額のどちらを選べばよいですか。
サイトの改善や記事づくりを続けて任せたいなら固定の月額、ごく限られた検索語で結果だけを買いたいなら成果報酬が候補になります。成果報酬を選ぶ場合は、成果の条件、手法、月の上限、契約をやめた後の扱いを、契約書で必ず確かめてください。